チート転生したらしいが熊本弁しか喋れない   作:祥和

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闇に飲まれよ!(お疲れさまです)

だいぶお待たせして申し訳ない。
仕事でトラブルが発生して、ようやく休み取れました…


第22話 女神の双刃

「帰ってきたか…ってこのバカどうしたんだよ!?」

 

二課の仮設本部に戻るとクリスちゃんが出迎えてくれる。

口ではなんだかんだ言ってるけど、やっぱり響ちゃんとは仲良いみたいだ。

 

「大海に彷徨える輝き持つ者を瞳持つ者が救済せん」

 

「あぁ、あのちょせえオッサンか…今度会ったら礼言っとかねぇとな」

 

いや、オッサンはやめてあげた方がいいと思うな…

強面ではあるけど多分20代だと思うし。

 

「立花!?大丈夫か!?しっかりしろ、立花!!」

 

翼さんも来たみたいだ。

すごい狼狽えようだけど、どうしたの?

 

「ていうか、んー…?」

 

やっぱりクリスちゃんも心配なんだな。

さっきから俺がお姫様抱っこしてる響ちゃんの顔をまじまじと見てるし。

 

「なぁ、コイツ…起きてねぇか?」

 

いや、そんな訳無いと思うよ?

起きてたら、毛布あるとはいえ、全裸で俺にお姫様抱っこされてるのとか普通に嫌だろうし。

 

「立花!!おい、返事をしてくれ!!立花ァァッ!!」

 

「だぁぁ、うっせえなッ!!オッサンもすぐにどうこうなる話じゃねぇって言ってたし、コイツならなんとかできるって説明しただろ!!」

 

「しかし雪音、たとえ神崎にそのような力があったとしても、立花は現在進行形でガングニールに侵食されているのだぞ!?もしも今目が覚めないのもそのせいだとしたら…」

 

え?何?響ちゃんもドスケベ聖遺物に憑かれてんの?

聖遺物使えるの女の子ばっかりなのってそういう…あ、どう見ても関係無いモヤシいたわ。

 

「…てい!」

 

翼さんを制止してたクリスちゃんが不意討ちで響ちゃんの脇をつつく。

いや、気を失ってるのに、そんな事しても…

 

「ひゃんッ!!」

 

……

………

沈黙が続く。

 

「……いやぁ、あの…起きるタイミングを逃しまして…も、もうちょっとお姫様抱っこを堪能したかったとか考えてないから…だからクリスちゃん、まずは落ち着いて!?今ギアはやめて!?やめて止めてやめて止めてやめて止めてッ!!?」

 

つまり、どういう事だってばよ…

 

***

 

「響君!!無事だったか!?」

 

とりあえず、響ちゃんに服を着てもらい発令所に行くと、弦十郎さんが心配そうに響ちゃんに駆け寄ってきた。

ていうか…

 

「ようやく役者が揃ったようね?」

 

「アタシ達も居ても立っても居られなかったデスよ!!」

 

え?なんでいんの?

未来ちゃんの相手は俺がするし、普通に家に居て欲しかったんだが…

 

「調達はアタシ達が説得するデスよ!!」

 

…うん、それはホントにお任せしたい。

ん?達って事は他にも誰かいんの?

もしかしてモヤシ博士?

…じゃないよね、たぶん。

 

「まったく、無茶しやがって」

 

「心配したんだぞ、コイツ!」

 

こっちはこっちで弦十郎さんと奏さんに響ちゃんがワシャワシャされている。

 

「とりあえず、状況を整理しましょう。響さん、何があったのか、説明してくれませんか?」

 

緒川さんが仕切ってくれる。

まぁ、俺が口出しても一部の人以外はハテナだろうしね…

 

「はい!えぇっと…何処から話せばいいのかな?」

 

響ちゃんの話は衝撃だった。

モヤシはいつも通りだけど、シンフォギアを纏う未来ちゃんか…

しかも、未来ちゃんのビームで響ちゃんのガングニールが溶けたらしいし…

 

「…て訳で、未来にコテンパンにやられて…私、未来と話すら出来ませんでした」

 

響ちゃん…悔しそうだ。

親友だもんな…

 

「他におかしな事は無いか?身体の調子が悪いとか…」

 

翼さんが心配しながら聞いているが、ちょっと大袈裟過ぎない?

