この中に一人、ジェダイがおる。   作:七日 八月

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今回は鑑真のシリアスなやり取りにご注目下さい。


この尸魂界の片隅に。

 

 

 

――――大師父(マスター)ー? 大師父ーっ? おかしいなぁ、確かこの辺りだった筈なんだけど……って、大師父!?

……大変!? 道端で大師父が倒れてる!? え、ま、まさか死んで……!? えっと、こ、こういう場合ナナぴょんはどうしろって言ってたっけ……!?

 

 

 

 

 

 

――……そうだ……! まずはシバかなきゃ……!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――いやー、ホントにびっくりしましたよ! あんなトコにあんな格好で昼寝なんて……最初見た時は死んでるのかと思いましたもん!」

 

ここは尸魂界にある瀞霊廷の一角、そこで二人の男女が会話をしながら歩いて移動をしていた。

……しかし何故か男性の方、我らが死神(ジェダイ)の桑井 鑑真は両頬を真っ赤に腫れ上がらせている。

 

「心配をかけてすまなかったな、アショーカ……」

「誰がマウリヤ朝の王族か! 麻生ですよ麻生! 麻生 片乃です!」

「うむ、そうだったな、アソーカ……」

「だからそれはダメですってば!?」

 

やだこの無茶ジェダイおじさん自由過ぎ……と、困り顔にほんのり青筋を立てるという微妙に器用な表情を浮かべながらツッコミを入れている彼女の名は『麻生(あそう) 片乃(かたの)』。

あざぶでもアショーカ王でもアソーカ・タノ(元ネタ)でもない。

 

長身、小麦肌、白と青に染まった髪を結ったおさげを前に垂らしている、なかなかの美女である。

年齢については聞くな、死神だから、まぁ察して欲しい。

 

……とまぁ、そんな彼女だが、比較的最近『鑑真の弟子(とあるジェダイ)』に弟子入りした死神見習い(パダワン)、つまり鑑真の孫弟子である。

 

「……しかし、もう少し穏便に起こす事は出来なかったのかな? 片乃」

「え? あー……」

 

どうやら先ほどの名前間違いは彼なりの意趣返しだったらしい、そんな両頬を腫らしたまま苦笑を浮かべて述べる鑑真に対し目を逸らす片乃。

 

「いや、その……これナナぴょん……師匠(マスター)の指示なんで……」

「あっ」

 

察し。そう、彼女は自分の師の指示に素直に従っただけなのである……酷い弟子も居たものだ。

 

――良い子の皆は道端で倒れてる人を見かけても両頬を平手で全力でぶっ叩いたりしないでね!

意識不明っぽい人の意識確認をする為なら片頬を軽く叩く程度で十分だ! 首に骨折等の損傷がある可能性もあるから強い衝撃はNGだぞ!

 

 

 

「――――まぁ、そんな事より……」

「うむ」

 

片乃は急に声のトーンを少し下げてつぶやく、なお鑑真の顔だけは先ほどから絶対に直視しようとしない。

 

「……()()()()()として諜報中の秘匿名(コードネーム)・黒帯ノ一より入電です……この旅禍騒ぎに乗じて、本格的に()()()が動き出すようです」

「……………………そうか……」

 

鑑真の悲しげな声に片乃も表情を暗くする。

どうやら彼らにとってその人物は決して浅くない間柄にあるらしい。

 

「正直今になっても信じられないんですよね、あの人が護廷を……私達を裏切っているだなんて……」

「……だが、君も既に視て、知った筈だ、この偽られた状況の全てが」

 

遠くを見つめるような鑑真、そんな彼の言葉に無言で顔を俯かせる片乃、彼らのやり取りに先ほどの明るさはどこにもない。

 

「…………本格的に事が起こる前に、どうにか出来ないんでしょうか?」

「不可能だ、我々だけが正しい状況を認識しているが、他の者にはソレが伝わらない。何より彼は隠蔽がとても上手い……そして、他の皆が認識している以上に、彼の力は強大だ」

 

なら、と続ける片乃、本人も本当は判っているのだが、それでも言わずには居られない。

 

「どうして我々は見逃されているんですかね……」

「……私に関して言えば、直接状況を解決する事が許されていないからだろう。他の弟子達は、とるに足らない存在と思っているか……若しくは、彼なりの優しさ、なのだろうな……」

 

残酷な事だ、と続ける鑑真の発言に、片乃は何かに気付いたようにはっとする。

 

「待ってください……って事はもしかしてあの人が諜報(スパイ)だって事も……!?」

「彼は本当に聡明だ、十中八九気付いた上で、我々の側だからこそ見逃しているのだろう……」

「……そんな……!?」

 

鑑真の回答に目を見開き「じゃああの人はいつ殺されてもおかしくないって事じゃないですか!?」と驚きを露にする片乃と、逆に目を瞑る鑑真。

 

「諜報中の彼も覚悟の上だと言っていた。声をかけられたのも随分昔の事らしいし、何より未だに彼は殺されていない、故に――――私は見極めたいのだ」

「…………見極める……?」

 

鑑真の言う所が理解出来ず首をかしげる片乃、彼の者の所業は間違いなく善ではない、その何を見極めるというのだろう?と。

 

「確かに彼は霊子(フォース)虚の側面(ダークサイド)、その力に魅入られている……だが私には、精神(こころ)までもが虚の側面(ダークサイド)に堕ちたとは思えないのだ」

「何かそこまでしなければならなかった理由がある……と?」

 

鑑真は無言で頷き、続ける。

 

「恐らく彼は、本格的に動き出すまでその胸の内を語る事は無いだろう、だからこそ、何が彼をそこまで駆り立てたのか――

 

 

 

――誰にも語らぬその真意を、私は見極めたいのだ」

 

見開いた鑑真の眼には、強い光が宿っていた。







――だが両頬はパンパンに腫れている。




やっぱ一護のキレの良いツッコミ無いと物足りないな……(中毒)

あとすみません、ホントはジェダイ増やす予定無かったんです。
それもこれもアソーカの名前がいじり易かったのが悪い(責任転嫁



で、

アソーカ出すならアナキンも出さなきゃ!

『アナキン・スカイウォーカー』……無理だろこの名前そのまま当て字にすんの。

西梢局(ウェスト・ブランチ)からの派遣扱いに……

いやアカン、向こうとこっちの尸魂界の在り方が……おのれ原初の五大貴族共め。

もういいや、



全力で名前弄っちゃえ。
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