海編、ラスト
◆◆◆
バイサーだ!
ありのまま 今 起こっていた事を話す!
私は この島に逃げ込んだと云う、はぐれ悪魔の捜索の為、ジャンヌと一緒に海岸裏側の洞窟内を探索していたんだ。
すると、奥の方から何やら妙な呻き声みたいな物が聞こえたので、その場に駆け寄ってみれば、
…コホン、
か、神様…ぼ、僕、もう…限k
あ~ん♡ベル君ベル君ベル君~♡
あんん♡ベル君ベル君ベルきゅ~ん!♡
…と、神ヘスティアと、彼女の眷属の少年、ベル・クラネルが盛っていたのだ。
「ちょ…? キミ! 何で僕の台詞の部分だけ、そんな生々しくリアルに再現してるんだよ!?」
…全く。
野外(洞窟内も野外に入るのだろうか?)でスルなら、きちんと人払いや遮音、認識疎外等の結界を張らないと駄目だろうに。
「「そ、そっちなのかい?」
ですか?」
ん…?
他に、何が有るのだ?
≫≫≫
「ま、まさか、そんな殺人鬼みたいなのが、この洞窟に潜んでいるのかい?」
「まぁ、可能性だけどね。」
神・ヘスティアと合流した我々は、一通りを説明。
「こ…こんな危険な場所で、僕達はシテてたのかい…」
「ひぇっ!?」
それを聞いた神ヘスティアと少年は、凄く驚いていた。
兎に角、その儘4人で洞窟の奥側に進む事に。
最初は この場は危険だから、2人を先に別荘へと帰そうとも思ったが、その途中で件の はぐれ悪魔と遭遇した時を考えると、それは それで危険。
最終的には、この戦力外の女神を護る役は多い方がベターだと、そういう結論に達したのだ。
「…何だかキミ、凄く失礼な事を、頭の中で喋ってないかい?」
因みに主は この島に在る もう1つの洞窟を、朱乃、レイナーレ、ミッテルト、黒歌、白音、ロスヴァイセは2手に別れ、森の中を探索。
戦闘技術を殆ど持たないアーシアを除く、アイザック隊メンバー総出だ。
しかし それでも別荘は別荘で、八阪殿アテナ殿ヘル殿オーフィス、そして何と言っても朱璃殿が控えているから、仮に はぐれ悪魔が来襲して来ても、大丈夫だろう。
「寧ろ、その はぐれに同情するわよね。」
「あぁ、全くだ。」
「む、無視かい~?!」
≫≫≫
『グロロ…』
「「「「………………。」」」」
…居た。
あの後、本当に少しだけ奥に進んだ先に、其れらしき者が居たのだ。
身体から漂わせる気配は、間違い無く悪魔の其れだ。
その容姿を言い表すなら、"海パン変態Muscle"。
顔をマントと一体型の濃青の覆面で隠し、あれではスピードを殺してしまうだろう…な、身体全体、無駄に着けただけの様なゴテゴテの筋肉を曝け出している、海パン一丁の大男だ。
右手には、片手戦斧を持っている。
『…誰だ、貴様等?
悪魔の追っ手…じゃないみたいだが?』
この、ジォイスン・クリスタル…だったか?
此奴も、我々に気付いたみたいだ。
『人間が2匹…に、獣人と…
ウッハ!そっちの女、もしかして"神"か?
外が騒がしかったので、海岸の家に、人間が遊びに来たとは思っていたが…』
一瞬 私達を冥界からの追跡者と思った様だが、直ぐに そうでは無いと察し、安堵な口調で喋る はぐれ悪魔。
「ギャハハハ!! 夜になったら襲ってやろうかと思っていたが、手間が省けたみたいだな!
中々美味そうな女達じゃねーかよぉ…
特に其処の"神"! お前を喰らえば、俺は更にチカラを得られるだろうよ!
