Fate/Wars 泡沫のパラダイムシフト   作:氏家 慷

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Fate/Wars 泡沫のパラダイムシフト 1

ある日の昼下がり時計塔の廊下を一人歩きながら、アルバート・ショーペンハウアーは苦悩していた。

今日の講義でも、教授に馬鹿にされたからだ。

『ショーペンハウアー君、いつになったら君はまともな論文を発表を提出するんだね。君は魔術師の由緒正しい血統の溝を電気なんかで埋められると主張するが、そんなはずは無いだろう?』

『いいえ、教授それはあなたの考えが甘いのです。私の、論文にもある通り、魔術師の血統の溝は、魔力量のみと私は、考えます。何故ならば、培った知識は発表された論文や魔術書で埋められる為です。そして、私は、その唯一の溝の魔力は電力を魔力に変換する事を実現すれば、無くなると言っているだけです。シンプルで分かりやすく書いたはずですが、何がわからないのですか?』

『だから、その、電力を魔力に変換する事だよ!

いいか、そんなこと出来るはずないだろ。魔力とは、我々、魔術師が先天的に授かるものであり、電力とは、ちんけな灯りを灯すために作り出された物だ。なんで、そんなことが出来る?石から金を作る方がまだ簡単に思えるよ』

ははははっと私以外の生徒一同大爆笑

だが、私はそんな程度では屈さない

『そんな事はありません、アインシュタインの理論で考えれば全ての物質はエネルギーです。魔術で作り出した物だってエネルギーなんです。全ての鍵はエネルギーなんですよ!魔術で作ったゴーレムだって魔力が切れれば、ただの瓦礫になるでしょう。電気で動く機械も同じです。なぜわからないんですか?二つは根本的には、同じものなんですよ。』

『馬鹿馬鹿しい、君にはいくら言ってもわからないようだから、まともな論文を提出するまで何度でも再提出させる。』

辺りの生徒から、私を嘲笑する声が聞こえる。

『もう、いいですあなたの元ではもう、学べない。そのソロモン神殿が建っていた頃から1ミリも進んでいない古くさい知識で、永久にここの教授で満足してろ!』

『なんだと、いいか貴様は、頭が冷えるまで講義には、出席するな!いいな!』

『言われなくても、こんなところで暇を潰す時間はない。』

私は、その場から立ち去り頭を、掻き毟りながら暫く歩いて今に、至る。

『なんなんだ、あのアホは魔術は全ての理論を超越すると思ってやがる。物理法則を全く考慮せずに考えていても永久に根源には至れないぞ。』

前方から、教授二人が話ながら歩いてくる。

『おい、聞いたか?亜種聖杯戦争の事。』

『聞いたよ、俺も参加したかったなー』

『でも、この前のは聖杯が爆発したそうだぜ。』

『本当か?やっぱり出たく無くなったな。爆発は怖い』

『ははっ、そりゃそうだ』

二人の教授は笑いながら、歩きさった。

『今の話が本当ならば、その跡地に行けば、聖杯の残骸か何かが見つかるかもしれない。ふふっどうだ馬鹿な教授ども物理的に考えないからこういう事を誰も思い付かないんだ。さっそく調べて行ってみよう。』

聞き込みをして聖杯跡地に、到着。

『ここか、酷いな。凄いエネルギーだ。これなら、何かあるはずだ。』

瓦礫を適当にひっくり返し、光るものを発見。

『・・・本当にあった!聖杯の欠片だ。

何かあれば、良いと思っていたがまさか本当に見つかるとは、ここは、暫く誰も近づかないだろうし、仮の工房に使おう。さっそく以前から試したかった事を実践しよう!』

大はしゃぎで一度家に帰り必要な物を揃えて戻る。

『よし、準備は整った。さあ、始めよう全く新しい聖杯戦争を。』

まずは、召喚陣を書く。そして、触媒をその上に置いた。用意した、触媒は、ガリア戦記、我が闘争、相対性理論について書かれた本、それに、ニコラ・テスラの自伝だ。

『触媒とは、要はこの世界と座を繋ぐ為に残された錨だ。その人物に関係のある情報が詰まっていれば良いはずだから本でもなんら問題は無いはずだ。

なぜ皆、わざわざ骨董品を用意するんだ?』

そして、最後に本の近くに聖杯の欠片を置いて、

詠唱を始める。

『素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。

降り立つ風には壁を。

 

