新年1本目の投稿です。今年も頑張っていきたいと思います(⌒▽⌒)
第二十九話よろしくお願いします。
涼音が同行することになり6人で彼女の持つキャンピングカーに乗り換え本来の目的である大学を目指していた。
「いやぁ〜この辺やたらと通れない道多いよね、電柱が倒れてたり車で塞がれてたりしてさ」
夜になり車を停めて夕食をとっている中涼音が不満げに言う。
「そうだな。それに涼音さんの家が大学と真逆の方にあったからだいぶ離れちゃったし、こりゃかなり時間がかかりそうだな」
それを聞き光も不満げな声を漏らす。
「まあそのおかげで涼音さんに会えてにぎやかな旅になったしこれはこれでよかったよね!」
そんな2人に対し今度は由紀が明るい声で言った。
「そうだな…ま、でもこの車がありゃ割とどこにでも行けそうだし気楽に行こうぜ。…ふぅ、ごちそうさま」
胡桃は満足そうに腹をさすると立ち上がり自分の使っているベッドに寝転んだ。そんな彼女を見て由紀が声を上げる。
「くるみちゃん食べてすぐ寝るとブタさんになっちゃうよ?」
「ならねぇよ!余計なお世話だ!」
胡桃の怒号が飛んだ。
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「ひかる先輩、なに書いてるんですか?」
「まあ日記…かな。涼音さんのとこにたくさんあったノートもらってきたんだ」
「そういえばそうでしたね、何に使うのかと思ったら日記ですか。でもいままで書いてませんでしたよね?どうして急に」
「せっかくこうやっていろんなとこ移動することになったわけだし何があったかとか記録しといた方がいいのかもって思ってさ」
そんなことを言いながらもう一度ノートに目を落とすと今度は由紀がそっと覗き込んできた。
「あれ、ひかるくん何書いてるの?」
「…日記だよ、あっ、おい見るな!これは俺が死ぬまで誰にも見せないからな!」
すかさずノートを閉じそれを抱えると由紀は残念そうな声を上げる。
「え〜!いいじゃん少しくらい見たってさ〜」
「ま、まぁゆき先輩、日記って人に見られると案外はずかしいものなんですよ。先輩がダメと言ってるんだから諦めましょ?」
駄々をこねる彼女を美紀が宥める。渋々ではあるが納得してくれたらしい、静かに椅子に座った由紀は指を口元にあて考えるような仕草を見せる。
「でも日記か〜せっかくだからなんかこう、おもしろく書きたいよね」
「…?と言いますと?」
「……あ!おはなしを作るみたいに書くとか!それを最後まで読むと1つの小説にみたいになってる!とか?」
「…それはもうただの小説なんじゃないか?まぁ、そういうのも確かに面白いかもな」
そう言いながら苦笑していると悠里がこちらにやってきた。
「ひかるくん申し訳ないけど私たちそろそろ着替えたいから…」
「わかった、じゃあまた外で待ってるから終わったら呼んでくれ」
そう言うと立ち上がり自分のリュックを拾い上げると車のドアを開け外に出た。
キャンピングカーで生活するようになってから夜はジャージに着替えて寝るようになった。そのため彼女らが着替えている間光は1人外に出て待つようになった。そして彼も外でジャージに着替える、というのが最近の習慣になっていた。勿論近くかれらがいる可能性もあるため着替える前によく周りを確認するようにはしているが。
車に背中を合わせ5分ほどするとドアが開けられる音がした。今日はいつもより早いなと思いながらドアの方を見ると昼間と違い動きやすそうなスウエット姿の涼音が軽く手を挙げこちらにやってきた。
「みんなもう着替えたんですか?いつもより速いですね」
「ううん、もうちょっとかな。それよりさ2人で少し話さない?」
「え?まあ別にいいですけど……」
「よかったーじゃあ少し歩こうか」
突然どうしたのだろう、と怪訝に思いながら涼音の後に続き歩き出す。
「夕方この辺見た時は全然いなかったし多分大丈夫だよね。ここで話そ?万が一出た時はよろしくねってことで」
