この息が止まるその日まで   作:りんごあめ

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いつの間にかUAが1000を越えていてびっくりしました!読んでくださっているみなさん、ありがとうございますm(_ _)m

第八話よろしくお願いします。


第八話 「はじめまして」

夜が明けて学園生活部の4人はショッピングモールを目指し車を走らせる。後ろに座っている由紀は思い出したように口を開いた。

 

「そういえばこの車4人乗りだけどりーさん狭くない?めぐねえと3人で座ってるけど」

 

「え?そ、そうね少し狭いけど大丈夫よ。ゆきちゃんの方こそ大丈夫?」

悠里は少し驚き慌てて返事を返す。

 

 

「えんそく、めぐねえも来てたんだな。昨日は何もそんなこと言ってなかったからわかんなかったけど。」

 

「そうみたいだな、いきなり言われるとちょっと焦るよな…」

 

運転席と助手席に座る光と胡桃は由紀に聞こえないように小さな声で話す。昨日まではめぐねえのことを何も言わなかったため2人も少し驚いていた。

 

 

「わたしは大丈夫だよ。めぐねえも大丈夫?

うん、そっかぁ〜。早く着かないかな〜ねぇねぇあとどれくらいで着くの?」

 

「そうだなー、地図を見た感じあと15分くらいかな。」

 

「わかった〜楽しみだなぁー」

 

由紀は笑顔で答える。

 

「それならすぐに降りられるように準備しなきゃね、ゆきちゃん。」

 

「はーい!めぐねえもちゃんと準備しておいてね」

 

悠里からそう言われ由紀はリュックの中身を改めて確認し始める。確認が終わるとリュックを抱きかかえ悠里に笑顔で話しかける。

 

「準備おっけーだよ!りーさん」

 

「うん、おかいもの楽しみね。ゆきちゃんは何か欲しい物とかある?

 

「う〜ん…やっぱりお菓子とかかな。あ、あとマンガも見たいかも!それとね〜……」

 

 

由紀と悠里に楽しそうに話している中、光と胡桃もショッピングモールについてのことを話していた。

 

「モールの中ってさ、やっぱりたくさんいるのかな。やつら」

 

「どうだろうな、まったくいないってことはないだろうけど今日は平日だしやつらで溢れかえってることはなさそうだけど。」

 

「そっか…着いてからだけどあたしが1番前行くからさ光は1番後ろにいてくれないか?」

 

「わかった、じゃあ背中は任せとけ。だから前は頼むぞ」

 

「ああ、任しとけ!」

 

 

 

 

そうしているうちに車は目指していたショッピングモールへとたどり着いた。車から降り光達は店の外観を軽く見回すが学校とひどく荒れているようだった。

 

 

「とうちゃ〜く!!」

由紀は車から降りると楽しそうにクルリと一回転しはしゃいでる。そんな様子を見て胡桃はニヤッとして由紀に言う。

 

「おまえ遠足で熱出すタイプだなぁ?」

 

「そ、、そんなことないもん!」

 

慌てて反論する由紀だったが

 

「ほら、もう赤くなってるぞー」

と胡桃がさらにからかう。

 

まあまあと悠里が胡桃と由紀に声をかけ話を終わらせる。

 

「もう!めぐねえこそ…………」

めぐねえに向かって何か話をしている由紀をよそに胡桃が小声で2人に話しかける。

 

「ここまでは上手くいったな。」

 

「そうね、今日は平日だしで歩いてるやつらも少なかったものね」

 

「アイツら…みんな学校や仕事に行ってるんだな。まるで生前の記憶があるみたいに…」

 

胡桃が暗い表情で俯く。そんな胡桃を元気づけようと悠里が笑顔で答える。

 

「まあ、この先も気を抜かず遠足を楽しみましょう?せっかく久しぶりのショッピングなんだし」

 

 

 

 

「ねぇ、みんなー!」

由紀が呼ぶ声が聞こえ顔を上げると由紀が先に進んで手を振っていた。早く行こうと促しているのだろう、そう思い光はゆっくり歩き出し笑みを浮かべながら口を開く。

 

「そうだぞ。…それにあの危なかっしいやつの面倒も見ないとさ」

 

 

2人の言葉を聞いて胡桃はいつもの表情に戻り頷き歩き出した。

 

「そうだな、せっかくの遠足だし楽しまなきゃもったいないな!」

 

 

 

入り口にたどり着くと由紀が大きな声で中に向かって声をかける。

「おやすみですか〜こーんにちはぁ〜」

 

「ゆきちゃん静かに、今イベントをしているみたいよ。」

悠里が落ちていたチラシを拾い由紀に見せた。

 

「ん?イベント?」

 

「うん、コンサートイベントをしているみたいだから静かにね。」

 

「はぁーい!」 「「しっー!」」

静かにと言った矢先すぐに大きな声を出す由紀に3人は慌てて注意する。これでこっそりとモールの中を移動する理由ができたと光は一安心する。この状況が分かっていない由紀にどう説明するか悩んでいたからだ。

