拝啓 時下ますますご清祥のことと存じます。日頃より格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。
この度は『この中に一人、ジェダイがおる。』をお読み頂き、まことにありがとうございます。
前話の前書きにて作者が『ご覧の作品はBLEACHとスターウォーズのクロスオーバー小説で間違いございません。』等という気が狂ったとしか思えない意味不明な発言をしたこと、誠に申し訳なく、深くお詫び申し上げます。
先の内容にあった『BLEACHとスターウォーズのクロスオーバー小説』という点ですが、本作は、『スターウォーズのネタをメインに盛りに盛り込んだBLEACHのギャグパロ二次創作小説』であり、クロスオーバー作品などでは断じてございません。謹んで訂正させて頂きます。
また、読者の皆様が困惑を覚えるような内容の発言をした事、重ねてお詫び申し上げます。
これからも本作は、『どこまで行っても死神とジェダイは交わる事のない平行線』を心がけ、二度とこのような醜態を晒さないよう、全力を尽くして執筆する覚悟ですので、どうか今後とも変わらぬお引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。
敬具……なんだこれ」
「見て判るだろう? 謝罪文だ」
「いやそう言う事じゃねぇよ、何で俺がコレ読まされてんだって事だよ」
目の前の紙を指差して渋面を作る一護に「何言ってんだコイツ」と言わんばかりの表情をする七規。
一護は思った、そういう顔をしたいのはこっちだと。
「何を言っているのだ一護よ」
「あ?」
眉間のシワがますます深くなる一護に対して横合いから鑑真が一言、それもこっちの台詞だ、と更に一護のイライラが募る。
……しかし、そのイライラも次の鑑真の言葉で、それ以外の色々なモノも含め吹っ飛んでしまった。
「君がこの作品の主人公、黒崎 一護だからだ」
「……………………なん…………だと……」
驚愕の事実、原作主人公の
そんな馬鹿な事が、と一護が絶句していると、七規と片乃が鑑真に乗ってきた。
「宜しくな、ナイスガイ」
「ナイスで行ってねー!」
「オイテメェら……ふざけんのも大概に……!」
「一護、君の意見はX光年先で聞こう」
「だから黒○洋介リスペクトか知らんがマニアック過ぎるネタの中途半端なパロディはやめろォ!?」
あまりに酷い周囲の対応に思わず一護が絶叫する。
「大体X光年先って一体
「ビ○ス星だが」
オイ馬鹿やめろ。
「……大体なんなんだよこの謝罪文!? ガチの謝罪文のテンプレ通りに見せかけて所々ふざけまくってるじゃねぇか!? 謝る気あんのかコレ!?」
流石にこれ以上掘り下げるのは危険と判断した一護は強引に話題を切り替えた、だが……
「ないんじゃない?」
「ないと思うな」
「まぁ、ないよな」
「オイッ!?」
――3人のこの対応である、もうやだこの
一護のゲンナリは加速度的に増していく一方だ。
そんな中、片乃がぽつりと……
「大体さぁ、あの頓珍漢な前書き書く時点でこの作者基本行き当たりばったr「片乃!」……あ、やば」
失言に気付いた七規が咄嗟に止めようとしたが手遅れであった。
「…………おい、オイ! 作者ァ!!」
――……はい。
「まさかアレ、ギャグのつもりで書いたのか……?」
――………………………………。
「テメェマジでいい加減にしろよ!? 見事にスベってんじゃねぇか!?」
――すんませんしたぁっ!
