この中に一人、ジェダイがおる。   作:七日 八月

11 / 14
なんでか思いの外早く投稿出来ました。(謎)


果たして、弁慶の名誉は卍☆解(挽回)できるのか!?


そりゃあ誰だってキレる。

 

「――行くのか、濃尾(オビー)

「はい師匠(マスター)、なにぶん惣右介(兄弟子)が心配なもので」

 

そう会話を交わすのは一組の師弟、先ほどまで全裸で仁王立ちしていた男、濃尾(のうび) 弁慶(べんけい)と我らが死神(ジェダイ)師範(マスター)桑井(くわい) 鑑真(がんじん)だ。

因みに弁慶は今いそいそと藍染の横で、藍染に無言で投げ渡されたやたら白い服装に着替えている最中だ、ちょっとその衣装の登場早くないですかね。

 

「そうか、ならば仕方ないな……」

「……ってオイ!? なに和やかに話し進めてんだ!! 藍染が兄弟子!? っつーかアレ誰だよ!?」

 

流石一護、ここぞというタイミングでのツッコミを怠らない。でも一護君、人に指をさしちゃいけませんよ。

 

「あぁ、一護はまだ会った事が無かったな。紹介しよう、私の弟子の一人、濃尾(のうび) 弁慶(べんけい)だ。言い忘れていたが彼の隣の惣右介も実は私の弟子なのだ」

「弁慶だ。宜しくな、弟弟子(一護)君」

「………………。」

 

見上げた先の弁慶の挨拶に仏頂面から更に口が真一文字に引きつった一護、心なしか眉間のシワも深くなってきている。ぶっちゃけとっても嫌そうだ。

まぁ、油断してなかったのにとんでもない爆弾を連続で落とされれば当然であろうか。

 

「藍染云々はいったん置いとくが……入門した覚えもねえし、全裸でリフトオフするようなヤツと宜しくしたくねえんだが……大体アンタ裏切り者じゃねえか!!」

 

ド正論である。残当。

 

本当は脳内で「濃尾、弁慶、濃尾……べんけいのうび……今度はベン・ケノービ(オビ=ワン)かよ……!!」とゲンナリしていた一護だったが、これに関してはツッコんだ所で仕方無いので我慢した。

 

――ゴメンね一護!!

 

そんな一護の脳内の葛藤など露知らず、叩き付けられたド正論に苦笑いを浮かべる弁慶。周りに居る護廷の死神達の目もどこか冷ややかだ。これ裏切り云々よりも絶対に全裸エントリーが原因だよね。

なお一部はある意味藍染の謀反以上の衝撃に混乱が解けていない、主に比較的反膜の近くに居たせいで眼前で色々見てしまった片乃や砕蜂とか、前話で名前こそ出なかったがその場に居た織姫とか未だに手で目を覆っている、どうやら色男の全裸は刺激が強過ぎたようだ。

 

「ははは、これは手厳しいな……だが、一つ言い訳をさせてくれないかな?」

「ほー……一応聞いてやるから言ってみろよ」

 

いつも以上に眉間のシワを深くしたままの一護だったが、一応その言い訳とやらを聞く姿勢を見せた。なお、しょうもない事だった場合問答無用の口撃でぶった斬る気満々である。

 

……しかし、次の彼の一言で場の空気はおかしな方向に切り替わる。

 

「実は、ここ数日不眠不休で働き詰めでね……」

 

まさかの唐突なブラック企業告発、これには総隊長もビックリ。誰だよ全くヒデェ事しやがる。なおその時、約二名ほど表情筋がピクリと動いた奴らがいた模様。誰だろうね?

 

「……ようやくゆっくり出来ると温泉に入って温まっていたらアレでね……まぁその、察してくれないか?」

 

「――……なん……だと…………!?」

 

疲れきった雰囲気を漂わせながらそう語る弁慶、結構離れてるから判りにくいが良く見ると目元に濃い隈が出来ている。そんな有様に気付いて「マジかよコイツ被害者(くろうにん)枠かよ」とドン引きの一護、そしてザワつく護廷の死神達。

 

彼の名誉の為にさらに付け加えるならば、死神にとって己の分身とも言える斬魄刀はしっかりと手に持っている、咄嗟に武器だけでもと手を伸ばしたのだ、その辺り、彼は武人の鑑と言えよう。

何より、あのサイズの小さい手ぬぐいでは腰にも巻けなかったであろう事は想像に難くない。

仮にその小さな手ぬぐいを手に股間だけ隠してリフトオフ……想像した光景は余りにも、なんというか絵面が情けない。そりゃあ開き直って仁王立ちもするだろう。するよね?

