プロットではこの回で第一部が終わるはずだったのですが、後、もう1話位続きます。本当申し訳御座いません。
「さて、もう目の前に近づいているから解ると思うが、千景に似ているヤツが1人、友奈に似ているヤツが2人いるな」
私とユウちゃんが、要点だけだが前世のことをユウキさんとランさんに話終えると同時に兄さんが言ってきた。私たちも兄さんの声を聞きながら此方に向かって来ている人たちを見る。その中に兄さんの言った通り、私とユウちゃんにそっくりな人がいる。と言うか
「……アレ、もしかしたらだけど『郡千景』と『高嶋友奈』かも」
「私もそう思う」
「「「「うわー、めんどくせー」」」」
私とユウちゃんの台詞に兄さんたちが答える。皆さん正直なことで。
「千景、友奈、なんかあったら
「「「「「は~い」」」」」
私たちはいつも通りの緩い空気で彼女たちとファーストコンタクトをとるのでした。
「なっ!?友奈に、千景だと!?」
私とユウちゃんを見た乃木さん(仮)が驚いた。
「「まさかの四人目!?」」
ユウちゃんにそっくりな(多分片方は高嶋さんだと思うのだけど)人たちがユウちゃんを見て驚いている。四人目ってことは赤嶺さんは知ってるってことよね?まさか赤嶺さん以外にそっくりな娘がいるとか無いわよね?
「驚いているところ悪いけど、状況説明とかして貰えるとありがたいんだが?」
兄さんが驚いている一行に問いかける。すると、一拍遅れて黄色い勇者装備で黄色い長髪を2つに分けている人が答える。
「え!?あ、ええ。…………その前にちょっと聞きたいんだけど、あなた、男よね?」
「?見たまんま男だよ。って、この台詞は俺じゃなくて由良が言う台詞じゃね?」
あ、兄さんが勇者は女性しかなれないことを知らない体で通そうとしてるわ。……ここは後々の為に少し乗っておこうかしら。
「由良さん居ないんだから無理よ。それに多分だけど、彼女たちの中に男性が居ないところから、この世界に滅多に呼ばれないか、呼ばれたことが無かったんじゃない?」
「え?じゃあ、俺は一夏君に成れるの?ハーレム目指せるの?」
「目指すの?どこぞのなろう主人公みたいに?」
「………そう言われると一瞬でやる気失せるな」
「ま、止めといて正解でしょうね。アレをリアルで出来るのは由良さんくらいだろうし」
「お前は目指さねぇの?友奈にそっくりな娘がさっきの赤嶺含めて3人も居るけど」
「
「チカちゃん、私のこと、そこまで思ってくれて!!」
「当然よ!………ユウちゃん…」
「………チカちゃん…」
「あ、これ、帰ってくるまでかなり時間かかるヤツだ。……うん。と言う訳で、今の内に状況説明してくれると助かるんだけど?」
「「「「「「「「「「この流れで!?」」」」」」」」」」
「え?うん。だって見てみ。あの大声ですらコイツら帰って来てねぇんだぞ?」
「………ユウちゃん…」
「………チカちゃん…」
「ねー、徹、あのきもちわるい気配のヤツがそろそろ来るよー」
「あー、あの
「ちょっ!?赤嶺の置き土産って、それ、どう考えてもバーテックスでしょ!?」
「風先輩!端末にも反応が有りました!」
「あー!もー!簡単に説明するけどかくかくしかじかって訳なの!!解った!?」
「かくかくしかじかで伝わるなんてすごい世界ね」
まさか八文字で全て伝わるなんて。え?伝わらなかった?その場合は『ゆゆゆい』本編をプレイすると解るわ!
