黒翼の赤龍帝   作:挫梛道

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待たせたな!
 


Ga brieる

「YAーHAHーーーッ!!」

「ふむ!」

「ぬんっ!!」

 

カッ…どっごぉぉおーーーーーん!!

 

帝釈天が、ゼウスが、ブラフマーが、それぞれが呼び寄せた凶悪な雷が、禍の団(カオス・ブリゲード)からの刺客達の体を貫き、

「ほっほぅ…てぇいやっ!!」

 

ぶぅん…グッシャアァアッ!!

 

オーディンの投擲した魔槍(グングニル)の一撃で、一度に複数の敵が葬られ、

「フハハハハハハッ!!」

 

斬!斬斬斬!!

 

「「「「ぐぴゃぁっ?!」」」」

コカビエルは両手に光の剣を携え、敵陣の中を突き進み、

「……………………。」

 

ずずずず…

 

スカアハは魔力により、テロリストの影から生え出でる漆黒の"影の腕"を作り出す。

 

「「「う…うをあぁぁあっ??!」」」

「「「ゃ…止めろおぉぉっ!!?」」」

敵は自身の影から生まれる腕に捕まり、その自らの影の中に引き摺り込まれ、()()()()()()()()、その場から消えて逝った。

  

≫≫≫

「が…カハァッ!?」

「理想社会の構築ねぇ…

旧魔王…おぉっと、睨むな睨むな。

お前等から言えば、真なる魔王だったか?

既に そいつ等が居ない今、どうやって それを成す心算だ?

あのオーフィスが、政治や創世に興味持つとは思えんのだがな?

まさか お前さんが、悪魔を仕切るってか?」

「ぐ…知れた事よ!

魔王様方が既に居ない?

まだ、カテレア様が、居るではないか!

堕天使(きさまら)に囚われている あの御方を救い出し、我々を導いて貰うのだ!」

「ほぅ…?」

それは全身血塗れで、地に片膝を着いた悪魔貴族の男と、堕天使総督との会話。

 

「くくく…先程は言い忘れていたが、我等が軍勢は、カテレア様を救うべく、堕天使の領域にも侵攻を開始している!

今頃は、我が同胞が、あの御方を救出しているだろう!!

そして既に【絶霧(ディメンション・ロスト)】の遣い手は、この場から退避させている!

例え我等が全滅しても、貴様等は この空間に取り残されて詰み。

あの法廷内や堕天使領内の者共は、我が同胞に抗う事は出来まい!

我々の創世は、止まらん!!」

「…いや、それは色々と、無理な話だろ?

何しろ法廷には、()()()()が残ってる。

堕天使領にも、シェムハザやバラキー達が居るんだ。

それにカテレアも最初から、政には関心を示してない筈だぞ?

そもそも あの女のテロ入りの理由は、別に在ったからな。

俺達も ()()()()を酌んで、あいつからすりゃ、人生最大屈辱な罰ゲームだけで勘弁してやる予定なんだ。

今更お前達の傀儡には、させんよ。」

「な…?!」

「…もう、良いだろ?

お前、喋り過ぎなんだよ。

とりあえず、あばよ。」

 

カァッ…

 

「…!??」

アザゼルは そう言うと、手元に光の槍を作り出し、目の前の男との会話を終わらせる。

 

「あー、シェムハザか? 俺だ、俺俺。」

そして掌に、スマホサイズの通信術式魔方陣を展開させると、冥界のグリゴリ本部と連絡を取り始めた。

 

「いや、詐欺じゃねーよ。

…で、そっちの様子は どうだ?

……………………………………………………。

あ、それなら別に良いんだ。じゃな。」

グリゴリ副総督との連絡を終えたアザゼルは、足元に転がる、首から上が蒸発したかの様な頭部の無い悪魔の亡骸に目を向け、

堕天使領(あっち)は特に、何事も無い…

()()()()()、だとよ。」

そう告げると、

「…で、お前達は何時迄、そうやって固まってるんだ?

今更『ごめんなさい』は、通じないぞ?」

 

ヴィン…ヴィン…

 

「「「「「「??!」」」」」」

今度は先程から周りを囲み、武器を構えている()()の悪魔達の遥か頭上に、数多の光の槍を出現させるのだった。

 

≫≫≫

「「「「「ぐひひふへひ…」」」」」」

「「……!?」」

魔王セラフォルー・レヴィアタンと熾天使(セラフ)ガブリエルは、無数の悪魔達に取り囲まれていた。

テロリスト迎撃の協力を名乗り出るも、魔王の1人の余計な一言により、身体を魔力の鎖で拘束、戦闘能力を封じられた状態での、戦闘回避を強いられていたのた。

しかし戦えない儘で逃げるのは、如何に魔王、如何に熾天使(セラフ)でも限界が有り、集団で逐われ、追い詰められた形である。

 

「ケケケ…御機嫌如何ですかな?

