リリカルなのは-オーズクロニクル   作:スターみかん

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どうも!スターみかんです!

いつもよりも時間がかかりすいません!

手間取っているともうクリスマスでした!

とりあえず本編に入りましょう!

それではどうぞ!


第6話「病院と家探しと運命の出会い」

二人は病院へ検査結果を聞きに行くというはやてと共に彼女の家を後にした。

 

「付いてきてもらってありがとうございます~。1人で行くのも結構退屈やったんでありたがたいです」

 

「そっか。俺もこの街のことをついでに見て回れるし、昨日のこともあるからはやてちゃんの体に悪影響が無かったかも知れるしで、一石三鳥だよ。」

 

事件直後に簡単に診ておかしなところは無かったが、万一を心配してエイジも付いていくことにした。

 

ヤミーによる攻撃は予期せぬ事態を引き起こすこともあるからである。

 

「はやてちゃん、一つ聞いても大丈夫かな?」

 

「?何ですか?」

 

楽しそうにエイジと話すはやては、足が不自由なことを除けば小学生としてはしっかりとした考えや温和な態度、何より他人への思いやりを忘れないとても優しい子だと、知り合って僅かな時間でもよく分かる。

 

だから気になってしまう。

 

「寂しかったりしないかな?お家で1人だと。」

 

「…うーん?どうでしょう。ずっと両親がおらんで生活してるのと足もこんなんなもんで何でしょう、誰かと一緒におったらその人に迷惑かけてまうんでちょう遠慮してまうんです。正直寂しいか言われたらよう分からんですね。」

 

笑みこそは浮かべているが、どこか影を感じてしまうぎこちなさと何より寂しさを感じる。

 

どこか遠慮をしている…というよりも無意識に他人を自分から遠ざけようとも感じる。

 

これは別に他人を拒絶している訳では無く、自分の為に他人に迷惑をかけるぐらいならば、何でも自分で出来るようにと彼女が無意識にしていることで、これもこの子の優しさなんだとエイジは思った。

 

「そっか…。はやてちゃんは強い子だね。」

 

「そんな大げさなもんともちゃいますよ~。」

 

「そうかなー?俺はスゴいことだと思うよ。俺もはやてちゃんぐらいの頃、色んな学校に通っててね。

自分がやりたくてしたかったことだから楽しかったんだけど家が恋しくなることが多くて両親にはしょっちゅう迷惑かけちゃってたよ。」

 

「何しはったんですか?」

 

「海外の学生寮から無断で脱獄して、その日の内に母親に会いに行っちゃった。」

 

はやてはエイジのハチャメチャな過去に思わず口を抑えてプルプルと震えながら笑ってしまった。

 

「結局、母さんにはめちゃくちゃ怒られてね。

「自分のことだけじゃ無くて、回りの人たちのことも考えなさい!」って。

今となっちゃなかなか恥ずかしい思い出だよ。」

 

「エイジさんも結構やんちゃさんやったんですね。」

 

「ハハッ!まあね。だからさ、俺ははやてちゃんのそのしっかりと回りを見据えてて、しかも温かみを持って人と接することが普通に出来るなんてスゴいことだと思うんだ!」

 

「…!」

 

はやては自分のありのままを認めてもらえて嬉しかった。

 

「いつか君を必要としてくれる人と絶対に会えるよ。その時までに遠慮しいさんはちょーっとずつ変えてけばいいよ。」

 

そう言って握ってくれた彼の右手は温かく、心はほっこりと安らいだ。

 

「…ありがとうございます。」

 

「うん!そうだ!サービスでいいもの見せたげるよ。」

 

リュックからノートパソコンを取り出し、起動するとあの新作マイティーと他に9つほどのゲームタイトルが表示されていた。

 

「エイジさん…。もしかしてこれってあの?」

 

「お察し通りだよ…。最近、ファウンデーションのイベントで発表されたニューシリーズゲームのデータ!」

 

