黒翼の赤龍帝   作:挫梛道

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今回もバトル回。
 


恐るべき正体!

◆◆◆

…………………………………………。

 

「ぅ…うぅん…?」

「おお、目覚められたか、赤龍帝殿!」

「気分は、如何かな?」

「………………………。」

イッセーだ。

羅生門と戦い、その最後に超パワーの使い過ぎでオチてしまった俺。

再び目覚めると、その間、俺の護衛をしていとくれたのであろう、高天原の神兵が声を掛けてきてくれた。

 

「俺は…どのくらい寝てました?」

「10数分…ですかな?」

「…………………………。」

 

バキッ!ズバァッ!ドゴッ!ガン!ベキ!

 

彼等の先に目を向けると、其処では大乱闘が繰り広げられていた。

 

「ひゃっはー!」

「セィっ!」

「ヌルフ!」

「にょー!」

さっき迄、一緒に戦っていた人達も居れば、

「惡羅惡羅惡羅惡羅惡羅惡羅ぁっ!!」

別の場所から合流した連中も居る。

 

「ふんっ!」

 

ドガァアッ!

 

中でも目立っているのは、『聖書』として今回の任務(ミッション)に参加している、上級の悪魔、"皇帝"の二つ名を持つディハウザー・べリアル氏と その眷属達だ。

そして、もう御一方…

「でぇいぃぃぃやぁっ!!」

 

バガァッ!

 

黒い甲冑に赤い羽織、以前 俺が使用していた それとは違い、目元口元がはっきりと開けた黒い仮面を着けている、長身で大柄な金髪の男神…

 

「油断するな!此奴等、次々と沸いてくるぞ!」

今回の掃討作戦のリーダーである素戔嗚尊(スサノオノミコト)様だ。

聞けば俺は あの後、ミルたんに背負われフリード達と移動。

その途中、スサノオ様とディハウザー氏のチーム、そしてヴァンヴ達【魍魎】の皆さんと合流。

そして つい先程、この大部屋(フロア)に入ったと同時、待ち構えていた妖怪達と、戦闘を開始したのだとか。

 

「シャバババババ!!」

スサノオ様が今 相手をしているのは、3㍍近い巨躯の、これまた筋肉質(マッソー)な妖怪。

感じられる強さは、あの羅生門より遥かに格上。

後々に どんな奴が控えているかは予想が着かないが、少なくともアイツが この場のボス格だ。

そして他の妖怪共も、強敵ばかり。

これは俺も、何時までも寝てる訳には行かn…(いって)えぇぇ!??

 

「せ、赤龍帝殿?」

「大丈夫であるか?」

「無理をなされるな!」

痛い…大丈ばない…

身体全身、半端無い筋肉痛なんですけど…

やはり これは、神血式極龍(イーコル・ドライブ)を発動させた代償なのか?

今の俺は禁手(バランス・ブレイク)の鎧は勿論、通常の籠手も解除された状態。

改めて神器(セイクリッド・ギア)を発動させる事も出来ず、完全に役立たずだった。

 

≫≫≫

「シャバババババ!

流石はスサノオ!やりおる!」

「………………………。」

篦鹿の様な巨大な二本角を生やした一ツ目の巨鬼…とでも言うべきか?が、豪快に嗤いながら、スサノオ様を攻め立てる。

 

「喰らえぇぃ!」

 

ぶん!…ガシィッ!

 

「シャバ?…何だと?!」

巨鬼がダブル・スレッジ・ハンマーを振り下ろすが、スサノオ様は両手を交差させた形で、これをキャッチ。

そしてスサノオが自分の両腕を開くと、今度は逆に、巨鬼の腕がクロスする形となった。

巨鬼が驚いているが、これは さっきの桃太郎さんとウラとの、同じ展開だ。

 

ひゅぃ…

 

そしてスサノオ様は その儘 体を反転、巨鬼に背を向けた状態になり、

「ていゃあーっ!」

 

ずどん!…バキィッ!!

 

一本背負いならぬ、二本背負いとでも言うべきか、交差した腕を軸に、豪快な背負い無げを披露した!

カッケーッ!!

 

「シャバ…バ…」

この一撃で、単眼の巨鬼は角を破壊された上で、脳天に大ダメージ。

それでも体をよろつかせながら、巨鬼は起き上がり、スサノオ様に突進するが、スサノオ様は冷静に対応。

 

斬々!

 

帯刀していた太刀と小太刀での二刀流で、巨鬼の身体を十字に斬り裂いた!

