2ヶ月ぶりですが僕とこの小説を覚えてくださっている方はいたのだろうか…笑
書くのが久しぶりすぎて1話書くのにめちゃくちゃ時間かかってしまった^^;もうちょっと早く書けるように頑張ります
第十一話よろしくお願いします。
「バリケード異常なし、今日も大丈夫そうだな。」
1人でそうつぶやくとバリケードに背を向け歩きだす。いつもの部室に着くとそっと扉を開く。
「ただいま〜」
「おう、どうだったー?」
椅子に腰掛けながら本を読んでいた胡桃がそのまま顔を上げることなく光を出迎える。
「今日も異常なし、近くにやつらもいなかったしそのまま帰ってきた。」
「そうか、ごくろう。」
「そういやりーさんとゆきがいないけどどこ行ったんだ?」
光が見回りに行く時には部室にいた2人がいないことに気づき1人でくつろいでいた胡桃にどこに行ったのかを問う。
「りーさんは屋上に洗濯物を干しに、ゆきはあいつの様子を見てくるって。」
「なるほどね」
胡桃の言うあいつとは昨日のえんそくで連れ帰ってきた女子生徒のことだ。よほど疲れていたのか彼女は車で眠ってから1度も目を覚ましていない。そのため由紀と悠里が2人がかりで3階まで運び光と胡桃で荷物運びと安全の確保を行ったのであった。
「…そしてそんな中お前は1人だけダラダラと漫画を読んでいたと。」
会話中も1度も目を合わせることなく熱心に漫画を読む胡桃に光は小馬鹿にしたように言った。
「仕方なくだ!あたしだって洗濯手伝おうとしたんだ、そしたらりーさんが1人でも大丈夫だって言って行っちゃったから、仕方なくだ!」
「ふーん」
「おまえ信じてないだろ!ほんとだからな!」
「はいはい、わかったよそういうことにしといてやる。」
ムキになって弁明する胡桃を適当にあしらい光は部室を後にしようとさきほど閉めたばかりの扉に再び手をかける。
「ん、どこ行くんだ?」
「ゆきたちのとこ。俺もちょっと様子みてくる」
胡桃に目的地を伝え部室を後にする。そろそろ彼女も起きているかもしれない。由紀だけでは目覚めたばかりの彼女を混乱させてしまうかもしれないと考え光も様子を見に行くことにした。
「ゆきーあの子の様子はどうだ〜?……あれ?」
寝室として使っている部屋に既にいるはずの由紀に声をかけた光だが返事は帰ってこない。ここに既にいるはずの由紀の姿がないのだ。しかしいないのは由紀だけではなく、
「2人ともいない…」
部屋にはソファーに寝かせていたはずの女子生徒の姿もなく床にはフタの空いたペットボトルがころがっていた。
すぐに隣の部屋の扉を開け2人がいないか確かめる。しかし2人は見つからなかった。万が一のことも考え光は1度部室に戻り3人で由紀たちを捜すことにした。
「おい、くるみちょっと手伝え」
勢いよく扉を開けさきほどと変わらず漫画を読んでいた胡桃を呼ぶ。
「いきなりどうしたんだよ、何があった?」
「どうしたのひかるくん、そんなに慌てて」
「りーさんもいるのか、ならちょうどいい。あいつらがいなくなった」
光は胡桃達に由紀たち2人の姿が見当たらず近くの教室にはいなかったことを伝えた。
「まじかよ、多分大丈夫だろうけどもしもバリケードの外に出てたら…」
「…!急いで捜しに行きましょう!」
胡桃の言葉で焦りを感じたのか悠里は顔をこわばらせすぐに部室を飛び出していった。すぐさま光と胡桃も部室を飛び出し後を追った。
「ゆきー!どこだ〜!」
「ゆきちゃんいたら返事して!」
静まりかえった廊下に胡桃と悠里の声が響く。しかし返事は帰ってこない。このままでは埒が明かない、光はそう判断し近くの部屋の扉を1つ1つ開け中を覗き始めた。
「呼んでも返事がないんだ、だったらかたっぱしから扉開けて見つけた方が早いだろ。」
「確かにそうね」
胡桃と悠里は頷き光と同じように近くの部屋の扉を開け中に由紀達がいないか確認する。そうして次々に扉を開けながら廊下を進んでいくと声が聞こえた。
「みーくんも言ってあげて。めぐねえは影薄くないよーって」
「めぐねえはちゃんといるよって……ね?」
胡桃と悠里にもその声は届いたようではっと目を見開き声のした方を見やる。
「いまの声って…」
「間違いない、ゆきだ!」
声の主が由紀であると確信した3人は由紀がいるであろう教室へ駆けだし勢いよくその教室の扉を開ける。そこには突然開かれた扉に驚きこちらを見つめる由紀と同じように驚いた様子で光達を見つめる女子生徒の姿があった。
「ゆき!」
「…よかったここにいたのね」
捜していた由紀が見つかり安堵の表情を浮かべ胡桃と悠里は由紀の元へと駆け寄る。状況が飲み込めずその様子を女子生徒は呆然と眺めている。そんな彼女の元へとゆっくり歩み寄る。