そうだ、私の野望はここから始まる。

 

四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ。

 

閉じよ。閉じよ。閉じよ。(みたせ みたせ みたせ)

 

私は、全てを知る者。

 

閉じよ。閉じよ。(みたせ みたせ)

 

そう、私は全てを知るべき者。

 

繰り返すつどに五度。

ただ、満たされる刻を破却する。

 

――――告げる。

汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。

聖杯の寄るべに従い、この意、この理ことわりに従うならば応えよ。

 

私と、同じく野望を抱いた者達よ。

私に共感する者達よ。

 

誓いを此処ここに。

我は常世総ての善と成る者、

我は常世総ての悪を敷しく者。

 

そして、常世総てを掴むもの。

 

汝、三大の言霊を纏う七天、

抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よっ!』

召喚陣の上に4人が現れる。

現れた者は、言わずもがな。

[newpage]

『成功だ!やはり、私は正しかった。』

チョビヒゲの男の後ろに3人並んだ英雄達は、私にかしづき、チョビヒゲの男が私に、語りかける。

『我ら、召喚に応じ参上した。

見れば此度の聖杯戦争は普段の物とは、少し異なるようだ。マスターまずは、あなたの思惑を我らに聞かせて貰いたい。』

『流石、歴史に名高い賢者達。

話が、早くて助かる。私が、君たちを呼んだのは、聖杯戦争を始める為だ。』

『それは、わかっているが?』

『ふふっ

いや、言い方が悪かった。君たちには、新しい聖杯戦争をするための、手伝いを、して貰いたい。』

『ほう、それは、興味深い。

それで、何を、すればいい?』

チョビヒゲの男は不敵な笑みを浮かべ、楽しそうに聞いた。

『その前に、後ろの方々、どうぞ楽に聞いてください。』

一同、適当に腰かける。

『それを、言われるのを、待っていた。私は、こういう軍隊じみた事は嫌いでね。』

ボサボサの髪の男は不機嫌そうにいった。

『わかっています。すみませんアインシュタイン。

では、本題に入りましょう。私は、電力を魔力に変換して無尽蔵の魔力を手に入れたい。テスラ、アインシュタインそれは、可能ですか?』

二人は少し話し合い当然の様に。

『『可能だ。』』と言った。

私は、ほくそ笑みながら言った。

『よし、見たか教授!

あなたに否定されて2時間で私が、正しい事が、証明されたぞ。ざまあ見ろ。』

『それでは、さっそく取りかかろう。

まずは、発電装置と超高性能のコンピューター、そして、それを操作する端末とモニターを用意してくれ。』

『了解した。』

ものの数分で、完成して、驚愕した私を、置いてテスラを始めとする4人は次の指示を待った。

『で、次はどうするんだ?』

『では、そのコンピューター内に私が考えた術式で、電脳空間を形成する。そこで魔力を操作できる様にしてくれ。』

『心得た。』

またしても、ものの数分で完成。

待ちくたびれた。チョビヒゲの男と月桂冠の青年は、チェスを楽しんでいる。

この二人のチェスか、凄く見たいが、先に進もう。

『では、これからが、本番だ。

これから、あなたたちには、私が組み上げた電脳空間で、聖杯戦争を、してもらう。』

『やっと、始まるのか決着はつかなかったな。』

『お前が、チョビヒゲを擦りなが長考しなければ終わっていたがな。』

『何を言う、後数手で私の勝ちだったよ。』

『本題に入って良いかな?』

『『かまわない』』

『よし、では、ルール説明だ。

これからあなた達には、電脳空間で聖杯戦争をして貰う。ルールは、当然相手を皆殺しにした方の勝ちだ。舞台設定は、この世の中で最も信仰に疎く、最も、世界中の英雄が知られている東京だ。

