焔千景は日常を謳歌する   作:春囃子風

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特別編第3話です。


※注意事項
今回からアプリゲーム「結城友奈は勇者である 花結いのきらめき」のネタバレ、キャラ崩壊等が多分に含まれます。ご注意下さい。

●タグ、あらすじを更新しました。


Episode:3 鏡花水月(きょうかすいげつ)

 

 「………あら?彼岸花ね」

 

 私はスマホの画面を確認してみたが、レリーフは彼岸花のままだった。ただ黄色い彼岸花になっている。

 私の今世(いま)の勇者装備は前世(まえ)の装備と比べるとちょっとばかし肌の露出が多い。その面で1番の特徴が肩かしらね。前世(まえ)は肩が隠れてたけど今世(いま)は出ている。そして髪の毛が毛先に行くにつれて黄色に変わっている。後は全体的に装甲具?が無くなっているわね。強いて言うならシンフォギアからプリキュアに変わったって感じかしら?

 

 「彼岸花、花言葉は『陽気』『思いやりの心』なんてものが有りますねぇ。千景ちゃんにぴったりだと思いますよ」

 

 「物知りね。明希さん」

 

 「何が小説のネタになるか解りませんからねぇ」

 

 私の呟いた声が聞こえたらしく、明希さんが彼岸花の花言葉を教えてくれた。彼岸花の花言葉ってそんな明るいのあったのね。

 

 「ちなみに、先ほどの花言葉は黄色い彼岸花特有のものです」

 

 「………明希さん、赤い彼岸花特有の花言葉って有る?」

 

 「え?ええ、『再会』『転生』『思うは貴方1人』なんかですかねぇ?彼岸花全体だと『悲しい思い出』なんてものも有ります」

 

 「………ありがとう」

 

 「………千景ちゃん。思い出は思い出です。今は皆いますよ」

 

 「………ふふふ、そうね。ところで、明希さんのモチーフは何だったんですか?」

 

 明希さんの勇者装備はピンクのインナーの上に赤い道着をモチーフにした装備になっていた。

 

 「私のはシクラメンですねぇ」

 

 「…………………で?」

 

 「………やっぱり言わないとダメですかねぇ?」

 

 「もちろん♪」

 

 私の笑顔に観念したのか明希さんは自身のモチーフの花言葉を話し出した。

 

 「はあ~、全体だと『遠慮』『気後れ』で、私の服装の色だとピンクが『憧れ』赤が『嫉妬』ですねぇ」

 

 「あら、明希さんにぴったりじゃない」

 

 「ピンクはともかく赤は自分でもぴったりだとは思いますけどねぇ」

 

 「ピンクもぴったりよ。()()()()()()()なんて明希さんにぴったりだわ」

 

 「………あー、そう来ましたか」

 

 私の言いたいことが伝わったらしく明希さんが苦笑交じりに肩をすくめる。

 

 「シクラメンか~。明希ちゃんにぴったりだね!」

 

 「あら、ユウちゃん。ユウちゃんのモチーフは変わらず山桜かしら?」

 

 ユウちゃんがやってきたのでモチーフを聞いてみた。今世(いま)のユウちゃんの勇者装備は色は前世(まえ)と変わらないのだが、天の逆手が無くなっていて、籠手や手甲と言うよりはガントレットと言った方が良いような装備になっている。それから、脚の装備が完全に西洋甲冑の足鎧(サバトン)脛当て(グリーブ)ね。ただ、私のと同じく全体的に装甲具は無くなっているわ。そして極め付けは、私から見てユウちゃんの顔の右側の髪の毛一房だけが伸びていて、途中から徐々に桃色に変わっている。

 

 「うん。変わってなかったよ」

 

 「山桜ですか。確か花言葉は『高尚』『淡白』『美麗』でしたねぇ」

 

 「美しいイメージが多いのね。まさにユウちゃんの為にあるような花だわ!」

 

 「…………ぶれませんねぇ、千景ちゃんは」

 

 「はあ~。キラキラした瞳のチカちゃん、可愛い~な~」

 

 「……………………訂正します。ぶれませんねぇ、2人とも」

 

 「なになに、どうしたの?」

 

 「あら、モチーフの花の話?」

 

 私たちが話していたら紺野姉妹が話しかけてきた。

 

 「ええ、私が彼岸花でユウちゃんが山桜、明希さんのがシクラメンだったわ」

 

 「へー、黄色い彼岸花なんてあるんだ」

 

 「2人のモチーフは何だったの?」

 

 紺野姉妹の勇者装備は瓜二つでロングコートの上から軽鎧を纏ったような装備になっている。ただ色が別々でユウキさんの色が濃い紫、ランさんが純白だ。2人とも外見も似ているからぶっちゃけ、片方が2Pキャラに見えるわね。

 

 「ボクたちは2人ともカーネーションなんだ」

 

 もしかしてとは思っていたけどやっぱり同じモチーフだった。こんなことあるのね。双子だからかしら?

