書いてて思うのですが、改行したと思ってたらしてなかったり、しててもズレてて読みづらくしてたりと、チェックすれば結構出てきていい加減慣れなきゃと思う次第です。
もし「読みづらいぞ!」などお声がありましたら是非感想欄などにお送りいただけると幸いです。
さて!今回でようやく序盤も終わり、なのは勢にはあの方たちが…。
では本編にどうぞ~!
オーズからの情報提供から一ヶ月近くが経って日付は6月3日。
あれから管理局の面々に一度も確認されていないグリードはもちろんのこと、新たなヤミー、そしてオーズも姿を見せていなかった。
平穏を取り戻したようにのどかな海鳴市だが、クロノにはそれが仮初めのものにしか思えなかった。
「ユーノ、君はどう思う?」
「うーん…。彼の言っていた通りであればグリードは強い欲望の持ち主に惹かれるって話なんだけどね、それが余計に難しいんだよね。」
クロノはなのはの家にいるユーノと通信で状況報告をしていた。
彼は行方の分からないグリードをどうにかして発見し、封印または撃破出来ないかを模索していた。
あの時のオーズが伝えた情報通りであれば確かに欲望のより強い人間ほど狙われるだろう。
だが彼曰く「他人から到底理解されないようなものでも本人が強く求めれば、それは十分な欲望」という難解な解釈で前以てヤミーの出現を阻止することはオーズからしても実質不可能とのことだった。
例えば、「何かを壊したい」「めちゃくちゃにしたい」などと人格の破綻しきったものであろうと、グリードからすれば絶好のカモらしい。
この情報量ではグリードを倒すどころか居場所を掴むこともままならなかった。
そこであることを彼は思い付いた。
「ユーノ、君に無限書庫に行ってもらいたい。」
「無限書庫だって?」
無限書庫とは次元の海に浮かぶ時空管理局本局にある全ての管理世界から集められた書籍や情報媒体がほぼ全て集められた一大施設である。
「あそこでならばグリードやオーズについての情報が集められるかもしれない。
君の情報処理能力ならば有用にあそこを使えるだろう。
伝を頼って使えるようにしよう。」
「だけどあそこは未整理区画も多いだろう。
それこそ一体どれだけの時間がかかるか…ってまさかそれもやれってことだったりしないよな?」
「元よりそのつもりだが?」
そこから長い二人の問答は昼過ぎから始まり、学校を終えたなのはが帰宅する夕方まで続き、ユーノが折れることで決着が着いた。
「お、鬼め…。」
「ユーノ君どうしたの?」
「ああ、なのはおかえり。」
ぐったりとしたフェレットユーノを部屋に戻ったなのはが見つけて声をかけた。
一通りの話の流れや無限書庫について話し、近々にはここを発つことになると伝えた。
「そっか~。ユーノ君が調べてくれたら何か見つかるかもだね!」
「僕も頼られるのは嬉しいんだけど、何せ前人未到の宝の山を整理するところからしないとだから気が重いよ。」
「にゃはは。それは重いね。」
管理世界全てとなると最早想像出来うる範疇などでは及ばず、二人は苦笑を浮かべるしかなかった。
「でもユーノ君が行っちゃうのは寂しいな。
お母さんもお姉ちゃんもしばらくは凹んじゃうだろうし。」
「そうだね。僕もジュエルシード事件以来ここにはお世話になりっぱなしで名残惜しいよ。
お、お母さんたちの愛はちょっと重かったけど。」
「それは…うん、ごめんね。」
古代遺跡などを転々とし、生計を立てる部族の生まれのユーノは自身が発掘に携わったジュエルシードによって起きた事件をきっかけになのはと出会い、この高町家でお世話になっていた。
ちなみにフェレットの姿は変身魔法で本来は人間の男の子である。
「さよならじゃないからまた戻ってくるよ。」
「うん♪でもしばらくはお母さんたちからは逃げられないよ~。」
見た目は可愛いフェレットであるユーノに高町家の女性陣はぞっこんであった。
「お、お手柔らかに…。」
この後のことを考え、ユーノはフェレットに変身した過去の自分を恨んだ。
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「ほおー、あのフェレットしばらくいなくなるのか。」
いつも通り鷹の目を生かしてなのはの様子を探っていたアンクはいい情報を得たと思った。
盗聴機などは流石に仕掛ける訳にはいかないので、その目の良さを生かした読唇術だが、その精度は完璧だった。
「これでエイジのバカがアイツらに鉢合わせてもあの面倒な鎖は無いわけだ。」
「でも彼が結界を構築する担当じゃないんですか?
