黒翼の赤龍帝   作:挫梛道

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あの男が再び登場!
そして…
 


高天原②(仮)

◆◆◆

初めましてかの?

八坂じゃ。

 

「く…!」「ぐぉ…?!」

だーりん達グリゴリの衆を天照との会談にと、高天原は天照の居城である浮遊神殿…フロート・テンプルに連れてきた。

その入城手続きをしている時、後方から やってきたのは、やはり会談に出席するのであろう、日本地獄の閻魔大王と、その補佐官である鬼灯殿。

…は良いのじゃが、この鬼灯殿がコカビエル殿と対峙したかと思えば どちらともなく拳を繰り出し、解り易く言えばクロス・カウンター失敗…とでも言うかの?

両者の拳が互いの顔面を捕らえるが、意地なのか、足を大きく開き、ダウンせずに踏ん張り、 

「「…………………!!」」

その後も2人して、膝をガックンガックン震わせながら睨み合っている。

 

「し…師匠?」「ほほほ…鬼灯君?」

そして だーりんと閻魔殿も、この いきなりのバトル場面に何が起きているのか理解が着いて逝かず?…あたふたしておるわ。

 

◆◆◆

イッセーです!

何故だか知らないが、いきなり殴り合った師匠と鬼灯さん!

 

「ちぃ…、いきなり堕天使(ひと)の顔を殴り掛かるたぁ、相変わらず()なヤローだ…ぜ…」

「お…お互い様で…す…!」

その後の会話からして、知り合いみたいですが…?

 

「はぁ~、やれやれだな…」

 

≫≫≫

「…な訳だ。」

「「「「………………………。」」」」

アザゼル総督曰く大昔、例の大戦が一時的に中断となった頃、1人の神器遣いだった日本人の処遇を巡り、グリゴリと日本地獄が少し揉め、その時に師匠と鬼灯さんが かーなーり、派手に戦り合った…そうだ。

 

「…それで、最終的に その神器遣いについては、こっちの閻魔と俺が、何とか平和的に話し合い、カタは着いたんだけどな…」

「はい。…しかし鬼灯君とコカビエルさんは、その神器遣い云々の件は関係無く、互いに決着が着いてないのが納得逝かなくて…ですね…」

「…で、会う度に、ですか。」

「ん。でも2人共、金棒や光の槍は使わないから、本気で殺る気は無いと、思いたいんだよね。」

総督や師匠が、鬼灯さんや日本地獄と面識が有ったのは、それなんですね。

…てゆうか この閻魔大王様。

確かに体のサイズとか、着物とか()()とか…確かに ()()()()()()()だから、もしかして?…って思ったけど…

顔付きが優しいってゆうか穏やかってゆうか、寧ろ凄く気が弱そう?…で、とてもじゃないけど閻魔様には見えません。

 

「おいコカビー、今日は もう良いだろ?」

「これから同盟結ぶ側の人と、喧嘩してどうするんですか?」

「ほ…ほら、鬼灯君も…落ち着いて…ね?」

「「…………………………。」」

アザゼル総督にシェムハザ副総督、そして閻魔様が間に入り、2人を宥めると、

 

 ( ̄へ ̄井)))  (((# ̄З ̄)

「「…ふーーーーーーんっ!!」」

あらら…両者不機嫌顔で、ぷぃって互いに そっぽを向けましたよ。

子供ですか?

 

カクカクカクカク…x2

 

「ちぃ…運の良いヤツめ…まあ良いだろう。

今日の処は、アザゼル達に免じて、これで勘弁してやろう。」

「それは此方の台詞です。命拾いしましたね?」

でも2人共、最初の相討ちて膝カクカク、完っ全に足にキてますからねー。

内心、止めて貰えてラッキーと思ってるんじゃないですか?

 

「てゆうか2人、実は仲良いでしょ?」

「「不山戯るな、イッセー!」

     ないで下さい、兵藤さん!」

 

▼▼▼

「痛ゥ…」

神殿に入った後、閻魔大王達と別れ、従者(スタッフ)に案内されて控えの間に入ったグリゴリの面々。

 

「派手に腫れたな~? ちょっと突っ衝いて良いか?」

「…触ったら殺す。」

豪華なソファーに座り、ぷっくらと腫れた右の頬を、氷嚢を当てて冷やしているのはコカビエル。

その様子を、面白そうに弄っているのはアザゼルである。

 

「「「「「…………………。」」」」」

そしてイッセー達 他の面々は、何かを話すで無く、静かに座っている。

 

コンコン…

 

「「「「「「「??」」」」」」」

そんな時、扉がノックされた。

 

「…? どうぞ。」

 

カチャ…

 

『失礼しま~す。』

そしてシェムハザの返事に、扉を開けて入ってきたのは、

『やぁ、アザゼルちゃんにアイザックちゃ…あ、今は もう、イッセーちゃんって呼んだ方が良いのかな?