まぁ、後ですぐにドスケベ聖遺物は剥がすけど。

 

「……胸の歌が響いてきません」

 

…え?それってつまり…

 

「メディカルチェックの結果が出ました!響ちゃんの身体のガングニールが…無くなってます!?」

 

友里さんが響ちゃんのメディカルチェックの結果を報告するけど…え?無くなったの?

 

「…神獣鏡ね」

 

「デス…」

 

マリアが呟く。

シェンショウジン?どっかで聞いた気が…

 

「人を惑わす鏡の光…人の身に纏わせたのね…マム…」

 

「マリア!まだマムと調がやったとは…きっとあのキテレツの仕業デスよ!!」

 

落ち込み気味のマリアを切歌ちゃんが励ます。

ていうか、マムはマリアじゃないの?

マリアの上に更にマムがいるとか…この組織どうなってんの?

マム、ママ、マッドに…4M集団か…

切歌ちゃんが唯一の良心かな…

 

「ていうか、お前…ちょっとコイツに言動似てきてねぇか?」

 

「ななななんの事かしら!?」

 

いや、クリスちゃん?

気持ちは解るし、俺も脳内では別の事考えてたけど、今ちょっとシリアスだったのが、いきなり急降下したよ?

俺…すっかりオチ要員だな…

 

「ま、細けぇ事気にする暇があったら、会って直接聞いてやるくらいの気概でいいんじゃねぇか?」

 

ホント、出来た嫁だなぁ…

俺をダシにするのはやめて欲しいけど。

 

「えぇ…そうね、ありがとう()()()

 

ま、女の子を笑顔に出来るのなら、ダシになった甲斐があるというものだ。

 

***

 

「南方海域より高エネルギー反応を検出!」

 

「同時に付近の米国の哨戒船から救援信号が出ています!」

 

響ちゃんの話を聞いて、さて次はどうしたものかと思っていた矢先に友里さんと藤尭さんが、周辺に異常が出たらしく報告してくる。

 

「これは…」

 

「無関係じゃなさそうですね」

 

「ならば我が出る!!」

 

「神崎!!微力ながら、この防人の剣も手を貸そう!!」

 

そこに未来ちゃんがいるなら、俺が行くしかない。

…翼さんの言動が日に日におかしな方向に行ってる気がするんだけど、大丈夫かな?

奏さん?しっかり見ててあげてね?

 

「よし!行ってこい!」

 

「蘭子ちゃん…未来を…お願い!!」

 

クリスちゃんと響ちゃんに見送られる。

 

「帰って来たら好きなもん作ってやるよ、未来も一緒にな!何が食いてぇ?」

 

「…ならば、禁断の果実を所望する!!」

 

「ハンバーグな!とびきりのを作ってやるよ!」

 

禁断の果実か…

俺の好きな食べ物はハンバーグなんだが、ハンバーグと言おうとするとこの言葉が出てくる。

ちなみにもう一つの大好物でも同じ言葉が出てくるので、割と伝わらないのをいい事にこっちのニュアンスで言ってたりする。

だってご褒美なら是非ともそっちにむしゃぶりつきたいじゃん?

…あれ?なんか響ちゃんが顔赤いような…

 

「蘭子ちゃん…人前でそういう事言うのはやめた方がいいと思うよ?」

 

………え?ナンデ?

…もしや、あっちで伝わった?

嘘だろ!?現にクリスちゃんにはハンバーグで伝わってるのに…

 

「?お前、何トンチキな事言ってんだ?」

 

「え?いやぁ、なんでだろうね?蘭子ちゃんがおっぱい食べたいって言ってるような気がして…」

 

みるみるクリスちゃんの顔が赤くなる。

 

「お、おまッ!!?何バカな事言ってやがんだッ!!やっぱお前、ホントのバカだなッ!!」

 

ゴメン、クリスちゃん…

俺、そっちのニュアンスで言いました…

でも、伝わらないとタカを括ってたから出た発言であって、決してセクハラではないのです。

あ、でもクリスちゃんのおっぱいに興味があるのはホントだよ?

 

「…いや、別にそっちがいいならアタシも考えなくも…」

 

ん?なんか言った?