もしまた彼女たちと協力…もとい利用するんならむしろマイナスではないですか?」
「ま、そりゃそうだな。で、そっちの進展はどうだ?」
この前のマンション以来、不気味なほどに動きを見せないヤツには警戒を忘れていないが、アンクたちもより戦いをやり易くするために魔法の再現を図っていた。
越してきた時よりも何やら高価そうな機材も増え、研究者らしい装いの人物たちが数人ほど各々の作業にあたっていた。
ガラガラだった部屋も大分人口密度が上がり、居心地は悪くなったかもしれないが優秀で、明瞭で、謙虚な彼らにアンクはイライラはしなかった。
「ゲンムのメダル担当の科学者グループの自分たちですが、なにぶん初めてのことだらけで苦戦はしていますが何とかこれは形になりました。」
見た目はやたらメカメカしく、ブタののような鼻をつけたの貯金箱を自身の作業机の引き出しから取り出してアンクに見せた。
「ご注文頂いていた結界の再現機です。
これまでの戦闘時にカンドロイドたちから得たデータを基にセルメダルを動力とし、空間内の対象らを別位相に移動させます。」
「相変わらず仕事が早いもんだな~。限界時間は?」
「アンクさんのご希望は10分でしたが、+5分まで延ばせました。」
「ハッ!上出来だ。」
とはいえ一度にセルメダルを10枚も使う高燃費な上、限界を越えると原形を留めずに自壊するといった課題も盛り沢山だった。
「まっ、セルメダル由来の力で引き出した結界なら、アイツが出てくる前に終われるだろうし、今はこれで良しとするか。」
デメリットの説明を受けてもなのはとの交戦を避けられるのならばそちらの方が得だと判断した。
「とりあえずご苦労。良くやったな、九野。」
「いえいえ、自分一人でなく自分たちの成果です。」
掛けたサングラスを直しつつ、ゲンムの隠れ部署である
「メダル対策研究室」責任者、九野キリヤは得意気な笑みを浮かべつつも謙虚に答えた。
「そういえばアンクさん、そろそろ時間マズイんじゃないですか?」
「あ?ああ、そういえばそうだな。」
詳細な仕様などの説明を聞いていて忘れていたがもう日も落ちて、時計の短針は7を越えていた。
「明日のはやての誕生日の打ち合わせで呼び出しとか、毎度のことだが能天気にも度があるだろう。」
「まあまあ。エイジさんは昔から人の誕生日を祝うのがゲーム並みに大好きですから。」
誕生日を祝うと聞くとどこぞの食えないジジイを思い出すアンクだったが、彼も負けず劣らずだった。
「付いていった病院で誕生日がもうすぐと聞いた途端にこれだ。
多分今日は向こうに泊まるだろうから、俺が出た後の監視は任せたぞ。」
そう言って玄関にあらかじめ用意していた小さな茶色い小包を持って出掛けるアンクに「あんたも大概ですよ」と困ったように笑みをこぼし、サングラスを外した。
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その日の終電バス。
もう乗客も片手で事足りるほどの人数の中にエイジとはやてはいた。
はやての病院での検査が思ったよりも長引いて時刻はもう8時を回っていた。
外の街並みの賑わいとは裏腹に、隣で浮かない顔をするはやてにエイジはどう声をかけるか悩んだ。
現在の治療内容と処方薬では望まれていた効果が得られていないため、より強いものへと段階を踏まえなければならないとの石田先生の見解だ。
こんなことは彼女にとっても別段初めてではないのだろう。
だが誰だって、終わりの見えない辛いことを続けるのは苦にしかならない。
辛い治療に沢山の薬、それを経ても良くなる気配はなく
出来ないことの方がゆっくりと増えていく自分の体…。
石田先生だってそれを分かっている。
だけどそれで立ち止まることは医者にとってどれほどの苦しみだろうか。
助けようとどれだけ手を伸ばしても届かないその辛さは。
どちらの痛みも分かる自身には気安くかけられる言葉は無かった。
そうして黙っていると頬に柔らかなものが押し当たる感覚が伝わった。
目線を向けるとそこにはいつものように明るい、それこそお日様のような笑顔で自分の頬を押すはやてがいた。