少し歩くと小さな公園くらいの広さの空き地に着いた。そこにある古ぼけたベンチに腰を下ろす。
「そうですね、それでなんの用ですか?できれば手短にお願いしたいんですけど。」
光がそう言うと涼音は口元に笑みを浮かべる。
「みんなといる時よりちょっと冷たいねーやっぱりそういうことか」
何のことだと言わんばかりに光が首をかしげると涼音は普段と変わらぬ声の高さで静かに言った。
「キミ、ワタシのこと信用してないでしょ」
「……。」
予想外のことを言われ光は黙り込む。なんと返せばいいかと悩んでいると彼女は話を続ける。
「なにも言わないってことはやっぱりそういうことなのかな?もぉ〜ひどいなーワタシは別にキミ達騙して何かしてやろうとか全く考えてないよ!?」
「別にそんなこと思ってませんよ?大丈夫ですよ信じますってば」
そう言いながら笑みを浮かべると彼がはぁ、とため息をついた。
「…いまはそういうお世辞とか作り笑いはナシにして本音で話そうよ。敬語も使わなくていいよ」
彼女がそう言うと光はさきほどまで浮かべていた笑みを消し真顔で正面を向いた。
「そうですか。そう言われちゃうとなんかもういいやって感じになっちゃうなぁ……確かに、あなたの言う通り俺はあなたをまだ信じてないよ」
光の返答を聞き涼音は満足そうに笑う。
「ふふ、いいね〜やっとほんとのキミを見れたって感じかな。ねぇ、ワタシのことどうすれば信じてくれる?」
「ずいぶんと単刀直入に聞いてくるな…正直言うとあんたのことは別に悪い人ではないと思ってるよ。一応ね」
「へ〜?じゃあなんで信じてくれないのさ?」
「一緒にいる時間がまだ短すぎるから。そんだけだよ。他のみんなはずっと学校で一緒に暮らしてたしいまさら裏切らないだろうって思えるけどさ、あんたのことは俺らを利用してなんかしてやろうとか思ってんじゃないかと疑っちゃうんだよ。ほんとにただそれだけ」
「……ほんとにそれだけなの?ワタシは必死に無害ですよって説得するつもりでいたのに……じゃあなに、これからも今と同じようにみんなと仲良くしてればワタシのこともちゃんと認めてくれるってこと…?」
涼音の言葉を聞くと光はふっ、と小さく笑う。
「まあ、そうだな。しばらく一緒にいて俺達に危害を加えるヤツじゃないと分かればね。でもあんたのことはもうそんなに警戒してないよ。裏表全然なさそうだし、悪どいこと考えてる感じまるでしないからさ」
「そ、そっかぁ〜よかった、心配して損したよ…」
「外で会う人はなにも考えず信じちゃダメだって思ってたからさ、そうしないとみんなの身を守れないって思って」
「そうだね、たしかに光くんの言う通りだ!みんなのこと大切に思ってるんだね」
「みんながいることが俺にとって生きる意味だから。みんなが生きてなきゃ俺はとっくに死んでるよ」
「そんなに大切なのか〜…でも1人で思い詰めるのはよくないよ?たまにはお姉さんにどーんと甘えてきなさい!」
自分の胸をドンと叩き笑う涼音に光も思わず笑みをこぼす。
「はははっ!なにいってんだか、まぁでもその気持ちだけ受け取っておこうかな。…そろそろ戻ろうみんな心配してるかもしないし」
光が立ち上がり歩き出すと「そうだね。」と頷き涼音も後に続く。
彼女はやはり信じても大丈夫なのかもしれない、そう思いながら車を停めている場所へ戻った。
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5人が眠りついた頃、彼は1人ノートを開きこれまでのことを書き記していた。あの日自分達の前で何が起こりどうしてきたのか。覚えていることを書き記していく。
自分が死んでも自分達の歩んできた道が消えないように。
歩んできた道が他の人々が生きるために少しでも役立つように。
そのためにいままでのこと、これから起こることを。
そしてその時何を話したのか、何を思ったのかを書き残していくことにしよう。
読んでいただきありがとうございました!
次回もよろしくお願いしますm(_ _)m