黒翼の赤龍帝   作:挫梛道

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前回に引き続き、イリナ ゼノヴィアが、散々な目に遭います。
2人のファンは、引き返して下さい。
 



新たなる乱入者!

「普段なら犯った後に殺ってぇ、ついでに その後、も1回犯っちまう処だが、アーシアたん貶めたテメー等にゃ んな価値すら既に無ぇ!!

ただ…ブッコロするだけだ!

ついでにアーシアたんと殆ど毎晩ΧΧΧΧしてる、アイザッきゅんも死ね!」

『何故、そうなる?』

 

◆◆◆

ぽくぽくぽくぽく ちーん…

南無南無南無南無…

あ、どうも。

はぐれ悪魔祓いの茂部園市です。

あ、そこの貴方!決して『モブ・その①』じゃあないですよ!!

いやはや、それにしても あの2人、正しく『やっちまったなぁ!!』に なってしまいました。

旦那さんである隊長は勿論、フリード君もアーシアさんの大ファンですからねぇ。

その2人の前で、あの発言は無いですわ。

もう死亡確定ですね、はい。

 

「…チィ、俺達の前じゃ あんな面は見せた事が無いから忘れていたが、アイツは"グリゴリの嗤う黒仮面"…だったんだよな…」

私の隣、匙氏も戦慄した面持ちで、隊長の その異名が敵対勢力(及び他神話)に知れ渡った由縁、その戦闘時の情け容赦無さっ振りを初めて目の当たりにして、目の前、教会の使徒を圧倒している人物が、"あの・アイザック"だと、改めて認識しているみたいです。

 

▼▼▼

 

ザッ…

 

「ぁ…ぁぁあ…」「ひぃいっ!?」

 

ガクガクガクガクガクガクガク…

 

此の場に現れた時の威勢は何処へやら、己の迂闊な発言により、誅罰者と化した2人の男の歩みを前にして、此処に来て漸く力量差を理解したのか、教会からの遣いの少女2人は恐怖で身体を震わせていた。

鼻を破壊され、其処からの多量の流血を抑えるだけな(他にも肋骨を数本、折られ抜き取られているが)ゼノヴィアは兎も角、右腕を斬り落とされ、更に夥しい出血のイリナは、既に意識の半分近くを失っている状態にも拘わらず…である。

それは恐怖。

既に頼みの武器も破壊され、目の前に迫る"死"を自覚する2人。

実はゼノヴィアには もう1つ、切り札が有るには在るのだが、それを取り出す余裕も無く。

教会に…神に仕える身とすれば禁ずる行為なのだが、仮に目の前の男達が、命の代償に己の肉体を求めてきたならば、喜んで その身を差し出しただろう。

しかし、先のフリードの台詞からしても、この男達に それが通じる事は無く。

 

『心配しなくて良い。

俺は、嬲る趣味は持ってない。』

「「…!!」」

一見それは、慈悲の言葉に聞こえるが、つまりは一思いに殺るという意味。

 

『…フリード。』

「はいは~ぃ♪」

 

サッ…

 

名を呼ばれただけで察したフリードが、手にしていたエクスカリバーをイッセーに渡す。

 

『覚悟は良いな?

お前達も、"奪い"返しに来たエクスカリバーで殺されるなら、本望だろう?』

「「ぁ…ひ…??!」」

神器こそ発動させてないが、イッセーの体内から迸る、"怒れるドラゴン"の殺気を間近で浴びせられ、硬直する2人の少女。

勿論、エクスカリバーで斬られるならば本望である筈も無く、それは聖剣を夜空に向けて高く掲げている黒仮面の男も承知している上での、皮肉を込めた発言である。

 

≫≫≫

「あ…アザゼル…殿!