そうすりゃ、多少の追っ手程度は蹴散らし、もっと遠くに逃げる事も出来るわ!」
しかもコイツ、我々の到着は気付いていた様で…尤も、あれだけ わいわいと騒いであそんでいたり、派手に戦闘していれば、普通は気付くが…陽が落ちた後、襲撃を仕掛ける気だったとか。
「ちょっ…? ぼ、僕なんか食べても、美味しくないぞ!本当だぞ!」
「だ…大丈夫ですよ、神様!」
その『喰う』と云う言葉に、神ヘスティアが、過剰に反応、自身の身を守る様に抱き締める。
そして その前に、少年が護る様に前に出た。
ふっ…中々にナイト君してるじゃないか。
「ふん!
特別に見逃してやるから、とっとと外に出やがれ!
そっちの女3人は…
ゲゲゲゲ…美味しく『戴きます』した後に、美味しく『喰って』やるからよぉ!」
「なっ?!」
「ハァ!?」
「あ゙?!」
しかし、その後の この言葉。
巫山戯るなよ…?
この私の身も心も、我が主、イッセーだけの物だ!
貴様如きが好きに出来る程、安くは無いわ!
…私としては、はぐれ悪魔には多少 思う処が有り、可能ならば戦闘を回避したいという考えも有ったが、今ので そんな気持ちは完全に失せた!
◆◆◆
ジャンヌでーす。
はぐれ悪魔と対峙した私達。
…は、良いのだけど、この はぐれの一言で、バイサーが(…私もだけど)、完全にキレ、戦闘回避不可の状況に。
「少年君!キミは、女神ちゃんを守っていて!」
「は、はいっ!」
兎の少年君に女神ちゃんのガードを指示すると、私達は
ダダダッ…
「殺ーっす!」「死ぃねぇ!」
武器を手にして、この変態海パン仮面に突撃!
『舐めるなぁっ!』
ガィンッ!
「「きゃあっ!?」」
…しかし、この はぐれ悪魔、私の聖剣とバイサーの爪を、斧の一振りだけで弾き返してしまう。
予想以上に強いわね、コイツ…。
『グロロ…
そんな軽い一撃で、この俺様を、傷着ける事が出来るとでも思っていたのか!』
ずずず…
「「「「!!?」」」」
そう言いながら、コイツは自分の肌を、鈍灰色に変化させた。
如何にも『パワーアップしました』って感じね。
ヒュン!…バキッ!
「ぎゃっ?!」
「バイサーっ!!」
そして悪魔の羽を広げ、低空飛行で突進からバイサーに攻撃!
…って、速い!
コイツ、もしかして
見るからにパワータイプな ごっつい見た目からして、てっきり
「ぅう…」
そしてバイサーは斧の一撃は辛うじてガードできた様だけど、体の大きさの違い、イコール体重差の違いで吹き飛ばされ、洞窟の岩壁に激突!
『ふんがーっ!!』
「!!」
そして その儘、今度は私に向けて斧を振り翳すけど、そんな大振りな攻撃、簡単に捌いてみせr
バキィッ!!
……………!!?
そんな…まさか、聖剣を砕いた?
『そんな薄っぺらな剣、俺の斧の前には、紙も同然よ!』
『…!!』
そう言いながら、斧を横に振り回す はぐれ悪魔。
ズバァッ…!
「きゃぁあっ?!」
その一撃は完全には躱しきれず、上着を斬り裂かれ、胸を露にされてしまった!
「いやぁっ!?」
慌てて両腕で胸を隠し、しゃがみ込んでしまう私。
どん!
「…がっ?!」
しかし、そんな真似は、戦いの場では命取り。
はぐれ悪魔は無防備となった私を、サッカーボールみたいに蹴り飛ばし、私もバイサー同様に岩壁に激突。
「何をやってるんだい聖女君!
