黒翼の赤龍帝   作:挫梛道

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ギャグ、シリアス、バトル、そしてエロ。
これ等 全てが揃っての、DxDだと思っています。

…前話、少しだけ加筆修正しました。
 


アースガルズ

▼▼▼

北欧神話勢力の拠点は、冥界や高天原同様に、人間界とは別の次元に在る。

その空間の地下深くから生え出で、天空を高く貫く世界樹ユグドラシルの上層部、天上の平面に位置する、【アースガルズ】と呼ばれる領域(エリア)が北欧のアース神族、オーディン達が住まう世界である。

そして このエリアに在る最大の館、ヴァラスキャルヴに、世界各地の神話のVIP達が集っていた。

 

◆◆◆

やぁ、イッセーだ。

来週に行われる予定だった、神話連合による禍の団(カオス・ブリゲード)対策の会議。

それが いきなり、日程変更で今日に なってしまった!

因みに予定変更が決定したのは ほんの数時間前の話だとか。

聖書(うち)】もそうだけど、今回開催地の北欧と、予定変更を呼び掛けた日本神話以外は かなり大慌てだったみたいだ。

本当に急過ぎる位に急な話。

グリゴリからは、コカビエル師匠がアザゼル総督の代理で出席。

その護衛として、俺と

「…私みたいな平隊員な下級堕天使が、この様な場所に足を踏み入れて良いのですか?」

偶々、本部の廊下を歩いていた処を捕まえ、()()()()(笑)で有無を言わさず同行させた、アイザック隊所属、オーダーメイドの執事服と片眼鏡(モノクル)がトレードマークのマガガル君。

 

「長期任務が終了して、漸く帰れると思っていたのに…恨みますよ、隊長…!」

ブラック組織、【神の子を見張る者(グリゴリ)】!!

 

「他神話の拠点(ホーム)は、崑崙以来っス。」

そして、秘書役としてミッテちゃんだ。

参考迄に彼女は今、何時ものゴスロリでなく、グリゴリ支給の女性用スーツを着用だ。

 

≫≫≫

『やぁ。イッセーちゃん、この前振りだね。

コカビエルちゃんも、久し振り~♪』

「「「「………………………。」」」」

舘仕えの侍女(メイド)さん(美女!)に案内され、会議が行われる部屋へ続く、長い回廊を歩いている時に話し掛けてきたのは、学ラン姿の黒髪の男。

…俺は兎も角、師匠を『ちゃん』付けで呼ぶ人物なんて、俺は2人しか知らない。

 

「…紅。」

そう、その内の1人、日本神話トップである、天照大神が率いる幻影鬼師団のリーダー、紅末藏だ。

今回は天照様の護衛の様だな。

 

『いや、この前は参ったよ~?

イッセーちゃん達が何処かへ行って少し経った後、いきなり お巡りさんが やって来てさ~?』

はい。知っています。

その『幼女連れ出しの通報(もしもし、ポリスメン?)』をしたのは、蘭ちゃんとアテナ様ですから。

 

『仕方無いから、()()()()()()()()()()()()()()して、どうにか なったんだけど。』

いや、それでも よく現行犯で捕まらなかったよな?

 

『…………………………………。』

「はい? 私が、何か?」

そんな紅、俺の後ろに立っていたマガガルを見て、そして指を指して(御無礼!)一言。

 

『お前 何だか トランプとか武器にして戦いそうな顔だよな(笑)』

「……………………………。

私と貴方は初対面な筈ですが、よく御存知で。」

紅ぃ…俺もマガガルと初めて顔を合わせた時は確かに そう思ったし、実際(リアル)に その通りだけど、本人 目の前にして口にするか?

 

≫≫≫

会議が行われる大部屋。

巨大な円卓に、既に何組か、他神話の代表の神々が席に着き、その後ろには その神の護衛…或いは御付きが控えている。

 

「すまなんだのぅ…

いきなり呼び出したりして…」

「ふ…それ程な事なんだろう?」

席に着いた師匠に、声を掛けてこられたのはオーディン様だ。

 

「………………………………。」

その傍らには、護衛として戦乙女(ヴァルキリー)のロセが着いている。

 

「やっほー、ろっすん。

今朝方振りっス~♪」

「は…なぁあああああぁ~?!」

俺の顔を見て、弱冠 顔を赤らめ、無言で俯いているロセに、ミッテちゃんが気軽く声を掛けるが、それによってロセは益々 顔を赤くして、動揺まる分かりな大声を上げた。

そりゃあ仕方無いよ!