久し振り~♪』

「げ…」

「その声…お前、もしかして…」

イッセーと そう年代の変わらない、黒髪黒眼、黒の学生服を着た少年だった。

 

◆◆◆

黒歌だにゃ~。

ノックして入ってきたのは、学生服姿の男の子。

でも、その彼を見て、アザゼル総督と御主人様が、凄く嫌そうな顔をした。

…ん。何となく分かるにゃ。

完全にじゃないけど、殆ど(ハイライト)が消えた様な瞳に、盗って憑けた造り物みたいな薄っぺらな笑顔。

何よりも、上手く言い表せないけど…別に発音とか声が可笑しい訳でも無いのに、兎に角 違和感が有る その口調(しゃべりかた)

一言で言えば…不気味?

 

「「……………………。」」

白音と朱乃も同じく そう感じたのか、どん引きを隠しきれない、微妙な顔付きをしてる。

…って、(ひと)を盾にする様に、後ろに隠れたりしにゃい!!

 

「お前、あの時の紅…だな?」

『ん~、イッセーちゃん、出来れば僕の事は"末藏"って、下の名前で読んでくれたら嬉しいかな?』

 

◆◆◆

「…で、何しに来たんだ?」

『大富豪?』

「…じゃ、ねーだろ!?」

どうも、イッセーです。

天照大神との対面前、控えの間を訪ねてきたのは、あの聖剣騒動の時に少し、その場に姿を見せた天照様の私兵、幻影鬼師団の団長(リーダー)を名乗る、紅末臧(くれないすえぞう)だった。

あの時は全身鎧の格好だったから、素顔を見るのは初めてだがコイツ…

その強さ以上に喋り方も そうだが、身体全体から感じさせる、何とも表現し辛い異様な雰囲気に、警戒を解く事が出来ない。

 

『いや、皆が天照さんに会いに来たって聞いたから、遊びに…じゃなくて、挨拶に、ね。』

「実際に大富豪(トランプ)で遊んでますけど。」

そう、そう言いながらも今は、俺、朱乃ちゃん白音ちゃん、そして紅の4人でトランプ…大富豪をしているんだけどね。

尚 黒歌は、大富豪のルールを今一 知らないので、今は見学だ。

 

『よし、4の革命d

「悪い、革命返しだ。」

『えぇ!? そ、そんな…非道いよイッセーちゃん!

今度こそは、僕が一番だと思ってたのに!』

「ふはははは! 勝負ってのは非情なんだよ!」

因みに何回かのプレイで皆が勝ったり負けたりしてる中、紅は ぶっちぎりの毎回最下位(びりっけつ)だ。

 

ZRRRR…

 

「「「「??」」」」

そんな中、何処とも無く、黒電話みたいなベルの音が。

 

『あっ、ごめん、僕だ。』

それは紅の携帯(ガラケー)だった。

 

『もしもし、僕だよ。

どうしたの、マスタツちゃん?

……………………………………………。

ん…、分かった。…それじゃあ。』

 

pi…

 

「何か有ったのか?」

『そろそろ時間だから、皆さんを天照さんの所に案内しろってさ。』

…らしい。

そんな訳で、トランプ大会は終了。

俺達グリゴリ御一行様は、天照大神との会談の間に向かう事に。

 

『また勝てなかった。』

 

≫≫≫

 

ドッゴォォォオンッ!!!!

 

「「「「「「「!!?」」」」」」」

紅を先頭にして長い回廊を歩いている途中、何の前触れも無しに、凄まじい爆発音が鳴り響いた。

爆音の方向…窓から外を見ると、

「か、火事だにゃ!」

黒歌の叫び通り、浮遊島の端に在る森が、大きな炎を上げている!

 

どたどたどたどたどたどた…

 

そして その緊急事態に、揃いの武装をした警備兵達が集団で、その現場に向かって行く!

 

「な…何事なのですか?」

『ん~、テロリスト?』

シェムハザ様の疑問に、紅は冷静…ってか涼しい顔で応える。

 

「えらく余裕だな、おい?」

『だって、今日が初めてな事じゃ無いからね。』

「…に、しても他人事過ぎません?」

…紅が言うには、少し前から何度か、この高天原にもあのテロ集団"禍の団(カオス・ブリゲード)"が攻めてきてるらしい。

尤も、その都度 高天原(ここ)の神兵達が直ぐに対処して、今の処 大きな被害は出ていないらしいが。

 

『…でも、このフロート・テンプルが直接に攻撃を受けたのは、初めてかも?』

「本当に余裕だにゃ?!」

「貴方は、行かなくても良いのですか?」

『いや、こういうのは高天原(ここ)の正規の神兵さん達の仕事だから。

幻影鬼師団(ぼくたち)は あくまでも、天照さんの私兵。

基本、僕達の仕事は彼女の身辺警護。

外に出る時も、それは彼女の"私事(おつかい)"が大半さ。

心配要らないよ、彼等も十分に強いから。』

…だ、そうだ。

 

『あ、あの正面の部屋が、今日の会談の場だよ。』

 

≫≫≫

 

カチャ…

 

『失礼しま~す。

天照さん、グリゴリの皆さんを連れてきたよ。』

「ん。ご苦労。」

立派な装飾の大扉が開かれた先は、広く豪華な部屋。

部屋の奥側、やはり立派な装飾が施された長方形のテーブルの上座に座っていた女性が席を立ち、俺達の前に やって来た。

 

「グリゴリの皆さん、ようこそ高天原へ。

私が形式上、日本神話の代表…となっている天照です。」

この女性(ひと)が、天照大神!