 

 

 

 

 

モールの中に入り少し歩くと大きく開けた場所に着いた。至るところからかれらのうめき声が聞こえる。

 

「やっぱりいるわね…」

気づかれないように小さな声で悠里が言った。

 

「これくらいの数ならどうってことない。みんな、できるだけ音立てないようにあたしの後ろついてきてくれ。」

 

「ええ、わかったわ。」

 

「俺が1番最後走るから後ろは気にせず走ってくれ」

それぞれ言葉を交わし心の準備をする。

 

 

 

「よし、行くぞ!」

胡桃の合図で1列になり走りだす。止まっているエスカレーター目掛けて一直線に走る。幸い途中でかれらに行く手を阻まれることもなくエスカレーターを登り2階にたどり着く。そして近くのCDショップに入り急いで店のシャッターを閉めた。

 

ふぅ、光が息を吐くと悠里と胡桃が近寄ってきた。

 

「この中にはいないみたいよ。」

 

「おう、そっか。ありがとな」

 

しばらく何か使える物がないか店の中をまわる。特にめぼしい物は見つからなかったため光は胡桃と共に悠里に声をかけに行く。

 

 

「りーさん、あたしたち地下を見てくるよ。」

 

「食品売り場?でもとっくに腐ってるんじゃないかしら」

 

「そうだろうけど缶詰めとかは欲しいだろ?やばそうだったらすぐに戻ってくるから大丈夫だって。」

 

 

そう言って閉めたシャッターを再び開け光と胡桃は店の外に出る。悠里も顔を覗かせる。

 

「じゃあ無茶はしないでね…」

 

「わかってるって。あたしらが戻ってくるまで店から出ないで待っててくれ」

悠里にそう忠告しておき2人は走り出した。光が1度後ろを振り返ってみると悠里が心配そうに2人を見つめていた。

 

 

 

 

「できるだけ早く戻んないとな。りーさんすごい心配そうにこっち見てた」

 

「そりゃそうだろうな。急いで拾ってこようぜ」

 

走りながら会話をしていると正面から1体こちらに気づき向かってくるかれらがいた。光が走るスピードを速め近くまで行きゴルフクラブを振り下ろす。

 

倒れたまま動かなくなる。今回も一撃で仕留めたようだ。

 

その様子を見て胡桃が呟く。

「やっぱりもっと気づかれないように移動した方いいかもな。」

 

「そうだな、学校の中より数多いみたいだしできるだけ相手にしたくないしな」

 

 

2人はここまでの自分たちの行動を少し反省しゆっくりと進んでいくことにした。

さきほどよりもかれらに気づかれないような場所を進んでいく。ペースは落ちてしまったが1度も気づかれることなく地下の食品売り場までたどり着くことができた。

 

 

かなり薄暗かったため持ってきていたライトを点け辺り照らす。

 

「やっぱりだいぶ荒れてるな、というかすごい臭いだなここ…」

 

「ああ、りーさんの言ってた通りほとんど腐ってるんだろうな。野菜とか果物は諦めて缶詰めだけでも取って帰ろう」

 

そう言って慎重に2人は進んでいく。生鮮食品の売り場を抜けると臭いも少しはマシになった。しばらく歩いていると缶詰めの並ぶ売り場を見つける。

 

「あった!」

缶詰めの並ぶ棚の前にしゃがみこんで持ってきたリュックに詰め込んでいく。

 

「よ〜し大漁大漁!お、大和煮だ。……え?」

 

胡桃は落ちていた大和煮の缶詰めに手を伸ばす……が同じ缶詰めの反対側からも小さな手が伸びてきた。手といっても人のものではなく毛に覆われたかわいらしい手であった。

 

 

「うわっ!」胡桃は驚き手を引っこめる。

 

「どうした、大丈夫か?って…え、犬?」

 

胡桃の声を聞き駆け寄って来た光だったが大和煮に手を伸ばす犬を見て驚く。

 

 

「……意外な生存者を見つけてしまった。」

光は真顔で呟く。

 

「いや、生存者って言うのかこれ!?」

「わん!わん!」

「うおぉ〜なんだなんだ!」

 

ツッコミを入れているといきなり吠えだした犬に驚く胡桃。

 

そして

 

 

カプっ

と大和煮の缶を咥えて走り去ってしまった。

 

「あ!ズルいぞ!それはあたしんだ!」

「落ち着け、お前まで吠えてどうすんだ。」

と、吠える胡桃と冷静に言い放つ光。しかし後ろからカランカラン、と缶が蹴られるような音が聞こえすぐに後ろを振り向きライトで照らす。

 

そこにはうめき声を上げ2人のすぐそばにまで迫っているかれらがいた。

 

 

「やべ…!」

「急いで戻るぞ!」

 

 