「どしたの、はやてちゃん?」
「いやー前から思うてたんですけどエイジさんのお肌って何でこんなに雪みたいに綺麗なんやろーって。
こうして近くで見とったらつい♪」
「んー、元々俺はかなり色白だからね。そこは大分母親譲りだね。」
そう答えつつも、その人差し指を止めるどころか片手、最終的には両手で揉みほぐし始めたはやてにはてなを浮かべた。
「は、はやてちゃん?」
「…あんまり難しく考えんといてください。
確かに私の体はようならんで辛いことも多いです。
せやけど石田先生が一生懸命私の病気と向き合ってくれますし、私が頑張ったらそれ以上に楽しいと思えることを私にくれるエイジさんと、エイジさんのゲームがいてくれます。」
その言葉に心の中に溢れんばかりの光が満ちた。
「だから私もそういう風に思うてもらえるような人になれる頑張りますよ。」
「…そっか。」
感極まって泣きそうではあるのだが、両頬を一度に押された今はその自分の顔を見て笑うはやてに釣られるほうが気分だった。
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「にしても酷くないかい?人の顔で遊んで笑いっぱなしって。」
バスを降りて横断歩道を赤信号で待つ間、エイジはひたすら抗議していた。
「すいません。でも隣で私以上に暗い顔してたエイジさんはちょお失礼やったんとちゃいますか~?」
「うっ!それは…失礼しました。」
「はい♪」
自分はどうやらこの子相手には口では絶対勝てないだろうと察した。
あと顔の筋肉がいい感じに解れており、彼女の隠れた才能だと感じた。
時計をふと見るとアンクと待ち合わせていた時間はとうに越えており、今頃はやての家で一人待っているだろうと思っていた。
申し訳無く思いつつも、明日のはやての誕生日に作る予定のケーキのことを考えていたエイジの視界の端に二つの光が入り込んだ。
居眠りしているのかフラフラとろくに方向も定まらず、スピードを出したまま走るトラックは二人の方に突っ込んで来た。
咄嗟にはやての車椅子を掴んで彼女だけでも逃がそうとした次の瞬間には-
二人は街の上空にいた。
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「エ、エイジさん?これもオーズの力とかですか…?」
カラカラと車輪が回っている横倒しになった車椅子から離れたところにいるはやてはどうにか口を開いた。
「流石にこういうのは見に覚えが無いかな~…。」
二人の足元でぐるぐると回転する白銀の三角形の陣を見て、エイジは引き吊った笑みを浮かべながら立ち上がった。
真下では先ほどまで二人がいた場所に直前で急ブレーキをトラックが突っ込み、運転手が右往左往していた。
きっとこちらを探しているのだろう。
だが彼には悪いがこちらもそれどころでは無かった。
今まではやての車椅子にいたあの本が怪しげな紫の光を放ち、二人の頭上に浮かんでいたからだ。
心臓が鼓動を打つように、自身を縛る鎖をはち切らんばかりに脈打つ本はついにそれを破壊して分厚いページを次々に捲った。
「Ich hebe das Siegel auf.(封印を解除します。)」
突然の事態に怯えるはやてと本の間に立ち、見上げるエイジはその意味が分からなかったが、次の瞬間更に強い光が周囲を包んだ。
「Anfang.(起動)」
ようやくのなのは本編スタートの形を切れました!
と言っても、冒頭のタイトル前までで続きは本番の12月はまだ半年後と遠いですが。
なんにせよようやく自分の創作上とはいえ八神家を描くのは嬉しかったりします。
キャラ崩壊など無く、各々の人格を尊重して描く次第ですので引き続きお読みいただけると作者的には嬉しいです。
感想、ご意見などもハラハラしながらお待ちしてます!
それではまた♪
あっ!それと執筆のペースが上がり、週一投稿は勿論問題無く続行出来るのですが、もし早く続きが気になると涙が出そうなことを思ってくださる方が居られましたら是非感想欄にてお書き込みください。
金曜日と日曜日で2投稿を検討しています!