黒翼の赤龍帝   作:挫梛道

67 / 106
 
♪あいあんまーん りぃゔぁずぁげぇ~ん!♪
 



脱出!(仮)

 

「【死黒核爆烈安息日(ブラック・サバス・エクスプロージョン)】!!!!!」

 

弩っ豪轟々々々々々々々々々々々々々々ん!!!!

 

◆◆◆

イッセーだ!

蘭ちゃんの超絶爆烈呪文が炸裂した。

朱乃ちゃんの雷光の壁で逃げ場を奪われたテロリスト達に、大爆発と どす黒い焔が襲い掛かる!

その大音量の爆音で、自称・曹操の子孫や眼鏡、その他大勢の悲鳴は聞こえない。

 

ズヮッゴォォォオゥ…

 

そして黒焔は、雷光障壁も破壊。

本来の呪文効果領域最大の、巨大な漆黒の火柱が現れて、それは この造られた異空間の上空をも突き破り、燃やし尽くす勢いだ。

 

≫≫≫

「「「「ぅうっ…わゎぁ~…」」」」

やがて、その焔も鎮まり、空を見上げると、本当に あの黒い炎は異空間の天井部(そら)の一部を破壊し、大きな"穴"が空いている。

そして地面(した)

 

「これは もう、"禁呪"の領域ですね…」

「凄まじい破壊力だな…」

シェムハザ様は兎も角、呂布さんですら、軽く顔を退く攣かせている その光景。

あの魔法には予め、魔術障壁の術式(プログラム)が組み込まれていたのだろう、膨大なエネルギーを拡散させる事無く、一点集中で(それでも かなりな広範囲だけど)で発生させた結果、異空間の地表は抉られ、目測で凡そ直径500㍍程度の巨大なクレーターが出来上がっている!

クレーターの深い底は、正しく底無し。

空と同様に空間を破壊されてて、様々な色が渦を巻き混ざり合う、あの"次元の狭間"と直結していた。

これ、落ちたら助からないだろうな…。

ん。天照様が何故、高天原(じぶんの にわ)で蘭ちゃんを戦闘に参加させようとしないのか、その理由が よ~く解りました。

 

「「もう余り、おちょくらない様にしよう…」」

そして そのクレーターを見て、顔に青い縦筋を何本も浮かべながら 何やらボヤいているのは、ウチのアザゼル総督とコカビー師匠だ。

それは賢明な判断。

あんまし蘭ちゃん弄ってると、終いには本当に2人纏めて爆烈(エクスプロジョ)られますよ?

 

≫≫≫

「「「「む!」」」」

「「あ、あれは?!」」

クレーターの底を見て、俺を含めて かなり(種族的に)視力の良い、何人かが叫んだ。

混沌の空間の中、あの曹操と眼鏡が、空間に身を呑み込まれる事無く、球形の結界(バリアー)を張って漂っていたのだ!

 

「「……………!!」」

しかし当然ながら、魔法のダメージが全く無い訳では無く。

着ていた衣服はズタズタとなり、全身血塗れとなっている。

寧ろ魔法障壁(シールド)を展開する事で、辛うじて致命傷寸前のダメージで持ち堪えた感じだ。

そして向こうも俺達の視線に気付いたのか、此方を睨みながら転移。

その場から姿を消した。

此の場での戦闘は一応、終了した形だ。

  

「今回の襲撃、アマテラスが幻影鬼師団の存在を大っ拡げにしてなかったのが、幸いしたな。

噂先行で、存在すら眉唾な集団…

仮に実在を想定していたとしても、あれ程迄の実力派集団てのは、奴等も想定外だったのだろう。」

「えぇ。情報は大切ですよ。」

「逆に何の公表もしてないこそ、舐めて掛かってきた…な、考え方も有るには在るがな。」

 

≫≫≫

「…で、蘭ちゃんは、一体、何をしているのかな?」

「見て分かりませんか?

うつ伏せで倒れているのですが?」

ん。それは、分かる。

だから何故、そうなってるのを聞いているんだけど。

…そうなのだ。

実は あの強烈な魔法をぶっ放した蘭ちゃんは、その直後から地に伏せて倒れていたのだ。

 

「ふっ…私が操る爆烈系呪文は手加減不可の強烈無比!

しかーし! 手加減不可故に、使用時は その時点での全ての魔力と同時に、体力も殆ど消費してしまう訳でして…」

それ、何てマ○゙ンテですか?

まぁ何となく、そんなオチな気は してましたけど!?