 

ずどん…

 

それにより、巨鬼は完全にダウン。

 

「シャバババ…見事だ、スサノオよ…

しかし、それ故に、哀れよ。

強いが故に、真の恐怖を知る事になる…

貴様が連れてきた、手下共々に、な…!」

「ぬ?」

 

ずず…

 

そう言って巨鬼は嗤いながら、床に溶け込む様に、姿を消した。

 

ゴゴゴゴゴゴゴ…

 

「「「「「「「「!!!?」」」」」」」」

そして それに連動したかの様に地震でも起き、建物全体が、大きく揺れた。

これは俺達だけでなく、妖怪達も驚いている。

 

「な…?」

「これは…?!」

「ひぃいっ!?」

そして次の瞬間、この室内の光景が一変した。

飾り気の無い、無機質な石や土で出来ていた筈の部屋が、まるで生物の体内の様な、赤色の肉質な室内に様変わりだ。

動脈みたいな管が どくどくと脈打ってたりして、はっきり言ってキモい。

 

『シャバババババ…

ようこそスサノオノミコト…

そして その手下の諸君…

我が、()()()の体内へ…』

「「「「「!????」」」」」

そして何処からか低く響く、巨鬼の声。

ん。理解出来たよ。

あの単眼の鬼は仮の姿、奴は この砦…いや、もしかしたら ()()()()()が、奴の本体…そう言いたいんだろ?

 

「「「「「「……………。」」」」」」

他の皆も悟ったのか、同じ表情をしている。

 

「ケッ!閉じ込めた心算かよォッ!」

「内臓…弱点丸出しで、イキッてんじゃねーよ、ゴラァッ!?」

 

ダダダッ…

 

「バっ…お前等、戻れ…」

此処で『魍魎』のメンバー数人が、光の槍を持ち出して、臓物の様な壁に特攻。

何かヤバイと思ったのか、ヴァンヴが それを止めようとするが、それは少し遅く、

 

グザァッ!!

 

「「「「うぎゃーっ?!」」」」

突如、壁から鋭い棘の様な骨?が突出し、飛び込んでいった『魍魎』のメンバーを串刺しに。

 

ズズズズ…

 

「な…?!」「え?!」

そして そのメンバーを、まるで喰らうが如く、肉の壁の中に取り込んでいった!

 

「て…テッメェエーーーーーっ?!!」

「お、落ち着け、ヴァンヴ!」

今度は それを見たヴァンヴがブチキれ、光の鶴嘴で攻撃を仕掛けようとするが、それは他の『魍魎』メンバーが必死に制止。

 

グザグザァッァッ!!

 

「うわぁっ!?」

「ぎょえーっ?!」

「ひぇっ?!」

そして()()()の攻撃は終らない。

敵味方…奴が今回のラスボスなのは確定として、俺達 ()()()は兎も角、配下である筈の妖怪達も あの骨で突き刺し、体内へと吸収していく!

 

「が…眼真?!!

これは一体、どういう事だ!?」

ガンマ…多分、普段の名前だったのだろう、妖怪の1人が、その名前を呼びながら、鬼ヶ島に問い質す。

 

「シャバババババ!

どうもこうも無いわ!

こうなれば貴様等諸共、貴奴等を喰って終わらせる!

それだけの事よ!

死にたくなくば、奴等が全滅する迄、必死に避けているが善いわ!」

うわ…最悪だ、コイツ!

しかし、その遣り取りから察するに、今のコイツは攻撃のon-offは出来ても、敵と味方の識別は不可能なのだろう。

体内に在る異物の体温か呼吸か…等に反応して、その生命体を取り込んでいく。

それが奴の、攻撃の手段!

 

ブョシャァアアッ!

 

「ぎええぇ?」

「ぎゃああああぁっ!」

…!!?

そう思っていた時、今度は壁の管から体液の様な物が勢い良く噴き出し、その直撃を受けた妖怪と…そして神兵の1人の体が、ドロドロに溶けて床に吸収された!

 

シュルルル…斬!

 

(あっぶ)ねっ!」

更には血管の様な物が、獲物を縛ろうとしたのか、鞭の様に撓り伸び、エクソシストの1人…フリードに迫るが、それをフリード光の剣で、冷静に対処。

 

「「「「ひゃひーーっ!!」」」」

しかし、その攻撃でも敵味方含めて また、犠牲者が続出する。

 

「クソ!骨だけじゃないのかよ!?」

それを見た俺が ややキレ気味に吠えた時、

「ふんん!!」

 

どごぉっ!

 

スサノオ様が、壁に向かって特大の ドラゴン波 闘氣弾を撃ち放った。

それは一瞬、壁に大穴を穿ったが、即座に再生される。

 

「どうやら、簡単に脱出は無理な様だな…」

「シャバババババ!

見逃しは せんわ!

貴様等全員、我が糧と、血肉となれい!」

多分、あの巨鬼の姿なら どや顔をしているのだろう、鬼ヶ島の重く低い嗤い声が、周りに響く。

 

シュゥゥン…

 

「!!?」

そしてヤツは、今度は…遂に まだ完全に回復出来ていない、俺をターゲットに定めてきた!