「仕方ないよイッチ君、この作者「プロットは自分の頭の中にある(キリッ」とか言って不意に思いついたアイデア以外一切テキスト化しないんだよ?」
「テメェ、この作品マジでストーリーすらも行き当たりばったりなのかよ、馬鹿じゃねぇのか?」
――へんじがない、ただのしかばねのようだ。
「……もういい、死体蹴っても仕方ねぇ……それより俺が主人公だから謝罪文云々って、そもそもどう考えてもこの作品の主人公は鑑真だろうが!?」
一護の心の底からの叫び、だがそれは無情にも……
「それは違うぞ一護よ、確かにこの作品の主人公は君だ」
「……………………なん、だと……!?」
あまりのショックに思わず2度目の「なんだと」がこぼれる一護。
しかし、一護は驚愕が一周して逆に冷静になってきた。というか正直馬鹿馬鹿しくなった。
「そう、ドラえ○んで例えるなら君が○び太君で私がドラ○もん……否、私を含めた
「なんだその絶妙に嫌なたとえ」
確かに七規の発明は秘密道具じみてるが、それはそれ、これはこれである、嫌なモノは嫌なのだ。
しかし、そんな事はお構いなしに鑑真は続ける。
「そう、私が、私たちが……」
「「「ガドジェランえダイダもんムだ!」」」
「そこはキレイに合わせろよ!?」
「あーもうなんだこのオチ!?」と頭をガリガリ掻き毟る一護。
そんなに掻き毟ったらハゲないか心配にな「ハゲねぇよ!!」……そういう事らしい。
一護のツッコミ道の苦難は続く。
――……はい、お目汚し失礼しました…………本編、始まりまーす………………
「――って、今までの全部前書きかよ!?」
勢い良く起き上がった一護の第一声はツッコミだった、そして次に出た言葉も「無駄にタイトルの擬装までしやがって……!? そもそもああいうネタは後書きか閑話でやるもんだろうがっ!?」であった。
もはや一護のツッコミ気質は性分を通り越して生態レベルなのではないだろうか。
「漫画の連載の本誌掲載では珍しくもないだろう、細かい事を気にするな」
「細かくねぇよ! 何だあの前書きが本編みたいな…………え?」
突然固まった一護を見て「どうした?」と首を傾げる七規、すると突然一護が震え出した。
「…………な、なんでさっきの内容」
「念話の一種だな、やろうと思えばお前ももう出来るぞ?」
バッサリと即答した七規の返答を聞いた途端に一護は顔を引き攣らせた。
流石にそろそろこの不条理や理不尽の塊達に慣れないと身が持たないのでは無いだろうか?
「そんな事はどうでもいい、とっとと続きを始めるぞ、ほら早くしろ一護」
「……っ…………本当にコレで上手く
一護は若干の苛立ちを滲ませながら唸るように呟く、その目には焦りの色も浮かんでいた。
そんな一護に対する七規だが、その調子はどこまでも冷ややかなものだった。
「それはお前次第だ、が……出来るかどうかなんて考えてる時点で無理だ」
「………………ッ……!!」
七規の冷え切った視線は語っていた、「そんな中途半端な覚悟なら止めてしまえ」……と。
……だが、一護にとって今の状況ははっきり言って寝耳に水だった。
当初この場に連れて来られて話を聞いた時、一護は卍解習得が現状を打破するための
しかし、七規の提案した修行
「……で、どうする? 続けるのか? 止めるのか?」
「…………やるに、決まってんだろ……!」
そう、やらないなどという選択肢は
『全て』を救う事は出来ないが、助けると決めたモノは全部助ける、一護はそう心に誓ったのだ、その信念は決して曲げはしない。
何より斬月に言われたではないか、「退けば老いるぞ! 臆せば死ぬぞ!」と。
「んじゃ、また始めるぜ……」
「あぁ」
そうして一護は本日何度目になるか判らない刃禅に入る、本来であれば斬魄刀と対話・同調する為に行う刃禅だが、いま一護が行っているのは――――
「――フンッ!」
そんな一護の顔面を唐突に七規が殴り飛ばした、勿論素手ではなく真っ赤なパンチンググローブのように見えるモノを付けてだ。
綺麗なフォームで放たれた七規の右ストレートを食らい、もんどり打って吹っ飛んでいく一護……前回は頭を岩に打ち付けて気を失ったが、今回はすぐに起き上がった。
「…………クソッ!」
悪態を吐く一護の顔面から白いモノがパラパラと落ちていく、ソレは一護の顔面を覆うように形成されかけていた
「ハァ……また失敗か、無様だな?」
「悪かったなチクショウ……」
容赦の無い七規の毒舌と養豚場の豚を見るような視線に怒鳴りそうになるも一護はグッと堪えた。
「つかもっと穏便に阻止出来ねぇのかよ!? 毎回全力で顔面殴りやがって!?」
「無茶を言うな、鈍らパンチで虚の仮面が砕けると思っているのか?」
「…………そりゃそうだ……」
流石の一護もコレには納得せざるを得なかった、まして七規はただのパンチンググローブで殴っているわけではない。