「「「「「「「「「「うわ!?話聞いてた!?」」」」」」」」」
「あれ?千景、ずいぶんお早いお帰りで」
私がユウちゃんとの異空間から思った以上に早く帰って来たから兄さんが訝しむ。だって仕方が無いじゃない。
「ここまで近づけばイヤでも解るわ。確かに兄さんたちが言った通りきもちわるい気配ね」
「「「「「「「「「「兄妹だったの!?」」」」」」」」」」
「あ、そういえば俺らのこと言ってなかったな」
人数が多いので視界に入る範囲で
「それにしても、男の勇者がいるなんて驚いたわ~」
犬吠埼が俺に言ってきた。俺が暫定的に一緒に行動するのは犬吠埼姉妹と古波蔵、中学生の方の園子の4人だ。しかし、小学生時代と中学生時代の同一人物とは。あ、それ言ったらウチの妹たちは前世と後世か。
「こっちだって驚いてるんだぜ?家族+友達で香川に旅行に来たら異世界に飛ばされて、自分の妹たちにそっくりな娘にあったと思ったら、今度は何処の特撮だって言いたくなるような怪獣退治だぞ?……まったく、次に書く小説のネタに困らなそうで助かるよ」
「いや、そこまで達観したような言い方してたら驚いたって言っても説得力無いわよ」
「達観してるか?ウチの中学の連中なら皆こんなもんだぞ?」
それにこれは達観しているんじゃなくて格好付けてるだけなんだけどなぁ。
「なあ、徹隆、1つ聞いても良いか?」
「ん?なんだ?古波蔵」
「お前たちは今までバーテックスどころか化け物とすら戦ったことが無いんだろ?戦えるのか?」
「「!?」」
古波蔵の言葉で犬吠埼姉妹が気付く。多分、今までここに呼ばれたヤツらは大なり小なりバーテックスとの戦闘を経験しているから失念していたんだろう。いや、寧ろ考えてすらいなかったか?戦闘未経験者つまり下手をすると足手纏いが召喚されてしまうという事態を。まあ、大丈夫だろ。
「それに関しちゃあ大丈夫だろ。なあ園子?」
「え~、私に振る~?」
「振られたくなかったのならびっくりする演技くらいしろよ。ずっとニコニコしてただろ」
「いや~、さっきの
あ、コイツ、どちらかと言えば
「……この世界に呼ばれた時点で戦力として、つまり戦える存在として一度神樹様が選別しているはずだからな。戦力としては問題無いさ」
「そうか」
俺の答えに古波蔵が納得する。
「それから、ありがとな古波蔵。俺が俺らをバラバラに分けるって言ったときに賛成してくれたのって、最悪俺らを各グループで護ろうと考えてたからだろ?」
「え!?棗、あんたそんなことまで考えてたの!?」
「ん、ああ。だが、いらn「はい、ストップ」……?」
俺は古波蔵の台詞を途中で割り込んで止める。
「いらぬ世話でも、相手を考えてやった良い行いなんだ。自分自身で無下にするような台詞は言わないでくれ」
俺自身の持論を押しつけているだけかもしれないけれど、相手のことを思って行ったことを自分自身だけはなにがなんでも否定しないで欲しい。
「そうか」
「おう」
「解った」
古波蔵が小さく笑う。………うわー、イケメンだわ。おっぱいの付いたイケメンだわ。これ絶対女の子がキャーキャー言うタイプだ。
「………かっこいい」
あ、樹はすでに古波蔵の虜か。
「ね~ね~、
なるほど、俺はてったんか。
「それは単純に戦力を分けるためだよ」
「戦力を?」
「バーテックスとの戦闘経験は無いけど戦闘力だけなら多分、俺ら6人が断トツだからな」
「へー、あれがバーテックス。保坂先輩ほどじゃ無いけど気配通り、見た目もきもちわるいね!」
「バーテックス以上に気持ち悪いってどんなヤツよ、そいつ」
ボクが初めて見るバーテックスを保坂先輩と比べていると夏凜ちゃんが声をかけてきた。隣には芽吹ちゃんと歌野ちゃんもいる。
「違うよ、夏凜ちゃん。『気持ち悪い』とか『キショい』とかじゃなくて『きもちわるい』だよ」
「ごめん、言ってる意味がよく解んない」
んー、あの先輩をきもちわるい以外で表せられない。生徒会史上初の意異名無し役員だからな~。きもちわるい以外の表し方がないんだよね~。
「ユウキさん、ちょっと聞いても良いですか?」
ん?芽吹ちゃんがボクに質問が有るみたい。何だろう?
