チート転生したらしいが熊本弁しか喋れない   作:祥和

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やみのま!

GX3話です。


第29話 奇跡の殺戮者

よし、完成!

 

我ながら良い出来だ。

シフォンケーキはフワフワ感が命だからな。

 

個人的にはシフォンケーキにクリーム塗りたくったりするのは邪道だと思う。おいしいけどね。

でも、クリーム塗るなら別にシフォンケーキじゃなくてもいいと思うんだ。

 

しかし、久しぶりにケーキとか作ったな。

生前以来か?一時期パティシエなら女子との接点多くてモテるみたいな噂を信じてめっちゃ作ってたからな。

身体は変わっても魂?が作り方覚えてて良かったわ。

 

じゃあ後は切り分けて、藤尭さんの分、キャロルちゃんの分、後はみんなの分で包めば…と、よし。

 

早速、みんなに配りにいくか。

ん?なんでみんなにもって?

幸せはお裾分け、当たり前だろ?

あ、でも弦十郎さんとか甘いの大丈夫だろうか?

どう見ても堅焼き煎餅が似合いそうなイカついおじさんだしなぁ…

そんな事考えてると玄関のチャイムが鳴る。

 

ん?今日は誰か来るとか聞いてないけど、誰だろ?

新聞の勧誘なら…ってマリアいねぇじゃん。

仕方ない。謎翻訳で煙に巻くか…

マリア居ない時に来る勧誘が悪いな、うん。

 

***

 

「すっっっっっっっっごく美味しいッ!!ふわふわ~♪」

 

まさか来客が引っ越しの挨拶に来たキャロルちゃんだったとは。

偶然ってあるんだなぁ…

まぁ、探す手間省けたから良かったけど。

せっかくなので、上がって貰って食べて貰う事にした。

 

「フッ…我が創りし天上の甘露に酔いしれるがいい」

 

しかし、ご両親の付き添いも無しにご近所に挨拶なんてしっかりした子だなぁ。

日本語もすごく上手いし、スーパー幼女と言ってもいいかも知れん。

あ、サインの件は玄関でちゃんと謝った。

伝わってりゃいいんだけど…

後はもう一枚、ブリュンヒルデでサイン書くか…

 

ん?ちっちゃい俺からの報告?

クリスちゃん達があのノイズもどきに襲われてる!?

 

「金色の妖精よ…我は……?」

 

振り返ると目の前に手を開いたキャロルちゃんがいた。

アレ?なんか眠………気が…………

 

……………

 

***

 

「ふぅ…少し我を忘れていたが、上々だ」

 

アレを少しで済ますなだと?

バカを言え、アレでも自制した方だ。

ブリュンヒルデちゃんの手料理だぞ?

気を失わなかったオレを褒めてやりたいくらいだッ!!

 

「さて、後はアイツらが片付くまでオレは…」

 

ふと、寝息を立てる目の前の天使に目が留まる。

ごくり、と生唾を飲む音が聞こえる。

 

傷付けたくなかった。

だから事が終わるまで眠って貰ったのだ。

いずれ敵対する事は避けられぬ身であろうと、彼女に魅了された事は事実なのだから。

断じてやましい気持ちなどありはしない。

 

気付けば、オレの意思を無視して勝手に彼女の整った顔に手が伸びていた。

ここまで、どうしようもなく惹かれているという事か…

あ、もう少しで触れて…

 

「アイドルへのお触りは厳禁ですよ?」

 

「なッ!!?まさか、オレの術が破られただとッ!!?」

 

いや、違う。

アレは断じて彼女ではない。

そこには彼女のものとは思えない禍々しさを放つナニカが居た。

 

「さて…ビジネスの時間です。可愛らしい錬金術師さん?」

 

彼女の顔、彼女の声でその得体の知れないナニカは酷薄な笑みを浮かべるのであった。

 

***

 

時は少し遡る。

 

「えぇッ!!?蘭子がッ!!?藤尭さんにッ!!?」

 

神崎蘭子の国外活動を支援するため、二課をベースに新設されたS.O.N.G.の本部である潜水艦の一室で、立花響と小日向未来は今にも泣きそうな顔をした雪音クリスの相談を受けていた。