早く換装して、そのR-18な おっぱいを、どうにかするんだ!」
少年君を目隠ししている女神ちゃんが叫んでいるけど、私、換装は出来ないのよね…
「くっ…ぅぅ…」
そしてバイサーが漸く立ち上がったけと、当り処が悪かったのか、足元が振らついてる。
あれじゃ、まともに戦えそうにない。
そして私も情けない話だけど、イッセー様以外の男に肌を晒す勇気…或いは覚悟は持ってなく、
『グロ…お前等は後で、ゆっくりと可愛がってやるよ…♪』
はぐれ悪魔は私達を安全牌と見なしたのか、女神ちゃんを
『退け、小僧!』
そして少年君に攻撃を仕掛けるが、
ガィィンッ!
『何だと?!』
その左手…逆手で持った赤い短剣で、斧を受け止めた。
あの短剣…あの斧を受け止めたって事は、私の聖剣より、硬さが有るって事よね?
「てぇいや!」
バシッ…斬!
『ぐぇえっ?!』
そして右の蹴りを相手の脇腹に放ち、右手に持っていた黒の短剣で、胸元を斬り裂いた!
「何なのだ…あの剣…は…?」
「ふふん♪ あの赤の短剣は、ミノタウロスの角を加工して造った物!
そして黒い短剣は、僕の神友であり、オリュンポス至高の鍛冶神であるヘパイストスに、ベル君の為にって頼み込んで造って貰った業物さ!」
バイサーの呟きに、女神ちゃんが まるで自分の事の様に、どや顔で解説。
「ファイア・ボルト!」
ボゥッ!
『きゃぁっ!?』
そして今度は少年君、炎の魔法を撃ち放った!
ファイア・ボルト…どうやら威力は並っぽいけど、その速度は正に電光石火。
超スピードの火の矢は、如何に
『ガァキイ…!』
覆面の下で怒りの形相をしているであろう はぐれ悪魔は、一瞬 少年君を睨み付けると、今度は私達に目を向ける。
ダダダッ!
「「「??!」」」
「しま…っ…か、神様!」
そして また
本命の狙いは、恐らくは女神ちゃんね。
R-18的に喰らうのを諦め、純粋に栄養摂取的に喰らう事で、パワーアップを図っているんだろう。
「…させないよ!」
斬!
此処で、少しだけ復活したバイサーが、獅子王妃の爪で応戦。
『ウガァアッ!!』
バキィッ!
「ぐっ!」
斬撃を繰り出すが、反撃の裏拳を受けてしまう。
「ハァッ!」
ズシャァッ!
だが私も その隙に、防御の為、無数の聖剣で造った壁を創り出す。
『ガァアッ!』
ガァァン…
『……!』
その壁に、はぐれ悪魔は斧を叩き付けるけど、先程と違って砕け散る事は無い。
それも当たり前。
斬れ味を棄て、硬度、強度を優先させて創った この
「でぇいやぁあっ!!」
ズヴァッ…!
そして、其処に飛び込んで来たのは少年君!
刃から翠の光を放つ黒い短剣…よく見たら、刀身にに刻まれた古代文字みたいなのが、光ってるわね…を、このMuscleはぐれ悪魔の脇腹に、深々と突き刺した!
「ファイア…ボルトォッ!!」
ボォォオオッ!
『グギャワボワァアッ??!』
更には その刃に炎の魔法をチャージして、体の内側から敵を燃やし尽くす!
◆◆◆
「まさか、アナタ達とは…ね?」
「「「「「「……………。」」」」」」
イッセーだぜ!
ジャンヌから、はぐれ悪魔の発見、及び処理の報せを聞いて、別荘に戻った俺達。
それと同じタイミングで、悪魔政府から遣わされてきたヒト達が やってきたのだけど…
「何て言うか…もう、終わりました。」
「そ…そうですか…」
魔王?大王?…からの要請を受け、この島に はぐれ悪魔討伐の為に やってきたのは、 駒王町の管理を外され、暇に なっていた ソーナ・シトリーさん率いる、生徒会の皆さんだったのだ。
「オ、オテスゥオカケシマシタ…」
「コッチコソ、ナンカスイマセン…」
知らない悪魔なら、『御苦労さん。もう、帰って良いよ。』で終わらせてたが、多少なりとも知ってる面々だけに、何となく気不味い。
「…………………………。」
匙も黙りだ。
何やってんだよ?