エイジたちが海鳴に来る前に開催されたゲンムファウンデーションのゲームイベントで新たに発売されていくゲームが発表されたのだ。

 

それも順次という形になるとはいえ9つも。

 

はやてもそのイベントの様子をネット配信で見て、心を踊らせていた1人だった。

 

目を輝かせてディスプレイを見るはやてにエイジは続けた。

 

「実はね、俺がこれを手掛ける訳なんだけどね、どれから作るかまだ決められてないんだ。

ジャンルもそれぞれ違うし、どの作品も楽しんでもらえると思うんだけどね、はやてちゃんはこの中だとやってみたいやつ…あるかな?」

 

「そうですね~…。どれも魅力的で気になるんですけど…あ、この「ドレミファビート」ってリズムゲームなんですか?」

 

指を指したゲームはデフォルメチックなDJ風のキャラクターたちがカラフルな音符に囲まれて演奏しているであろうパッケージのゲーム、「ドレミファビート」と書かれたタイトルだった。

 

「そうそう!音符に沿って演奏するようにリズム良く譜面を刻む、音楽リズムゲームだね。

最近流行りの曲ともコラボしたり、ゲームオリジナルの曲を楽しむことが出来るゲームなんだ。」

 

「すごい面白そうです!…あれオリジナルの曲ってもしかして…?」

 

はやてはもしやと思いエイジに聞いた?

 

「さすがに曲は俺が作るんじゃないよ。でもどんな曲かはお楽しみにね♪」

 

エイジは少し目を逸らしてそう答えたが、調子良く楽しみを煽った。

 

「じゃあせっかくご指名いただいたし、この子から手掛けることにしよっと。出来たら一番初めにははやてちゃんに遊んでもらいたいな。」

 

「え!?そないな大役、私でええんですか?」

 

自分が選んだからということでエイジがそれをすぐに作ることにしたのも驚きだが、何より発売前のものをプレイさせてくれるなんて夢のようだった。

 

「うん♪約束するよ!」

 

「じゃあ…楽しみにしてます!」 

 

そんなこんな話しているとバスは目的地の海鳴大学病院近くのバス停へと近づいていた。

 

「あ、もうすぐです。」

 

停車ボタンをエイジが押して、二人は降りる準備をし始めた。

 

「そういえばアンクさんは今日は何してはるんですか?」

 

家を出てからいつの間にかアンクは別行動をしており、はやては気にしていた。

 

「あーアイツはこの街でのしばらくの間の家探し。

決まったら連絡してくれるって。寄り道してなきゃいいんだけどね~。」

 

冗談目かしてそう言いつつ、エイジははやての車椅子を押してバスを後にした。

 

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「うん。美味いな、このアイスケーキ。」

 

「でしょう!ウチの新作、結構イケるでしょう!」

 

エイジの心配をよそにアンクは海鳴でも有名なお店「喫茶翠屋」で休憩していた。

 

店先の看板に載っていた、新作の本格チョコを用いたチョコアイスケーキに興味を持ち、迷わずそれを堪能していた。

 

「中に入ってるのはイチジクか?凍らせているが果肉のジューシーさも残していて、冷たくて甘酸っぱい果汁がこのほろ苦いチョコによく合うな。」

 

「お兄さん良い舌してるね~!そんなに言ってもらえるとこっちも作り甲斐があるよ!」

 

店の中はオープン時間からまだそんなに経っていないこともあってお客さんの入りはまだそこまでだが、常連っぽい高齢な方々や家事を終えた婦人方が思い思いにスイーツを味わっていた。

 

ちなみにアンクは二人と別れた後、手頃な物件を探しに不動産屋を見に行き、この近くのマンションに目星をつけて試見を済ませたばかりであった。

 

手掛かりになるかもしれないあの本を持つはやての近くにという条件をエイジが加えていたので、あの辺りはマンションが高めだったが、アイツの財布には問題にならないのですぐに決まった。

 

「いいもんだな、この辺は。静かで美味い店もあって。」

 