長い紫銀の髪に日輪をイメージした様な冠を被り、和洋折衷…やはり少し、"和"の面持ちが強いかな?…な、白を基調としたドレスみたいな着物姿の超絶美人さん!!

見た目の年齢は二十歳位だ。

 

「先ずは『聖書』の内輪揉め(ゴタゴタ)の解決、見事でした…と言っておきましょう。」

「…グリゴリの総督、アザゼルだ。

まぁ、そのゴタゴタ解決については、あっちの奴等や他の連中の助力有ってこそ…だけどな。」

「ふっ…、それでも…ですよ。」

そう言いながら、握手を交わす総督と天照様。

"あっちの連中"…アザゼル総督の視線の先のテーブルには、既に閻魔様や鬼灯さんの他、何人かの人達が席に着いている。

 

「HAHHAH! 久し振りだNA、グリゴリ!!」

五分刈りにサングラス、アロハシャツに大きな数珠…ミッテちゃんが言っていた その儘な容姿…多分、崑崙の帝釈天だ。

呂布さんの他にも、何人か お供を連れている。

他にも、正面だけでなく、左右側面と後側、4つの顔を持ってる、4本腕の老神…俺が知ってる一般的神話知識からすれば、恐らくはインドのブラフマーだ。

やはり帝釈天同様、何人も部下の様な人達を後方に控えさせている。

他にも色々な(ひと)達…

もしかしてアジア圏の神話、大集合ですか?

『聖書』、場違いじゃないですか?

 

「それでは すえ、貴方は私の後ろに。」

『は~ぃ♪』

…そんな事を総考えながらも、総督、副総督、師匠が指定されたテーブル席に着き、俺や朱乃ちゃん達は、その後ろに用意された椅子に座る。

そして紅は、改めて上座に座った天照様の後方、真後ろの位置に立つ。

既に その場に控えていた、約10名の男女の真ん中(センター)に!

その1人1人が、一目で強いと解る。

あれが…幻影鬼師団…!!

1人は茶筅髷(ちょんまげ)を結って刀を携え、"木瓜の花の紋章"が描かれたド派手な羽根付きの赤いマントを羽織る、コカビエル師匠に負けず劣らずな悪人顔のジャージ姿の男。

1人は同じく髷を空に向けて結い、朱を基調に一部、虎皮を誂えた羽織袴を着た、真紅の柄の槍を持った逞しい体躯の長身の男。

1人は黒の大きな三角帽子を被り、赤の長袖ワンピースのミニスカートに黒いマント。

白音ちゃんと同年代か もう少し下かな?…な、眼帯を着けた小柄な女の子。

1人は浅葱色のスーツに身を包み、右脇に日本刀を携えた…あのディオドラ・アスタロト並みに細目ながらも 其処から鋭い眼光を放つ、細身の男。

1人はレオナルドや九重と同年代に見える、空手着姿の少年。

しかし、身体全体から感じさせる威圧感(プレッシャー)は、子供の其れでは無く。

1人は紫色の拳法着を着込み、白髪を三つ編みに結った老人(おじいちゃん)

だが、やはり その身体から発せられる"氣"は、並みの強者を遥かに凌駕する程に強烈だ。

1人は白のスーツ。

顔中…いや、恐らくは身体中が疵だらけであろう。

其処等辺の街を屯している"なんちゃってチンピラ"等で無く、所謂"リアル本職さん"みたいな"氣"を身体全体から発散している、眼鏡を掻けた巨漢。

1人は その白スーツの人に負けず劣らずな巨体を、あのセラフォルー・レヴィアタンと色こそ違えど同デザインな、俗に云ふ…『魔法少女』のコスチュームに身を包んでいる乙漢…。

てゆーか この人、前に秋葉原で見た人だ!

そして、最後の1人は…

「やぁ、この前振りだな、赤龍帝。」

「………………………………………。」

…蝶々の妖精(へんたい)

 

 




 
天照大神の容姿は、『ファイブスター物語』の"アマテラスのミカド"(正確にはアイシャ・コーダンテ)のイメージで。
紅を含む幻影鬼師団メンバーの容姿(元ネタ)説明は、次話以降で。
まぁ ぶっちゃけ、空手少年以外は、分かる人は解った筈。(笑)
 
次回:『幻影鬼師団』(仮)
感想、評価よろしくです。
 
※ 既に指摘を受けておりますが、帝釈天については作内…とゆうか作者のオリジナル設定と云う事で、御容赦を。
m(__)m
 
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