本当に昨夜から(さっき)迄 俺達、一緒に居たんだから!(with白音ちゃん) 

 

「ほほぅ…?♪」

それを見て、長い髭を撫でながら、オーディン様が何やら察した様な顔を。

 

「ふむ…赤龍帝の小僧よ?」

「は…はい!?」

そして、俺に対して何やら険しい顔を向ける、北欧の主神様。

 

「…で、具合は、どうじゃったかの?」

「「は…はぁぁぁあああ~っ?!」」

  最高でした!! い、いきなり何を言い出しやがるんですか、この老神わっ?!

 

「は…はわわわわゎゎゎ…」

ほら見ろよ!ロセが完全にパニックになったじゃないですか!

 

「ほっ? 何じゃ?

もしかして本当に、()()()しまったのか?

ふ~む、これは参ったのぅ。

これでは今後は、【『彼氏居ない歴=年齢』の、処女ヴァルキリーwww】とか言って、おちょくれなくなったではないか。」

こ…この、エロ爺ィ!!

…それから師匠、その大笑いを我慢してる顔は止めて下さい。

 

≫≫≫

「…すまぬ。遅くなった。」

「ふむ…皆、揃ったようじゃの。」

それから暫く経ち、今回の話し合いに出席予定の皆さんが全員集合。

 

「改めて…今回は急な喚び出し、すまんかったのぅ。」

「HA! 全く・だ・ZE!!」

ついに神々達による話し合いが始まった。

尚この会議、当然な事だが、俺達の様な護衛や御付きやらでVIPの後ろに控えている者には、基本的に発言権は無い。

 

▼▼▼

「【聖書】の代表として、グリゴリ総督アザゼルの代理として参じたコカビエルだ。

先ずは、本来ならば この場に立つべき総督のアザゼルが、どうしても日程(スケジュール)の調整が利かず、この場に赴く事が出来なかったを謝罪する。 」

組織随一の武闘派幹部が多勢力の者に頭を下げる…それは彼を知る者、彼に同行した者達からすれば、それは かなりレアな光景。

尤も当人からすれば、単にTPOを弁えているだけな、非常に失礼な話である。

如何に武闘派と呼ばれようが、この男も一組織の幹部の座に就く者であり、今は その組織の代表として、この場に居合わせているのだ。

そして それは、他の勢力の代表達も理解しており、少なくとも驚愕の感情を表面に出す事は無かった。

 

「(ボソ…)げ…師匠が他人に頭、下げたぜ…?!」

「(ボソ…)明日は冥界に、光の槍が降り注ぎますか?」

「(ボソ…)分かったっス! あれは、コカビエル様の偽者っスよ!!

本物(コカビエルさま)は面倒臭がって、ブッチこいたに間違い無いっス!」

一番失礼なのは彼の後方に控えている、彼の身内達である。

 

「いや…今回は本当に急な話じゃったからのぅ…

なぁ?アマテラスの?」

「…うむ。」

コカビエルの発言に、気遣い無用とする、今回の会議の議長を務めるオーディンと、緊急召集を呼び掛けた天照大神。

事実この場には、各勢力の主神クラスの者は稀で、その代表の殆どが、トップの代理だった。

 

「…で、此度の緊急召集、一体 何事なのですか?」

その場の出席者全員の挨拶が終わった後、エジプト神話・ホルスの代理として参じたイシスが発言。

 

「…禍の団(カオス・ブリゲード)が…壊滅しました。」

「「「は?」」」

「「「「へ?」」」」

「「「な?」」」

 

「「「「「「「「「「……………………………………。」」」」」」」」

 

 

 

「「「「「「「「「え゙、えぇーーーーーーーーーーーーーーーーーー??!」」」」」」」」」

その問いに応えたのは、オーディンの隣に座っていた天照。

そして その言葉に、その場の一同が、揃って驚きの声を上げる。

 

「MA・じ・か・YO?」

「まさか…」

「本当…に…?」

「いや、しかし…」

「急な話…ですな…」

本来ならば、そのテロリスト集団・禍の団(カオス・ブリゲード)について、今後の対策を練るための召集だった筈…

帝釈天が、アテナが、サラスバティが…各VIP達が戸惑う中、

「…私が話すよりも、"彼女"に話して貰った方が、良いでしょう。…すえ?」

『は~い♪ さぁ、前に出て?』

「ん…。」

 

スゥ…

 

天照が そう言うと、彼女の背後に護衛として立っていた紅末藏の隣、やはり幻影鬼師団の白いスーツを着た巨漢の後ろに身を隠していた、ゴスロリ衣装の幼女が ひょっこりと姿を見せた。

 

「我、オーフィス…。

かおすぶりげーどのメンバーは、我が昨日、皆殺した。」

「「「「「「「「「「「「ななな…何だってーーーーーーーっ!!!?」」」」」」」」」」」」

それは禍の団(カオス・ブリゲード)構成員皆殺しの発言か、それとも禍の団(カオス・ブリゲード)頭目とされているオーフィスの登場にか、はたまた そのオーフィスの容姿が、どう見ても小学生にしか見えない幼女だからか…