「あれ?お兄さんこっちに越して来たばっかりかな?」

 

「まあな。この辺で家を探しててな、目ぼしいとこは決めたがこの店が気に入ったことだし、こりゃ決まりでいいな。」

 

「おや!ウチを決め手にしてくれるとは!ご近所さんが増えるのは嬉しいな~。あ、自己紹介しましょう。

この店の店主の高町士郎です。よろしく!」

 

「ああ。…黒斗アンクだ。」

 

少し考えてからアンクも名を名乗った。

 

便宜上、アンクの戸籍はエイジの兄として黒斗家に登録されている。

 

最初こそ渋ってはいたが、無いよりもマシだと思ってアンクも今は納得していた。

 

「アンクさんか。よろしくね!あ、母さんちょっと来て~!」

 

奥のテーブル席にオーダー品を持っていったばかりの女性に士郎は声をかけた。

 

「今度ウチのご近所さんになる黒斗アンクさん!アンクさん、ウチの自慢の家内です!」

 

店主の妻と紹介された栗色ロングの年若そうな婦人はにこやかな笑みを浮かべ、アンクに挨拶した。

 

「はじめまして!妻の高町桃子です。アンクさん…ですか?どうぞよろしくお願いします!」

 

アンクも軽く挨拶をし、二人に三人の子どもがいて、上の子は大学生という事実を聞いたりして談笑していると、近所の学校の制服であろう服を来た少女が表から入ってきた。

 

「あっ、お母さん、お父さんただいま~!」

 

「おっ!なのは、お帰りー!」

 

母親と同じ色の髪を小さな二つ結びに纏めた高町家の末っ子、高町なのはは、父親からアンクのことを聞かされると元気に挨拶を済ませ、店の奥へと入っていった。

 

アンクは何か妙な気配を察した。

 

ヤミーやグリードのように歪な、ドロドロとした気配とも違うが、力強い、どこか暖かい何かを何処からか感じた。

 

アイスケーキを食べ終え、店を後にした今も気にはなっていたが、取り敢えずエイジにしばらくの住まいが決まったことを伝えることにした。

 

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「しかし驚きました。はやてちゃんの付き添いにこんなすごい方が来られるなんて。」

 

はやての担当医である石田医師は彼女の付き添いで来たエイジを前に驚いていた。

 

「石田先生はエイジさん知ってはったんですか?」

 

「そりゃもう!十代前半のうちに医師免許を取得し、その後も誰も想像もつかなかった新しい分野の医療機器をいくつも開発。

医界では知らない人間はいないぐらい有名な天才なのよ!」

 

彼が過去に発表した論文を読んで以来、一度会ってみたかったという石田医師は少し興奮気味にはやてに教えた。

 

この病院にもエイジが考案し、開発に携わった機器が多数設置されているようだ。

 

「天才っていうのは些か照れますが、私は自分の才能や知識が誰かの為になればと思ってやって来ただけです。手を伸ばせば届く命はみんな掴みたいですから。」

 

深く頷いてエイジの話を聞いた石田医師は想像以上の青年だと思った。

 

ふとはやては気になったことを聞いた。

 

「十代前半でお医者さんになったゆうことは…エイジさんって今おいくつ何ですか?」

 

「ん?ああ!そういえば言ってなかったね~。18だよ。」

 

「え?!」

 

素で驚くはやてにエイジはイタズラが成功した子どものように笑っていた。

 

「飛び級に飛び級を重ねまくってたからねー。そうなると海外じゃないとそれが出来なくてね、色んな国に行って学んでたよ。」

 

「なんや…想像もつかない天才さんやいうのは分かりました。」

 

はやてとエイジの話が一段落付いたところで石田医師は話を切り出した。

 

「それでね、はやてちゃん。今日の検査結果なんだけど、前回とはあまり変わってなくて今出してるお薬も効果が薄いみたいなのよね。それでね、今回とはまた違うお薬になっちゃうのだけど、はやてちゃんはどうかな?」