響ちゃんにバレたのがショックで聞いてなかったけど…

 

「いいからお前は早く行ってこいッ!!!」

 

いや、なんでそんな顔真っ赤にして怒ってんのさ?

まぁ、行くけどね?

 

そんなこんなでバタバタしながら、ミサイルに乗せられて出撃するのだった。

 

「神崎?逆側が空いてるのに何故同じ区画に?まぁいい、神崎の不安も全てこの防人の剣が払ってみせよう!!」

 

一緒に乗った翼さんのおっぱいはやっぱり柔らかかった。

柔軟剤でもこんなに柔らかくはならないから、おっぱいはやっぱり偉大だ。

 

***

 

翼さんのおっぱいを堪能しながらミサイルに揺られてしばらくして、問題の海域まで到着したんだが…

 

「なんだ!?これは…」

 

翼さんが驚くのも無理は無い。

だって、知らんうちに地図に無い島があるんだもん…

しかも、中央の遺跡みたいな所からヤバい雰囲気の光が出てるし、早くなんとかした方が良さそうだ。

 

と、思っていたら…

 

「やっぱり来てくれたね、蘭子!」

 

4M集団の一角、というか俺の中ではトップのご登場だ。

この娘、精神的に凄く疲れるから一番相手したくないんだけどね…

 

~Various shul shagana tron~

 

調ちゃんが歌い始める。

やだなぁ…怖いなぁ…

 

~Zeios igalima raizen tron~

 

ん?

 

♪Edge Works of Goddess Zababa

 

「調を止めるのは、アタシの役目デスッ!!」

 

切歌ちゃん?いつの間に…

 

「なんとか忍び込もうとしたら、片側が空いててラッキーデスよ!!」

 

あぁ…俺が翼さんと一緒の区画に入ってたから、空いてたのか。

ふむ…つまりあのミサイルは翼さん一択ではなく、実は切歌ちゃんとの二択だったのか…

割と惜しい事をした気がしなくもないが、やはり翼さんのおっぱいも素晴らしかったので良しとしよう。

 

「切ちゃん、どいて!!私は蘭子からオシオキを貰いたいの!!」

 

―γ式・卍火車―

 

「そうは問屋が卸さないデスよ!!」

 

―双斬・死nデRぇラ―

 

「調はアタシが絶対に止めるデスッ!!蘭子さん達は先に行くデスよ!!」

 

…まぁ、切歌ちゃんが止めてくれるなら有り難いし、お言葉に甘えたい気持ちはあるんだが…

この娘に関しては、たぶん物理的な争いいらないんだよなぁ…

俺が心を殺せばの話だけど…

 

「クッ、切ちゃんの分からず屋ッ!!」

 

―裏γ式・滅多卍切―

 

「分からず屋はどっちデスかッ!!調にだけは言われたくないデスよッ!!」

 

―対鎌・螺Pぅn痛ェる―

 

ヒートアップしてんな…

まぁ、会ってしまったものは仕方ないか…

 

「禁忌の少女よ…」

 

「…蘭子?」

 

「!?蘭子さん、まだ行ってなかったデスか!?」

 

「我は傷ついた悪姫、ブリュンヒルデ!!禁忌の少女よ!我に跪けッ!!」

 

「「戦場(いくさば)で何を馬鹿な事をッ!!?」」

 

翼さんと切歌ちゃんの言葉が重なるが…

 

「はいッ!!」

 

当のロリッ娘は凄くいい返事をして物凄いスピードで平伏すのだった…

妙に息が荒いのは、さっきまで切歌ちゃんと喧嘩してたせいだと信じたい…

ていうか俺、跪けとは言ったけど、そこまでしろって言ってないんだけど…

 

困惑する翼さんと何とも言えない表情の切歌ちゃんの視線がとても痛かった…




今回は
女神の双刃=切ちゃんと調

まぁ、夫婦喧嘩前哨戦はらんらんがプレイに徹したら瞬殺だからしょうがないよね?
次の更新も怪しいんですが、なるべく早めに書きたいです…
皆さん、精神的に辛くなる事とか色々あるとは思いますが、急に無断で仕事に来なくなるのはやめましょう…
作者との約束デス!!

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