見た目とは違い内部が特殊な構造をしているコレは、虚の仮面を砕くと同時に虚の力そのものを魂の内部に押し戻す能力を持っている。
そしてこの機能は装着者の霊圧をそれなりに消費するのもであり、物理的にも霊的にも力を込めないというのは土台無理な話だ。
――そう、先ほどから一護が行っている修行、それは一護自身の
「チッ、もう一度だ……!」
「あぁ、さっさと始めろ、だが……」
「――お前がッ」ゴッ
「――成功するまで」ガッ
「――殴るのを」ゴスッ
「――やめないッ!」グシャァッ
何度やっても駄目だった、制御に失敗するたびに七規に全力で殴り飛ばされ続けた一護は、最早ボロボロだ。
チーン……という効果音が似合いそうな有様でうつ伏せに倒れる一護、そんな彼を見下ろす七規の視線は最早絶対零度だ。
「素晴らしく才がないな、
「…………………………。」
どこぞの紫の服を着た髭面(CV:秋元羊介)がアイテム強化の失敗時に呟くような台詞で煽ってくる七規、まさに泣きっ面に蜂である。
「ふむ……七規、少し代わろう、休むといい」
「
先ほどまでこの場に居なかった鑑真が七規の隣に来て休憩を促した。
見た目にはそれほど消耗したように見えないようにしているが、師匠である鑑真にはバレバレだった。
その鑑真が今までどこに居たのかといえば、もちろん同じ地下修行場に居たのだが。
最初、七規と一護が修行を始める為に鑑真は七規と席を交代して麻雀を打っていた。
だが、イカサマ無しでも鑑真はあまりにも強過ぎた。
鑑真の親番が来た瞬間全員問答無用で
……そんな有様では当然暇つぶしにもなりはしない(ただし、緊張感で体感時間は延びる)ので、夜一と砕蜂は組手で修行を開始し、ならばと鑑真も片乃に修行をつけていた。
そうして暫く経ち、その修行も一段落したので鑑真が一護達の様子を見に来たのだ。
因みにひと汗掻いた女衆は今、この地下修行場に備え付けられた温泉に入っている。
――……温泉回? 知らんなぁ?
「一護よ、しっかりするのだ」
「……桑井サン」
声をかけられ死んだ魚みたいな目をして返答した一護、そんな様子の彼を見て流石の鑑真も苦笑が漏れた。
「ふむ……一護よ、
「…………………………。」
出たよジェダイ語録……と内心呟いた一護だったが、今の彼に声に出してツッコむだけの気力は無かった。
「聞くのだ一護よ、闇に堕ちず闇の力を使うという事は、闇を受け入れねばならない、それは判るな?」
「…………あぁ」
一護はなんとなく感覚で理解していた、だがどうしても上手く行かない、何度やっても同じところで躓いている感覚だ。
「闇に飲まれよ! と言っている訳ではない、闇に呑まれればソレはただの
「………………判ってるよ」
何かツッコミレーダーに反応した気がするが、気のせいだと断じて一護は鑑真の言葉を考える。
一護は一度現世で死神の力を取り戻そうとした際、ただの虚になりかけている。
あの時は無我夢中だったが上手くいった、だからあの時の感覚を思い出そうとしていたのだが、尽く失敗した。
「一護よ、答えは案外簡単な事なのだ、難しく考える必要は無い」
「……どこがだよ、さっきからちっとも上手くいかねぇのによ……」
不貞腐れるように呟いた一護を見て、それでも鑑真は優しく微笑んだ。
「一護よ、答えは案外身近にあるのだ……お前は誰かを大切に思った事はあるか?」
「当たり前だろ、
一護の回答に笑みを深め頷いた、ならば大丈夫だ、と。
「一護、己の闇は抑え付け無理やり従えるものではない、そう、闇に対する答え、それは『愛』だ」
「……………………は?」
一護は呆気にとられた、というか助言の意味が良く判らなかった。
なぞなぞか何かかと思い悩み始める一護を見て鑑真は苦笑した。
「先ほど言っただろう? 難しく考えるなと……そうだな、愛の形には様々なものがある、恋愛、友愛、親愛……これは他者に向けるものだが――――自分に向ける愛もある」
「……自愛」
一護の口から出た言葉、それこそが答えだと鑑真は頷く。
「そうか……
「やれそうか?」
「おう」
目に強い光の戻った一護を見て強く頷く、もう大丈夫だろう、と――――
――――因みに、休憩から戻ってきた七規が制御に成功して仮面を付けた一護を見て、また失敗したと勘違いされて再び右ストレートを叩き込まれかけたのはここだけの話である。
感想、評価、お気に入り登録ありがとうございます。
最初前書きの謝罪文をバーボンハウスにしようか迷ったんですが、流石に使い古されたネタだったので止めときました。
ところで、七規の猫耳メイド服姿、自分の描いた微妙な絵になりますがー……見たいヒト、居ます?
「オメーの絵面とか知らねぇからわかんねぇよ」って方は未完で執筆投げた過去作のキャラのイメージ(落書き)画像を後悔状態にしましたので参考にどうぞ。
……とはいえ数年前の絵なのでまた絵面が微妙に変わってるから参考にならない可能性が高いですが(白目
ではまた次回。