「良いよ。ボクに答えられることならね」
「じゃあ、さっきの会話から察するにユウキさんってバーテックスの気配が解るんですよね?」
「うん、解るよ」
「なら、初対面の時、バーテックスが迫ってきているのを気配で感じていたようですけど、どの位の距離を感知出来るんですか?」
「ん?んー、そうだね、あの解り安いほど変な気配ならだいたい半径20㎞位かな?」
「「20㎞!?」」
「リアリィ!?」
3人が驚いてる。それにしても歌野ちゃん、友奈ちゃんみたいに海外暮らしだったのかな?
「でも、アイツらだけだよ?それに距離があればあるほど曖昧になってくるし」
「それでも凄いわよ!」
「もしかして、ユウキさんってあの中で1番ストロングだったりするの?」
んー?歌野ちゃんの喋り方どこかで聞いたことあるような?何処だっけ?……あ、そうだ!ルー語だ!
「ユ、ユウキさん?」
「え?あっ!ご、ゴメンね!歌野ちゃんの喋り方が気になっちゃって」
「ファット?何が?」
「あ~、歌野の喋り方は気にしないで」
「そうそう、いつものことですから」
「そ、そうなんだ。で、何かな?」
「あっ、そうだった!ユウキってあの中で1番強いの?」
え?んー、どうだろう?
「スピードならボクが断トツで1番速いだろうけど、
「「「え?」」」
~~~♪
ん?着信?誰だろう?と言うよりここ異世界だけど繋がるの?
「あ、徹だ」
画面を見ると徹からだった。どうしたんだろう?
「もしもし徹?どうしたの?」
『ワルいユウキ、ちょっと格好付け過ぎた。俺と一緒にバーテックスに1発ぶちかましてくれね?』
「ま~た調子こいたの~?」
徹は時たま端から見ると大袈裟なことを言う。本当のことしか言ってないけど、普通の人が聴いたらかなり盛ってるように聞こえることがある。で、そういう時、彼が仲間内に助けを求める場合は格好付け過ぎたって言ってくるのだ。
「はあ~、まったく、報酬にハンバーグを要求する!」
『解った。次の弁当に入れてくる』
「やった~!じゃあ、もう突っ込んじゃって良いの?」
『ああ、周りの人に一言言ったらな』
「りょうか~い」
ボクは電話を切り、夏凜ちゃんたちの方を向く。
「どうしたの?」
「徹に頼まれてね~。バーテックスに1発ぶちかましてくる」
「「「はあ!?」」」
ボクは片手に両刃の剣を出して姿勢を低くしていく。剣を持っていない左手を前に出し、片脚を出来る限り後ろに引いてクラウチングスタートをより低くしたような体勢になる。前世でアスナが後衛から前衛に瞬時に移ったときの体勢。
「行っくよ!!」
ユウキさんが猛スピードでバーテックスに突っ込んで行くのが見える。相変わらず速いわー。あ、ユウキさんが通った道のバーテックスが縦に横に真っ二つになっていくわ。あれ、目の前に来たと思ったら切られてるのよねー。しかもスピードが乗っているから竹刀でも痛かったのよ。
「うわー!ユウキさん速ぇー!!」
「ありゃ、ぶっタマげたな!!」
銀ちゃんと
「2人とも驚いてるとこ悪いんだけど、今兄さんが密集地帯に着いたからもっと凄い光景が見れるわよ?」
「焔さんのお兄さんはそんなに凄い人なんですの?」
弥勒さんが聞いてきた。この人、喋り方がなすのさんに似てるけどお嬢様なのかしら?………お嬢様で勇者、普通に有りそうな設定ね。
「スピードはユウキさんの方がかなり上ですが総合的な強さなら同じ位です。つまりスピード以外は兄さんに軍配が上がります」
