この息が止まるその日まで   作:りんごあめ

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だいぶ遅くなってしまいました(._.)楽しみにしてくださっていた方がいたらすみません、話もなかなか進まずほんと申し訳ない(^_^;)
少しずつではありますが頑張ります

第十六話よろしくお願いします。


第十六話 「しょうらい」

「いつになったら終わるんだ…」

 

光は1人廊下の掃除をしていた。何気なく廊下を歩いていると掃除をしていた悠里を見つけ話を聞くと由紀と太郎丸が貯水槽の藻まみれになって校内を走り回っていたらしい。悠里は他にも洗濯などやることが残っていると言っていたため自分が代わりに掃除をすると申し出たのだ。しかし予想以上に由紀達が廊下を汚しておりかれこれ1時間以上汚れを拭き取っていた。

 

 

 

 

「やっと終わった…!」

 

廊下と屋上の汚れを全て拭き終わる頃には既に日が傾き夕焼けに染まっていた。掃除の達成感と疲労感にため息をつきながら部室を目指しふらふらと歩いていると美紀の声が聞こえた。

 

 

「今日やれることは今日やらないとダメです!せっかくこの学校にはいろいろと設備が整ってるんですよ?今のうちにそれを活かさないと、将来のために!」

 

「…ただいま、何の話してたの?」

 

光の声に気づき皆が一斉に部室の外に目を向ける。

 

「あ、ひかるくんおかえりなさ〜い。ずっと何してたの?」

 

「…お前らが走り回ってできた汚れを全部拭いてたんだよ…1人で。」

 

光が眉を吊り上げ不満げに由紀を睨む。

 

「そ、そうだったんだぁ……ごみん。」

 

由紀はいらだちのこもった声に震え申し訳なさそうにしながら小さく縮こまった。悠里も申し訳なさそうに声をかける。

 

「ごめんなさいね、結局きみ1人に任せちゃって」

 

「いや、りーさんも忙しかったんだろ?仕方ないって」

 

そう言って椅子に腰掛けると先程の話の続きを聞こうと口を開く。

 

「それで何の話してたの?」

 

「ゆき先輩がダメ人間だったので注意してたんです」

 

「なるほど確かにダメ人間だもんな。」

 

「え〜!2人ともひどいよぉ〜」

 

2人にダメ人間呼ばわりされ由紀は美紀に泣きつく。美紀はため息をつくと由紀を見下ろし口を開く。

 

「冗談、ということにしておきます。ダメ人間呼ばわりされたくないんだったらもっとしっかりしてください、いいですね?」

 

「…はい」

 

由紀はそうたしなめられるとしゅんとした様子で頷いた。

 

 

「先輩は将来どうしたいんですか?」

 

そう問われると由紀は腕を組み唸る。

 

「んー最近は就職がいいかなって。だってテスト受けなくてよくなるんでしょ?」

 

「就職試験があるなぁ」

 

「…え?」

 

胡桃にそう言われ由紀はきょとんとして固まる。どうやら試験が一斉ないと思いこんでいたらしい。

 

「大変らしいですね。就職活動」

 

「や、やっぱりずっと高校生でいようかなー?」

 

「やっぱりダメ人間ですね。」

 

「よし!みーくんと同級生になってあげる」

 

「結構です。」

 

「…」

 

美紀から即答され由紀はまたもやしゅんとしてしまう。

 

「進学か就職か、りーさんはどうしたい?」

 

そんな2人をよそに胡桃は考えを巡らせながら悠里に問いかけた。

 

「え?そんな何を言って…くるみこそどうしたいの?」

 

悠里は困惑した顔で言うと質問には答えず聞き返した。

 

「んーやっぱり就職かな」

 

それを聞くと由紀がにやりと笑う。

 

「就職ってことはやっぱりシャベルくんと一緒のところ?」

 

「発想が安直すぎるわ!」

 

胡桃が目を吊り上げ吠える。

 

「不景気だと女性の採用は少ないらしいわよ?」

 

「まあ、扱いは慣れてるしそういう仕事向いてそうだなーいいんじゃね?」

 

光と悠里も小馬鹿にしたように答える。

 

「だ!か!ら!他にもあるだろ!永久就職してお…お嫁さんとか。」

 

「なんで自分で言って照れてんだよ…」

 

顔を赤くしにやにやとしている胡桃を呆れ顔で光は見ると小さくため息をついた。

由紀はなにか考えるように上を向き呟いた。

 

「お嫁さん…やっぱりシャベルくんと?」

 

「なんでそうなるんだよ!!」

 

胡桃はそう言うと由紀の肩を掴み大きく揺すった。そんな2人のやり取りを楽しそうに笑いながら3人は眺める。そんななか悠里が光に問いかける。

 

「ひかるくんはどうなの?」

 

「俺は…どっちかというと進学かな?俺ほんとは医者になりたかったんだ」

 

「へぇ〜お医者さんか〜!ひかるくん頭いいもんね!」

 

由紀がうんうんと頷きながら話に割り込んでくる。

 

「そんなことないよ、他に将来の夢みたいなものならあるし」

 

「ええ〜そうなの?なになに、教えて?」

 

「…ずっとみんなと一緒にいること……かな。みんなと楽しく過ごせれば進学でも就職でもどっちでもいいやって思う。」

 

光の言葉に一同は驚いたように口を開ける、がすぐに嬉しそうな笑みを浮かべる。

 

「へぇ〜そんなこと思ってたのか〜」

 

「そうね。確かにみんなで一緒にいることが私たちにとって1番大切な事かもしれないわね」

 

「はい、私もそう思います。」

 

「私もそれすっごくいいことだと思う!ひかるくんいいこと言うね〜」

 

4人からそう言われほんのり笑みを浮かべ立ち上がった。

 

「はいはいどうも。さあ、そろそろ夕飯の準備始めようぜ。その前にちょっとトイレ行ってくる。

 

そういうと足早に部室を出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ずっとみんなと一緒にいること……それ以外俺は何もいらない。あの日いろんなものを失ってから俺はそう決めた」

 

夕焼けに照らされて赤く染まる校舎を歩きながら光は決心した表情をする。遠い将来のことよりも今や明日を彼女たちを誰1人欠けることなく生きさせる、そちらの方が大切だ。その為にやれることをやるのだと光は改めて自分の役目を確認しそう決意した。

 

…たとえそれで自分が命を落とすことになったとしても。

 

 




読んでいただきありがとうございました!

大学が始まって思ったよりも時間がとれなかったり体調を崩して寝込んでしまったこともありだいぶ更新が遅くなってしまいました(^_^;)

一応高校編も後半に入ったかな〜なんて思ってます。25話までにはきっと終わるはず…(笑)高校編以降も書いていく予定ではありますがこのペースでいったら夏頃になりそう(´-ω-`)とにかく完結させられるように頑張ります!

次回もよろしくお願いします。
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