ピュートーンさん!?d×d   作:塩で美味しくいただかれそうなサンマ

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天蛇は絶対的に不敗と謳う輩がいるが実はそうではない。天蛇に勝つことはできるさ。方法は簡単だ。天蛇が知っている運命の可能性その全ての先で天蛇を打ち負かせばいいのさ。まぁ、机上の空論だよ。そのような生物はこの世にいないだろうから。

ー堕天使生物学者ジ・ドンコルドのつぶやきよりー


第8話 逆鱗

俺が起きたときすでにゼウスはある書き置きを残して帰っていた。

「もうお主を縛るものはない。自由に生きろ。」だそうだ。

警告とかが一切書かれてないところにゼウスの心意気を感じる。

しかし、やはり力が強大過ぎると不便だな。

ほかの力のあるドラゴンは人間の姿を借りてその力を隠す、封じるそうだしそれを真似してみようか。

ゼウスが今まで俺が力を制限することを縛っていたからできなかったがやり方はもちろん知っている。

 

「…ふぅーこんなものかな。」

 

変身する姿は自由である。

しかし別に美女美男子になりたいわけでもないし精神もじじいなのでおじいさんの姿にしておいた。

力の大半も封じてみたため運命が全く見えない。

初めての体験だが…これはいいな。

まぁ、地球の終わりまでの大筋の運命はすでに知っているのだが一度目の俺の死によりその大筋は崩れたので必ずしもそれを通るわけではない。

つまるところ今の俺はふつうの生物と同じというわけだ。

ゼウスのいうとおり。やはり縛りはなくなっているようである。

もう50年くらいはこの洞窟で眠って過ごそうかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうやら俺の眠りは妨げられる傾向にあるな。

まだ20年も経っていない。

確かにこのような運命もかなり昔に見えていたが実現するとは思っていなかった。

端的にいうと堕天使が攻めてきた。

俺の力を欲したのとそれが手に入れられないのであれば堕天使にとって危険だと判断したということだ。

もちろん堕天使のトップである「アザゼル」という人はそんな愚かなことはしない。

堕天使の中でも過激派の奴らがきたのだろう。

正直堕天使は過激派であってももう少し賢いだろうと思ってたが買いかぶりだった。

 

「お前が…天蛇、ピュートーンか?」

「そうであるが、何用かな?」

 

堕天使たちはこんな老いぼれがいるとは思わなかったようである。

俺の人間体は能力もふつうの人間ほどなのでそこまで脅威に感じないらしく、俺の答えを聞いた瞬間皆笑い出した。

伝説の存在の正体はこれだったのか、あっけないな、そんな感じなんだろう。

なんとも失礼だな…まぁいいが。

 

「はぁ?お前がピュートーン?フハハ!アザゼルも腰抜けだなぁ!こんな弱っちいのに手を出すなとかいってみすみす運命を操る能力を逃そうとするとは!」

 

はぁ…なるほど。

さっきまで寝ぼけていたがようやく思い出してきた。

堕天使はそういえば俺との会合に参加していなかった。

二天龍を食い止める役を買って出たのだ。

悪魔や天使が直接俺の圧を受けたのは会合の時である。

堕天使も、二天龍との戦いの時は俺と一緒にいたが、その時は圧を受けていない。

圧をかけたのは二天龍に向けてだったからな。

それだから俺の恐ろしさを知らんわけか…

さて、どうするべきか。

別に殺してもいいが…今回は見逃してやろう。

 

「堕天使たちよ、今なら見逃してやる。帰れ。」

「うるせえ雑魚が。雑魚は雑魚らしくしてろってんだ偉そうにしやがって。虫唾が走るんだよ!」

「もう一度だけ警告だ。帰れ。」

「ふざけるな。帰るわけないだろうアホが。」

 

まったく、聞く耳を持たない奴らってのは煩わしい。

人間化により運命が見れないからこういう不便さを感じてしまうのはデメリットだな。

それに口調は神の仕事していたら染み付いたものだし実際神なのだから問題ないだろう。

あぁ、でも今はただのでかい蛇か。

まぁいい、ちょっと懲らしめてやろう。

 