そう言っている内に兄さんがバーテックスに接近していた。兄さんは瞬時にバーテックスの側面に回り込みバーテックスに底掌をぶち込む。しかも捻りのおまけ付きで。底掌を喰らったバーテックスは錐揉みしながら、飛んで行った方向のバーテックスをも巻き込んでいき、止まったと同時に巻き込んだバーテックスごと消滅した。兄さんはぶっ飛ばしたバーテックスには目もくれづ、近くのバーテックスを片っ端から底掌や蹴りでぶっ飛ばしていく。バーテックスが密集している場所目掛けて。
「おい、焔!?お前の兄ちゃん何なんだよ!?パンチや蹴り1発で何体のバーテックス倒してんだ!?」
「平均7、8体ってところかしら?」
「ずいぶんと冷静ですわね!?と言いますか、貴女のお兄さんは本当に人間ですの!?」
失礼ね。一般人枠から大分かけ離れてはいるけどちゃんとした人間よ。
「あ!!お兄さんの後ろからバーテックスが迫ってきてる!?」
銀ちゃんの声で兄さんの方を見ると後ろからバーテックスが口を開けて迫ってきていた。
「まずい!!」
「銃でも間に合いませんわ!!」
あ、
「ちょっと、焔さん!?何ぼーとしてるんですか!?お兄さんが!?」
「え?ああ、大丈夫よ。ほら」
「「「へ?」」」
そう言って私は兄さんを指差す。すると兄さんに迫ってきていたバーテックスは口から真横に真っ二つにされており、兄さんの手には刃渡り30㎝ほどの太刀が握られていた。
「い、いつ抜いたんだよ?」
「振り返りざまに抜いていたわよ、球子ちゃん」
「焔さんは見えてましたの?」
「ええ、
「お~!焔さん!その言い方、ちょーカッケーす!!」
「あら、そう?銀ちゃん」
「なんかこっちの千景は話し安いなー。あっちの千景も見習うべきだろう?」
…………素直と言うかなんと言うか、そういえばオブラートに包むとかしない人だったわね
「球子ちゃんは、そうやって思ったことをズバズバ言うから郡さんに煙たがられているんじゃない?」
「そうなのか?」
「私も『千景』だもの。何となく解るわ」
「でも、焔さんは千景さんとは、その、ちょっと違いますわよね?友奈さんは赤嶺さん以外、皆さん似ていますのに?」
「んー、強いて言うなら環境の違いじゃないですかね?」
「環境の違いですか」
「だって、私の傍には生まれたときから
「「「あー」」」
私の言葉に3人が納得する。
「さて、じゃあ、私たちも行きましょうか。早くしないと
そう言って私は自分の武器の棍を出現させる。この棍は両端どちらからでも自分の意志で鎌の曲刃を自由自在に出せる。私はその棍を
「うん。よく馴染むし、長さも重心もちょうど良いわ。ん?」
視線を感じると思い周りを見たら銀ちゃんたちが私を見て停止していた。そして数秒後、皆が目をキラキラさせながら私に言ってきた。
「焔さん!めっちゃ綺麗でした!!」
「スゲー!踊ってるみてーだった!」
「なんてエレガントな演舞!素晴らしいですわ!」
「え?あ、ありがとう?」
えーと、これは見とれてたってことかしら?
「と、とりあえず、早く行きましょう。兄さんたちばかりに任せる訳にはいかないし」
「焔さん焔さん!後でアレまた見せて下さい!!」
銀ちゃんが興奮やまぬ感じに言ってきた。
「え、ええ。あの位のものなら後でいつでも見せてあげるわ」
私にとってはアレはただのチューニング程度のものだったのだけど、ここまで食いつかれるとは。
でもまあ、銀ちゃん可愛いし妹が出来たみたいでちょっと良いかな?
栄華発外……隠していた美しくて優れた内面が、表に現れること。
過剰戦力過ぎた。
彼ら、彼女らがどうしてあんなに強いかは本編でいつしか明かされます。
最後の一文の『妹』のところを最初、無意識に『弟』と書いてそのまま投稿しようとしてました 。書いてる時、全然違和感無かった。危なー
第5話は明日投稿予定です。