Here We Go!!
「スカアハ殿…それは、一体…?」
「うむ…」
◆◆◆
はぁ~ぃ♪ジャンヌで~す♪
私は今、バラキエル様の付き人として、ケルトの本拠地に来ています。
昨日というか今日の深夜、バラバラになっていたエクスカリバーを統合した『真・エクスカリバー
…ですが、ケルト神話の主神である女神のスカアハさんは、渡された合体エクスカリバーを見て嬉しそうに微笑むも、現状に続く説明、7本目の聖剣との統合には、「待った」を掛けてきました。
…それにしても、この6本合体のエクスカリバー、何と素晴らしい業物なのでしょう!
単純に剣としても そうですが、内側に宿す聖なる力の強力さ!
それに比べたら、私が神器
はっきり言って、"自称・聖剣・
正直な話、思いっきり凹みましたよ!
…尤も、実際に"本物"に触れ、感銘を受けたのも事実。
自身の内側で、何かが開花した感覚を得たので、試しに神器を発動、かなりマジガチな聖剣を創ってみたら、このエクスカリバーには及ばぬも、今迄の聖剣とは桁違いにスペックの高い剣を作り出せてしまいました。
一度"お手本"を見ただけで、こんなに変わってしまうのですね。
レオナルド君の
「このエクスカリバーは既に、"刀剣"としては、嘗ての
レプリカとは云え、この"鞘"も合わさり、尚更の事だ。」
スカアハさんの言う"鞘"と云うのは、今回のエクスカリバー計画とでも呼びますか、それを実行が決まった時から、堕天使総督のアザゼル様が並行して、私設の研究所で作っていた人工神器的な物。
伝承に在る、かなりハイパーな機能が備わった鞘らしいです。
「しかし この剣、まだ自我は持っておらぬ様だな。」
「「自我?」」
ついつい、バラキエル様とハモってしまいましたが、自我…ですか。
もしかしたらデルフリン〇ーみたいに喋ったりするのですかね? この聖剣ちゃん。
「6本での統合だったからか、はたまた残された7本目の"支配のエクスカリバー"とやらが、"自我"の部分を司っていたか…ふむ…」
兎に角このスカアハさん、私達が持ってきた聖剣を手にして、何やら複雑そうな顔で、呟いています。
「…スカアハ殿?」
「…! あ、す、すまぬ。」
遂に私達をそっちのけ、完全に自分の世界に入り込んでいたスカアハさん。
バラキエル様が話し掛けて、漸く我に帰ったスカアハさんが、話を続けました。
≫≫≫
「それ程…なのですか。」
「うむ。一言で言えば、ウザい…の一語に尽きるのだ。」
スカアハさんの説明が終わりました。
この合体エクスカリバーは、バラバラだった時の破壊力特化とかスピード特化に透明化等々…
…透明化は面白い能力でした。
イッセー様が お風呂に入る時、少し驚かそうとアーシアちゃんと一緒に、この透明機能を使い、先に浴室にて待機していたのです。
…が、湯船の中に お湯の無い空間が人の形で2人分程空いていて、結局はバレバレでしたが。
そんな話を聞いて、フリード君や茂部さんが、「ちょっと銭湯行ってくる」と、聖剣を持ち出して外出しようとした時は、女の子全員での物理的取り抑えで阻止しました。
えっちいのは赦しませんよ!イッセー様以外!!
閑話休題パート2。
…兎に角そんな、オモシロ機能は確かに喪われてしまいましたが、剣としての強さ鋭さ、そして破邪や破魔の能力は、格段に向上。
バラバラの時には備えられていなかった、堕天使の人達の光術を刀身にチャージして、さらにエビル・スレイヤーとしてパワーアップさせる事も可能に。
「光よぉっ!!」って感じに、光の刃が延びるのでしょうか。
先程も彼女が仰られていましたが、"武具"としてのエクスカリバーは、完璧に復活しているとか。
これに"7本目"を加える事により、恐らくは聖剣の"自我"も目覚め、正しくエクスカリバー完全復活!…となるらしいですが、それは勧めない。…との事。
兎に角ウザいらしいのです。
余程、お喋りな聖剣ちゃんなのでしょうね。
もしかしたら、茂部さんみたいにセクハラ発言連発するのでしょうか?