 

レントゲン結果のX線写真を張り、石田医師からの説明を受けるはやては悩みながらもその提案に答えた。

 

「えっと…。先生にお任せします。」

 

「お薬や検査も今より辛くなることも増えるかもしれないけれど…平気?」

 

「…頑張ります!」

 

「じゃあはやてちゃん、私は少しエイジさんとお話があるからちょっと待っててね。」

 

「ごめんね、はやてちゃん。お医者さんとして聞きたいことがあってね。」

 

「分かりました~。ちょう待ってますねー。」

 

一通りの検査も終わり、エイジから石田医師に質問があるとのことで二人は始めにいた石田医師の診察室に向かった。

 

「何の話なんやろ?まさか二人気が合うてそのまま…!」

 

年不相応にませたことを考えるはやてだった。

 

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「…ええ。はやてちゃんの病状はここに来てからよりもゆっくりですがどんどんと悪くなっていってます…。」

 

「…やはりですか。」

 

X線写真を見たとき、エイジは正直絶句していた。

 

下半身は麻痺しきっており、その異常はもう内臓機能障害に差し掛かりつつあったからだ。

 

「この症状だと一致する病気こそあっても、特効薬も無く遅らせることだけでも難しい状態です。」

 

「…それに本人の性格もあるんでしょう?」

 

エイジはかねてより気にしていたはやての一歩引いたその姿勢も影響してしまっていると考えていた。

 

「そうですね…。はやてちゃんも小さいながらも何となく察してしまっているかもしれません。自分の病気はそんなに簡単なものでは無いと。」

 

かといって「頑張れ」などと無責任には石田医師も言えない。

 

それはもう既に頑張っているはやてに対して追い詰めるだけになるかもしれないからだ。

 

こういう場面では医者も患者もどちらも辛い、難病治療の辛い面である。

 

「先生。笑いましょう!」

 

「え?」

 

自分の言ったことに疑問を浮かべる彼女にエイジは続けた。

 

「はやてちゃんは優しい子です。昨日今日知り合っただけの俺でも分かるぐらいにそりゃあもう…。

だからなんでしょうね、自分のことで他人を困らせたくないって思って遠慮するのは。」

 

石田医師もその事に気付いてはいた。だがそれを優しさとは思えなかった。自分ははやてに拒絶されていると思っていた。

 

「だから俺思ったんです。あの子は他の人たちの笑顔が好きなんだなって。自分のことを他人が受け入れて、安心して話せるって。」

 

「でも、どうしてそう思ったんです?」

 

彼女の疑問にエイジは率直に告げた。

 

「俺も同じだったからです!自分は一人ぼっちで、自分がいなくても世界は進んでくって思って他人に迷惑かけるぐらいなら自分でやれるだけやろうって。

でも、実際は自分を必要としてくれる、自分と一緒に笑ってくれる人は近くにも遠くにもいてくれるって知ったんです。」

 

「近くにも遠くにも…。」

 

石田医師の呟きに頷きつつエイジは続けた。

 

「笑い合える人がいれば、人は一人ぼっちじゃないって分かりますよ。」

 

曇りもない太陽のような笑顔と共に、サムズアップを浮かべる青年に石田先生も釣られて笑みをこぼした。

 

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「結局何のお話やったんですか?やっぱり先生同士気が合うて…。」

 

「ハハッ!はやてちゃんはずいぶんとおませな捉え方するね!純粋にはやてちゃんはすごい想像力豊かな子で面白いですね~ってお話ししてただけだよー。」

 

「もう、褒めてもなんも出ませんよ~。」

 

何時もよりも笑顔で、またランチでも行こうと約束してくれた石田先生が見送ってくれた病院を後にした。

 

もう日暮れも近く、キレイな夕日を横目にはやての乗る車椅子を押して楽しそうにお喋りする二人は傍目からは仲の良い兄妹のようであった。

 

