この息が止まるその日まで   作:りんごあめ

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遅くなってしまいましたすみません(^_^;

今回はいつもより短いし2人しかでできません。できるだけ早く次のお話を書きますのでm(_ _)m

第十四話よろしくお願いします。


第十四話 「ためらい」

シャワーを浴び1日の汗を流し終えジャージに着替えてシャワー室を後にする。もういまごろみんな寝ているだろうかなどと考えながら1人廊下を歩く。何気なく割れた窓から校庭を見下ろす。雨が降っているため外にいるかれらが昇降口の辺りに群がっていた。

 

「やっぱり前より増えてる…」

 

昇降口に群がるかれらを見て呟いた。このまま数が増え続けるのであればもう外に出ることができなくなるかもしれない、それならいまのうちに学校を出るべきなのではないか、しかしここ以外に安全に暮らせる場所などあるのか。様々なことが頭の中を巡る。が考えがまとまることがなくはあ、と重いため息をつき歩きだす。他のみんなの意見も聞いてみよう、そんなふうに頭の中で考えを巡らせているといつの間にか部室の前までたどり着いていた。

 

 

 

 

「まだ寝てなかったのか、夜更かしは美容に悪いんだぞー。」

 

「余計なお世話だ、ちょっと考えごとしてたら眠れなくなっちゃって。ひかるは何してたんだ?」

 

「シャワー浴びてきた。」

 

「なるほど」

 

光は憂鬱そうに肘をつき腰掛け外を眺める胡桃に憎まれ口をたたく。扉を閉めると胡桃の向かい側の椅子にそっと腰掛ける。

 

「最近前よりやつらの数増えてきたと思わないか?」

 

光は胡桃と同じように窓の方へ顔を向けて言った。

 

「ああ、あたしもそう思う。玄関にも一応バリケードはあるから中にいる数はたいして変わってないだろうけど」

 

「このままやつらの数が増え続けたら俺たちもう外に出られなくなるかもな。」

 

「…かもしれないな」

 

「いっそのこといまのうちにここを出てもいいかもしれない、なんて思ったりもしてんだけどどう思う。」

 

胡桃はそれを聞くと驚いたように眉をぴくりと動かした。

 

「そりゃ…ずっとここにいる訳にはいかないってあたしも思うけど行くあてなんかないだろ?あたしたち5人と太郎丸連れて安全なとこなんて見つかるのかなって思うとずっとここにいた方がいいんじゃないかって」

 

不安そうな顔で胡桃は呟く。それを聞くと光はそっと息を吐き立ち上がる。

 

「やっぱそうだよな。まぁもうしばらくは大丈夫そうだしまた後でみんなで考えるか。」

 

胡桃は「そうだな」と小さく呟くとうつむいた。そんな様子が気になりどうしたのかと訊ねると胡桃は重々しく口を開いた。

 

「今日見回り行った時に近くにやつらが1人いてさ。送ってやろうって思って近づいたんだ。転ばしたらさケータイが落ちてそれに写真が貼ってあって同じクラスだったやつだって気づいちゃって一瞬躊躇ったんだ、」

 

光は目を閉じ黙って胡桃の話に耳を傾ける。

 

「ひかるはさ、そういうので躊躇ったことあるのかなって…」

 

それを聞き光はゆっくり目を開けて

 

「くるみは優しいな」

 

とひと言だけ発した。

 

「え、どういうことだよ」

 

予想外の返答で胡桃は困惑した様子で聞き返す。光はまた窓の方を向き話しはじめた。

 

「あいつらを送ってやるとか思って倒したことなんか俺1度もないんだ。ただ邪魔な敵だとしか思ってないんだよ。俺がいろいろ想って躊躇ったとしても容赦なく襲ってくるだろうしさ。それに」

 

そこで1度話を区切る。そしていつもとは違う虚ろな目になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう覚えてないんだよ友達の顔とか知り合いの顔なんて。思い出したところでもう二度と会えないだろうしどうでもいいやって…親の顔だってもうなんとなくしか覚えてない。 俺はただ殺すだけだ、あんな風になった連中の気持ちなんてどうでもいい」

 

「そ、そんなの…」

 

胡桃は衝撃を受けたように目を見開き光を見る。しかし光はさきほどとは打って変わっていつもと変わらぬ表情で胡桃を見る。

 

「だから躊躇ったことなんか1度もないんだ。そういう事を想えるくるみは優しいしそれが普通なんだろうなって俺は思う。あ、ちゃんとお前らのことは覚えてるぞ、もちろんめぐねぇも」

 

苦笑いをして頬をかく。そしておもむろに立ち上がった。

 

「さ、俺たちもそろそろ寝ようぜ。そろそろ眠くなってきたし」

 

そう言ってあくびをしながら胡桃に背を向け部室を後にしようとする。

 

 

 

 

 

「なあ、もう1つ聞いていいか?」

 

「ん、どうした。」

 

部室の扉に手をかけたところで呼び止められ足を止める。

 

「これが全部夢でさ、朝起きたら元通りの学校に戻ってたらって考えたことある?」

 

そう問われ一瞬光は黙りこむ。そして背を向けたまま答えた。

 

「…最初の頃は毎晩夢みてたよ…でももうそれもどうでもいい、俺はお前らが生きててくれるだけで十分だ。それが俺が生きてる理由だから。それ以外のことはどうなったっていい」

 

光はそのまま部室を出て寝床に向かう。

 

「そんな生きかた悲しすぎるよ…」

 

1人部室に取り残さた胡桃が消え入りそうな小さな声で呟き机に顔を伏せた。

 

 

 




読んでいただきありがとうございました!

なんというか光くんをただの優しい良い奴じゃなくちょっとだけヤバいやつみたいに書きたいと初めから思ってたんですけどなかなかそんな風に書けてないなって思ってこんなお話にしてみました。上手く伝わったかな^^;学園生活部のことしか眼中にない人だと思っていただければいいですかね笑

次回もよろしくお願いします。

感想などもいただけると嬉しいです(*´v`)
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