此処は お前が「けっ!マジに余計な真似、しやがって!」とか悪態を吐いて、場を湧かせる処だろ?
「兎に角 皆さん、折角ですから、今日は此処に泊まっていきませんか?」
「「「「「…!!」」」」」
そう言ってきたのは朱璃さん。
そして この言葉に、数人が食い付く様な反応を見せたのを、俺は見逃さなかった!
「ああ、そうすれば?
部屋は沢山あるし。皆も良いだろ?」
俺も便乗。
会長さん達に、泊まる様に呼び掛ける。
「ふむ!食事は人数が多い方が楽しいぞ!
母上の料理は絶品だぞ!
それに、夜は花火大会じゃ!」
「まあ、一昔前なら兎も角だろうだけどね。」
更に九重も泊まり推し。
レイナちゃん達も、既に『悪魔だから』…な拘りは持っていない。
…尤も これが天界の関係者なら、『オラッ!もう用は無いだろうが!とっとと帰りやがれ!!』…と、俺が叩き出していただろうが。
「"天使★絶対殺すマン"っスからねぇ…」
≫≫≫
ヒュゥ~ン…どーん!!
「わぁ~っ♪」
「綺麗…」
…結局、生徒会の皆さんも、お泊まりする事に。
九重とレオ…お子様の『皆で遊ぼう』に屈したのだ。
朱璃さん八阪さんの作った夕食の後は、夜空に大きく花開く大輪に皆、目を奪われていた。
「まさか、こんな本格的な花火だとは、思っていませんでした。」
「ですよね。これは流石の私も、驚きです。」
副会長さんや蘭ちゃんが呟くけど、ふふん♪…グリゴリ所有の南の島ですよ?
打ち上げ花火の装置が、無い訳が無いじゃないですか!
其処らのコンビニで買った、花火で終わると思ってましたか?
参考迄に…この場でも裏方は俺とベル君、ついでに匙だ。
≫≫≫
「あ、アイザック、テメーっ!不山戯るなよ!!」
「あゎゎわ…」
「ん?何が~?」
そして、就寝となった時、此処で場を乱そうと する者が現れた。
匙だ。
どうやら部屋割りに、不満がアリアリな様だが…
【本日の部屋割り】
・俺、黒歌、白音ちゃん、アーシア(スキュラとの戦闘時、"回復"で地味にポイントを稼ぎ、最終的にMVPになりました)
・朱乃ちゃん、レイナちゃん、ミッテちゃん
・ジャンヌ、バイサー、蘭ちゃん
・アテナ様、ヘル様、ロセ、オーフィス
・八阪さん、九重
・朱璃さん、レオ
・ヘスティア様、ベル君
・副会長さん、花戒さん、草下さん
・由良さん、巡さん、仁村さん
そして、
「いや、一応は他の生徒会メンバーの了承も、得たのだが?」
「尚更 不山戯んな。」
・生徒会長さん、匙
いや…だって、副会長さん達に、『会長さんと匙は、是非とも同じ部屋に』って、そう言われたのですが。
因みに会長さん、匙の後ろで はわはわしています。
≫≫≫
結局 会長さんは副会長さん達の部屋に転がり込み、匙は1人部屋で夜を過ごしました。
「「「「「「「「「チッ!この、ヘタレカップルが…」」」」」」」」」
…こうして夜は過ぎ、南の島、2日目。
翌日からは また学園生活等、普段の日常が始まる事も有り、遊んだりするのは昼前迄。
浜辺でのカレーを皆で堪能した後、海岸周りや別荘の片付けを皆で終わらせ、俺達はホームである駒王町へと帰るのだった。
①殆んど名前で呼ばれなかった、はぐれ悪魔ジィオスン・クリスタルのイメージは、エリミネーター(ドラクエシリーズ)で
②生徒会の皆さん、ちゃっかりと水着を持参していたみたいです?
次回、『天界異変!』…の予定(ハッキリ決めてない:笑)
感想、評価よろしくです。