《夜》
宿について熟睡していた禍音だが夢で目が覚めた。
「ん…」
「ヘァッ!?」
禍音の起きた時の寝ぼけた声で目を覚ます魎魏、それを苦笑いしながら見ていた空が突然ノックされた扉の方に視線を向けた。
「俺が出るよ〜ん…」
とても眠そうに魎魏はふらふらと扉に向かい、ドアノブに手をかけるとその扉の先には先程空が話しかけていた少女、ステファニー・ドーラがいた。
「中に…入ってもいいですの?」
「まぁ…寒いからさっさと入って。」
魎魏が軽く突き飛ばすように室内に押せば禍音がタオルを持って受け止め、扉を閉めた魎魏が近くの壁にもたれかかって二度寝再開したところでステファニーは口を開いた。
「どういう…事ですの…」
「あん?何が?あ、こいつは俺の妹な?」
「空、多分そこじゃない。」
「昼間言いましたわよね…イカサマをされていると…」
「言ったな。」
いつの間にか起きていた魎魏は相槌を打ちながら嘲笑うように言葉を続けた。
「負けたんだろ?どうせ。」
「ええ、負けましたわよぉっ!これで何もかもお終いですわっ!」
「魎魏…何故お前は火に油を注ぐ事しか出来ないんだ?」
魎魏は「負けて当然」と言ったような表情を浮かべた。白も同じ事を思っていたのか興味なさそうに空の膝に寝転がる。一方禍音は…………
⦅you are winner!⦆
興味が無いのかあるのかわからないがノールックゲームに勤しんでいた。それを見て空は何かを見つけたような楽しそうな表情で言葉を紡ぐ。
「ま、負けても当然って感じ?保守的な挙句怒りの沸点が低い、そしてあんなイカサマも自力で見抜けない、さらに言えば負けたからと言って他人に八つ当たり、これが前王の子孫なら負け込んで当然。」
「雑魚と言われてもしゃあねえやな。」
「撤回しなさいっ…」
ステフは耐え切れなくなったのか消え入りそうな声でつぶやく。
「おん?“展開しなさい”?」(グ〜←腹の音
「アホ、“撤回しなさい”だ。」
馬鹿馬鹿しいボケをかます魎魏は放っておいて空はステフとの会話に戻るのであった。
禍音side
私は暇な為ノールックゲームに勤しんでいる。しかしなにかと不穏な空気。そう思った私は立ち上がりドアのところに座るとイヤホンをつけて曲を聴くことにした。
語り手 side
ステフが空の言動に耐え切れなくなり殴ろうとするもそれを空は手を叩く事によってキャンセルした。もちろん手を叩いてキャンセルせずとも盟約によってステフの手が届くことは無いが。
「それじゃあゲームをしよう。俺はパー以外を出したら負けとする。ちなみにパー以外で勝ったら引き分けな。」
その後いろいろと説明して空とステフはジャンケンをはじめることとなる。
「お腹すいたなぁ…何かない?」
「はい、カロリーメイト。」
空腹を訴える禍音とカロリーメイトを渡す魎魏は無視することにしよう…
用語紹介
《ノールックゲーム》→画面を見ないでゲームをすること