兎に角、その場の神々と その御付き達は、心と声を1つにして、この日一番の驚愕の声を轟かせたのだった。

 

◆◆◆

…アテナだ。

先日に【L.E.D】と居た童女が、まさか あの、オーフィスだったとはな…

これには我が嫁であるイッセーも、驚きの表情を浮かべておるわ。

 

…オーフィスの話を纏めると、こうだ。

 

∞∞∞

我、時空の狭間で静寂なる悠久の刻を過ごそうとしているが、グレートレッドの存在故、それは叶わぬ。

ある日、"チカラ"の提供と引き換えに、グレートレッドの打倒を協力すると謂う者達が多数現れた。

我、その者達に我のチカラの具現化である"蛇"を与えた。

しかし、その者達は"蛇"を貰えど、それで得た力を己が欲に使うだけで、一向にグレートレッドを討つ様子は無い。

そんな先日(あるひ)、偶々人間界を彷徨っていた時に遭った()()()()()()に この事を話し、その時に得た助言(アドバイス)に従い、アジトで かおすぶりげーどメンバーを全員呼び寄せた上で、その場で瞬殺した。

∞∞∞

 

…らしい。

 

成る程。

本来なら来週、グリゴリに押し入った賊から得た情報を基に、禍の団(カオス・ブリゲード)への強襲計画等を話し合う予定だったそうだが…

その必要が無くなった、か。

この度の緊急の召集も納得だ。

単に各勢力に伝達…では済まない。

況してや日を置いて、予定日当日の集まりにて、『実はテロ集団は滅んでいました』な報告等、茶番でしかない。

 

≫≫≫

「…では、その手筈で。」

次に話し合ったのは、 オーフィスが滅ぼしたと言う、禍の団(カオス・ブリゲード)拠点(アジト)の調査だ。

先程、オーフィスは組織構成員を皆殺しにしたと言っていたが、聞けば その場に その全員が集合していたかの確認は、していなかったとか。

ならばオーフィスの呼び掛けに応じず、その難を免れた者が居る可能性は大だ。

現在そのアジトは、【L.E.D】を介してオーフィスから直接その話を聞いた天照が、既に配下の幻影鬼師団や高天原の神兵を派遣して、封鎖しているとか。

改めて各勢力から代表者を選出し、現場に向かう事となった。

出発は明後日。

集合地は地上のギリシャ、アテナ神殿と決まった。

 

▼▼▼

 

「…では、次に…だ。」

会議は続く。

続けての御題は、この場に居る、禍の団(カオス・ブリゲード)頭目である無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)・オーフィスの処遇だ。

テロ集団のトップに位置は していたが、実際に彼女が何らかの破壊的活動の指示を出していた訳では無く。

今迄の組織的行動は全て、『真・魔王派』『英雄派』『魔法使い』等の各派閥が、自分達の目的に伴い、好き勝手に暴れていたらしい、との事。

オーフィスに責任が全く無い訳では無いが、かと言って この場に居る者に…否、この世に彼女をテロリストとして簡単に断罪出来る者も存在せず?

とりあえずは本人からの()()()()での了承を得た上で、日本神話が身柄保護(かんし)する事となった。

 

「我、タピオカのミルクティーを所望する。」

 

◆◆◆

「…では、今日は此処迄とする。」

ハァ~ィ♪ ミッテっスよ~♪

漸く、長い永い話し合いが終わったっス!

会議の間、各御付き(ウチたち)は ずっと立ちんぼ。

もう、足がっくがくっス。

せめて、"普通芸能人"位の椅子は、用意して欲しかったっスよ!

兎に角 解散、皆さん お疲れ様でっスとばかり、こぞって退室しようとした時、

 

「…ちょっと待った。少し、宜しいかな?」

 

「「「「「「「…!!?」」」」」」」

会議室に男の声が、響き渡る。

 

ギギィ…

 

そして扉が開かれて姿を見せたのは、白いローブを着た、如何にも性格悪そうな顔をした青髪の男と、黒基調の臍出しレオタードに腰巻きを添えた様なドレスに、胸当て(ブレスト)肩当て(ショルダー)等の軽装備を纏った、黒髪褐色肌の女だったっス!

 




 
①ミッテちゃんの、ロスヴァイセさんの呼び名は"ろっすん"。
 
②アテナたんは今回、ゼウスの代理で、オリュンポス代表として出席。
本文では触れていませんが、御付きを連れています。
 
③【挑戦者】オーフィスたん。(笑)
 
次回:『コカビー師匠の弱点(ウィーク・ポイント)!』
感想、評価、宜しくです。

活動報告に、ちょっとした告知、挙げています。
 
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