目当ての缶詰めを手にいれたためここには用はないとリュックを背負い2人はすぐに1階を目指し走り出す。近くにかれらがいなかったためすぐに2階へ続くエスカレーターまで戻ってくることができた。

 

 

 

2人がいるCDショップのシャッター開け中に入る。

 

「ふ〜助かったぁ」

「お前が吠えなきゃあんな危ないことにはなんなかったのになー」

「いや、吠えたのはあたしじゃねえ!犬だ!」

 

 

 

光がからかっていると店の奥から悠里と由紀が駆け足で出迎えてきた。

 

「2人とも大丈夫だっ……ん?」

悠里が途中で下の方を見始めたため光と胡桃もそれにつられて下をみる。子犬が下ろしかけていたシャッターの隙間から走り込んできた。しかも缶詰めを咥えていたため2人はさきほど地下で会った犬だとすぐにわかった。

 

「あ!こいつ大和煮泥棒だ!」

「泥棒じゃねえ、ただの生存者だ。」

 

光は真顔で声を荒らげる胡桃に言い返す。

 

「あ!わんちゃんだぁ〜!」

悠里の後ろからひょっこりと由紀が顔を覗かせる。

 

「わん!」

咥えていた缶詰めを放し吠える。

 

「…はっ!ふふ〜ん」

それを見た由紀が突然ハッとしてしゃがみこみ、

 

「ワン!ワン!ワン!」

…なぜが吠えだした。

 

「わん!わん!わん!」

由紀につられて犬も同じように吠える。

 

 

「通じあってる!?」

そんな1人と1匹に胡桃が驚くような素振りをみせる。

 

「いや〜…たまたまじゃないか?」

光は苦笑して答える。

 

「ワオ〜ン!」

 

「わお〜ん!」

 

由紀がそのまま犬に抱きつこうとするがそれを後ろから胡桃が止める。

 

「まてまてまて!」

もう少しで抱きつけるというところで止められたため由紀は悔しそうにその場でジタバタする。

 

その間に悠里が大和煮の缶を開け犬に差し出す。

そしてそれを夢中で頬張り始めている間に悠里は手袋をしてそっと後ろに回り込む。

 

 

「…りーさん早くぅ〜」

 

「…ちょっと待って〜」

 

胡桃の小声での呼びかけに同じように小声で返す。そして真後ろまで回り込むと勢いよく抱き上げる。

犬は少し驚き始めのうちだけジタバタとしたがすぐにおとなしくなった。

 

「あ〜!りーさんズルい!!」

 

犬を抱きかかえている悠里に羨ましそうに言う。

 

「大丈夫、噛まれてないみたい。はい、ゆきちゃん。」

 

犬が噛まれていないことを確認し由紀の方へ近づける。

 

「はじめして!わんちゃん。」

由紀が犬の目を見てそう挨拶すると由紀の顔を舐め始めた。

 

「わぁ…!わーい!わーい!わんちゃんだぁ〜!!」

 

由紀は嬉しそうに犬を抱き上げてはしゃいでいた。

 

「ねえ、あの子どうしたの?」

悠里が光と胡桃に犬について問う。

 

「地下でばったり会った大和煮泥棒だよ。」

「いや泥棒じゃねえよ、生存者だってば」

 

「そ、そう…飼い主はどうしたのかしら。」

2人の回答に苦笑いを浮かべながら悠里は話を続ける。

 

「さあな、いたら連れてくるって。」

 

そんなふうに話していると由紀が首輪に気づき声を上げる。

 

「首輪に何か書いてある〜、たろう…まる?太郎丸?」

「わん!」

 

由紀が首輪に書かれていた名前を読み上げると元気よく犬は声を上げた。どうやらこの犬は太郎丸というらしい。

 

 

「へぇ〜太郎丸っていうのか。よろしくな太郎丸!」

胡桃が名前を呼び挨拶をするとわん!とまた鳴いた。人懐っこいやつなのだなと光は思った。

 

 

 

 

「さて!じゃあ太郎丸も連れて次は3階へ行きましょう〜」

 

「は〜い!」

悠里の指示をうけ由紀は太郎丸が逃げないようにリュック中に顔だけ出るように入れてやる。おとなしく入っているためぬいぐるみのようだとみんなうっとりとする。

 

「はは、かわいいやつだな。よし、みんな忘れ物はないな?じゃあ出発するぞー」

 

光が声をかけシャッターを開ける。近くにかれらがいないことを確認し全員外へ出る。

 

 

 

 

 

4人は新たな仲間に太郎丸を加えて新たな目的地を目指し歩みを進めていく




読んでいただきありがとうございました。

最初にえんそく2〜3話で書きますとか言ってましたけど全然収まりそうにないですね^^;嘘ついちゃいましたごめんなさい(^_^;

今回太郎丸が出てきましたがショッピングモールでのお話はアニメの方メインで書いていきます。

次こそ、次こそはみーくん出します…(多分)

次回もよろしくお願いします。

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