【ボロス編】ONE PUNCH MAN〜ハゲ抜き転生者マシマシで〜【開始】 作:Nyarlan
――少しの浮遊感の後、わたしの体は柔らかな地面に受け止められた。
「おお、うまれたぞ!」「なんねんぶりかしら、よくがんばったわね!」
誰かが何かを言っているけど……よくわからない。
というか目もよく見えないし、重いまぶたの上を強い光が何度も何度も弾けるのを感じる。一体なんなの?
うまく立ち上がれなくて脚が震える。体もずぶ濡れで寒いなぁ……そう思っていると、暖かくて力強い何かがわたしの体を拭い始めた。
なんだろう、とても安心する……薄っすらと目を開けてみると、茶色に黄色の模様がある長い顔、優しい目がわたしを見ていた。
長いまつ毛を瞬かせながら、長い舌で拭ってくれる……直感する。おかあさんだ。
「がんばれ、がんばれー!」「もうちょっとだ!」
震えて言うことを聞かない脚をなんとか動かして、その場に立ち上がる。
すると、まわりからきゃあきゃあと声が上がった。
なんだろうと辺りを見渡してみれば、どこか懐かしい姿をした生き物たちが見たことがあるような気がする黒いものをこっちに向けていた。
黒いものは眩しい光をパチパチと浴びせてきて少し怖い。
大丈夫だよ、とおかあさんが頬を擦り付けてくれるのを嬉しく思いながらも、わたしの中に一つの疑問が渦巻いていた。
――わたしって、こんな姿だっけ?
とても長い自分の脚を見下ろしながら、長い首を傾げた。
※
「これより、おかあさんといっしょにでてきますのが、はつおひろめとなるあみめきりんのあかちゃん、じらちゃんでーす!」
のしのし歩くお母さんに連れられて、わたしも外へ歩いていく。
「いる? いる? あ、みえた!」「きゃー! ちっちゃーい!」
おひさまを浴びるのと同時に、きゃあきゃあとかん高い声が響いてくる……なんだかちょっとだけ怖いなぁ……。
「じらちゃーん!」「かわいー!」「こっちみてー!」
お母さんの陰に隠れながらおっかなびっくり進むと、お母さんの背より高い所にあの生き物がたくさんいて、あの光る黒いものをこっちに向けている。
わたしはあれを知ってる気がするのに、どうしても思い出せない。
なんだっけ、あれ……?
もぐもぐと葉っぱを食べるお母さんの側を少し離れて歩き回る間にも、頭上からはたくさんの視線が降り注いできて少し居心地が悪い。
「じらちゃーん!」「おいでー!」
「あ、じらちゃんがこっちみたーっ! おーい!」
騒がしい声のする方を少し見上げると、声が一段と大きくなった。
ふと空を見ると、おひさまの横にもう一つ点があるのが見えた。
なんだろうと思ってそれを見つめていると、その点はどんどん大きくなっていく。
――そして。
―――
――――――
――――――――――
「わたし、けものフレンズの世界でフレンズになりたいです!」
自称、神の提案に対して口をついて出たのはそんな言葉だった。
「フレンズ、ねえ。これは、うーん……まあ、いいかな。そうなると、最初は動物として生まれることになるけど平気かい?」
「はい! わたしはもう残業も休出もパワハラともオサラバして、あの優しい世界で自由気ままに楽しく生きたいんです!」
「なるほど、キミは社畜のフレンズだったんだね。それで、なんの動物がいいんだい? 希望がなければこちらで適当に選ぶが」
自称神の言葉にわたしは笑みを浮かべる。
「アミメキリン、でお願いします!」
できればオオカミさんのアシスタントになりたいですね、子供の頃は絵本作家を目指していた事もありますし。
……まあ、あっさりと夢破れたワケですが。
「……わかった。まあ、いい獣生を送れるよう祈ってあげるよ」
――――――――――
――――――
―――
「……はっ!」
ガバッと顔を上げると、無数の視線が無言でわたしに突き刺さっているのを感じた。頭がクラクラする……今のは……記憶?