そうだとしたら、イッセー様が速攻で へし折るのでしょうが。
「そのエクスカリバーは同盟の証として、改めて このスカアハの名の下、グリゴリに寄贈しよう。
但し、先程も申したが、完全再現は勧めぬぞ?」
◆◆◆
…バラキエルだ。
う~む…これは少し、厄介な事になったぞ。
エクスカリバーを正式にケルト神話から譲渡された事については、何の問題も無い。
問題は、"7本目の統合は、控えた方が良い"と云う事だ。
スカアハ殿から言われた この言葉を、素直にアザゼル達に話すべきか…
いや、駄目だ。
アザゼル、サハリエル、そしてマユリエル。
あのグリゴリ屈指の変人3人に、「ウザいらしいから止めとけ」と言った処で、奴等は逆に面白がって、尚更 合体の方向に走るに決まっている。
しかも、今回の儀式からしても判るが、奴等は行程と結果を楽しむのであって、基本、その後は放置だ。
正直、最終的には俺かシェムハザに そのウザい聖剣とやらを押し付ける光景が、脳裏に鮮明に浮かんでしまう。
とりあえずはシェムハザにだけは事情を話し、配下の諜報部隊を使った捜索を取り止めて貰うとしよう。
▼▼▼
「全く…貴女という人は…」
「………………………………………。」
数日後の、深夜の駒王町。
ショッピングモールの屋上、人払いの結界が張られた結界の中、シスターの衣を纏った若い女性が、白いローブ、それに付いているフードを目深に被り、顔を隠しているかの様な少女に延々と小言を述べていた。
フードの少女はゼノヴィア。
シスター服の女性は、彼女の教会での先輩に当たる人物だ。
「どんな経緯が有ったかは知りませんが、結局は任務も遂行出来ずに…(中略)…挙げ句、堕天使に情けを掛けられて…」
約1週間前、ゼノヴィアとイリナが
「連絡を受けた先の学舎に行ってみても、其処には誰も居らぬし…」
「し、仕方が無いんだ!
私だって、あの建物の中で救助が来る迄ずっと やり過ごす心算だったのだが、いきなり警察が押し寄せて来て…
スマホも、充電器なんかはホテルに置いていて、最後にはバッテリー切れで連絡も取れなかったんだs
「言い訳は聞きたくありません!!」
「ぅうっ…!」
本当に苦手としているのか、必死な言い訳を途中で一断されて、その後は何も話せなくなるゼノヴィア。
どん!
「こ…これは…」
そして目の前に出されたのは、彼女達が宿泊していたホテルに置いてあった、着替え等の荷物一式。
「えぇ…苦労しましたよ?
全てを正直に話す訳にも往かず、多少の誤魔化し込みで貴女の関係者を名乗ってホテルのスタッフさんに話を伺ってみたら、既に警察に、2人の荷物は証拠品として押収されていましたからね。
更に!それでもチェックアウト自体は済んでおらず、その場で10日分の宿泊代を請求されました。
ですから、仕方無く払いましたよ!
えぇ、この私が!!」
「め…面目も御座いません、シスター・グリゼルダ…。」
そして更なる追撃の言葉。
シスター・グリゼルダなる女性の前に、完全に縮こまるゼノヴィア。
内心は このグリゼルダも、妹の様な少女が女としては致命的な疵を顔に負わされ、慰めの一言でも掛けたいのだが、任務に於ける失態、その内容が余りにも酷過ぎていた。
「兎に角 一度、帰還しますよ。」
「え?し、しかし、イリナもだが私は、今は この国では手配中の身だ。
飛行機も船も、そう易々と乗れないぞ?」
そして「帰る」の一言。
しかしゼノヴィアは、己の現状から、それは難しいと言うが、
「心配は要りません。
其れ等を踏まえて、
ばさぁ…
「は…はぁああっ?!」
そう言うとグリゼルダは、背中から1対2枚の、純白の翼を広げ出す。
これにはゼノヴィアも驚愕。
「な・な・な…?」
「
とりあえずはゼノヴィア、貴女には戻った後、司祭枢機卿からOHANASHIがあるそうです。
心しておきなさい。」
ヴォオン…
「す…ストラーダ猊下から…だと?
い、嫌だ!
それだけは絶対に嫌だぁあああ~っ!!!?」
翼に驚くゼノヴィアをスルーして、グリゼルダは転移の魔法陣を展開。
話に出た司祭枢機卿とやらは彼女以上に苦手とする人物なのか、ゼノヴィアの魂からの大絶叫が、周囲に木霊した。
▼▼▼
『ヴァカめ!私の完全復活は、無しにするだと?
ヴァカめ!あの浮遊正座女神に多少言われたからと言って、この至高なる存在である この私と邂逅する機会を逃そうとするとは…(中略)…な事は、"守って貰いたい1000の項目その571"にも きちんと記されているではないか!ヴァカめ!!』
「ぬぅおぉぉおぉおおおぉぇあっ!??」
「あ、あなたぁ?」
真夜中に、大きな呻き声と共に目を覚ましたのはバラキエル。
その音量に、傍で寝ていた彼の妻である朱璃も、驚いて目を覚ました。
「い…いゃ、すまない。
訳の解らない夢を見てしまって、な…」
「はぁ…?」
アイルランドから戻って1週間。
その夜、
単なる夢なら深く考える必要も無いが、その内容をはっきりと覚えているとなれば、嫌でも多少は気に掛かる。
『私の完全復活』『浮遊正座女神』の言葉からして、もしかすればエクスカリバーに関わる事…あの謎生物こそが、エクスカリバーの"自我"であると推測。
「うぜぇ…」
既にシェムハザにだけは、スカアハからの助言を伝え、彼の諜報部隊には聖剣捜索を打ち切らせている。
…が、仮に今後、マユリエル配下の研究員が最後のエクスカリバーを発見したとしても、その合体だけは全力で阻止すると、そう心に誓うバラキエルだった。
①女神スカアハのイメージは、女神転生シリーズで
②警察に押収されたゼノヴィアとイリナの荷物は、グリゼルダさんが転移魔法で警察署の証拠品保管室に侵入した上で失敬されました(犯罪)
③え?子〇カリバー? いや、再登場の予定は無いですよ?…多分
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