「あの…」
「見つかってよかった。2人とも突然いなくなったもんだから心配してたんだ。」
「すみません…」
「いや大丈夫、気にしなくていいよ。大方ゆきに連れ回されてたとかそういう感じだろ?」
「はい…そんな感じです」
「そっか、お互いいろいろと聞きたいこともあるだろうしとりあえず戻ろう。普段使ってる部屋があるから話はそっちでってことで」
由紀達にも声をかけ5人は学園生活部の部室へ戻る。ちょうど授業が始まる時間であったため由紀には授業に行かせ席を外させた。部室にいるのは由紀以外の4人、そして太郎丸。太郎丸に朝食をあげ全員が席につくのを確認すると悠里が口を開いた。
「さっきはごめんなさい驚かせてしまったわよね?」
「いえ、こちらこそ心配をかけてしまいすみません。」
女子生徒は申し訳なさそうに3人に謝罪の言葉を述べる。
「気にすんなって、2人とも無事だったわけだしさ。とりあえず名前聞いてなかったから聞いてもいいか?」
「直樹美紀です、よろしくお願いします」
それから光達も自己紹介をし、互いにここまでどうやって生き延びてきたかやこの学校の設備などについて話を進めていく。そして話題は学園生活部についてに変わる。
「ゆき先輩も言ってたいたのですがその学園生活部って何ですか?」
「落ち着いた頃にめぐねえとりーさんが考えたんだよな」
「そうね。毎日ただ暮らすのも疲れるからいっそ部活の合宿ってことにしましょうってね。」
美紀の質問に対し胡桃と悠里が部ができた理由やどんな活動をしてきたかを詳しく説明していく。その間美紀は時折頷きながら静かに2人の話を聞いていた。そして一通り説明が終わるとゆっくりと口を開いた。
「…なるほど。それでそのめぐねえという方は今どこに?」
「「……」」
美紀の質問を聞き胡桃と悠里の表情が暗くなり部室が静寂に包まれる。自分達にとっては思い出したくないあの日の出来事が脳裏をよぎり話すのを躊躇っているようであった。そんな2人の様子をみて光は小さく息を吐き静寂を破る。
「…もういないんだ」
「え…」
光の言葉に美紀が少し驚いたように声を漏らす。光はそんな美紀を気にすることなく話を続ける。
「めぐねえは俺たちを生かすために犠牲になったんだ。俺たち4人がこうして無事でいるのも、モールでお前と会えたのも全部めぐねえがいたからだ…」
「そう、だったんですか…じゃあどうしてゆき先輩はあんな風に?まるで今も隣にいるような言い方を…」
「ゆきにはめぐねえが見えてるんだ」
さきほど変わらぬ暗い面持ちのまま胡桃が答えた。美紀がそれは幽霊的な意味でなのかと質問を続けるが
「そうじゃなくて……」
胡桃はそこで言葉を詰まらせる。上手く言葉がまとまらないのだろう。そう考えた光が胡桃の代わりにその後を続ける。
「部活を始めてしばらくした頃、それまですごく落ち込んでたゆきが突然元気になって俺らも安心してたんだけどさ誰もいない所に向かってまるでそこに誰かいるみたいに喋り始めたんだよ。他にもいろいろとさ、こう、元気になりすぎたって言えばいいのかな…」
「あの子の中では事件はおきていないの。学校は平和で先生も生徒もいっぱいいて…最初はたまにそんな風になる感じだったんだけどめぐねえが…亡くなってからずっとなの」
光が言葉を途切らせると今度は悠里がその後を話す。悠里はどこか寂しげな眼差しで由紀の状態を説明する。美紀は3人から由紀の容態を聞くと気の毒そうな顔をして
「そうなんですか…早く治るといいですね…」
と一言小さく呟いた。
そんな美紀に胡桃は不満げに眉をひそめ悠里は何か言いたげな顔をしていたがそれをこらえて美紀に告げた。
「1つお願いがあるの。ここにいる間あの子に合わせてくれる?」
「でもそれじゃ……」
と言いかけたところで部室の扉が大きな音を立て開かれる。授業を受けていた由紀が部室に帰ってきた。由紀は部室中を覗き込み美紀の姿を見つけるとぱぁっと明るく顔を輝かせ美紀に駆け寄った。
「みーくんここにいたんだ!さっきは途中までしか学校の案内できなかったからいまから行こう?屋上とかまだ行ってないしさ!」
「え?ちょっ、待ってくださいゆき先輩!」
美紀は困り顔で光達を見ながら由紀に手を握られひきずられていくようにして部室を出ていってしまった。その様子をみて太郎丸も後に続き飛び出していってしまい部室に取り残された3人は顔を見合わせ、ため息をついた。
「はは、あんな風になったゆきは止められないからな…」
「行動力はやたらとあるからな、ゆきは…」
「ねえ2人とも、せっかく新しく部員が加わるかもしれないんだし歓迎会でもしてみない?」