よし、存分にやってくれ。』

ぽかんとする指揮官二人に、開発チームが説明する。

『要するに、我々の霊基を電脳空間内に作ったから、そこに移動して戦うんだよ。』

『まあ、言われるがままやってみるか。』

『そうだな。』

サーヴァント4名端末に触れ粒子となりモニター内に移る。

『それで、どうするんだ?』

『まずは、お互いに拠点を決めてくれ。』

『では、私は新宿駅にする。』

月桂冠の男が言った。

『では、私は、高尾山にしよう。』

チョビヒゲの男が言った。

『わかった。次にアインシュタインかテスラのどちらかを、選んでくれ。』

『では、私はテスラにする。』

チョビヒゲの男が言った。

『ありがとう、生前から君が嫌いなんだ。』

ボサボサの髪の男が言った。

『わかっているよ。でも、君を無辜の怪物に仕立て挙げたのは、亡命先だ。』

チョビヒゲの男は、にやりと笑って言った。

『全く、踏んだり蹴ったりな人生だった。』

『さて、別れたところで拠点に飛んで貰う、

これからすることを、二人同じ場所でやるのは、

お互い嫌だろうからねえ。』

『なんだか、わからんがわかった飛ばしてくれ。』

私は、端末を操作し各拠点に飛ばした。

『では、これからヒトラーとカエサルに

英霊召喚をして貰う。』

『『は?』』

2つの場所で同じ反応が帰ってくる。

開発チームはニヤついている。

『言い忘れていた。

あなた方二人にはこれから令呪を持ったサーヴァント。命名コマンダーとなって、7騎のサーヴァントを使って戦って貰う。』

二人の歴史的天才指導者は揃って大笑いをすると

『『おもしろいっ!』』

 

『気に言ってくれて何よりだ。

では、召喚サークルを用意したので使いたい英霊を教えてくれ情報ソースをそちらに送って触媒にする。』

『『心得た。』』

二人の英雄は、お互いにサーヴァントを私に教え、召喚の準備は、整った。

『さあ、詠唱してくれ。』

『『素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。

 

降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、

王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ。

 

閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。(みたせ みたせ みたせ みたせ みたせ)

 

繰り返すつどに五度。

ただ、満たされる刻を破却する

 

――――告げる。

 

汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。

聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ

 

誓いを此処に。

 

我は常世総ての善と成る者、

我は常世総ての悪を敷く者。

 

汝三大の言霊を纏う七天、

抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!』』

何も、起きない。

『なぜだ、情報ソースはおくったのに!』

『マスター、私たちを呼んだ時、何か付け足したんじゃないか?』

ボサボサの髪の男が言った。

『そういえば、野望を口走った。』

二人の指導者は頷いてこう言った。

『ほう、つまりは英霊を同調させる為の言葉を足せば良いんだな?』

『『まかせておけ!』』

 

『歴史に名高い英雄達よ』

『諸君らをつき動かすものはなんだ?』

『金か、名声か、その両方か?

いや、違うだろう?』

『生前の野望』

『生前の願い』

『生前に屈辱』

『『それこそが、諸君らの原動力だ。』』

『『さあ、現れろ私が、それをかなえてやろう

勝利という何よりも旨い美酒とともに!』』

召喚陣が演説に反応し光だして

英雄達を呼び出した。

 

 

高尾山 山頂にて

 

先程の詠唱とは、別にバーサーカーの詠唱が済んだ。ヒトラーの前に現れたのは、

 

紫髪の騎士

赤髪の中国人

汚ならしい髯の海賊

片腕が大きい仮面の男

全身をマントで覆った仮面の男

中華風の鎧の大男だ。

 

『諸君、さっそく準備に取りかかろう。

テスラは既に、作業にかかり始めている。

キャスターにも、直ぐに仕事をしてもらうぞ。

ランサーは、私の兵の訓練をしてくれ、慣れてるだろう?ライダーはテスラの元へ行ってくれ。他の者は暫く待機だ。』

それぞれ、行動を開始させヒトラーはスキルで自らの、部下を召喚した。

『さて、優秀な我が配下達よ

また、大戦が始まるぞ。準備はいいかな?』

『『『『『『勿論です。大総統閣下

ジークハイル!ジークハイル!』』』』』』

『ふふっ頼もしい限りだ。カエサルよ

サーヴァントだけが、相手だとは思うなよ。

もとより私は、英雄達を囲っている事を忘れるな』

チョビヒゲの男は嬉しそうにいい放った。

 

新宿駅にて

 

カエサルが、呼び出したのは、

白い甲冑の美青年

丸盾の男

大帽子の男

骸の仮面の女

インディアンの戦士

とぼけた顔の提督だ。

 

次にカエサルはバーサーカーの詠唱に入る

 

『閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。

繰り返すつどに五度。

ただ、満たされる刻を破却する

 

告げる。

 

汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。

聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ

 

誓いを此処に。

我は常世総ての善と成る者、

我は常世総ての悪を敷く者。

 

されど汝はその眼を混沌に曇らせ侍るべし。汝、狂乱の檻に囚われし者。我はその鎖を手繰る者――。

 

汝三大の言霊を纏う七天、

抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ!