天蛇はこの判断を一生後悔することになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

堕天使達はあれだけ自信があったから少しは骨があるのかと期待していたらそうでもなかった。

数分どころか数秒も持たず敗北を喫し、俺の前に横たわっている。

呻き声が洞窟内に反響しなんとも不快だ。

俺は静かなのが好きなんだが。

堕天使の本拠地にでも転送しようと堕天使のリーダー格に近づくとそいつは恐怖の表情を向けた。

歪んだ醜い顔だった。

それは死を悟った顔だった。

それでも生を諦めぬ顔だった。

 

「ま、待ってくれ!ある条件を出す!お前にとっていいことのはずだ!だから命だけは助けてくれ!」

 

その堕天使は命乞いをしだした。

別にそんなものしなくとも命は奪わないつもりであったがその条件とやらに少し興味が湧いた。

俺を喜ばせるようなものは今現在この世に存在しない。

むしろどれだけ興味の湧かないつまらないものなのかという点に興味が湧いた。

まぁ、すぐにその興味も失せたが。

早く転送しようと近づくが、その堕天使は後ずさりしながら命乞いを続ける。

 

「逃げるな。」

「待ってくれ!条件を話すから!この堕天使を渡す!好きにしていい!」

 

その堕天使のリーダー格は近くに気絶して転がっていたある堕天使を指した。

うつ伏せで顔は分からないが黒髪の少女だった。

 

「それになんのメリットがある?いいから抵抗するな。」

「この堕天使はな、天界に伝わる禁忌を使って俺が転生させたんだ!その魂はお前の最愛の…ピギュッ!」

 

言葉の途中で堕天使の頭は吹き飛んだ。

俺が吹き飛ばした。

右腕を思い切り振り抜いただけで飛んで行った。

 

ドチャッグチャッと飛んでいった首が不快な音を出す。

 

殺した理由は簡単だ。

言葉の意味を途中で理解した。

理解してしまった。

そして後悔した。

人間の姿になったことを。

運命を見る力を封じたことを。

悠長な選択をしてしまったことを。

即刻殺すべきだったのだ。

自由という名の罠にまんまとはまり、冷静さを失っていたのだ。

浮き足立っていた。

それだけはしたくなかった。

して欲しくなかった。

奴は俺が喜ぶと思ってやったのだろうか。

分からん。

力を封じている俺には分からん。

とりあえず近くに転がっていたその少女の元へ行き、その顔を持ち上げてみた。

 

「…クソが。」

 

その顔はまさしくエアルであった。

エアルそのもの。

俺の中に憤怒が渦巻く。

奴を一瞬で殺してしまったことを後悔した。

もっと苦しめればよかった。

奴は今、俺の夢を壊したのだ。

生きていればまたエアルに会えるという実現不可能な夢を。

夢というのは中途半端に叶うと余計に冷めるものだ。

この少女はエアルの魂と容貌を持つが、エアルではない。

エアルの記憶や人格、雰囲気などは全くもって併せ持っておらず、魂と側だけ一緒というエアルでありエアルならざるものなのだ。

エアルが、完全に、そのまま俺の前に再び現れるということは未来永劫ありえない。

奴は、俺に現実を突きつけたのだ。

この少女の存在をもってして。

 

「……殺せるわけ…ないだろう…」

 

その少女を殺そうとしたが、できなかった。

頭ではそれがエアルではないと理解しているのに、体が拒否するのだ。

その魂や容貌に騙されて。

エアルの転生という事実を知ったせいでためらいが生まれていた。

こうなることを理解していた。

知っていたからエアルの転生体が現れることだけは阻止しようと、そう考えていたのに。

少しの油断で、運命を見る能力を絶ったために。

この可能性も見えていたのに対処を怠ったがために。

辛い現実が目の前に横たわる。

 

「くそ…甘い妄想でもいいじゃないか…夢を見させてくれたって…いいじゃないか…エアル…」

 

天蛇の小さな嘆きが洞窟内に響くことはなく、あたりはとても気持ちの悪い静寂に囲まれていた。

天蛇がエアルの偶像にすがることは、もうできない。




たくさん感想とかしおり来てて驚きです。
とても励みになりますありがとうございます。
ジャバネットさん第二世代はいけそうですねぇ!
でも…
今回ヤヴァスです。
もー文才がない!
ほんとにひどい展開だし、ピュートーンさんのキャラ固まってないし…
これからも精進します。これからもよろしくお願いします。
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