貴方なら あの人を、止められるのでは ないのですか?」

目の前の死刑執行場面に、如何に敵対している者としても、同じ女として何か思う事が有ったのか、生徒会の1人の少女が、未だ傍に居た堕天使の総督にイッセーの制止を呼び掛けるが、

「いや、そっりゃ~無理な話だ。

奴等、嫁loveなアイツにとっての禁忌に触れやがったからな。

仮に俺が此処で、組織トップとしての強権を持ち出そうとするなら、やれ『パワハラ』だの やれ『ブラック』だのって、逆に あのヤローに訴えられちまう。」

「よ…嫁love…」「ブラック…」

「ま、そんな訳だ。

そいつぁ御免蒙りたいね。」

アザゼルは彼女の期待には応じられないと、それを一蹴。

 

▼▼▼

『…死ね。天界の犬g

『それ…ちょっとだけ、待って貰えないかな?』

『!!?』

「「「「「「「「??!」」」」」」」」

アザゼルと生徒会女子が そんな遣り取りをしている中、せめてもの慈悲とばかり、とりあえずは大量出血で苦しむイリナの首筋目掛け、イッセーが聖なる刃を振り落とさんとした時、それを止める声が天空より渡る。

 

ぴた…

 

その声に反応して、刃を止めるイッセー。

イッセーだけでなく、その場の全員が、少し離れた場所で、成り行きを見守っていた魔王達も、戸惑いの顔を覗かせていた。

 

『ちぃ…今頃かよ…

今迄黙りだったなら、最後迄それに徹してろ!

俺達に何か用が有るなら、さっさと降りて来い!!』

『え?もしかしてキミ、僕に気付いていたの?

ふぅん…流石…だね。』

 

スゥ…

 

そして舌打ち混じりに、夜空に、その声の主に向けて声を張り上げると、それに応える様に、その者は上空から静かに舞い降りた。

 

『貴様…何者だ?』

『ふふふ…僕はね…』

空から降りたのは、白と鏡の如くな銀を基調に、紅のラインが刻まれた全身鎧を纏った男。

前方に長く出た庇の先端には剣の様な角が、頭頂に戦斧を連想させる飾りが附いている兜は、顔の部分も仮面(フルフェイス)で覆われている。

 

タタタッ…

 

「な…お前は…まさか…?!」

『総督?』

その、イッセーの眼前に降り立った男の下に、アザゼルが駆け付ける。

 

『やっほーアザゼルちゃん、久し振り~♪

流石はアザゼルちゃん、僕の正体に気付いた?

でも、今此の場で其れを喋るのは…』

「応…解ってるよ…

お前は…お前さんという存在を、この場に居る連中が知るのは、まだ早過ぎる。」

独特な…軽い口調で話す この男に、アザゼルだけは その素性を知っている様だったが、本人の申し出も有ってもか、敢えて それを語ろうとせず。

 

「…で、何の用だ?」

『天照さんにね、其方の天界の遣いさん、どっちでも良いから1人、連れて帰る様に頼まれたんだ。』

「な…何でオメーが、アマテラスに?!」

『え?アザゼルちゃん知らなかった?

実は僕って今、天照さんが個人的に率いている、【幻影鬼師団】の団長さんなんだよ!いやん♪』

「は…はああああああああぁ~っ!!?」

日本神話、その最高神である天照大神が率いる高天原の神兵。

それとは別に、その存在自体が不確定とされていた、天照の私設兵団の団長が目の前の男と知り、アザゼルは この数世紀で最大の驚きの声を荒げた。

既に深夜2時を過ぎた時間帯、結界が張られていなかったら、とんだ近所迷惑である。

 

「おおお、オメー、アマテラスの下に降ったのか?」

『ん。少し前に、天照さんとの勝負に負けちゃってね。

それで、彼女の下に就いたんだ。

そんな訳でアザゼルちゃん、このエクソシストの どちらか1人で良いから、高天原に連れて行きたいんだけど…

今は、"アイザック"ちゃんって呼べば良いのかな?

キミから彼に、話してくれないかな?』

「ちぃ…コイツの正体も、お見通しかよ…

あー、分ーったよ!