アンクから拠点になる住まいを見つて契約したというメールもあり、入居出来るまでの数日ははやてのご厚意で引き続き泊まらせてもらうことになった。

 

「でもエイジさん本当に18歳なんですか?明らかにしっかりし過ぎててそうは見えへんですもん。」

 

「そりゃはやてちゃんもだよ~。もう家事スキルが並みのお母さん以上だし、一体どんだけ難しい本を読んでるの?っていう読書量だよ?」

 

「アハハ!ほんなら二人とも年数え間違えてたゆうことで!」

 

「なるほど!…ってなんてそうなるの!?」

 

バス停近くでそう冗談混じりに話している二人の前に異変は突然現れた。

 

バス停留所近くに駐車していた無人の車が突如爆発した。

 

爆煙に包まれる車を吹き飛ばし現れたサイの姿のヤミー、サイヤミーの姿を見た二人の周りの人々は悲鳴を上げ、一目散に逃げていった。

 

「おいおい、また派手なご登場だな…。はやてちゃん、この電話アイツに繋げておくから急いで来てって伝えといてくれるかな?」

 

エイジはスマホからアンクの電話番号を引っ張り出してはやてに渡した。

 

「エイジさんは?」

 

「俺は…これ!」

 

懐からオーズのベルトと赤、黄、緑のメダルを取り出し、臨戦態勢だ。

 

「それと…。」

 

こちらに気付いて突進してくるヤミーに目もくれず、リュックから三本の缶を取り出すとそれをヤミーに放り投げた。

 

缶は空中で変形し、水色のタコのようなロボットとなりその足を高速で回転させヤミーの体表にダメージを与え怯ませた。

 

「タ、タコ?」

 

「そ!カンドロイドタコモデルのタッちゃん!こういうロボットたちもいるんだ。まあアンクのいた世界からの持ち込み物なんだけどね!」

 

リュックから今度は10本近く取り出すとタカやクジャク、ゴリラ、ウナギなど様々な動物の姿となってはやての周りに集まった。

 

「みんな俺と一緒にその子を守ってくれよ!」

 

はやてを道の脇に避難し、エイジはこの間と同じく変身した。

 

「変身!」

 

タットッバ!タトバ!タットッバ!

 

「ハァー!ソリャー!」

 

オーズタトバコンボとなったエイジはトラクローを展開し、勢いよく跳びかかってヤミーの胸に斬りかかった。

 

「…ヴォオー!」

 

連続で斬りかかるが、厚いその皮膚に並みの勢いでは数枚のセルが飛び散るだけであった。

 

「あ~!かってぇー!これじゃ相性悪いか!」

 

短い腕を乱暴に振り回しまくるヤミーの攻撃を捌いていくオーズ。

 

このタイプのヤミーの尋常ではないその力をまともに受けては危険だとよく分かっている。

 

その近くの細い路地ではやてはエイジのスマホからアンクに連絡していた。

 

「エイジ!ヤミーが出てる!」

バイクに乗っているのか風の音がマイクに入り込んでいた。

 

「もしもし!?私です!はやてです!」

 

「あ?なんでお前が!?」

エイジが出ると思ったアンクは驚いたように声を張り上げた。

 

「私とエイジさんの所にヤミーがいきなり出てきて、今エイジさんは戦ってます!」

 

「クソ!分かった!そのヤミーはどんな見た目だ?」

 

「おっきい角が生えた、サイみたいなんですー!」

 

「ガメルのか。場所はそのスマホの位置で分かる!お前もエイジから離れすぎない安全な所に隠れてろ!」

 

そう言ってアンクは電話を切り、ライドベンダーを走らせた。

 

「ならこれならどうだ!…ってウッソ!」

 

隙を見て、ヤミーの懐に入り込みクローを深く突き立てるオーズだったが、ダメージが無いのかヤミーはものともせずにそのままオーズと共にガードレールへと突進した。

 

「きゃっ!」

 