 

 「モチーフまで同じなんてお二人は本当に仲が良いですねぇ」

 

 「明希ちゃん、カーネーションの花言葉ってなんだか解る?」

 

 ランさんが花言葉を聞いてきた。

 

 「カーネーション全体だと『無垢で深い愛』、ユウキちゃんの色の紫だと『誇り』『気品』、ランちゃんの色の白だと『 純粋な愛』『私の愛は生きています』なんてのが有りますねぇ」

 

 「純粋な愛なんて姉ちゃんらしいね!」

 

 「誇りね。確かにユウキらしいわ」

 

 自身の花言葉より先に姉妹の花言葉に反応を示す辺り本当に仲が良いことで。

 ん?そういえば、さっきから兄さんの存在が空気ね。どこにいるのかしら?そう思って辺りに視線を向けたらスマホを見ながら微動だにしない兄さんを直ぐに発見したので声をかける。

 

 「兄さん、どうしたの?」

 

 「千景、コレどう思う?」

 

 兄さんは自分が今まで見ていたスマホを見せてきた。どう思うと言われても普通のスマホよね?色もあまり変哲の無い白だし。ん?あれ?ちょっと待って。

 

 「兄さん、兄さんが使ってたのってガラケーじゃなかった?」

 

 「ガラケーだよ」

 

 「………………Bボタン押し忘れたの?」

 

 「『ガラパゴス』のレベリングなんてした憶えないんだけど?」

 

 「だけど現に『ガラパゴス』から『スマートフォン』に進化を遂げてるわよ?ちゃんと『かわらずの石』を持たせていないから」

 

 「この場合、異世界に飛ばされたってことで通信進化と定義して、通信進化って『かわらずの石』で止められたっけ?」

 

 「確かユンゲラー以外なら止められるわ」

 

 「なんでユンゲラーだけ」

 

 「ユンゲラーの闇は深いのよ。初代からいるのにポケモンカード登場も遅かったし、図鑑内容も『ある日超能力少年が目を覚ましたらユンゲラーに変化していた』とか書いてあったし」

 

 「本当は怖いグリム童話かよ。てか、その内容だと進化前のケーシィどうなんだよ?」

 

 「『1日に18時間眠る』って書いてあったと思うわよ?」

 

 「設定ガバガバじゃね?」

 

 「そこが面白かったりすることもあるわ。だから早く図鑑で『ガラパゴス』と『スマートフォン』を調べて」

 

 「いや、図鑑持ってねぇよ」

 

 「え!?」

 

 「いや、『何でこいつ図鑑持ってないの?』みたいな顔してんじゃねぇよ。持ってねぇからな?普通」

 

 「仕方ないわね。後でオーキド博士から貰っておいてよ?もしくはポケモンセンターで買ってくるか」

 

 「後者、ガチじゃねぇか!」

 

 可愛い妹へのプレゼント。これは大切なのよ。

 

 「ところで、お兄ちゃんのモチーフは何だったの?」

 

 私たちのコントが一段落した所を見計らってユウちゃんが兄さんに聞いてきた。

 兄さんの勇者装備は紫の外套にデニムパンツという服装で、手には籠手と手甲、脚にはデニムパンツの上から脛当てが装備されている。そして、瞳の色が黒から赤になっていた。

 

 「ん?ああ、俺のはイキシアだな。花言葉は『協力』『団結』『忍耐』『辛抱』なんてのがある」

 

 「あ、兄さんも花言葉知ってたんだ」

 

 「まあ、文芸部部長だからな。……………ところでさ、そろそろ出て来てくれねぇ?」

 

 「!?」

 

 兄さんが先ほどから私たちを盗み見ていた人に声をかけた。

 

 「あちゃー、バレてたか」

 

 そう言いながら少女が1人私たちの前に現れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「驚いたー。まさかバレていたなんてね」

 

 私たちの目の前にはユウちゃんそっくりな少女が立っていた。

 

 「いつから気付いてたの?」

 

 ユウちゃんそっくりな少女が私たちに問うてきた。

 

 「いつからと言われても、私が気付いたのは、ユウちゃんがスマホを出した辺りね」

 

 もしその前から居たなら最初は気付いていなかったことになるわ。

 