…っちゅー訳だが、アイザック?」

『…コイツ等を…どうする心算なのですか?』

髪をポリポリと掻き上げ、やれやれな表情を浮かべたアザゼルが、アイザック…イッセーに話を振ると、イッセーは連れ帰った者の処遇を尋ねる。

 

『ん~、実は、天照さんも天界の天使(ひと)達に、少し物申したい事が有るらしくてね、このコ達に その言伝を頼みたいらしいんだ。』

『…了解です。

好きにしたら良いですよ。

俺達も、日本神話と事を構える心算は無いですからね。

どちらでも勝手に連れて行って下さい。

…で、良いんですよね、総督?

フリードも、それで良いな?』

「ん~、日本神話さんからの お願いなら、しゃーないっすよねぇ…」

如何に愛する者、或いは敬愛する者を貶めた輩として、その命を以て断罪させようとしていたが、後々にはグリゴリとして、同盟を結ぶ予定である勢力の遣いの申し出、その引き渡し要求を断るという選択肢は無く、イッセーとフリードは、その殺意を引っ込める。

 

『…但し!!』

 

斬!斬斬斬!!

 

「きゃあぁああぁぁっ!?」

「いやぁぁぁぁああっ?!」

但し、抑えたのは"殺"意のみ。

イッセーが繰り出したエクスカリバーの斬撃は、先ずは額から臍の辺り迄縦一直線、そして眼の下、鼻の中心辺りの軌道の横一文字に放たれ、()()()()()()()()が、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()を、2人の罪人の躰に刻み込むのだった。

 

◆◆◆

おぅ、アザゼルだ。

まさか『コイツ』が、アマテラスの配下になっていたのは驚きだ。

余り世に知られてないマイナーな存在ってだけで、実は あの無限や夢幻に匹敵するコイツを、どんな裏技を使ったかは知らんが打ち負かすなんて、あの女も、やっぱりチートだぜ。

それで、今はアマテラスの【幻影鬼師団】の団長を自称する、このレッd…

 

「…おい お前、どうせ今は別に呼び名が有るんだろ?

何て呼べば良い?」

『あー、ごめんごめん。

そう言えば、名乗ってなかったね。

今の僕の名前は末藏。

天照さんから、紅末藏(くれないすえぞう)って名前を貰ったんだ。

結構、気に入ってるんだぜ?』

「応…。それじゃ紅。

アイザックも言ってたし、どちらでも好きな方、連れて行けや。」

『ん…どちらかと言えば、下の名前で呼んでくれたら嬉しいかな…』

 

≫≫≫

『それじゃ…』

 

ポワァ…

 

「???」

この紅が高天原への連行に選んだのは、茶髪のツインテールだった…今はサイドボニーの小娘だ。

右手を赤く光らせると、腕を斬り落とされ、派手に出血している肩口と十字の疵を、アーシアの神器を発動させた様な、治癒?の力で癒やし…その気になれば、斬られた腕や疵痕も元通りに出来るだろうが、其処はイッセーに気を使ったのか、元から其処迄 気が利かない性格なのか…

多分、後者だな。

ついでにイッセーに鼻を潰され、十字の斬撃を受けた もう1人の蒼髪小娘の方も、その出血"だけ"は止めてやると、

「きゃあ?」

まるで荷物を抱えるかの様に、茶髪娘を肩に担ぎ上げる。

 

『それじゃあアザゼルちゃん、アイザックちゃん、それと、グリゴリの皆さん、また今度?…みたいな。』

そして鎧のオプション…でなく、恐らくは自前の"龍翼"を背中に広げると、

 

ヒュン…!!

 

天高く飛び立ち、夜空に吸い込まれる様に、その姿を消し去って行った。

 

 

『(おい、【閃光と暗黒の(ブレイザーー・シャイニング・)龍絶剣(オア・ダークネス・ブレード)】…

「(だーっ?! だ・か・ら、その名前で呼ぶなっつってんだろーが!!)」

そしてイッセーの神器に宿る赤き龍の帝、ドライグが、俺に"念話"で話し掛けてきたのは、その直後だった。

 




 
紅の容姿は…今回は素顔を見せた訳ではないので、また今度…みたいな。
但し!勘の鋭い人は、気付いたかも?
因みに鎧の外観イメージも、解る人は分かった筈(笑)
 
Next:『真・エクスカリバー』(仮)
感想宜しくです。
 
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