「えっ……何? 何が起こったの?」「姿が……おい、あれって」
ざわつく声があたりを包む。今までと違って聞き取れる声だ。
ふと視線を落とすとそこには二本の手がある――蹄じゃない、上腕に茶と黄の網目模様があるアームカバーで包まれた
それと同じ模様……キリン柄のスカートと、タイツ――人間の体。
――そうだ。わたしは転生したんだ!
ここしばらくで使い慣れてきたキリンの長い脚とはかなり違う人間の手足でゆっくりと立ち上がると、周囲を見渡す。
ごはんを食べていたお母さんも食べるのをやめてこっちを見ている。柵の外を見上げれば、わたしを見てたくさんの人がどよめいた。
……ここって動物園、よね? お客さんも普通にいるし。と言うことはまだ絶賛運営中のジャパリパークかしら?
そうなると、お目当てのかばんちゃんやオオカミさんには会えそうもないなぁ。
でも、他のフレンズと知り合えるならそれも……。
そんなことを考えていると、妙に引きつった顔をしたお客さん達の内の一人とバッチリ目があった。何かしなきゃと思って笑みを浮かべて手を振ってみる――すると、お客さんは何故か後退って――。
「か、怪人だーっ!!!」
「……え? な、なに?」
わたしを見下ろす人たちの中で、誰かがそんなことを叫んだ。
かいじん? かいじんって……?
「怪人化!?」「やだ、怖い!」「ヒーロー! ヒーローを呼んで!」「ヒイイ! こっち見るな、バケモノめ!」「このっ!」
目に飛び込んできたのは恐怖の表情と罵詈雑言。そして……。
「あいたっ!」
頭に何かがぶつかった衝撃で思わずのけぞる。
ズキズキする額をさすりながら目の前に落ちたものを確認すると……それは中身の入った缶ジュースだった。
痛みと混乱から、じわりと涙が溢れ出す。
「な、なんで? どうしてこんな事……」
……普通ならタダじゃ済まないそれも、今の体ならちょっと痛いだけ。
当たった頭以上に、胸がズキズキと酷く傷んだ。
こわい。どうして。なんで。助けて。そんな言葉だけが頭の中をぐるぐると渦巻く。
「危ないから物を投げないでください! 刺激しないで!」「そうだ! 襲いかかってきたらどうする!」「ヒーローはまだなの!? 早く退治してよ!!!」「やめて! ジラちゃんが可愛そうだよ!」
お母さんが息を荒げながら歩き回る。飼育員のお姉さんから制止の声が掛かっても、四方からはいろんな物が飛んでくる。
その濃密な敵意を前に、わたしは思わず後ずさった。
「ジラ、大丈夫! 大丈夫だから! ゆっくりと宿舎へ下がってちょうだい! お願いだから!」
飼育員のお姉さんも必死の形相で叫んでいる。
その表情には、お客さんたちと同じ、怯えの表情が明確に浮かんでいた。
でも、わたしは凍りついたように立ち竦んで動けない。
――違う。ここは、ジャパリパークなんかじゃない!
だって、あの世界は、あんなに優しかったのに、ここは……。
「――とうっ!」
次々と物が投げ込まれる中、お母さんが鼻息を荒げながら周囲を威嚇している目の前に誰かが作の外から飛び降りてきた。
その人影はわたしを見てにやりと笑う。
「期待のルーキー! タンクトップタイガー、参上!」
黄と黒の縞模様をした頭髪とタンクトップを着た筋骨隆々とした男の人が、筋肉を見せつけるようにポージングをして仁王立ちする。
「やったぞ、ヒーローだ!」「初めて見る顔だな、知ってる?」「知らんけどタンクトッパーの新人だろ」「やれー! やっちまえー!」
その男の人が降りてきた途端、周囲の罵声は歓声に変わった。
怪人、ヒーロー、タンクトップタイガー。それらの単語で、わたしは今自分が何の世界にいるかをようやく理解する。
――ここはワンパンマンの世界で、わたしは怪人として今まさに排除されようとしている。
ずっと渦巻いていた恐怖が、途端に何倍にも膨れ上がった気がした。
「うふふっ、タンクトップを着こなして活躍する姿はとても映える。お前も俺の順位の糧となってもらうぞ!」
拳を構えるヒーローの姿に背筋に冷たいものが流れる。
わたし、せっかく生まれ変わったのに、何一つ悪いことなんてしてないのに……?