 

あらゆる世界の境は、今、この時、私が破る

此度の呼び声は、前人未踏の領域へ轟くだろう』

 

現れたのは、枷をつけた怪物だ。

 

『さあ、それぞれの配置について貰うぞ。

バーサーカーはここに残れ。』

それぞれのサーヴァントが移動すると、カエサルは、アインシュタインに指示をした。

『それでは、この怪物の宝具を使う前に、

君の宝具でこの駅と迷宮を関連付けてくれ。』

『私の宝具は関連付けるのではなく理論を構築しているのだが、まあ、いい。

伝説の迷宮は、この東京の迷宮とミーム的に同じ部分がある。まあ、迷い安いというだけなのだが、

そこで、私は一度迷うと出るのに苦労する物は迷宮だと、ここに結論付ける。勿論路線も含めてだ。』

あまりに、こじつけが強く意味不明のこの理論では、通常アインシュタインの宝具は発動しない。

だが、ここでカエサルは令呪を使用した。

『アインシュタインよ、己が理論を完璧な物とし、この世界にそれを、証明せよ。』

令呪により強化されたアインシュタインの宝具が発動する。これだけでは、なにも周りに変化はない。

『さあ、ミノタウロスよ。

宝具を開帳せよッ!』

『アァァアアアアアアアアッッッッっ!

[[rb:万古不易の迷宮 >ケイオス・ラビュリントス ]]』

ミノタウロスの宝具が発動し、新宿駅内部とそれにつながる路線全てが迷宮となった。新宿駅と対応しているため最大捕捉人数も激増されている。

さらに、アインシュタインはこれに続き

『迷宮の入り口を新宿駅の入り口のみとし他の部分は、地下にあるものとする。さらに、

ミノタウロスは、迷宮の上では、どこからでも、迷宮に入る事が出来る。理由はミノタウロスが入り口から出入り出来れば、ミノス王は怪物を閉じ込めた事には、ならないからだ。さらに、コマンダーの命令でミノタウロスは迷宮上のどこへでも出られる。2つの矛盾して聞こえる理論は、孤立系で考える物とする。そして、コマンダーと私は迷宮内を好きに移動できる。理由は、ラビリンスに入り活動するものは、侵入者とミノタウロスのみであり、今ここにいる。我々は、ただの傍観者として迷宮が認識するからだ。』

こうして、カエサルの拠点は完成した。

『これで、ここにいる限り誰も我々に手出しする事は出来なくなった。存在するはずのない傍観者に、手出しする事は、不可能だからな。ハハハッ』

『なんというか、本当に君は、舌が回るというだけで、誰よりも恐ろしい事をしでかすな。ここまでの詐欺を目撃したら、もはや呆れるしかないよ。』

『私は、この弁舌だけで、全てを解決してきたからな。さて、アドルフ・ヒトラーは、どうやって、これを攻略するかな。ハハハハハッ』

 

高尾山 山頂にて

 

『では、行ってくるでござるよ。』

『ああ、頼むよ。

今回、君の役割は戦況を大きく左右させる。

期待しているよ。』

『おうよ、この黒髯様に任せておけッ

いくで、ござるよ。テスラ殿。』

『ああ、今いくよ。』

最後の仕上げを、終わらせたテスラと黒ひげが

海賊船に乗り込む。

『では、航海の無事を祈るぞ。』

ヒトラーが、そう言うと海賊船は宙に浮き空を

進み始める。

『さて、カエサルよ

私の秘策を楽しみに待っていてくれたまえ。』

 

二人の天才はお互いに策を弄し、戦いに挑む。

この戦いの行く末を予想出来るものは、恐らくは、存在しないだろう。

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