 「この娘が居たのは俺とユウキが藍子に怒られた辺りからだな。千景たちが気付いたのは友奈の悲鳴に気を取られたからだろう」

 

 なるほど、スマホを出した時のユウちゃんの悲鳴に気を取られたから私たちにも解ったのか。でも、それはつまりその前は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()と言うことよね。

 

 「あららー、そこのお兄さんには最初からバレてたかー」

 

 「俺だけじゃなくてユウキにもバレてたからな。…んで、今回の君の目的は偵察かな?」

 

 あ、兄さんが完全に尋問モードに入ってる。これは、このまま兄さんに任せた方が無難か。

 

 「んー?どうだろう?」

 

 「とぼけなくて良いよ。君が俺らを襲えるくらいの隙は作ってたのに手を出さず、それでいて対峙している今でも、警戒心諸出しで逃げる算段考えてたら偵察としか見れないだろ?」

 

 「!?………はあ~、やり辛いお兄さんだなー。さっきから驚かされてばっかりだよ」

 

 「驚いたってんならお相子だよ。な~んか気配が友奈に似てるな~と思ってたら、容姿まで似ているんだから。これでもビックリしてるんだぜ?なあ、友奈。……………友奈?」

 

 兄さんがユウちゃんに同意を求めるがユウちゃんから返事が返ってこない。おかしいと思い皆でユウちゃんを見ると、ユウちゃんが膝を付いて崩れ落ちていた。

 

 「て、え!?ユウちゃん!?」

 

 「Oh mon dieu(なんてこと)

 

 私はユウちゃんの傍まで駆け寄る。どうなっているの?まさか、彼女がユウちゃんに何かしたの?兄さんとユウキさんがいるのに?そう思って彼女を見るが彼女も何が起こったのか解らず困惑していた。原因は彼女じゃないようね。でも、ならなんで?

 

 「………………………………Pourquoi?」

 

 「ユウちゃん?」

 

 Vous et moi avons le même(なんで私とまったく) visage mais la taille de la(同じ顔なのに胸の) poitrine est différente!?(大きさが違うの!?)Pourquoi!?(何故!?)

 

 「「「「「………………………」」」」」

 

 ……………えー。

 私たちはユウちゃんにそっくりな彼女の胸を見る。……うん、確かにユウちゃんより大きいわね。………でもね。だけどね。……………えー。

 

 「??ね、ねー、お兄さん。そっちの友奈さんは今なんて言ったの?」

 

 「え!?あー、えー……………これ、俺が答えちゃダメじゃね?」

 

 うん。ぶっちゃけセクハラよね。

 

 「えー、では、徹隆さんの代わりに私が答えますので、お耳をお貸し下さい」

 

 「え?あ、うん」

 

 兄さんの代わりに明希さんがユウちゃん似の娘にさっきユウちゃんが言ったことを伝える。

 

 「………!?な、なななな!?」

 

 明希さんから内容を聞いた彼女は自分の胸を両腕で隠すようにしながら数歩後退る。

 ヤバい!ユウちゃんにそっくりな娘が顔を赤らめながら胸を隠す姿とか、ヤバい!!

 

 「~~!?~~~!?」

 

 彼女はさっきから口をパクパクさせて何かを言おうとしてるが声が出ていなかった。

 

 「………これってアレか?悪口を言おうと思ったが、悪口自体が思い浮かばなくて言葉が出ないのかな?」

 

 兄さんが彼女の今の状況を冷静に分析する。ふむ、兄さんの言う通りならつまり

 

 「直ぐに悪口が出ないほど言い慣れてないと」

 

 「優しい娘なんだね!」

 

 「しかも、かなり純粋よね」

 

 「可愛らしいですねぇ」

 

 「~~!?な、なな!?~~~!?」

 

 ユウちゃん以外の私含む女性陣の追撃に彼女の顔がますます赤くなる。

 

 「え、えーと、Je suis désolé.(ごめんなさい)

 

 「ユウちゃんが『ごめんなさい』ですって」

 

 「……あー、もう!貴女はここで謝るの?…………も~、貴方たちなんなの~!?さっきからペース崩されてばっかりだよ~」

 

 彼女は一度頭を掻いてから脱力したように肩を落とす。なんだかさっきまでと比べると喋り方が緩いような。こっちが素なのかしら?

