黒翼の赤龍帝   作:挫梛道

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m(_ _)m
今回も、やや短め。
 


軍事裁判的な物②

「はろはろ~♪

ブルームちゃん観てる~?

お姉ちゃん、テレビ出てるよ~♪」

「御っ主人様~♪愛してるにゃ~♪」

「ヌルフフフ…テレビ、テレビ♪」

「お前達は何をやっているのだ?!」

「姉様…恥いです。」

「あ…あの…」

首都リリスの貴族院中央裁判所前で、その様子をリポートしていた悪魔取材班の仕事の邪魔をしているのは、タバネル、黒歌、コロセル。

そして突っ込みながらもカメラ目線で画面に入っている、バイサーと白音である。

 

≫≫≫

「「「「「「「……………。」」」」」」」

外で そんな お馬鹿な遣り取りが為されていた中、法廷内は静寂な空気に包まれていた。

アザゼルを筆頭に、各勢力の代表が被告人席側に集う魔王や悪魔貴族を無言で睨む中、裁判官席に黒いローブを着た長い金髪の男が着き、

 

コーン…

 

「これより、聖書3大勢力の…」

木槌(ガベル)の甲高い音と共に、軍事裁判…()()()が始まる。

裁判と云っても、弁護人は不在。

"裁判"と銘打たれるも、実態はグリゴリと その同盟勢力が今回の戦争で敗者となった悪魔と天界に、今迄の罪…主に神話に由来する宝具等の略奪、そして人間や獣魔に限らず、自分達の(こども)を無理矢理に悪魔、或いは天使に転生させた事等の件の処罰や責任追求、賠償を問う公式制裁である。

早々にだが…実は最初からグリゴリを含む各勢力で()()()()()()()()()()()()()だった、自身の民を無理矢理に悪魔に転生させた罪。

各勢力の代表達が具体的に その被害を供述し、その元凶である悪魔の駒(イーヴィル・ピース)を作った張本人として、魔王ベルベバブに死刑判決が言い渡された。

無論、本人の控訴や反論は認められない。

同じ魔王である、サーゼクス・ルシファーが、「悪魔の人口を増やす為に止むを得なかった」と主張するが、

「…じゃ、聞くがサーゼクス?

その()()()()()()()()()()()()()()()とやらを、何故お前は、それを純血の悪魔(オマエのクィーン)に使ってるんだ?

まぁ、そういう事してるのはお前だけじゃないのは分かっているが、それって悪魔の駒(イーヴィル・ピース)の本来の目的からは、外れているよな?」

「………………!!?」

「そもそも、純血様(笑)曰く、『純血の貴族以外は悪魔に非ず』…だ、そうじゃないか?

ならば ますます、人口云々な言い訳は、悪魔の駒(イーヴィル・ピース)にゃ適用されないと思うぜ?

大体その理屈じゃ、【王の駒】なんざ、全くの不要だよな?

素直に戦力増強の為って言えよ?」

「「「「「「………………!!」」」」」」

アザゼルの指摘に、魔王達…そして その悪魔側のトップ・シークレットの1つである筈の、【王の駒】の存在を知っている貴族達は何も言い返せない。

 

「そもそも出生率が低いっても、老害が無駄に長生きで死なない分、地味に(純血悪魔の)人口は増えてるってのが、グリゴリ(こっち)で調査した結果だけどな?

取り敢えず あの大戦から、老衰で死んだ悪魔(じゅんけつ)は1人も居ないってのは、既に確認済みだ。

それでも人口とか出生率がとか謂うなら、テメー等が毎日毎晩 当たる迄、何ラウンドでも頑張って、ヤれば良いじゃn」

 

コーン!