 

「あぁ、今日家に帰ったら"、ぶじだがざん"に"り"ょ"う"り"づぐる"って"…」

 

泣いてしまったようだ。

 

「わわッ!!?クリスちゃん、落ち着いてッ!!落ち着いてッ!!」

 

「何かの間違いでしょ?」

 

そう言って気丈に振る舞う未来も膝がガクガク震えている。

 

「だっで、アイツ、ぶだん"り"ょ"う"り"なんで、アタシ任せなのに…急に男に…グス」

 

確かに聞いている限りかなり状況は悪いようだ。

未来など既に膝へのダメージが限界に来たようで、へたり込んでしまっている。

しかし、そんな中で響は一人冷静だった。

普段なら一番衝撃を受けてそうなのだが、周りが冷静でないため、一周回って冷静になってしまった。

 

「二人とも、ちょっと落ち着いてッ!!クリスちゃん、ちゃんと蘭子ちゃんに確認した?」

 

「じでな"い"、でも…本当だったらと思うと、怖ぇんだよッ」

 

「でも、確認しなきゃ始まらないよ。クリスちゃんが嫌なら私が聞いてくるッ!!」

 

その時であった。

 

『ノイズと思しき反応パターンを検知!!装者達は出撃して下さいッ!!』

 

疑惑の藤尭から通信が入るのであった。

 

「蘭子の手足を縛って、ずっと蘭子のお世話をしてあげれば…」

 

「未来?出撃だよ?帰ってきて?」

 

「グス…グス…チックショウ…あぁ、やってやる…殺ってやるよッ!!」

 

「クリスちゃん、目が据わってるけど、大丈夫?本当に大丈夫だよね?」

 

***

 

「呆気なくてつまらないゾ」

 

「魔を祓うという割には、案外ショボいのね」

 

「地味過ぎて話にならんな」

 

「ま、ゴミ装者共が寄せ集まった所で、ガリィちゃんの相手じゃないみたいな?」

 

「クッ…未来ッ!!クリスちゃんッ!!」

 

蘭子の件でメンタルがボロボロであったクリスと未来は、突然現れた四人の襲撃者の猛攻に為す術がなく、地に臥せていた。

元々着ていた衣服が戻らない状態で倒れている事が、シンフォギア自体が破壊されてしまった事を如実に表していた。

二人を守りながら四人を相手取るのは、響といえど分が悪すぎる。

 

「隙だらけだゾッ!!」

 

赤髪の少女のクリスタルが響の胸のガングニールのコアに突き刺さる。

 

「ぐぁッ!!蘭…子ちゃん…」

 

コアが破壊され、ギアが解除されていく…

いつも自分達を助けてくれていた、銀髪の親友の姿は終ぞ確認する事が出来なかった。

彼女が居なければ、自分はこんなにも弱いのか。

一筋の涙を流し、響は意識を手放した。

 

「さて、どうする?トドメを刺せないのが地味にもどかしいな」

 

「鏡の子は念入りにって話じゃなかったかしら?あまりにショボ過ぎて一瞬で倒しちゃったけど」

 

「そう言えばそうだったね、それじゃあ…」

 

ガリィが満面の笑みで横たわった黒髪の少女に近づく。

今まで彼女達を何度も救ってきた英雄はここには来ない。

 

「性根の腐ったガリィに目を付けられたのが、派手に運の尽きだな」

 

「ガリィちゃんはお仕事に真面目なだけだっつうのッ!!」

 

「退屈だゾ、先に帰るゾ」

 

「そうね、ガリィ一人で十分だし、ガリィの悪趣味を見てるのもアレだし、私達は帰るわ」

 

ファラの投げたテレポートジェムによって、四人のうち、三人の気配が消える。

気を取り直してガリィは未来の方に向かうが…

 

「そこまでですッ!!」

 

突然の声に振り返る。

そこには、自らが主人と仰ぐ少女に瓜二つの人物が立っていた。

 

***

 

「貴様、何者だッ!!?」

 

「嫌ですねぇ…みんなのアイドル、ブリュンヒルデですよ?」

 

「ふざけるなッ!!ブリュンヒルデちゃんがお前のような喋り方をするかッ!!彼女はもっと難解で分かりにくいけどカッコよくてそれでいて可愛い喋り方をするんだッ!!」

 

「…お、おぅ…交渉の為に言語機能を貴女に合わせたのが仇になりましたね…」

 

ん?何か心なしか引いてないか?