 

 「なんなのと言われましてもねぇ」

 

 「ボクたちはいつもこんな感じだよね?」

 

 「何を今更って感じよね?」

 

 「…………はあ~」

 

 あら、すごい大きな溜息。

 

 「ぶっちゃけ、これから俺らと対峙するならこのノリに慣れとかないと無理だぞ?」

 

 「兄さんが居たら確実だと思った方が良いわよ?」

 

 「お兄ちゃんの周りはシリアスさんが5秒で死ぬから」

 

 「………ははは、そうなんだ?……て、貴女普通に喋れるの!?」

 

 「え?うん」

 

 「俺らのこと観察していた時に会話聞いてなかったのか?」

 

 「………あ、普通に喋ってた」

 

 どうやらさっきの出来事のインパクトが強すぎて忘れていたみたいね。

 

 「………どっと疲れた」

 

 「疲れたんなら早く逃げた方が良いぞ」

 

 「え?」

 

 兄さんの言葉の後を神樹様の方向を向きながらユウキさんが言う。

 

 「21人、こっちに向かって来てるね。この距離と速度なら後15分くらいで来るんじゃない?」

 

 「その団体様、君の仲間って訳ではないんだろ?」

 

 「!?………はあ~、さんざんペース崩されて時間切れか~」

 

 そう言うと彼女の周りに突風が吹き荒れ、彼女を宙に浮かす。

 

 「私は赤嶺友奈」

 

 彼女、赤嶺さんが名乗る。やっぱり名前、友奈だったのね。

 

 「私は月城友奈。よろしくね、赤嶺ちゃん!」

 

 「私は焔千景よ」

 

 「兄の焔徹隆だ」

 

 「ボクは紺野木綿季。ユウキで良いよ!」

 

 「双子の姉の紺野藍子よ。ランって呼んでね」

 

 「蓼原明希です。よろしくお願いしますねぇ」

 

 名乗った私たちを一通り見た後、赤嶺さんは兄さんを見て叫ぶ。

 

 「徹隆お兄さん、このままペース崩されたまんまなのは癪だから、実力測るためにも置き土産、置いてくね~!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「んー、置き土産ってのはこれか?この団体様の逆方向から迫って来ている変な気配の」

 

 兄さんが赤嶺さんが消えていった方向を見ながら呟く。

 

 「変な気配?」

 

 「んー、なんて言うか、生き物よりは物に近いような。そうだな、機械と植物を足して2で割ったみたいな」

 

 「あー、何となく徹の言ってることが解るような気がする」

 

 兄さんとユウキさんが訳の解らないことを言っている。機械と植物って。

 

 「ごめん兄さん、もうちょっと解りやすく」

 

 「えーとな、植物の気配はお前ら解るか?」

 

 「ええ、あのその場にあるのが当たり前のような、強大でそれでいて静かな気配よね?」

 

 「ああ、じゃあ機械の気配は解るか?」

 

 「あの意思を持っていない置物みたいなのに動く、得も言われぬような気配かな?」

 

 「そうそう、この気配はまるで動く植物みたいな気配なんだよ。その場にあるのが当たり前のような強大で静かな気配が有り得ない程滑らかに猛スピードでこっちに向かって来てんの。しかも生物のような動きでこっちに向かって来ているのに意思を感じないんだよ。ぶっちゃけ、きもちわるい。保坂先輩並みにきもちわるい」

 

 「解る。でも僅差で保坂先輩の方がきもちわるい」

 

 えー、あの保坂先輩並みにきもちわるいってかなりよ?

 

 「多分、この気配がバーテックスってヤツの気配なんだと思うんだが、もし、この気配が本当にバーテックスのものだったのなら、あの赤嶺って何者なんだろうな?」

 

 バーテックスは人類を滅ぼす為に天の神が遣わした尖兵だ。なのに何故、人類である赤嶺さんがバーテックスと行動を共にしているのだろう?

 

 「ねー、徹?そのバーテックスって何?」

 

 「え?あ、あー、そっか」

 

 そういえば、紺野姉妹には前世の記憶が有ることしか話してなかったわね。

 

 「いいわ、兄さん。ここから先は私とユウちゃんで話すから」

 

 「お兄ちゃん、向かって来ている人たちとバーテックスって後どれくらいで来るの?」

 

 「先に団体様の方だな。約10分ってとこかな?」

 

 「なら、要点だけまとめて説明するわ。良いかしら?」

 

 「うん。良いよ!」

 

 「もし時間出来たら、後で詳しく教えてね?」

 

 「ええ」

 

 私とユウちゃんはユウキさんとランさんに私たちの前世の話を聞いてもらった。

 




鏡花水月……長く続かずに消えてしまいやすい幻の例え。この作品のシリアスさんのこと。


元作品の本物タイプのキャラと絡ませるとこの作品の登場人物たちのぶっ飛び具合がよくわかりますね。本作の赤嶺ちゃん、強く生きてね!

第4話は明日投稿予定です。
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