時間空いてしまいましたがGX編です。
第27話 世界の破壊者
「システムの再チェック!軌道を修正し、せめて人が居ない所に!」
「そんなのわかってますよッ!!」
月遺跡から異端技術を回収し、帰路に就く筈だった国連調査団のシャトルは帰還時のエンジントラブルによって最悪の事態を迎えていた。
このままでは人口密集地帯に墜落する事になる。
それだけは何としてでも避けねば、と己の命を二の次に戦う彼らに対して、国連が出した答えは…
「地上からミサイル!?俺たちを撃墜する為にッ!!?」
「…致し方無しか…」
機長が諦観の言葉を呟いたその時…
『闇に飲まれよッ!!』
『傷ついた悪姫ッ!!第二形態ッ!!我が名はブリュンヒルデッ!!』
漆黒の翼を纏う堕天使が舞い降りた。
「ブリュンヒルデちゃんッ!!?凄いッ!!本物だぁッ!!」
「い、いきなり何言ってるんですかッ!!?」
…舞い降りた。
***
なんか大変らしいから、いきなり呼び出されていきなり出撃させられた。
エンジントラブルで墜落しそうになってるシャトルを助けて欲しいとの事。
人使い荒くない?
最近、あの事務員のドリンク飲まないと身体がツラいんだけど…
しっかし、メディア以外の仕事って、ほんと久しぶりだなぁ…
なんで毎日取材とか撮影が入ってるんだろうね…
いや、撮影ってなんだよ?なんだけどさぁ…
新しく俺の専属マネージャーに就任した奏さん曰く有名税みたいなもんという事らしいけど、なんか上手い事乗せられてる気がする。
これは一回強く言った方がいいかもしれん…
でもちゃんと伝わるかが問題なんだよなぁ…
っと、まぁ、晩御飯までには帰りたいし、ちゃっちゃとお仕事済ませますか。
ただ、戦ったりじゃないから微妙に難しいんだよなぁ…
そういや、この前また勝手に増えてたアレ試してみるか
手を開き、前に突き出す。
「我が魔力が滾るわッ!!」
ーMeginGjordー
***
ここは特異災害対策機動部二課の仮設本部。
現在、出撃中の神崎蘭子、コードネームブリュンヒルデのシャトル救助の管制を行っている。
「蘭子ちゃん、シャトルに取り付き…えっ!?」
管制員の一人、友里あおいが驚きの声を上げる。
「なんだ?どうした?」
友里に注目が集まる。
「蘭子ちゃん、取り付いてませんッ!!信じられませんが、シャトルを受け止めていますッ!!」
「受け止めている、だとぉッ!!?」
「…いや、まぁ…蘭子君ならあり得るか」
司令である風鳴弦十郎も一旦は驚愕するが、冷静に考えると神崎蘭子なら割と普通の事だった。
国際法に縛られて身動きが取れないが、それ位なら自分でも可能だろうという自負もある。
しかし、多彩な能力に目を奪われがちだが、神崎蘭子は身体能力に関しては普通の16歳の少女だった筈である。
「まったく…俺もうかうかしてられんな」
弦十郎の後ろでは、この人はこれ以上何をどうするつもりなんだろうか?といった目で緒川慎次が眺めていた。
なにげにこの空間、約2名だけ生身の強さの基準が異常である。
「ブリュンヒルデから新たな聖遺物のアウフヴァッヘン波形が出ています…このパターンは…」
弦十郎の危険な独り言を華麗にスルーし、藤尭朔也が報告する。
この男、未だに公の場で『蘭子ちゃん』と呼べないでいる。
MEGINGJORD
モニターに大きく新たな聖遺物の名が映される。
「メギンギョルズ、だとぉッ!!?」
弦十郎が二度目の驚愕の声を上げる。
「おい、おっさん。そのメギンなんたらってのは、一体全体どういうモンなんだよ?」
後ろで静かに聞いていたクリスが弦十郎に問い掛ける。
「ん?あぁ、すまない。メギンギョルズとは…」
「北欧神話における雷神が持つ力の帯。かの神はその帯を身に付ける事で怪力無双を誇った、という逸話があります」
弦十郎の答えを、今しがた入室してきたナスターシャ教授が引き継ぐ。
先の騒動に関しては、小日向未来の尽力により人的被害が無かった事もあり、日本政府の計らいで彼女の身柄も二課預りとなっている。
「マムッ!!まだ安静にしてなきゃ…」
