【ボロス編】ONE PUNCH MAN〜ハゲ抜き転生者マシマシで〜【開始】 作:Nyarlan
【タツマキとの訓練-1】
「ねぇアンタ、電車でここまで来たでしょ」
「え? はい、そうですが……」
約束の土曜日、訓練を受けるべくタツマキのマンションを訪ねてきたシゲオが開口一番に言われたのはそんな事だった。
シゲオの返答にタツマキは眉を寄せ、額に手を当てる。
「……アンタねぇ、超能力でできる事は訓練も兼ねてなるべく超能力でやりなさいって先週言ったの忘れた?」
「い、いえ。ただ、具体的に何をどうすればいいのか……」
困惑する様子のシゲオに、タツマキは大きくため息をつく。
「次からは
「
緑の双眸にジトっとした視線を浴びせられ、シゲオはたじろぐ。
「で、でも、法律とか……」
「んなもん無いわよ、規制が必要になるほど飛べる人間は多くないし、飛行機や重要施設に気をつければ文句も言われないわ」
(タツマキさんが怖くて文句言えないだけじゃ……)
宙に浮かびつつ踏ん反り返るタツマキに彼はそんな感想を持った。
「というか、飛んでみようとかしたこと無いの?」
そんな失礼な――あながち間違いでもない――感想など露知らず、タツマキはうつ伏せの体勢で見下ろしながら質問を投げかける。
「飛べたら便利だとは思いますけど……生き物に、ましてや自分に能力を掛けるってのがちょっと怖くて」
「なに? 子供の頃に加減間違えて怪我でもさせた?」
うっ、と言葉を詰まらせ顔を俯かせるシゲオに、タツマキは大きくため息をついて床に降りる。
「図星、ね。ハァ……アンタ、面白いくらいに力を持て余して腐らせる能力者の標本みたいになってるわね」
「……すみません」
別に面白くないけど、とジト目で見つめられたシゲオは肩を落として俯いた。そんな彼にタツマキは再び大きくため息をつく。
「ったく、私の次くらいの力はあるんだからシャンとしなさい。んで、あんたが怪我させた時の状況は?」
その言葉にシゲオは目を泳がせるが、彼女の視線に負けたらしくやがて観念したようにぽつぽつと話し始めた。
「……幼稚園くらいの事でした」
記憶を探って視線をさまよわせ、彼の声は懺悔のように震えた。
「当時から力を使えた僕は、飛んでみたいとせがまれて友達を浮かせようとしたんです。……誓って、悪意はありませんでした」
彼は自らの手のひらを目の前にかざして見つめる。
「軽率に友達に手をかざして、持ち上げて。そしたら、友達の腕から変な音が鳴って、聞いたこともないような悲鳴を上げたんです」
シゲオは当時の感触を思い出すように握り拳を作り、やがて開く。
「まるで万力で締めて砕いたみたいだって、あとで聞かされました。……辛かったのは、友達の親すら直接僕を糾弾しなかったんです。ただ僕から目を逸らして、その日から僕は友人を根こそぎ失った」
彼は語り終えると、黙って聞いていたタツマキの反応を窺うように上目遣いで見つめる。
「加減を知らない子供の能力者にありがちなミスね、自分の握力との差を理解せずに手を握る感覚で力を込めてしまう。アンタは“力場”の手で腕を握って持ち上げようとしたんでしょう?」
その質問に彼がこくりと頷くと、彼女はテーブルの上に置かれたペットボトルに緑色の力場を伸ばす。
力場の筋はボトルへ到達すると、本体を包み込むように広がってそのままシゲオに見やすいように浮かび上がる。
「超能力で掴む、っていうのはこういう事よ。全体を包み込むようにすれば、負荷は分散される。そして……」
ペットボトルへ繋がる力場の線は半ばから枝分かれしてボトルのキャップへと伸びると、それは滑らかに回転して開封した。
