少しずつ少しずつ…
◆◆◆
「うHA! マヂに来やがったZE!」
アザゼルだ。
嬉しそうな帝釈天の反応は置いといて、この襲撃自体は、想定内だった。
今回の"裁判ごっこ"を、堕天使領でなく悪魔領で実施したのも、それが最大の理由なんだよ。
グリゴリの施設、そんな簡単に壊されてたまるかよ!
修繕費用だって、馬鹿には ならないんだぞ!
その点、悪魔側の施設なら、幾ら建物とか破壊されようが、
何より万が一を考えて、シェムハザとバラキエルが指揮を執るガッチガチな厳戒体制が敷かれている堕天使領より悪魔領のが、
俺達も そっちのが今回の件で、色々と納得出来てない連中を炙り出し易いし。
結果的に、簡単に釣れたしな。
問題は奴等が、何処の勢力なのか…だが…
「ベルゼバブ様!助けに…って、ん??」
「て、天使…だと!? 何故?」
「ま、魔王様は…?!」
…成る程。
コイツ等は現悪魔政府側の奴等か。
魔王達を助けに来たは良いが、その魔王が何処にも居なく、代わりに天使達が被告側に居るので、少しだけ動揺してるみたいだな。
実はコレも、襲撃を想定した仕込みの1つだ。
この裁判は冥界全土に『LIVE中継』と銘打っていたが、実際に今、悪魔と堕天使領に放映されているのは、数時間遅らせての録画放送。
これも、この場の こっちの関係者以外では、シェムハザとバラキーしか知らない事だ。
奴等の台詞や反応からして、今頃テレビでは、魔王アジュカ・ベルゼバブの死刑判決が下されたタイミングなのだろう。
奴等からすりゃ、『魔王様を救出すべくに乗り込んで来たは良いが、既に その魔王様は此処には居なかった件』…て感じか?
尤も、リアルタイムで閉廷のタイミングでの襲撃は、此方からすりゃ、出来過ぎだけどな!
バシュゥッ…ボォゥワッ!
「…この神聖なる法廷の場に、土足で踏み入れ荒らすとは、良い度胸です。」
そう考えていたら、今回の裁判官…ギリシアの冥府、ハーデスが派遣してきた男が放った炎鞭の一撃が、襲撃者の1人の首を斬り落とし、同時に その身を燃やし尽くした。
「ちぃっ!退くぞ!」
それを見たリーダー格な
ザザザッ!
「「「「「「「!!?」」」」」」」
最初にコイツ等が入ってきた入口を、突如 現れた、グリゴリの兵が塞ぐ。
これも、仕込みの1つ。
最初は敢えて、悪魔側の奴等にザルな周辺警備を任せ、本命な
いや、此処迄は本当に、計算通りだ。
「く…、こうなれば せめて!!」
「「「「「「「うおぉぅっ!!」」」」」」」
最初は少し騒ぎを起こし、その隙を突いて魔王や数名の貴族を連れ出し逃げる心算だったのだろう。
…が、それは叶わず、ついでに逃げるのも無理と理解したのか、コイツ等全員、
乱闘の開始だぜ!
≫≫≫
「おい、裁判官!ついでだから この儘、戦闘の手助け頼んで良いか?」
「本来ならば、この法廷の乱れを治めるのは、裁判官を任されている私の役目。
…が、この数は、流石に厄介。
寧ろ私が貴方方に、援護を要請したい位です!」
裁判官…ハーデスの遣いは、戦闘の参加を拒む理由は無い様だ。
「ガブリエル! 巻き添え喰いたくないなら
「し…仕方、有りません…!」
そして この場の、天使の筆頭の
「イッセー! お前が堕天使を仕切れ!
後は、各々の主神や代表に任せる!」
「了解です!」
更にはイッセーに堕天使兵の指示を任せ、他の同盟勢力は、其々の判断に委ねる事に。
いや、流石に余所の兵達に、勝手に命令する訳には往かないだろ?
「ふっ…ならば!」
最初に動いたのは、アマテラスの遣いとして来た、幻影鬼師団の蝶仮面の男。
ドッカァァアン!!
コイツが創る黒揚羽が、敵の群れに飛び込んで大爆発を起こす。
「…ぇぃっ!」
斬!
そしてゼウスの娘、
「覇っ!」
八坂の護衛の天狗が妖気弾を撃ち、
「だぁややややややややややややややっ!!!!!」
ブラフマーの御付きの、猿神ハヌマーンが、瞬時に無数の拳打を敵に浴びせる。
「ハァァアアァッ!!」
更にはオーディンの御付きのヴァルキリーが、空中に幾多の魔方陣を展開。
ゴッゴォゥワッ!!
その全てから砲門の如く、強烈な魔力砲を撃ち出した!
本当に
「よし、俺も出るぜ! アザゼル!」
「HAHHAH! ならば仕方無い、俺も出てやろう!」
…って、お前等?!
≫≫≫
「「「「「「……………」」」」」にゃ。」
この襲撃者共は、リーダー格の男と その他数名を取り抑え、残りは全員、死亡という結果に終わった。
死屍累々。
全く…コカビエルと帝釈天が、殺り過ぎなんだよ!
…って、ゆーか!
コイツ等アホか?!
このメンツが居合わせる場所に、襲撃なんか普通は仕掛けたりしないぞ?
更には今回は戦闘に参加しなかったけど、ブラフマーにスカアハ、鬼灯だって居るんだぞ!?
本当に或る意味、勇者だぜ!
≫≫≫
「確か、彼はアジュカちゃんの…」
「……………………………。」
一度 退廷した魔王、死刑確定以外の3人を呼び寄せての確認。
それにより、今回の襲撃は魔王ベルゼバブの死刑に納得の出来ない、家臣達の暴走と判った。
「まぁ、この場を荒らした罪は重いからな。
心配しなくても、オメー等もアジュカと同じ様にしてやるよ。」
取り敢えず この場で殺されずに済んでも、結局は同じなんだよな。
まぁ、当然ちゃ当然な話だが。
「あ…アザゼル…これは、だな…」
「あー、分ぁーってるって。
自分達は、知らなかった…って、言いたいんだろ?」
「どちらにしろ、悪魔共に責任追求は、するけどな。」
「「うぐぐっ!??」」
コカビエルの無慈悲な?言葉に、息を止める魔王達。
「はぁ~…
いや、気持ちは解るけどさ、キミ達も もう少し考えて動いて欲しかったよね?」
「も、申し訳ありません、レヴィアタン様!
ベルゼバブ様を助けたい一心で、つい…」
ちりーん…
「「「「「「「「??!」」」」」」」」
この時、証言台に置いた儘だった、俺特製の【嘘発見機(ベル型)】が反応した。
裁判官…天英星バルロンのルネ(聖闘士星矢)
アテナ…アテナ(カンピオーネ!)
…のイメージで。
次回:『衝撃の真実!』(仮)
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