 

「アザゼル殿! 法廷内にて、その様な卑猥な発言は、控えて戴きたい!」

「おっと失礼…失言だったか?」

アザゼルの発言は看過出来なかったのか、ギリシアの冥府から派遣された裁判官が木槌を響かせ、それを諫める。

そして糾弾の対象は、魔王達だけで終わらない。

先日のエジプト、ケルト、中国の勢力が侵攻の際に、悪魔側が降伏すると同時に保護した()()()()()達、そして それ以前に保護していた元・はぐれ悪魔達が黒歌、白音、バイサー達と共に入廷。

貴族達が以下に卑劣な手段を用いて自分達を悪魔に転生させたか、或いは転生の際の条件を反故にしたか等を次々と告白。

貴族が「そんなの出鱈目だ」と異を唱えるが、それは"アザゼル印"のベルの形をした【グリゴリ特製嘘発見器】により、その発言は認められる事は無く。

その後も駒による転生の件だけでなく、他の神話に由来する宝具の略奪や、その際の神の眷属を襲撃した件等も問い質され、結果的に多くの貴族が、処刑や悠久の刻の投獄を言い渡される事になった。

 

≫≫≫

「きりきり歩けぃ!!」

「「「く…!」」」

一通りの沙汰が告げられ、魔王や上級の貴族悪魔が顔を歪めながら、下級の堕天使の兵に その身を縛っているロープを引っ張られながら退廷する。

 

「う…うわぁあーっ!!」

中には何人かの悪魔が その判決に不服、或いは恐怖したのか、その場から逃げ出そうとするが、

 

ドスドスドスッ!

 

「ぅぁっ…」

背後から飛んできた無数の光の槍が、それを許す筈も無く。

結果、その逃亡者(あくま)達は、()()()()()姿()()()()()

そして それと入れ替わりに、今度は やはり、体を縛られた状態で、多数の天使達が入廷してくる。

普段ならば豪華な装飾が施されたローブを纏っているのであろう上位の天使陣も、質素な地味無地な衣を着ての、暗い表情での登場だ。

 

「おらっ! お前も歩くんだよ!!」

 

ドガッ!

 

「ぐゎっ?!」

そして天使達が入ってきた反対側の扉からも、鋼蕀で縛られた人物が、黒い仮面を被った男に背中を蹴られながら入ってきた。

 

「っ…!??」

その姿を見て、長い金髪の天使の女が絶句する。

かなりな虐待を受けたのであろう、全身痣だらけ傷だらけな身に着けているのは、腰部に巻かれた やや厚めな布切れ1枚のみ。

背中に有った筈な6対12枚の純白の翼は影も無く、只1枚のみ、右に黒い片翼が生えているだけ。

その眼は虚で生気は無く、仮に生死を問うならば、生きては おらず、単に死んでいないだけと云う表現が正しかった。

 

「…r様…」

「何と…」

そして女天使だけでなく、他の天使達も、嘗て自分達のトップの位置に立っていた熾天使(セラフ)の変わり果てた姿に、言葉が続かない。

それは罪人として今この場にいる、天使達に絶望を与え、心を折るには十分だった。

 

コーン…

 

「…聞けば、『天使の切り札(エンジェル・カード)』と呼ばれる、他種族を強制的に天使に転生させるアイテムを開発したとされる熾天使(セラフ)の1人は、既にグリゴリによって堕天させた上での冥府の最下層(コキュートス)への永久投獄が執行されたらしいですが…

それを踏まえて、今度は天界…天使達の裁きに移らせて戴きます。」

 

≫≫≫

判決は粛々と行われる。

悪魔同様に、人間を無理矢理に拉致から洗脳等の手段で天使に転生させた罪や、やはり他神話勢力の宝具を…例えばケルトからエクスカリバーを盗み出した罪等を問われ、その関係者に次々と裁きが言い渡された。

 

「…それでは、本日は これで閉廷と、しm」

 

ドッゴォォォォンッ!!!!

 

「「「「「「「!!?」」」」」」」

そして全ての罪人に判決が下され、裁判官が閉廷を宣言しようとした その時、法廷正面扉が爆破され、

 

ドドドドドドドドド…!!

 

多数の武装した集団が、その場に雪崩れ込んできた。

 




 
①タバネルちゃまの妹の名前はBroomさん。
尚、姉妹仲は普通です。
 
②実は小説本編の陰で地味に大活躍していた、 パーフェクター 輝く医神の手(グレート・ドクター)
 
③【王の駒】による不正云々については、それは悪魔側の内事情なので、今回の裁判では触れられていません。
皇帝さん、どんまい!

次回:『法廷内の激闘!』(仮)
感想、評価よろしくです。
 
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