「マリア、彼女のおかげで私の身体にはもう異常はありません。問題は彼女の方です」
「ど、どういう事デスか…?」
「これで名前がわかっているだけでも最低3つ、彼女は完全聖遺物を保有しているという事になります。これがどういう事かわかりますか?」
「?未来、どういう事?蘭子ちゃん凄いね、じゃないの?」
「響、今大事な話してるから」
「アッ、ハイ」
「なるほど…なかなかどうして、心胆寒からしめてくれる」
「翼も無理に会話に入ろうとしなくていいぞ?」
「アッ、ハイ」
「蘭子の攻めパターンが増え」
「調は黙ってるデスよ」
「アッ、ハイ」
一部?でコントが繰り広げられているが、誰からもナスターシャ教授の問に答えを出せていない。
それはそうと、もはや、蘭子の任務に関しては管制している大人達以外、完遂されるもの扱いである。
「本来、完全聖遺物とは、起動状態の物が1つあるだけでも国家間のパワーバランスを覆し兼ねない代物です」
「…なるほど、もしかしてそれって…」
得心がいった顔でマリアが答える。
「今まで静観していた様々な組織が表裏問わず蘭子に接触してくる、という事ね?」
「えぇ、恐らくは」
「チッ…あのバカ、わかってんのかよ…」
マリアの答えを聞き、クリスはモニターの先でいつも通り高らかに任務完了のポーズを取る蘭子に目をやるのだった。
***
なんか新しい聖遺物使ったら奏さんとクリスちゃんに注意された。
ひどくない?
まぁ、いつもの拘束のやつでいけたと言われたらその通りなんだけども。
でもせっかく増えたんだし、任務にも合うし使ってみたいじゃん?
後、変な勧誘には気をつけろって言われたけど、どういう事?
新聞とかはマリアが全部断ってるから大丈夫だと思うけど…
そういや、勧誘と言えばあのプロデューサーのお兄さん、あれ以来会ってないなぁ…
まぁでも、色々不満はあるものの、今…感じる感覚は…
おれは「白」の中にいるという事だ。
あの事務員は「緑」
弦十郎さん達は「白」
「正しい事の白」の中におれはいる。
「蘭子ちゃぁぁんッ!!」
通学途中、物思いに耽っていると響ちゃんが飛びついてきた。
最近スキンシップが激しいんだよなぁ…
抱き付かれた時に感じる感覚は素晴らしいけどね!!
「おまッ、おま、おま、お前ェェッ!!」
「あいたたたたたッ!!?クリスちゃん、ギブッ!ギブッ!!」
横にいたクリスちゃんが言葉にならない言葉で響ちゃんを引き剥がしてアイアンクローに移行する。
あれは痛そうだなぁ…
「やはりアレは敵…アレはいけない」
「調!?落ち着くデスよ」
おっと、こっちも臨戦態勢か…って、後ろから凄く嫌な気配を感じる…
「蘭子?どうしたの?響とずいぶん仲良しみたいだけど」
ヒェッ…
何このプレッシャー…ヤベェよ…
そこで問題だ!
この窮地をどうやって切り抜けるか、だ。
三択
ひとつだけ選びなさい
答え①
美少女の神崎蘭子は突如切り抜けるアイデアを閃く
答え②
友達が助けてくれる
答え③
切り抜けられない。現実は非情である。
是非答え②でお願いしたい。
というかお願いします。
「まったく、アンタ達相変わらずねぇ…」
「ランランは修羅場が好きだね」
「愛し愛されてこそ、ナイスですッ!!」
弓美ちゃん達、見てたなら早く止めてくんない?
もう怖い笑顔の未来ちゃんが目の前まで来てるからッ!!
ヤバ…
「もうッ、蘭子怖がりすぎッ!!」
…アレ?生きてる?
「私って、そんなに怖い?」
…こうやって見ると美少女なんだけどなぁ…
なんとも言えないプレッシャーがね?こう、半端ないというか…
「しかし、私達ももう2回生だもんね。アニメみたいな1年だったけど、時間が経つのは早いわねぇ」
弓美ちゃんが話題を切り替える。
そう、もうあれから1年経つのだ。
ほんと、あっという間だったなぁ…
でも、こうやってまた学校通えるようになって良かったよ…
「じゃあ、今日は夜にまたランランの家で」
「うんッ!!待ってるねッ!!」
「このバカッ、お前ん家じゃねぇッつうのッ!!」
いつの間にか、クリスちゃんの技はコブラツイストになっていた…パンツ見えるよ?