一歩、また一歩と後ずさって、ついには壁に背が当たった。
その場でへたり込んだわたしを前に、ヒーローはニヤリと笑う。
「や、やめてください……!」
「ほう、力の差はわかっているようだな。肉食獣と草食獣、どちらが強いかなど一目瞭然! おとなしくしていれば、なるべく優しく倒してやろヴッ」
「……え?」
次の瞬間、じわじわとにじり寄って来ていたヒーローがキリモミしながら吹き飛んだ。……息を荒げたお母さんが、後ろ足で蹴っ飛ばしたんだ。
白目を剥いたヒーローが目の前に落ちてきて、飼育員のお姉さんがきゃあと悲鳴を上げた。
「お、おい、ヒーローがやられたぞ!?」「あの怪人が操ったのか?」「親子だから守ったんじゃないか?」「何もしてないのにかわいそうじゃない! やめようよ!」
ヒーローが倒れた事で、見物していた人たちもどよめく。
お母さんは白目を剥いて気絶しているヒーローの側まで歩み寄ると、その頭目掛けて長い脚を持ち上げて――。
「――ッ、お母さん! ダメ!!」
わたしは弾かれたように立ち上がって、振り下ろされる脚を受け止める。
すぐ側まで近寄ったからか、飼育員のお姉さんが驚いて尻もちをついたけど、今は構ってられない。
このままじゃお母さんが人殺しになっちゃう!
「わたしはもう大丈夫だからっ! もういいから!」
そのまま押し返してなんとかヒーローから引き離そうとするけど、興奮したお母さんの力が強すぎてとても抑えきれない!
「おいおい、ヤバイんじゃないかあれ!?」「怪人の子、ヒーローを守ろうとしてる……のか?」
どんなに力を込めても押し返せないどころか、お母さんが少し力んで動いただけでわたしの体は弾き飛ばされてしまう。
「……ッ!! だ、ダメッ!」
尻もちをついたわたしの目の前で、お母さんの長い脚が大きく振り上げられる。
ヒーローの頭を目掛けて勢いよく振り下ろされる蹄を前に、ぎゅっと目をつぶることしかできない。
ドッ、という鈍い音と、周囲からの悲鳴が耳を貫いた。
「……ッ!」
守れなかった。ヒーローの人も誤解していただけで、悪いことをしたわけじゃない。
それにヒーローを、人間を殺してしまったお母さんがどういう扱いを受けるのかは、前世で見たニュースでよく理解している。
……これからどうなってしまうんだろう。
きっと、他のヒーローがわたしを殺しに来る、わたしだって殺されたくない。
戦って、暴れて、いつか本当の怪人になってしまうんだろうか。
もう、イヤだ。せっかく生まれ変わったのに、今度こそ幸せになれると思ったのに。
ゆっくりと、目を開ける。とにかく、お母さんだけでも助けないと――。
「……え?」
開けた途端に目に飛び込んできたのは、大きな背中。
金色の髪と青いマントを風にはためかせ、片手でお母さんの蹄を受け止めている。
もう片方の腕にはヒーローが収まっていて、気絶をしているけど確かに生きていた。
「フーッ、危ない危ない。ギリギリだったね! でも、もう大丈夫」
大きな人はこっちを向いて、歯をむき出しながら力強く笑う。
「私が来た!」
その言葉と笑顔は、それまで感じていた恐怖や焦り、絶望の感情を吹き飛ばすだけの力を不思議と持っていた。
「オール、マイト? オールマイトだ!」「もう大丈夫だ! 最高のヒーローが来てくれた!!」「オールマイトー! がんばれー!」
どよめいていた人々も、歓声を上げて彼を応援し始めた。
彼が優しく蹄を押し返すと、お母さんは体をよろめかせながら後退する。
彼は一歩下がってヒーローを地面に優しく横たえて、改めてお母さんへ向き直った。
「あなたの大切な娘さんが傷付けられて、怒る気持ちは重々承知……しかし、これ以上はいけないよ、誰のためにもならないからね」
彼が目を見つめながら優しく語りかけると、お母さんは段々と落ち着いた様子で威嚇をやめてゆっくりとわたしに近づいてきた。
「わっ、あはは、くすぐったい! ……大丈夫、もう痛くないよ」
そして、優しく撫でるように缶が当たった額を舐めてくれた。