「一点に集中させるのは、その部分に負荷をかける時。壊す、捻る、千切る……そういった干渉以外には必要ないわ」
開いたキャップを閉め直すと、彼女はそれを彼の手元へ飛ばす。
やってみろと顎で示された彼は指先から伸ばしたボトルを力場で包み、キャップを回そうとしてそのままもぎ取ってしまう。
「あっ」
「意識しすぎね。手の握力とは比べ物にならないくらい強いから、かるーくやるイメージで十分よ」
キッチンから新しいボトルを引き寄せたタツマキは、彼にそれを差し出した。シゲオは先程と同じように、しかし力加減により気をつけながら力場を操り……今度こそキャップを開けてみせた。
ホッとする様子の彼に、タツマキはジト目で言う。
「言っとくけど、これ初歩の初歩の初歩の……ってレベルの話よ? 試行錯誤すれば自ずと出来るし、いかにアンタが日常で力を使ってないかが丸わかりね」
「うぐっ……」
図星を突かれて黙り込むシゲオに、タツマキはフッと笑う。
「まあそれはいいわ。じゃ、力加減も覚えたところで今度は生き物……そうね、私を持ち上げてみなさい」
「えっ? あ、危なくないですか……?」
シゲオの脳内ではスポーンと首が飛んでいくタツマキの図が展開され、一人身震いする。
「私を誰だと思ってんの? 今のアンタの全力くらいなら余裕で弾き返せるわ。それに負荷の少ない浮かし方教えたでしょ」
身に纏っていた微弱なバリアすら取り払い、タツマキはその場に仁王立ちする。さっさとやれというの視線に、彼は冷や汗をかく。
「え、えと……では、失礼して」
シゲオは両手を伸ばし、その指先から伸びた力場でタツマキの体を包み込み始めた。胴から始まり、胸、頭、腕、足……と力場の膜で丁寧に這ってゆき、やがて彼女の全身が包まれる。
「……っ! で、では、浮かします!」
彼が宣言すると、タツマキの体は重力から切り離されたかのようにふわりと浮かび上がる。
「ふん、まーギリギリ及第点ね。とにかく力場の展開速度が激遅、これじゃ咄嗟の時に間に合わないわよ」
「精進します……」
タツマキは腕組みを解くと、少し考えて口を開く。
「アンタは表面に薄いフィルムのように力場を広げていってるけど、こんなもん大雑把でいいのよ、ほら」
タツマキの身体から伸びた巨大な力場の塊がシゲオの体をまたたく間に飲み込んだかと思えば、そのまま彼の体を空中に浮かせる。
「力場にはちょっとした感覚があるから、慣れれば瓦礫の中から人や物を選り分けることだってできるわ。力場の密度を薄くすれば広範囲のセンサーの役割だってできるし」
シゲオの体を浮かせながら、タツマキは解説を続ける。
「アンタも木っ端能力者じゃあるまいし、もっと豪快にいきなさい。あとは……そうね、アンタが自分自身を浮かすこと、よ!」
「え? うわっ!?」
バン、とベランダの扉が開き、何が起こったかを理解できる前にシゲオの体は宙へと放り出されていた。
「おああああああああっ――!?」
天へ翔る景色の中、ようやく状況を把握したシゲオは全身を力場で素早く覆い、高層マンションの中程の高さでその身を静止させる。
「ハァ……ハァ……! し、死ぬかと思った……!!」
「バカね、もしダメでも地面までには拾うわよ」
冷や汗を吹き出しながら震え上がるシゲオに、上から声が降る。
同じくベランダから飛び出し浮いているタツマキだ。
「どう、咄嗟でもちゃんと出来たでしょ? こんなもん、多少コツを掴めば自転車よりも簡単なのよ」
ドヤ顔でいう彼女に、シゲオはげんなりとする。
「とっても心臓に悪いのでやめてください……」
「ま、これで感覚は掴めたでしょ。これからは飛んで移動なさい」