 

バジィッ!!

 

しかし、俺に向かってきた骨の棘は、いきなり現れた魔力障壁に弾かれた。

 

「大丈夫か、赤龍帝よ?」

「あ、アリガトゥ…ゴザイマス…」

それは、皇帝・ディハウザー・べリアル氏のアシストだった。

 

「ふ…、気にするな。

貴公に死なれては、我々の活躍が正当に報されないと思っただけだ。

それに…グリゴリには借りが有る。

…借りは、返す!」

 

斬!

 

そう言いながら、今度は迫る血管の鞭を、魔力の剣で斬り落とす皇帝。

 

「う、うわぁあ~!!」

「な、何で、俺がぁ~!?」

そうしてる中でも、鬼ヶ島の暴走による犠牲者は止まらない。

 

ぱか…

 

「「「「「!?」」」」」

そして今度は、いきなり床に、大きな口が牙を剥き出して開く!

…火事場のナントヤラとは よく云った物だ。

残る…或いは僅かに回復したチカラを全力にして翼を広げ、空中へ回避する俺。

当然、ディハウザー氏も この不意打ちからは逃れている。

 

「怖かった…」

「死ぬかと思いました…」

「ヌルフフ…危なかったですね~?」

周りを見渡せば、俺達の足下だけでなく、床に無数の口が開いていたが、フリードや茂っさん達エクソシストや神兵達は、堕天使やディハウザー氏の眷属に抱えられた形で難を逃れていたり、球状の結界に包まれて空中浮遊している。

これの餌食になったのは妖怪だけ。

結果的に、妖怪はボスの鬼ヶ島を除いて全滅した。

  

「間一発だったな…」

そして この結界は、スサノオ様の仕事だった。

 

『お、オノレェェエイィィッ!!』

鬼ヶ島からすれば、()だけに注意を向けて、()からの補食という発想を外そうとしていたみたいだが…実際に考えていなかったが、それでもスサノオ様は想定内だったのか、はたまた反射的にか…空中回避出来ない味方全体に防護結界を施し、最悪の事態を免れた形だ。

 

「後は()()()叩いて、脱出するだけだが…」

『シャババ…させると思うか…?』

スサノオ様の呟きに、鬼ヶ島が否で応える。

 

ぶっしゅううぅ!!

 

「「「「「「??!」」」」」」

そして あの消化液の様な体液を、無数の管から ぶち蒔け始めた!

コイツ、部屋全体を、あの液で浸す心算だ!

 

「むん!」

透かさずスサノオは、単に空中へ逃れている、俺達堕天使や悪魔にも、防護結界を張ってくれる。

…しかし、どうする?

さっきのスサノオ様の、かなりな本気の一撃でも、この部屋の肉壁は、完全に破壊出来ないみたいだし…

 

バゴォッ!

 

…?!

その時、この肉壁の一部が破壊され、

「真打ち登場!」

姿を見せたのは、幻影鬼師団の花山さん。

…と、その花山さんに背負われ、魔杖(ロッド)を掲げる決めポーズを構えた、蘭ちゃんだった。

…尚、この2人も、既に球状の結界で護られています。

 

「だ、大丈夫ですか、花山さん?」

真っ白なスーツが、殆ど赤に染まっている花山さんに、思わず声を掛けるが、

「大丈夫ですよ、イッセーさん。

カオルさんのコレ、全部 妖怪の帰り血ですから。」

…ですよねー。

実は そんな予感も、少しだけしていました。

 

「説明は後です!

この鬼ヶ島の声、私達も聞いていました。

スサノオ様! 派手なのイキますから、結界の威力を高めて下さい!」

「承知した!

姉者の眷属よ!存分に爆ぜるが良い!」

「…はい!!」

スサノオ様の了承を得た蘭ちゃんは花山さんの背中から ぴょんと飛び降りると、

「はあ~…」

精神を高ぶらせ、魔力を集中させていく。

砦に突入した後、ずっと消費した魔力と体力の回復に努めていたのだろう、周辺の空気が その強烈な魔力で震動しだした。

 

「…行きます!」

そして蘭ちゃんは、呪文を詠唱していく。

 

「"Θаγεε=Μυζтёёπ

紅と黒の旧支配者達よ!

太古の記憶の下、その衝動を解き放て!!

天崩地壊超死滅爆烈交響曲(シンフォニー・オブ・デストラクション)】!!!"」

 




 
スサノオ…ミスター・ブシドー(ガンダムOO)のイメージで。
鬼ヶ島編、次回で締めます。
 
次回:『蘭ちゃん爆ぜる!!(仮)』
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