レヴィアタン()に、ガブリエル…殿?」

「「……………。」」

集団の代表かの様に、一歩前に出て、下卑た笑みを浮かべながら挨拶する悪魔の一兵に、明らかに不快な顔をする2人。

 

「ん。最悪だね☆」

「…………。」

「それは、何よりですな。」

皮肉を効かせた発言に、更に皮肉を上乗せする様に、悪魔の男は賎しく微笑みで応える。

 

「は~ぃはい、降参降参!

敗けを認めるから、一思いに殺って欲しいな~★」

反撃も不可で、詰みを自覚した女性魔王が諦め顔で、降参の意思表示を見せた。

 

コクン…

 

ずっと隣で黙りだった女天使も、特に反対意見を発する素振りも見せず、静かに頷く。

 

「くっくっくっく…」

「あひゃひゃひゃひゃ…」

「「「「「ぶゎぁあっーーーーーはっはっはっはぁーっい!!!!!」」」」」

しかし、死を覚悟した彼女達に、この悪魔の男達は更に下種な顔と共に卑しい嗤い声を上げ、

「ヴゥァッカぢゃ無ぇの?」

「折角、頭の中身は兎も角、見た目()()は上等な魔王サマと、天界No.1美女の呼び声高いガブリエル!」

「只、殺るだけって選択肢なんざ、勿体無さ過ぎて、有る訳ゃ無ぇだろがよ!」

「男は即殺り、女は殺る前に犯る!

そして その後、殺って犯る!

戦場では、古来からの常識だぜ?」

「ケケケ!『くっ殺』言わせてやるよ!」

「「……!!?」」

それは、正しく下種の発言。

『一思いに殺す』とは対極な、その言葉の意味を理解したセラフォルーとガブリエルは、思わず顔を歪めてしまう。

容姿以外を否定するかの様な発言に、突っ込む余裕すら、既に無かった。

 

「「ぃ…ぃゃ…」」

死は覚悟したが、()()()の覚悟は未だ出来ていない2人が、身体を震わせながら掠れる様な小声で拒絶を訴える台詞を謂うが、

「「「「「「「「ぅきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃ!!」」」」」」」」

しかし それは逆に、只の(ケダモノ)と化した悪魔達を、更に興奮する(オス)と足らす事に他ならず。

 

「「「「「「「「いっただきマンモーーーース!!!!」」」」」」」」

「「きゃあぁぁあっ?!!」」

悪魔と天使、それぞれの最高位に立つ2人の女が生まれて始めて感じる、戦場での それとは別種類の恐怖に地面に腰を落としてしまう中、まるで薬物中毒者の様な眼をした悪魔達が襲い飛び掛かる。

 

ビリィイッ!

 

「い…いゃあぁあああぁっ!!?」

「が、ガブリエルちゃん?!」

そして悪魔の1人の爪が、普段から纏っている豪華絢爛なローブとは対極な白無地を引き裂き、正に絹を引き裂いたかの形容な乙女の悲鳴が場に木霊した。

 

「「「「ひゃっはぁ~ぃ!!」」」」

今迄、異性には晒した事が無いとされる至高の双丘が露になるが、腕は魔鎖で拘束されている状態なので、それを隠す事も叶わず。

それを見た悪魔達は ますます興奮し、その誰にも触れさせた事も無いと云う触り心地を確かめる如く手を伸ばすが、

 

斬!

 

「ぎゃぁっあぁぁ~あ゙っ?!

お、俺の、俺の腕ぇえ~!?」

その手は、突如として振り降ろされた光刃に、腕毎に斬り落とされる。

 

ザッ…

 

「彼女達が只単に殺されるのは、別に知った事では有りませんが…」

「さ、流石に そそそそ…そーゆーのは、同じ女として、見過ごせません!」

「…仕方無いですから、守ってあげます。」

「あ…アテナちゃん…、と…?」

其処に現れたのは、ゼウスの娘、戦の女神アテナと、オーディンの御付きの戦乙女(ヴァルキリー)、ロスヴァイセ。

 

パサァ…

 

「ぁ、ありがとう…」

ロスヴァイセが羽織っていたマントをガブリエルに纏わせると、

「さぁ! 掛かってきなさい、この女の敵!」

「貴方達は、この妾達が相手(ころ)してあげましょう。」

銀髪の少女2人は、それぞれ光刃の処刑鎌と聖銀の細剣を、眼前の悪魔達に向けて構えるのだった。

 




 
イッセー達のターンは次回にて。
 
次回:『鬼神の冷徹』(仮)
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