不敵な笑みを浮かべたタツマキは、そのまま踵を返しベランダへと戻っていった。それをフラフラと追いかけながら、シゲオは大きくため息をついた。
【転生者たち-1[食堂にて]】
「よぉシゲオ。今日は研究所でメシか?」
「あ、セタンタさん。今日は母が遅くなるそう、なの……で」
研究所の食堂へ向かっていたシゲオが背後からの声に振り向くと、セタンタを先頭にやたらとガタイのいい男が三人も並んでいた。
狼狽えるシゲオに赤いコートを着た男が笑う。
「ガッツ、お前の顔が怖いから新入り君が怯えているではないか」
「ああ?」
自覚があるのか、三人の中でも一番巨躯の男――ガッツは反論もせずに凄むのみであった。
そんな様子に戸惑うシゲオにセタンタは苦笑する。
「いつもこんな感じだから気にすんな。とりあえずコイツらもお前と同じ転生者だ、挨拶しとけ」
「は、はあ……僕は影山茂雄の転生者です、よろしくお願いします。えーと、TYPE-MOONつながりの方々ですか?」
シゲオがそう尋ねると、二人は軽く瞠目する。
「おっと、私はそうだがこっちは違うぞ? どうやらお前の原作は知られていないらしいな」
「今日はオフでドラゴン殺し持ってねーからだし……って、さっきテメエが名前呼んでたよな? マジで知らない感じか……?」
なにやらショックを受けた様子のガッツに、赤いコートの男は皮肉な笑みを浮かべる。
「まあ古い作品だったからな」
「転生者の年齢なんてアテにならねぇよ。ってか古くねぇし、前世じゃまだ連載中だったわ。たまたま知らないだけだろ……ちなみにお前、前世だと何年生まれだった?」
ずい、と身を乗り出して尋ねるガッツにシゲオは一歩後退る。
「ええと、2004年です」
「……思ったより若えな。ひょっとして真面目にジェネレーションギャップってやつかね……ああ、オレはガッツだ【ベルセルク】のな」
「ベルセルク……ああ、たしか前世で3Dアニメ化してましたっけ」
「ああ、それは忘れていい。オレ的にはナシだった」
「……?」
真顔でそんな事を言う彼に赤いコートの男が鼻で笑う。
「まあ、ソイツの事はもういいだろう。私の事は分かるかね」
「あ、はい。TYPE-MOONのエミヤさん……ですよね?」
すんなりと答えたシゲオに対して、彼は満足げに頷く。
その横ではガッツがやや不満げな顔をしていた。
「セタンタ……クー・フーリンを知っているなら知ってて当然か。ただ、この世界だと苗字の概念がないのでね、シロウと呼んでくれ」
「はい。……あれ、そういえば髪色が違うような」
赤みがかった茶髪へ視線を向けたシゲオがその疑問を口にすると、セタンタは口元に笑みを浮かべる。
「原作の髪色は確か、固有結界の反動によるものだった気がするが、こっちじゃまだ型月系魔術の痕跡すら誰も見つけられてねーからな。……ところでコイツ、一時期白髪になってた時期があるんだぜ」
「おいやめ……っ離さんかっ!」
セタンタに掴みかかろうとしたシロウをガッツが背後から素早く羽交い締めにする。丸太のような太い腕と2メートルを超える巨躯は暴れるシロウを完封していた。
その必死の形相へニヤリと悪い笑みを浮かべて、彼は語りだす。
「高校の頃だったな、ある日コイツは突然髪を脱色した上に日サロで真っ赤に焼けて登校して来やがってよ。オマケに夏場なのに赤コート、あれは傑作だったわ」
「そうそう、白っつかほぼ金髪だったな、しかもブリーチで毛先が傷んで酷い事になってたし。この口調もその時突然始めたから『遅れてきた中二病』呼ばわりで大ウケしてたぜみんな」
流れるように話へ便乗するガッツに、シロウの抵抗が一層強まる。