 

と、おおよその事情を察して仏頂面から一転、とてもかわいそうな人を見る目になる一護。しかしそこでふと気付く、「そういやこの人の上司にあたるのは……」と目線を藍染と鑑真に交互に向ける。

するとどうだろう、一護と目があった途端、鑑真と藍染は全力で目をそらしたではないか! ここに真の巨悪は発見された。

 

「……やっぱりアンタらか!?」

「待ってくれ一護君」

 

なおも目をそらし続ける約二名、パワハラ&サビ残ダメ、ゼッタイ。しかし、そんな一護に弁慶は待ったをかけた。

 

桑井師範(マスター・クワイ)からは既に謝罪の言葉を貰っている、だから彼の事は責めないでやってくれないか?」

 

そう言われて視線で「本当か?」と鑑真に確認する一護、その視線に対し沈痛な面持ちで頷く鑑真、目と目が合う瞬間申し訳無さそうな顔に気付いた。これは、イノセント!

 

「そうか、だったら……おい、謝れよ! 濃尾サンに謝れよ!」

 

鑑真の隣の藍染に向けて怒鳴る一護、しかし――……

 

 

 

 

 

 

「だが私は謝らない」

 

藍染はどこ吹く風である。お前のせいでガレノガラダハボドボドダ!!

 

 

 

「……謝れよ」

 

――その時、不思議な事が起こった。

 

「謝れ」「謝れよ!!」「濃尾さんに謝れよ」「謝れ!」「謝れよ」「濃尾さんに謝れよ!!」「謝れ!!」「謝れ」「誤れよ」「謝れ!!!」「濃尾さんに謝れよ!!!」「謝れよ!!」

 

その場に居た藍染一味除くほぼ全員からの猛烈な「謝れ」コール、これには月島さんもニッコリ。流石の藍染もこれには――……

 

 

 

 

 

 

「……正直、すまなかった」

 

――謝った!! 藍染が隣の弁慶に謝った!! 手を体の横に付けて首を軽く折り、腰を90度の角度で曲げ、頭を下げた、完璧な謝罪姿勢である!! 我々は悪質な労働環境に打ち勝ったのだ……!! まさに労働者の団結の勝利であるッ!!!

 

「頭を上げてください兄弟子(惣右介)。私は気にしていませんよ」

「そうか……ならば、そろそろ行くとしようか――」

 

そう言って大虚(メノス)の手の上に乗る藍染達、どうやらここから虚圏へ撤退していくようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――あぁそうだ、死神の諸君。一体いつから――――

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

――……なん…………だと……!?

 

藍染の指摘があって漸く気付いた。旅禍達のリアクションが明らかに()()()()()()()()()()()()()()という事に。

 

どうも死神の中にも数名ほど鏡花水月の術中に無い者も居るようだが……そもそも旅禍達は藍染の斬魄刀、鏡花水月の能力――完全催眠――の術中にない。

 

なんという事だろう、鏡花水月の支配下にあった死神達は弁慶のヒテンミツルギフルチンスタイルをずっと見せ付けられていた事に全く気付かなかったのだ。こんな屈辱はあるだろうか、いや、無い。色んな意味で。

特にルキアの顔から手を離してしまった白哉がブチ切れていた、なんかもうお見せ出来ないレベルですごい顔をしていらっしゃる……一護と斬り合いながら色々言い合ってた時でさえそんな顔してなかったぞお前。

 

「ははははは!! ……なかなか面白い余興だったよ、さようなら、死神の諸君。そしてさようなら旅禍の少年(新しい弟弟子)、君のリアクションは実に面白かった」

 

 

 

――待たぬかァ!! 貴様なんという事してくれた降りて来んかァッ!! 等々数々の罵倒(主にルキアや恋次らに必死に押さえつけられた白哉から)を受けながらニコニコ嗤う藍染、まさに外道。お陰で白哉のキャラが若き日に逆行した。

 

こうして、自らの能力の恐ろしさを――ある意味最悪な形で――体現した藍染は、尸魂界(ソウルソサエティ)を去っていったのだった。





ヒテンミツルギスタイル! フルチン! サーセン!



Q.なんでオビー全裸で立たされてるん?
A.藍染が長台詞で場を持たせてる間に暢気に温泉に浸かってて遅刻こいた罰だよ。

Q.でも謝ったよね?
A.流石にやり過ぎたと思ったらしい。



誤字報告と感想と評価ありがとうございます。

自分の原作に対する歪んだ愛(特にSWに対するヤンデレ)が炸裂した本作。
「こんなギャグパロで本当に良いのか?」などと、ず――――っと不安な気持ちで苦悩しながら書いておりますが、今後も本作をよろしくお願いいたしししますす。(情緒不安定
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。