その様子を見て、彼は安堵したようにため息を吐く。
「さて、と。キミとは個人的に話し合わねばならない事があるんだが……その前に、皆を安心させないとね」
彼は大きく息を吸うと、人々の歓声の中でもはっきりと聞き取れる程の力強い声で話し始めた。
「――みんな、聞いてくれ! この通り、もう危険は去った! 彼女に敵意はなく、興奮していた親キリンも落ち着き、タンクトップタイガー君も無事だ!」
彼の言葉に、歓声を上げていた観衆も静かに耳を傾け始めた。
「……さて、すべてを見ていたキミたちに問いたい! 彼女はこの姿になってから、なにをしたかな? 誰かに危害を加えたり、加えようとしたかい?」
シンとする聴衆の中へ、そんな問いが投げかけられる。
「ジラちゃんは何もしてないよ!」
その問いかけに、一人の小さな女の子が声を張り上げた。
「みんなが物を投げても、怖がってるだけだった! タンクトップタイガーがお母さんキリンに踏まれそうになった時も、ジラちゃんは止めようと頑張ってたんだよ!」
そうやって必死に訴える女の子に、自然に涙がこぼれていた。あのパニック状態でもちゃんとわたしを見て、庇ってくれる子がいる事に救われた気がした。
「だからオールマイト、ジラちゃんを退治しないで!」
その叫びにヒーロー、オールマイトは笑顔で応える。
「大丈夫、安心したまえ! 私がやっつけるのは悪い奴だけだから、無害な良い子ならば怪人であろうと責任を持って守るとも!」
そう言って広い胸を叩く彼に、わたしは心底安堵した。
「さて、ご存知の方もいるかもしれないが、私は悪意や敵意のない無害な怪人たちを保護する活動もしている。彼女はこちらで保護したいと思うが、どうかな?」
オールマイトの言葉に、へたり込んでいた飼育員のお姉さんはこくりと頷く。
「……彼女を――ジラを退治しないでくれて、ありがとうございます。どうか、彼女をよろしくお願いします!」
涙を浮かべながら頭を下げるお姉さんに、彼は笑顔で応える。
「任せなさい! 諸々の手続きに関してはまた後日行なうので、まず彼女を保護施設までこちらで護送します……さて」
そう言って彼はこっちへ向き直った。
「ジラ少女、でいいのかな? いきなり親元を離されるのは不安で仕方が無いかもしれないが……こうなってしまった以上、キミを守る為にも一緒に来てもらえないかい?」
わたしは見る人を安心させるような笑顔を浮かべながら差し伸べられたその大きな手と、心配そうにしているお母さんを交互に見る。
「……お母さんといきなり離れ離れになるのは辛いです。でも、ここに居たらみんなを怖がらせちゃうみたいなので」
視線を向けると、飼育員のお姉さんはびくりと肩を震わせた。
……悲しいけど、でも仕方ないんだよね。わたしはお母さんの瞳を見つめ返すと決意を固めた。
「だから、よろしくお願いします!」
わたしはオールマイトの手をしっかりと握る。
「うん、いい返事だ! それじゃあ、早速……」
「え? ちょ!?」
横目で救急隊が気絶したヒーローを担架に乗せるのを確認すると、彼の力強い手はわたしを簡単に起き上がらせて、いとも簡単に横抱きに抱き上げてしまった。
……この温かい体温に包まれる感覚は、強い安心感がある。
「さて、娘さんは。責任を持って預からせていただきます。落ち着いた頃に彼女の顔を見せに来るので、ご安心を」
そう言ってお母さんに一礼すると、オールマイトは軽く地面を蹴り――気が付くと、わたしたちは空を飛んでいた。
「う、うわわっ……!?」
「おっと、落ちないように気をつけるんだよ」
「は、はい……あの!」
風を切る音の中、少し声を張り上げる。
「うん? 何かな」
「いま、どこへ向かっているんですか!」
「ああ、その辺伝えておかないとたしかに不安か……っと!」
小さな衝撃とともに、オールマイトはビルの屋上へ降り立った。
……あの高さから着地したのに、ほとんど衝撃が来ないってこの人膝のクッション凄すぎない?