「お、お前らだって当時は丸坊主だったろうが!」
「そら俺らは野球部だったしな。お前帰宅部だったろ」
自らの黒歴史を笑いながら暴露され、シロウは顔を怒りと羞恥で浅黒い肌を真っ赤に染めながら脱力する。
「くっ、殺せ……!」
「三人とも昔からの馴染みなんですね」
少し強張っていたシゲオも、馬鹿騒ぎする彼らの姿に緊張の糸はすっかり解けてしまった。ガッツに拘束を解かれたシロウは肩で息をしながら額の汗を拭う。
「……ああ、いわゆる腐れ縁と言うやつでね。まさかN市のド田舎高校に三人も転生者が居たとは驚いたものだよ」
「オレらもそれがキッカケになって転生の記憶を思い出したんだが、コイツの醜態見てたおかげで奇行に走らず済んだんだよな」
「だな、サンキュー」
「しばくぞ……!」
にやけ面の二人にプルプルと震えていたシロウだったが、やがて大きくため息をついてシゲオに向き直る。
「……すまないね、いきなり内輪ノリに巻き込んでしまって」
「あ、いえ」
「つか、メシ早く食おうぜ。腹ァ減ったわ」
ぎゅる、とガッツの腹の虫の音が響き、シゲオは自分も空腹であることを思い出して苦笑した。
「そーだな。ったく、シロウのせいでスマンな」
「どの口がいうかコラ」
(またキャラ崩れてる……。仲いいなぁ)
※
食堂の自動扉が開くと、食欲をそそる香りがふわりと漂い始め、シゲオの鼻をくすぐった。期待に胸を高鳴らせる彼の肩に大きな手が添えられる。
「ここのカツ丼は中々だぞ、安くて量もある」
「お前いつもそれだよな……お、今日の日替わりは天そばか。シゲオも選べ、今日は出してやんよ」
と、まっしぐらに券売機へと向かったガッツが小銭を投入してカツ丼定食を購入する傍ら、セタンタは日替わり定食を購入しつつそう言った。
「え、いいんですか?」
「おう、将来有望な後輩にはツバ付けといて損はないからな。遠慮せず好きなの選べ」
「私のオススメは麺類だな、うどんも蕎麦も手打ちだぞ」
「じゃあ遠慮なく……僕も日替わりの天そばで」
「――なんか、どこかで見た事あるような人が働いてましたね」
鮮やかな流れ作業で完成された天そば(海老を一本オマケしてもらった)を載せた盆を手にシゲオが言う。彼が直接見ていない原作の選択者らしく具体的なキャラ名等は思い出せないものの、何となく既視感のある姿をしていると感じていた。
「そりゃまあみんな
「この食堂も施設内の清掃も、事務仕事に警備まで、ここの業務は一通り転生者がやっている。外注の業者入れたりしたら転生云々の話をおおっぴらに出来ないだろう?」
蕎麦を啜りながらセタンタとシロウの説明を聞いたシゲオは内心で納得する。『転生』という共通の秘密を抱える同士が居るという事実がもたらす安心感のようなものは彼自身も感じていた。
「日常モノのキャラ選んだ奴らもサークル感覚でここに来るからな、ここに顔出してりゃそいつらともその内――っと」
シゲオの隣でカツ丼を頬張っているガッツの正面へ作業服を着た、これまた背の高い大男がどっかりと腰を下ろす。その顔を見てガッツは口元を拭って応じた。
「よお、ジョウタロウじゃねぇか。今上がりか?」
「飯休憩。まだショタコンウサギの尻拭いに奔走してる所だ」
そう言って深くため息をついてうどんを啜った大男の脇腹を隣に座るセタンタが肘で軽く突いた。
「まあそう言うな、ガワがあのダイナマイトで中身も原作と違って可愛げがあるとくりゃあ役得感もあるだろ?」
「原作の
やれやれと首を降る男と彼らのやり取りに、シゲオの頭には疑問符がいくつも浮かぶ。
(ジョウタロウってこの人……っ!?)
