今日はクリスマスですがクリスマス何も関係ない話です^^;
もう少しお話を進められていれば書けたかもしれない( ´-ω-)
メリークリスマス。
第十話よろしくお願いします。
「…!本当にいた…」
突然モールの中へと引き返した由紀を追うとそこにはたくさんのかれらに囲まれている1人の少女がいた。
由紀が彼女の元へと駆け出そうとするが悠里がリュックを掴んでそれを止めた。
「ダメ!ゆきちゃん危ないわ!!」
「でも…でも!!」
すると由紀は何か思い出したように目を見開き叫びをあげた。
そしてリュックから腕を抜き悠里の制止を振り切って走りだした。
「ゆきちゃん!!」
止めたのにもかかわらず由紀がかれらの元へ飛び込んでいってしまい悠里はその場で立ち尽くしてしまう。
「助けに……きゃああ!!」
ピアノの上に立っていた少女はかれらの足を掴まれ下へと引きずり下ろされてしまった。
「ああ…!!」
それを見て由紀は1度立ち止まるがすぐに走りだした。
「なろっ!」
「…っ!」
胡桃と光が由紀の後を追いかれらの群れに飛びこんでいく。自分達に背を向けているものばかりだっため簡単になぎ倒していく。しかしそれも最初だけで2人に気づいたかれらが次々に襲い掛かってくる。
「…くっ、これじゃキリが…!」
「はあ、はあ、数が多すぎる」
かれらと戦うことに慣れている2人だがあまりの多さに苦戦してしまう。体力の消耗も激しく一撃で仕留められないことも増えてしまっていた。
そんな危機的状況の中悠里が突然声を上げる。
「みんな!…耳塞いで!!」
そう言うと悠里はさきほど手に入れた防犯ブザーの紐を引っ張りそれを鳴らした。
けたたましい音がモール内に鳴り響く。かれらはその音に怯みその場で動けなくなっていた。その隙に由紀が彼女の元に駆け寄る。
「ねえ、一緒に行こう?」
そう言い由紀は彼女の手をとる。
「ゆき、早く!」
かれらを倒しながら由紀を急かす。2人を先に逃がし光と胡桃は残ったかれらを仕留めていく。
怯んで動けなくなっていたためすぐに倒すことができた。
「よし、これで全部だな。」
「ああ、他のやつらが来ないうちに俺たちも行こう」
そうして光達も先に車へ逃げた3人の後を追い走り出す。しかし光は床に何か落ちていることに気づき足を止めた。
「これは…うちの学校の手帳だ。そういえばさっきのやつ、俺らと同じ制服着てたな」
助けた少女の姿を思い出し同じ学校の生徒だったと気づく。そんなふうにしていると少し先を走っていた胡桃から声をかけられる。
「おい!何してんだよさっさと行くぞ!」
「あ、わりい。今行く」
胡桃に急かされ光も走り出した。拾った手帳は車で返せばいいと思いズボンのポケットにしまう。
入り口まではかれらに会うことなく走り抜けることができた。すると車に向かっていた悠里達に追いつくことができた。
「よかった…2人ともケガはない?」
「ああ、大丈夫だよ。りーさん達も無事でよかった」
胡桃が答えると悠里に肩を担がれていた少女が口を開いた。
「あの…すみません、他に女の子見ませんでしたか?同い年くらいの…」
「いいえ、誰も見なかったわ」
悠里がそう答えると寂しげな表情で
「そうですか…」
と一言呟きモールを見上げていた。
「そろそろ行くけどみんな忘れ物とかないか?まあ、あったとしても今から取りになんか行かないけど。」
と光が確認をとる。
「取りに行かないんならわざわざ聞くなよ…まあ多分ないだろうし大丈夫だろ」
「ええ、私も大丈夫よ。じゃあ帰りましょう」
胡桃と悠里が答え車に乗り込んでいく。
「そっか。来た道は覚えてるし帰りはどっかで止まんないで帰ろうと思うんだけどいいか?」
「ええ、夜の方がやつらの数も少ないだろうし楽に荷物を運べそうだしいいと思うわ。」
悠里が答える。帰りはどこにも止まらず学校まで帰ることになった。帰りの予定も決まり光も車に乗ろうとするがあることに気づく。胡桃が運転席に座っていたのだ。
「なんでお前がそこ座ってんだ、助手席はそっちじゃないぞ。」
「そんなのわかってるよ!帰りはあたしが運転してくよ。おまえばっかりに任せておけないからな。道も覚えてるから心配すんな」
自信満々な様子で言ってきたため光は仕方ない、とため息をつきながら助手席に乗り込んだ。
「…安全運転でお願いしますよー」
「おう任しとけ!最初の曲がり角は右だよな…?」
「いや覚えてねぇじゃん!左だよ!」
任せろと言った矢先道を間違えた。もしかしたら無事に学校に帰れないのではないか、と思い光は頭を抱えた。
