この息が止まるその日まで   作:りんごあめ

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前回から1ヶ月も経ってしまいましたね、すいません(^^;

第三十一話よろしくお願いします。


第三十一話 「しんじる」

「……っていう感じであたしの身体、完全に治ったわけじゃないみたいなんだ。隠しててごめん…」

 

翌日。光の言うように胡桃は自身の容態を由紀達に打ち明けることにした。彼女達なら本当のことを話しても受け入れてくれると信じ涼音には感染していたことから説明し今の自分の状態を4人に話した。

 

「そんな…どうしてそんな大事なこと教えてくれなかったのよ……」

 

ひどくショックを受けたようにうつむく悠里に気まずそうに胡桃は答える。

 

「散々心配させたしこれ以上心配かけたくなかったから、それに怖くなって…みんなから距離を取られちゃうんじゃないかって思ったら言い出せなくて……」

 

「そんなわけないよ!」

 

声を次第に小さくしながらそういう胡桃を由紀が遮った。胡桃はもちろん、他の面々も突然由紀が大きな声を出したことに驚きびくりと震えた。

 

「私そんなことしないよ、ううん私だけじゃない。他のみんなもそうだと思う。私たち学園生活部でずっと一緒にいたんだよ、今更くるみちゃんを仲間はずれになんかしないよ」

 

今度はやさしく、慰めるように穏やかな声で胡桃の手をとり微笑んだ。

 

 

 

「そうですよ。確かにちょっとびっくりしましたけど私は追い出そうなんて思いません」

 

「……ええ私も同じよ。くるみを治す方法、これも知らべなきゃいけないわね」

 

美紀と悠里も同じように微笑んだ。そんな3人の顔を驚いたように見ると顔を伏せ小さな声で一言、

 

「…ありがとう」

 

と呟いた。なんの迷いもなく自分を受け入れられて少し恥ずかしいのか、頬を赤らめているように彼には見えた。

 

その後すぐにパッと顔を上げたかと思うと今度は少し緊張した面持ちで涼音の方を向く。

 

「……ずっと隠しててごめん。あたしも一緒にいていいかな…?」

 

不安げに涼音の答えを待つ胡桃。彼女の顔をちらりと見ると涼音は「はぁ〜」と大きなため息をつく。胡桃はもちろん他の者も顔が強ばる。

 

 

 

 

「もぉ〜みんながいい感じの雰囲気でまとめちゃうから話に入れなかったじゃん」

 

そう拗ねたような顔で頬杖をつき不満そうな声を上げる。

 

「ごめんなさい……。やっぱそうだよな、あたしみたいなのいない方が…」

「居ていいよ」

 

「……え?」

 

「いいに決まってるじゃん」

 

消え入りそうな胡桃の声を涼音の穏やかな声が打ち消した。

 

 

 

「感染してたことにはもちろん驚いたけど今のところ大丈夫そうだしみんなも胡桃ちゃんのこと信じてるんだよね?ワタシも信じたいんだ。みんなはワタシのことすんなり受け入れて仲良くしてくれたじゃない?すっごく嬉しかったんだよ…だから今度はワタシがみんなのこと信じる番かなって!いない方がいいなんて言わないでよ……ね?」

 

涼音はそう言うと明るい笑みを見せた。そしてそのまま立ちあがり胡桃の前に行くとすっと右手を前に出した。

 

「ほんとにいいの……後悔しない?」

 

「うん!後悔なんて絶対しないよ」

 

優しく笑いかける涼音に胡桃はゆっくりと自分の手を前に出し、ぎゅっと握手を交した。

 

「改めてよろしくね胡桃ちゃん!」

 

「うん…!よろしく」

 

胡桃は嬉しそうに微笑み頷いた。昨夜のような思い詰めた顔をする彼女はもういなかった。肩の荷がおりたような柔らかい表情を見て光も安心したような笑みを浮かべていた。

 

「よかった…ダメって言われるかと思ったわ……」

 

「あはは、心配かけちゃってごめんね悠里ちゃん。ちょっとまぎらわしかったよね…。さ!話もまとまったことだしそろそろ出発しよっか!」

 

「そうしましょうか。…ひかるくん運転お願いしてもいいかしら」

 

「おう、そんじゃ行きますか。みんな川に忘れ物とかしてないよな〜?」

 

「大丈夫でしたよ、準備オッケーです」

 

「それじゃしゅっぱーつ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

皆の意見もまとまり楽しげな雰囲気が車内に流れる。それから日も暮れて今日はここまでにしようと車を近くの店の駐車場に停めた。そのまま運手席で腕を伸ばしあくびをしていると胡桃が光の所へとやってきた。

 

 

「おつかれ」

 

「ん、どうした?」

 

「おまえにお礼言ってなかったからさ。みんなに正直に話せてよかったよ、ありがとな。あたし…おまえに言われなきゃずっと言い出せなかったかもしれない」

 

「気にすんなよ。あいつらのこと全然心配する必要なかったろ?」

 

「うん、涼音さんもああ言ってくれたしすごく気持ちが楽になった……ほんとありがとな!」

 

ニッと歯を見せ笑う彼女の笑顔は差し込んでくる夕日に照らされより眩しく輝いていた。

 

「おう。」

 

そんな彼女に彼は少し照れくさそうに一言うなずき顔をほころばせた。

その無邪気な笑顔にやはり彼女には笑っていてほしい。改めて彼は思った。




読んでいただきありがとうございました。

更新が遅くなったり短かったりしちゃいましたが次回はできるだけ早く更新いたしますので次回もよろしくお願いしますm(_ _)m
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