コンクリートの破片がはやてに飛んできたが、カンドロイドたちがそれぞれの持ち味を生かし粉砕した。

 

「あれ?みんなが守ってくれたん?」

 

カンドロイドたちははやての傍でガチャガチャと思い思いに動いて返事をしているようだ。

 

「おおきにな。」

 

挟まれこそしなかったが、クローがヤミーの体から抜け、オーズは後ろの壁に叩きつけられた。

 

「カハッ!やってくれんな!」

 

片膝を突くオーズにガードレールを薙ぎ倒してヤミーは再度突っ込んだ。

 

「エイジさん!」

 

はやての叫びと共にあるバイクがヤミー目掛けて突っ込んだ。

 

猛スピードでヤミーに突っ込んだライドベンダーのエンジン音と激突した音が辺りに響く。

 

これにはさすがのヤミーも吹き飛ばれ、なかなか起き上がれずにいた。

 

「おい!エイジ!まためんどくさいのに絡まれやがって!」

 

腕だけ状態のアンクがライドベンダーの後から飛んできて、エイジにお説教を始めた。

 

どうやら出せるだけスピードを出して、自分は形態を変えて最初からヤミーにぶつけるつもりだったようだ。

 

「いやいや、そんな怒るなよ。っていかバイク壊す気か、コラ!」

 

「ハッ!ぶつかったぐらいでこれは壊れねえよ!」

 

「そうは言っても中の部品はいくつか変えなきゃなの!直すの俺だよ!?」

 

「助かったからいいだろうが!それよりこれ使え!」

 

無茶苦茶言うアンクは新しく二枚のメダルを渡した。

 

「ライオンとゴリラだ!それでさっさと仕留めろ!」

 

全くとぶつくさ文句を言いながらオーズがメダルを変えようとすると周りが急に静かになった。

 

人の気配も消え、遠くの方で聞こえていたサイレンも止んでいた。

 

それよりも気になるのは

 

「なんだ?この空間?」

 

空は夕焼けではなく、くすんだ黄色一色になり、それは地上の建物たちも同じだった。

 

周囲に残っているのはオーズとアンク、ヤミーだけだった。

 

「ディバイーンバスターー!!」

 

周囲に気を取られていると突然、上空から少女の声と共に一筋の桃色の閃光がヤミーに降り注いだ。

 

「ヴォオーー-!!!」

 

ヤミーは断末魔と共に爆発し、セルメダルを1枚残して消滅した。

 

「なんだ!?」

 

「この声…。」

 

動揺するオーズとこの気配に覚えのあるアンクの前に先ほどの声の主が現れた。

 

純白のドレスのような服に身を包み、ロングスカートを靡かせる少女は赤い宝石が付いた金の杖を構えて宙に浮いていた。

 

杖から放熱のためか蒸気を放出し、それを終えるとヤミーがいた場所に降り立ち、セルメダルを拾って口を開いた。

 

「はじめまして。時空管理局嘱託魔導士、高町なのはです。お話聞かせていただけませんか?」

 

 




第6話いかがでしたか?

途中、はやてちゃんに対してエイジが感じたあの言葉は公式からも明言されていることですが、筆者個人のアレンジというか、感じ方もだいぶ入れさせてもらいました。

彼女は不自由な自分の体で頼れる親しい人もおらず、かといって石田先生たち大人たちからの一方的な同情を嫌い、他人との距離を開けていました。

でもそれは自分に対する諦めでもありますが、この病気でもう助からないかもしれない自分のために色んな人に迷惑をかけまいとする、ある意味では彼女なりの優しさとも受け取れると私は感じました。

この部分は後に語られるエイジの過去とも大きく関わっていくこととなります。

そして!満を持して前話から登場した本編主人公のなのはちゃん!

今話では早速ヤミーを撃破というびっくりな登場!

本編視聴の皆さんにはある意味恐怖のワード「お・は・な・し」!

次回二人はどうなるやら…。お楽しみに!

感想等、何話のものでもお待ちしてます!
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