マジマジと見ていると、彼の視界を突然青白い何かが埋め尽くす。驚いた彼が小さく悲鳴を上げて仰け反ると、男は顔を上げる。
「ほお、見えるんだな。
「コラコラ、初対面で脅かしてやるな。……ったく、すまないな」
シロウの注意にもどこ吹く風な男の背後に、青白い力場が人型を取った。目を凝らして見ても、シゲオには細かいディティールまで感じることが出来なかった。
「一番分かりやすい自己紹介になっただろう。俺はジョウタロウ、ジョジョの奇妙な冒険の空条承太郎の転生者だ」
視線だけ向けてそう言うジョウタロウに、シゲオはペコリと会釈する。よく見ると背後の人型がお辞儀をしていた。
「……あ、どうも。モブサイコの影山茂夫の転生者です。それって、もしかしなくてもスタープラチナですか?」
「ああ。もしかして、と思ってやってみたが超能力者にはスタンドが見えるらしいな」
彼がそう言うと、人型――スタープラチナは彼に向けて両手でピースサインを送ってきた。
本体とのギャップに噴き出しそうになるシゲオ。
「えと、ジョウタロウさんもヒーローやってらっしゃるんですか?」
「いいや、俺はメカニックをやってる。前世から荒事はニガテでな、この体とスタンドならやれなくは無いんだろうが」
そう言ってうどんをすする彼の後ろでスタープラチナがシャドウボクシングを始めた。
「特別な因縁がある訳でもねえし、
「なるほど……所でどうしてメカニックを?」
「前世じゃ工業系の人間だったんだが漫画やゲームに出てくるガジェットの再現が趣味でな、学校や職場の機材借りて色々やってたんだが、この世界なら本物が作れる」
ソイツの槍も俺の作品だと言って彼が顎で指し示すと、セタンタはニッと笑った。
「ああ、ホントに世話んなってるぜ。あのスタプラを便利な工具扱いすんのは正直どうかと思うがな」
「物をすり抜けて触りたいものだけ触れる、パワーもあって精密な動作が得意とくりゃあ理想的な工具だろうが……っと」
麺のなくなった丼を手に持ち、ぐっと中身を飲み干すと彼は盆を持って立ち上がる。
「それじゃあ先に失礼するぜ、仕事が立て込んでるもんでな」
「向こうの計画も大詰めだろうし、もう一踏ん張りだな」
「あ、それではまた」
口々に掛けられた言葉に肩越しに片手を上げて返事をするジョウタロウと、両手で手を振るスタープラチナを見送る。
「アイツはぶっきらぼうに見えるが中身は割とひょうきんなんだ、今は忙しいようだが、その内ラボの方に遊びに行ってやってくれ」
「あ、ハイ。スタンドの動きを見てるとなんとなくわかります」
「そうなのか? ……いや、まあ向かい合ってるときいきなり背後から肩叩かれたりとかするしな。そっち側ではっちゃけてるのか」
セタンタがそう言って一人で納得した様子を見せる。
「そういえば、他にはどんな転生者がいるんですか?」
「全体で見ると数だけは多いが……大半はほぼ一般人として暮らしてっからな、普段ここに顔出すことも無いくらいに。そういう奴らは見かけてもあんま干渉してやるなよ」
「逆にここへ顔出すようなのはそれなりに濃い奴らだ。どういうのが居るかってぇと……まあ、バッタリ会った時のお楽しみだな」
そう言ってニヤリと笑うガッツにシゲオは不満を顕にする。
「ええー、なんですかそれ」
「まあそう言うな、会ってからのお楽しみってな」
「原作イベントの見物にでも行けば大抵誰かに会えるさ、まあ一部は発生自体を潰してるがね」
「いろいろ面白いやつだから期待してていいぞ。なに、そう悪いやつは居ねぇよ」
そう面白がって笑う三人に、シゲオはなにやら悪い予感を感じずにはいられなかった。
・タツマキ先生の授業
多分四話の裏あたりの出来事。
シゲオ君があまりに能力使わずに過ごしてきたので、基礎の基礎の基礎から教えてくれる。
シゲオ君はありがちなトラウマによる超能力の自己封印をしてきたので原作モブと比べても技量が激烈に低い。
・巨漢×4に囲まれるシゲオ
女の子が……女の子が居ない……!
転生者たちのガタイのいい男率がやたら高いような……みんな筋肉に憧れるから仕方ないね。
・転生者×3
この世界で同じ高校に通っていたらしい。
・研究所に来る一般転生者
日常モノキャラの選択者とかがメイン、ほぼほぼモブキャラに近い扱いの人たち。
美少女になって百合百合し隊の成れの果てとか結構いそう。
・空条承太郎の転生者
まさかのメカニック枠、スタンドで感情表現をする男。アラサー。
スタンドの物質を透過したり干渉したりする性質を思い浮かべて「機械の整備とかに便利じゃね?」と思いついてしまったから仕方がない。
前世ではゲームとかのギミック付きの武器とかを法に触れない範囲で制作してYouTubeとかでお披露目していた系男子。ああいう動画ワクワクするよね……。
次回は原作イベント回、なお書き溜めナシ。