「フー、このあたりなら問題ないかな?」
キョロキョロと見渡して人気がないことを確認すると、彼はわたしを優しく地面に降ろしてくれた。
「……さて、キミも色々と混乱している事だろうけど、順番に質問に答えていこうかなまず最初の質問だが――」
彼はそう前置きして、真っ直ぐと何処かを指さした。
目を凝らしてみると、すごく遠くに大きな敷地の建物が見える。
「今向かっているのは『
「元へ、戻す?」
そんな事が、できるのかな?
わたしはちょっと、あんまり戻りたいとは思わないけど……。
「怪人化を起こすと肉体的に強靭になると同時に残虐性が飛躍的に上がり、理性による歯止めが利き辛くなる。その危険性故に、変異した時点で人間として死亡した扱いとなり討伐されてしまう」
その言葉に、さっきの光景を思い出す。わたしの姿に恐怖に引き攣った顔と投げつけられる缶の痛みに悲しくなる。
それを察したのか、オールマイトは優しく頭を撫でてくれた。
「しかし、中には理性を失わない者もいるんだ……キミのようにね。だから私たちは怪人化を病と定義し、治療法を探っているんだ」
さて、と前置きすると、彼は少し屈んでわたしと目線を合わせた。
「今度はこちらからいくつか質問してもいいかな? 一つ、大事な事を確認させて欲しいんだ」
そんな真剣な眼差しに、わたしは思わずごくりと生唾を飲む。
ゆっくりと頷くと、彼は優しげな笑みを浮かべた。
「まずは、そうだね。キミは私の姿を見て何かを思い出したり……知ってることがあったりとか、あるかな?」
「知ってること?」
それはどういう意味なんだろう。顎に手を当てて少し考える。
オールマイトについて、知ってること……。
「……はっ! わかりました、アナタの正体が!」
「おおっ、言ってみてくれるかい?」
期待の眼差しに答えて、わたしは目を閉じながら彼の周りをゆっくりと回る。
「その筋肉質な巨体、画風が違うレベルの彫りの深い顔立ち、その暑苦しいスマイルとオールマイトというヒーローネーム」
オールマイトの正面で立ち止まると、その顔をスビシと指さす。
「アナタはワンフォーオール八代目継承者、
ビルの屋上に強い風が吹き、わたしたちの間を吹き抜けた。
……これは決まったんじゃないかしら!?
「――うん、記憶は既に蘇っているようだね! 残念ながらこの世界は苗字の概念がないから私自身は
……割とふつーに返されてしまった。あ、この世界っていえば。
「あの、ここってワンパンマンの世界ですよね? タンクトップタイガーとか居ましたし、怪人がどうとか……なんでオールマイトが居るんです?」
「ああうん……それはキミと同じさ、他にも同じ立場の人がそれなりに沢山いるから窮屈な思いはさほどしないと思うよ」
何故かビミョーな顔をするオールマイト。わたしと同じ……?
「はっ! なるほど、アナタも転生者なんですね!」
「あの、ちゃんと記憶戻ってるんだよね……?」
呆れられてしまった……。確かに、思い出せたは思い出せたけど、なんだかちょっとだけ昔より考えるのが苦手になってる気がする。
「ん゙、ん゙……まあ、研究所には他の転生者も居るから詳しい話は向こうでしようか。やらなきゃいけない事が山積みだからね!」
「なんか大変そうですけど……頑張ります!」
こうして、わたしのフレンズ生は波乱と共に始まった。
いきなり怪人扱いで希望していた転生とは程遠い結果になっちゃったけど、楽しく生きていけるように頑張ろうと決意した。
メインキャラの一人として構想の最初期からいるにも関わらずやたら影の薄いジラちゃんがヒーローになるお話です!
ヒーローモノの民衆ってワンパンマン含めてこういうイメージある
序盤のセリフはキリンの状態だと人語がわからない的な表現でフォント変えてるだけなので誤字報告機能を使えば普通のひらがなになりますが別にたいした事は言ってません