由紀の行動に苦笑いを浮かべていた光と胡桃に悠里が歓迎会をしようという話を持ち出した。
「歓迎会って、突然どうしたんだよこんな環境じゃできることもたいしてないだろ」
「そうだよ、それにあいつあんまそういうの喜ばなそうな感じがするんだけど…」
「そうね、部室を軽く飾りつけしてお菓子やジュースを出すだけも十分じゃない?喜ぶかどうかはやってみなきゃわからないし、ね?」
「飾りつけはこんなもんでいいだろー?」
「ああ、いいと思うぞ。なあくるみ、りーさん、引き出しにクラッカーが入ってたんだけどこれお前らが取ってきたやつか?」
「クラッカー?持ち込んでないと思うわ。多分ゆきちゃんじゃないかしら?」
「やっぱこういうのはゆきだよな。これもせっかくだから使っちゃおうぜ、どうせ使う時なんかそうそうないだろうし。」
悠里の突然の提案にあまり乗り気ではなさそうな光と胡桃に具体的な案も上げ説得を試みる。そんな悠里の様子に乗り気ではなかった2人もそこまで言うならとしぶしぶ賛成し歓迎会の準備を始めた。
部室に簡単な飾りつけを施し机の上にはクッキーなどのお菓子を綺麗に皿に広げいつ2人が戻ってきてもいいようにクラッカーを構え由紀達の帰りを待つ。それから少しすると由紀達の声が聞こえた。それを聞いた3人はクラッカーを扉の方に向ける。
「来たぞ。タイミングミスんなよ。」
「おう。ひかる、りーさんいいか、ちゃんと喜ばれるようにテンション高めに笑顔で言うんだぞ。」
「ええ、わかってるわよ」
2人が入ってきてからの事を改めて確認し扉が開くのを今か今かと待つ。
ゆっくりと扉が開かれ由紀と美紀が部室に入ってくる。その瞬間を狙いクラッカーを思いきりひっぱりパンと大きな音を鳴らす。
突然のことに驚き口を開けている美紀に3人は笑顔で呼びかける。
「「「ようこそ学園生活部へ!」」」
「………」
部室に静寂が訪れる。
なにか反応をくれと心の底から思う光だが美紀は驚き目を見開かせたまま動かない。そっと横目で胡桃の様子を伺うと気まずそうに笑顔を引きつらせていた。自分もこんな顔をしているのだろうかと不安になる光だったがこのなんともいえぬ空気のなか由紀が目を輝かせ叫ぶ。
「ちょ、何これぇ!!」
「お、驚かせようと思って!」
「ええ、どう…かしらゆきちゃん!」
由紀の一言に救われたかのように胡桃と悠里がたどたどしく由紀に答えていく。由紀は目を輝かせたまま胡桃達の方を向き
「すごいよ!でもずるいわたしもやりたかったぁー」
「みんなでやったらサプライズにならないだろ?助かったぞゆき」
「む〜そうだけどさー」
自分も飾りつけをしたかったと駄々をこねる由紀を胡桃と悠里がなだめる。その様子に助かった、とホッと息をつく光だったが未だにひと言も発していない美紀に申し訳なさげに訊ねる。
「…あーもしかしてはずした?」
光のひと言で美紀に全員視線が集まる。すると美紀はふふ、と声を漏らしほんの少し頬を赤く染め笑みを浮かべ
「ありがとうございます。嬉しいです」
と光達に告げた。それを聞くと由紀はニコリと笑い美紀に問いかける。
「じゃあさ、さっきも聞いたけど入部してくれる?」
「仮入部からでよければ」
と微笑み由紀に答えた。それを聞くと4人は明るい笑みを浮かべた。そして由紀が両手を上げ美紀に抱きついた。
「いいよ、それじゃ改めて!
ようこそ学園生活部へ!みーくん仮入部おめでとう!」
「みーくんじゃありません!」
すぐさま反論する美紀だったがその顔には嬉しそうな笑みがあった。
そんな2人のやり取り眺めて悠里が微笑む。
「ふふ、やっぱり歓迎会開いてよかったでしょ?」
「そうだな。あいつも喜んでくれてるみたいだしな」
「ああ、それにここにきてからずっと暗い顔してたけどやっと笑顔になってくれたしな。歓迎会大成功、だな」
こうして学園生活部に仮入部ではあるが1人新たな部員が加わった。
読んでくださりありがとうございました。
今回はアニメ6話の一部と原作3巻の一部を使って書いてみました。
次のお話はアニメではなく原作よりのお話になるかなと思います。
この2ヶ月どうして小説を投稿していなかったのか理由を説明させていただくと大学受験があったからです。センターと一般入試の勉強に集中したいと思い年明けからは小説を書いておりませんでしたが無事に志望校に合格したためようやく小説を書くことができました。これからはもう少し早く更新できると思うのでよろしくお願いします。
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