どっちにしても、そんな状態で得意気に言われても、説得力無いよ?

 

「そんな訳で赤龍帝さん、おんぶして下さい。」

「はい?」

「はい?…じゃないですよ。

何時迄 美少女に、こんな姿を晒させる心算なのですか?

私は今、動けないのだから、男子として女の子に対して、それ位のフォローは言われる前にして下さいよ?

今ならドサマギで、お尻触る位なら文句は言いませんから!」

ふぁっつ?!

 

「あらあらあらあら?」

「にゃ~♪」

「ほほぅ…」

「ふむ!」

「ぷぷぷっ…!」

「なぁああっ?!!」

「ふっ…」

「「ぎゃーっはっはっはっはっはーぃ!!」」

この蘭ちゃんの台詞に、此の場の皆さんが、様々な反応を。

 

「せっせっせ…赤龍帝ぇーーーーーいぃっ!!」

「ぬゎっ!?」

「わ、若ぁっ?!」

女の子達が興味深い眼差しを向けたり、オッサン2人が此方を指差して大泣き笑いしてる中、まるで()()()()()()()()()()()()()()()かの様な、怒り&怨みな形相で俺の胸ぐらを掴んできたのは義経君。

それを慌てて引き離したのは弁慶さん。

そう。実は この源義経君と武蔵坊弁慶さんも、八坂さんの護衛として高天原に同行し、さっきも一緒に禍の団(カオス・ブリゲード)の奴等と戦っていたのだ。

何故、今の今迄 彼について触れなかったかと云うと…

だって この人、京都に着いた後、そして その後の移動中も ず~っと、此方を敵みたいに睨んでいて恐かったから…

 

「わ…分かった解った!

蘭ちゃんは義経君に任せるから!」

兎に角、()()と察した俺は、蘭ちゃんのフォローを義経君に任せる事に。

…が、

「い、嫌です!

な、何だか この(ひと)から、ひしひしと身の危険を感じます!

例えば爆烈魔法を放って身体を動かせない私に無理矢理、薄い本みたいな事をするとか薄い本みたいな事をするとか!…そんな気がします!!

チェンジです、チェンジ!

やっぱり赤龍帝さんを指名します!!」

「なぁああっ?!」

蘭ちゃんが それを、断固として拒否。

ん~、やっぱり本能的に、判るのかなぁ?

白音ちゃんも何だか、怖がっていた感じだったし。

いやいや、如何に □リコン 義経君でも、其処迄クズだったりゲスだったりな事は無いでしょ?

寧ろ何となく、最後の最後には、ヘタレる感じがするし。

 

「何をしてるのですか?

分かりました、お尻なんて言わず、大サービスで"子作り"迄ならOKにしてあげますから!

さぁ、はりーあっぷ!

今ならリアルに"出血"大サービスですよ!」

「「「「「はいぃ~~~っ!!?」」」」」

この台詞には、俺や義経君だけでなく、その場の殆どの皆さんが大絶叫。

…子作りって それって最後迄(ぜんぶ)OKって事じゃない?

それこそ薄い本みたいな?!

 

「せ…せっせっせっせっせっせ…!!」

「若、落ち着きなされ!」

「「ぶゎぁーっはっはっはっはっはっはっはぁーぃ!!」」

「むぅ…あの小娘も、なかなかに言うのぅ。」

「あ~らあらあらあら? またシフトの、組み直しですわぁ♪」

「むぅ…この異空間では繋がらないか…」

いや、笑ったり感心したり喜んだりしてないで、止めましょうよ!

それと呂布さん!

貴方は一体 何処に、電話しようとしてるんですか?!

…って、"シフト"って何?

 

「兵藤さん、死後【阿鼻地獄】逝き確定…と。

何より閻魔様の御前ですから、誤魔化しも不可ですね。」

止ーめーてーーーーーーーーーっ!!?

まだ何もしてないから、セーフですよ!

 

≫≫≫

「~♪」

「……………。」

「凄く御機嫌な顔だにゃ。」

結局、蘭ちゃんは俺が おんぶする事に。

いや、ドサマギで お尻を触ったりなんかは、しないからね!

地獄に堕ちたくないし!