しかしそんな心配は必要なかった。間違えていたのは最初だけでそこからは1度も道を間違えず車を走らせていた、が光はまた別のことで頭を抱えていた。
「た、太郎丸さーん。もう少し大人しくしてもらえません?」
「わん!わん!」
しっぽを振って楽しそうに飛び跳ねているのだ。車に乗ってから突然興奮したように跳ねていて悠里が抱き抱えて大人しくさせようとしてもすぐに抜け出してしまっていた。
「太郎丸、もう少し大人しく…ね?」
「わん!」
「困ったわね…」
「太郎丸のやつどうしたんだよ。さっきからミラー越しにチラチラ見えて運転に集中できないんだけど…」
運転している胡桃も気が散って集中できていないらしい。
「モールから抜け出せて嬉しいとかかな…?というかこんな状態でよくあの2人は寝てられるな」
光が苦笑しながら後ろを振り向く。
太郎丸がこんなに騒がしくしているのにもかかわらず由紀と女子生徒はぐっすりと眠っている。
「2人ともすごく疲れてるんだうな。学校着くまで寝かせてやろうぜ」
「そうだな。後は太郎丸が大人しくしてくれればなぁ…」
光はそう言いながら前を向き直す。太郎丸は跳ね続けている
「太郎丸〜し・ず・か・に〜ね?」
悠里が笑みを浮かべたまま太郎丸にそう告げる。笑っているが目が笑っていない。黒いオーラがでている、ような気がして光と胡桃は背筋がぞっとし顔を引きつらせた。
「………」
太郎丸もさきほどとは見違えたように大人しくなり悠里の膝の上に座っていた。
「いい子ね〜太郎丸〜」
「…わん」
「…いきなり大人しくなったな太郎丸。」
「やっぱりりーさんって怖い…」
「絶対に怒らせてはいけない人だよなぁ…」
悠里には聞こえないように小声で話す2人だったが、
「うん?2人とも何か言った?」
太郎丸の頭を撫でながら笑顔のまま悠里が問いかけてきた。
「い、いやなにも!あんなにはしゃいでた太郎丸を大人しくさせるなんてさすがだなーって話してただけだよ!なぁ、ひかる!?」
「あー…そうそう。りーさんすごいなぁ〜って褒めてただけだから決して悪いことなんて言ってないから。俺は」
「…そう、ならよかった。褒めるんならちゃんと聞こえるように褒めてくれればいいのに〜」
「「はい、すみません…」」
2人は声を揃え謝罪の言葉を述べる。
りーさんは地獄耳だ、と思った2人であったがそんなことはもちろん口には出さないでおいた。これも聞かれたら次なんてない…そんな気がしたからだ。
太郎丸が大人しくなってからは誰も騒がしくする者などおらず車内は静まりかえっていた。光はそっと後ろを振り返ってみる。さきほどまで元気に飛び跳ねていた太郎丸は悠里の膝の上で丸くなり眠っていた。そして悠里も疲れていたのだろう、窓に頭をもたれかけて眠っている。もちろん由紀と助けた女子生徒も眠ったままだ。
3人の様子を確認し前を向き直し自分もそっと目を瞑ってみる。すると突然強い眠気が襲ってきた。自分では大丈夫だと思っていたがだいぶ疲れが溜まっていたようだ。このまま眠ってしまおうとも思ったが自分まで眠ってしまったら運転している胡桃に悪い気がして光は目を開け横目で胡桃をそっと覗き見る。
胡桃はまっすぐ前を見つめ迷いなくハンドルを切り車を走らせていた。1度は眠ることをやめた光であったが胡桃の様子を見て道に迷うこともなさそうだと思いやはり自分も少し眠ることにした。
目を瞑るとどんどんまぶたが重くなってきてそのまま1度も目を開けることなくあっという間眠りに落ちていった。
「…なぁひ…る。…ひかる?」
「ん?」
なんとなく誰か自分を呼ぶような声がして光はゆっくりと目を開く。
「あ、悪ぃ寝てたのかぁ〜」
どうやら声の主は運転席に座る胡桃だったようだ。光はまだ少し眠い目をこすりながら胡桃に問いかける。
「ん〜どうした?」
「いやぁ、ちょっと話し相手が欲しくなってさ。ずいぶん荒っぽい運転してるのに後ろの連中はぐっすりだし。」
ミラー越しに後ろの3人を見ながら胡桃は苦笑する。
「1度も起きずにぐっすり眠っちゃうくらい疲れてるんだろうな。着くまでこのままにしとこうぜ。」
自分が眠る前と変わらず後ろでぎゅうぎゅうに詰めて座り寝ている3人を見て光は答えた。
「………でもこの車だいぶ汚しちまったな…めぐねえ許してくれるかな…?」
少し間を開けて申し訳なさそうに胡桃が呟く。モールを出発する前に車の様子を確認してみたが正面の至る所には血が飛び跳ねておりへこみ、すり傷もたくさんついていてた。
「めぐねえなら多分わかってくれるさ、運転初めてだったし仕方ないって。気にすることはないさ」
不安げに言う胡桃を元気づけようと光はわざと明るい言い方で答える。