今のやり取りに、引く要素あったか?まぁいい。

 

「私は…カストディアンと言えば伝わりますかね?」

 

…なるほど。彼女の裏にとんでもない大物がいたものだ。

しかし、そうであれば彼女の出鱈目さにも納得がいく。

 

「で?要求はなんだ?さっさと彼女を解放しろ」

 

「話が早くて助かりますね。私の要求は、凶祓いの排除です」

 

凶祓い?あぁ、あの鏡の奴か。

 

「構わん。アレはオレにとっても敵だ」

 

「交渉成立ですね♪」

 

「人質を取っておいて、交渉もクソも無いがな。しかし、いいのか?オレの悲願が達成されれば、世界ごと無くなるというのに」

 

そう、そこが解せんのだ。

何故、コイツはオレの悲願の阻止ではなく、鏡の奴だけを指定してきたのだ?

超常の存在であれば、オレの目的も知っていそうなものだが…

 

「問題ありませんよ?()()()()()()()()()()

 

「なん…だと…?」

 

「舐めてもらっては困りますねぇ…貴女では絶対にこの子に勝つ事は出来ませんよ?ちょっと抜けてる所があるのは玉に瑕ですが、私の自慢のアイドルですので」

 

「ふざけ…ッ!!?」

 

刹那、身体に大量の鎖がまとわりつく。

 

ーGleipnirー

 

何だ、コレは?

このオレがまったく身動きも出来ないだとッ!?

 

「グレイプニル。かつて世界を呑み込む獣を縛り付けるのに利用した聖遺物です。あぁ、やっぱり貴女にはよくお似合いですねぇ」

 

くっ、彼女がこんなモノ持ってるなんて聞いた事無いぞ!?

暴食を縛るのに使っていた拘束なら、オレなら問題なく破壊できると踏んでいたのだが…

 

「普段彼女が使っている拘束はコレの残滓でしかないんですよねぇ…」

 

…やはり黒幕相手に正面からは分が悪いか。

ここは大人しくやり過ごして、後で吠え面かかせてやるのが無難か…

 

「ご理解頂けましたか?貴女では()()を体現する私のアイドルには勝ち目なんて初めから無いんですよ」

 

…今、何と言ったか?

…神を語るコイツはよりにもよってこのオレの前で何を言い放ったか?

 

「………奇跡だと?」

 

ダウルダヴラを呼び出し、鎖を粉々に破壊する。

 

「なっ!?まだ反抗するつもりなんて正気ですかッ!!?」

 

辺りの景色が変わる。

室内では被害が大きいと踏んだのか、奴が転移の術式を使い開けた場所に移動したようだ。

彼女の身体を勝手に酷使しておいて、彼女に気を使ってるのか、何なのか訳がわからんな。

まぁいい。詮無き事だ。

 

ダウルダヴラの琴を弾く。

 

♪殲琴・ダウルダヴラ

 

正直、自分で立てた計画を無視して、ここまでやるつもりはなかったのだが、最早、絶対にコイツだけには負ける訳にいかなくなった。

性根の腐ったガリィにバレたら何を言われるかわかったもんじゃないな…

だが、コイツの呪縛から、ブリュンヒルデちゃんを一刻も早く解放しなければならない。

何故なら…

 

「冗談じゃないッ!!オレは奇跡の殺戮者だッ!!」




アレ?なんだかキャロルちゃんが主人公のような…
書く作品間違えたかな?(笑)

今日はえっくしぶ!放送日ですね。
前回のCパートの引きから一週間、凄く楽しみにしてました。
流れ的にはクリスちゃんアマルガムお披露目かな?と予想してみたり…
てか、後3話で本当に終わるんですかね…?
終わって欲しくないような、完結まで見たいような複雑な心境です。

XDにグロブレビッキーが実装されましたが、キャロルちゃん実装が本当に待ち遠しいです。
まさかOGAWAが先とは思いませんでしたが(笑)
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