とまぁ、いつも通りの騒がしさだけど、今日は何故夜に俺の家に集合かというと、ついに待ちに待った夜の大人なスポーツ大会開催!!
という訳でもなく…
「もうすぐだねッ!!ロンドンでの翼さんのライブッ!!うぅ~ドキドキしてきたぁッ!!」
「なぁ…コイツ、つまみ出していいか?」
「許可する。神聖な蘭子の家にうるさいのは必要ない」
「まぁまぁ…二人とも落ち着くデスよ」
切歌ちゃん、苦労してるなぁ…
普段ストッパーのクリスちゃんが響ちゃん相手にはあぁだからなぁ…
調ちゃんだけでも大変なのに。
「はい、蘭子。お茶菓子とお茶」
…我が家のお菓子とお茶の置き場を把握されているだとッ!!?
い…いや、まぁ未来ちゃんよく家来るしね?
ぐ…偶然だよね?アハハハハ…
「あ、みんな始まるよッ!!翼さんとマリアさんのッ!!」
「歌姫の」
「コラボユニット復活デスッ!!」
♪星天ギャラクシィクロス
始まった。
響ちゃん、切歌ちゃん、弓美ちゃん達活発組は興奮して手をブンブン振ってて可愛い。
他のメンバーは静かに聞き入っているけど、クリスちゃんも活発組に交じりたいなら交じったらいいのになぁ…
しかし、家ではあれだけオカンのマリアがステージに立つと見違えるもんだなぁ…
なんかトップアーティストのオーラ出てるけど…アレ、オカンなんだよなぁ…
オカン力ってなんだろう?
一応、生前と合わせたら俺の方が精神年齢は上の筈なんだけど…
これがバブみってやつ?
なんか違う気がするけどまぁいいか…
しょうもない事考えてるうちに曲は終わってた。
みんなが興奮冷めやらぬ状態の時に連絡が入る。
なんでも、火事って事らしいんだけど…
***
サクッと火事の現場を片付けたら、なんかゲームによく出てくる魔法使いみたいな帽子被ったチビッ子にサインをせがまれた。
しっかりその子の名前(キャロルちゃんと言うらしい)の宛名まで書いてしまった。
外国人にも知名度があるんだなぁ…
その後、家帰ろうとしたら、ちっちゃい俺から緊急報告が入る。
珍しいな…
『あおのうたひめのきゅうちッ!!』
マジか?とにかく急ごう!
転移した先で盛大に鼻血出た。
何故そこで全裸ッ!!?
おっぱいは控えめだけど、スレンダーで凄くえっちだ。
「か、神崎ッ!!?何故ここに!?というか、大丈夫かッ!!?」
「あらあら、これはこれは…」
よく見たらノイズみたいな奴に囲まれてるし確かにこれはヤバい。
翼さんをお姫様抱っこして安全を確保しつつ、コイツら片付けるか。
「神崎…その…助けてくれるのはありがたいんだが、私とて女なのだから…その…手が…胸に…」
翼さんが何か言ってるけど、とりあえずまずはお掃除が先だ。
「我が逆鱗に触れようとは、愚か者よッ!!」
―Laevateinn―
辺り一帯のノイズもどきが消し飛ぶ。
「噂に違わぬ力ね、ブリュンヒルデさん?」
ん?撃ち漏らしは珍しいな…
てか、人?なんでノイズもどきに交じって人が…
「神崎ッ!!気をつけろッ!!ソイツは…」
翼さんが警告するより先に向こうが動く。
ソイツは、凄いスピードで懐からある物を取り出し…
「サイン貰えますか?あ、宛名はキャロルちゃんへ、でお願いします」
お前もかよッ!!?
XVヤバいですねッ!!(語彙力消失)
1話からクライマックスで、ライブでトラウマ植え付けられたり、故人が歌ったり、OGAWAが車分身したり、キャロルちゃんが無双したり、JIJIIとOTONAがやっぱりおかしかったり…
オートスコアラー復活は1話限りとはいえ、やっぱり胸にクルものがありました。
楽曲も素晴らしく、特に8話クライマックスで流れる奈々様のFINAL COMMANDERが特にお気に入りです。
後、切ちゃんのバンク作画した人にマジで賞賛的な何かをしたいんだけど、どうすればいいんでしょう?