そんな中、俺達は新たな問題と対峙していた。

 

「ふむ…困った物だな。

この私ですら、思う様に往かぬとは…」

この、俺達が強制的に連れられてきた異空間。

アザゼル総督が言うには、絶霧(ディメンション・ロスト)なる神器(セイクリッド・ギア)で造られた異空間だとか。

その仕様なのか、いざ浮遊神殿へ帰ろうとしても、誰も…天照様でさえも、転移魔法が上手く作動しないのだ。

つまり、閉じ込められた形に近い。

 

「ちぃ…あのクソ眼鏡が!!」

師匠が件の神器(セイクリッド・ギア)遣いと思われる、あの眼鏡男に怨み節を吐き捨て、

「ふむ。かくなる上は…」

此処で、天照様が口を開く。

 

「この、異空間だから上手く往かぬならば、其処の(クレーター)に飛び込み、次元の狭間の中で、転移を試みてみるか。」

ま…まじですか?

 

「いや、待たれぃ! それは危険過ぎるぞ!」

「下手をしたら、次元の狭間を一生、彷徨う事になりかねないぞ!」

「いや、その前に混沌の渦に身体を呑み込まれて、The・EndだZe!」

天照様の発言に、他の神話の代表…ブラフマー様にマドゥルーク様、帝釈天様達が異を唱えるが、

 

ごごごごごごごごごごごごごごごごごご…

 

「「「「「「??!」」」」」」」

「な…これは…!?」

「地震だにゃ!」

この時、この空間が大きく揺れ響いた。

そして地面は地割れを…いや、地面だけじゃない!

周りの"空気"や上空も、大きく"罅割れ"を起こしている!

それは、もう直ぐ此の場が、崩れ消え去るのを暗示しているのは確かだった。

 

「チィ…こうなったらマジに、この大穴に飛び込むしか無いぞ!」

「本気なのですか?」

「この場が消えるなら、同じ事だ!

少しでも、生存率の高い方に賭けるのは当然だ。

おい、アマテラス! 此処に居る全員、護りきれるんだろうな?」

「ふっ、堕天使の総督よ…

お主は誰に、聞いておるのだ?」

「ぉっし! それじゃ お前等、皆飛ぶぜ!」

「やれやれだZe!」

普通に立つのも儘ならない揺れの中、総督の掛け声で総勢約30名が、次々と蘭ちゃんの作ったクレーターにダイブ。

俺も、未だ動けない?蘭ちゃんを背負って飛び込み、一番最初に飛んで混沌の空間の中、避難用の結界(バリアー)を作っていた、天照様に拾われた。

 

≫≫≫

「あれは…」

「大きい…!」

次元の狭間の空間を、天照様が操作する球形の巨大バリアーで守られながら、俺達は進んでいる。

これは本当に偶然なのだけど、あの後、転移を使う迄も無く、あっさりと元の世界に繋がる"出口"を見つけてしまったからだ。

そんな出口である、まるで開いた扉の様な光を目指して動いている中、俺達は見た。

混沌の空間を、自分の庭の様に進み往く、巨大な…巨大過ぎる、真紅のドラゴンを。

 

『あれが この次元の狭間の主、夢幻の龍神…【真なる赤龍神帝(アポカリュプス・ドラゴン)】グレート・レッドだ。』

「「「「「…………………………。」」」」」

自分達が改めて、己の非力さ、小ささを認識させる巨体、その存在感に戦慄する中、このグレート・レッドは何事も無く、俺達の前を横切り素通りしていった。

 

「眼中無しかよ…!」

「いえ、本当に物理(サイズ)的に小さ過ぎて、認識出来なかっただけのかも知れません。」

一応、立ってる程度には快復した蘭ちゃんが、俺の腕に組み付いて話す。

そんな様子を朱乃ちゃん達は、微笑ましく見守っている!

いや、修羅場勃発よりかは、遥かにマシですけど…

ついでに言えば、総督や師匠は兎も角、シェムハザ様や呂布さん迄もが、嗤うのを堪えている表情だ…

因みに俺の求め訴える眼差しに対して天照様も、笑顔で応えてくれてます。

 

「あ、お迎えが来たみたいですよ。」

そう言って蘭ちゃんが指した指先…

 

バサァ、バサァ…

 

出口の方向から大きな翼を羽ばたかせて やって来たのは、先程のグレート・レッドと同等な巨躯の、頭部に巨大な鋭い角を生やした、白いドラゴンだった。

 




 
【阿鼻地獄】
別名【無間地獄】。
日本地獄に於いて最も最悪・最厳の地獄とされ、殺生、盗み、邪淫、飲酒、妄語、邪見、父母・阿羅漢(賢者・聖者)の殺害、そして犯持戒人(尼僧・"童女"への淫行)をした者が落ちると云われている。



次回:『続・戦後処理』(仮)
感想、評価よろしくです。
 
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。