「うん、そう…だといいな」
光はそう言われ胡桃もほんの少しだけ笑みを浮かべる。
「なあ、あいつらってさ。」
胡桃は少しだけ俯き静かに口を開いた。
「あいつら?」
「…ほら外をうろついてる連中。」
「ああ。あいつらか。」
「……意識って残ってるのかな?」
「そう、だな……」
思いがけないことを聞かれ光は言葉を詰まらせる。そのようなことはあまり考えないようにしていた。殺意が鈍り躊躇ってしまうのを恐れていたからだ。
「胡桃はさ、どう考えてんの?」
結局上手く言葉がまとまらず質問に質問で返す形で受け流した。
「残ってないと思う……そうじゃなきゃ嫌すぎる。いままで顔見知りとか友達だった奴らがさ、他にもさ……でもしょうがないもんな、どうしようも…できなかったんだもんな。だから、
さっきの約束、ほんとよろしくな。
おまえやりーさんにしか頼めないから。」
「…ああ分かってる。お前も俺がそうなった時はよろしく頼む、俺だってお前らにしか頼めない。」
「ああ。」
「2人とも暗いことばかり言って…もっと明るく楽しいことも考えなきゃいつかだめになっちゃうわよ?」
突然後ろから声が聞こえる。見てみると悠里が目を覚まし微笑んでいた。しかしそれは楽しそうにではなく、どこか悲しげな微笑みだった。
「なんだ、りーさんも起きてたのか。まぁ、りーさんの言う通りだな。こんな時だからこそ俺達は明るく楽しくいこうぜ。」
「うん、そうだな。明るく楽しく、か。そのための学園生活部だよな」
「そうね。大丈夫、私もちゃんと約束は守るわ。」
「「ああ、約束な」」
夕日に照らされる車内で3人は改めて約束を交わした。
3人はそれ以上口を開くことはなかった。悲しい約束を交わしてしまいなんともやりきれぬ気持ちになってしまった。
「あ、そういえば…」
車内が静寂に包まれてから数分後、光が何かを思い出したように声を上げた。ズボンのポケットから何かを取り出す。さきほどモール内で拾った生徒手帳であった。
「ん?どうしたんだ、それうちの学校の手帳じゃん」
「さっきモールで拾ったんだよ、ピアノの近くに落ちてた。直樹美紀って書いてある」
「もしかしてこの子のかしら?中を見てみてくれない?他の人の避難先とか載ってるかもだし」
悠里が由紀と共に眠る女子生徒を横目で見ながらそう光に告げる。
「そうだな。」
そう言い光は手帳をペラペラとめくり始める。手帳の後半のメモが書けるページを開くとそこには数日間の日記が記されていた。
「………」
日記を見て光は言葉を失う。
そこに書かれていたのはあの日モールで起こった出来事、その後他の生存者に助けられて生き延びたこと、しかしそこでも感染が広がり自分と友人だけが生き残ったこと。そして生き残った友人も出ていってしまいそれを止めることができず1人になってしまったこと。
予想以上に過酷な境遇を送っていたということを知り光はそっと彼女を見やる。1人で生き延びるなど自分には到底できなかったし他の生存者とここまで生きてこられたのは幸運なことだったと痛感した。
パタンと両手で手帳を閉じそっと息を吐く。その様子を見て後ろから悠里が声をかける。
「何かあった?」
「…いや、何もなかったよ。」
「そう…」
悠里が残念そうに呟く。
かなり重い話だし人の日記を見て勝手にその内容を話すのは本人に悪いと思い光は手帳の内容は話さないことにした。彼女には後で謝って返そうそう思いもう一度ポケットの中にしまった。
「…俺たちってさ、結構運がよかったんだな」
日記を見てその思いを口に出さずにはいられなくなり光は静かに2人に言った。
「そりゃそうだろうな。お、学校が見えてきたぞ」
「無事に帰ってこれたわね。」
学校が見えてきたため光の話はそこで遮られてしまったがあまり気にしなかった。光も帰ってこれことに安堵し喜びを感じていたからだ。
「ただいま」
「「おかえりなさい」」
3人は全員の無事とをここまでの苦労を労うように互いに声を掛け合った。
こうして学園生活部初のえんそくは終わりを迎えた。
読んでいただきありがとうございました。
ようやくえんそく終わり迎えられました。次回からはみーくんを加えた学校でのお話です。
次回もよろしくお願いします。
がっこうぐらしとは全く関係ないですけど僕が最近1番嬉しかったことは公開初日に仮面ライダーの映画を見に行けたことです。いやぁ〜泣きました(笑)サプライズには感激しちゃって号泣してました。ライダー好きの方はぜひ見に行ってみてください^^;
恐らく今回が今年最後の投稿になると思います。
みなさま良いお年を〜