GX5話です。
キャロルちゃんの様子を見に行ったら、どうやら目が覚めてたみたいだ。
身体の傷は治したけど、心の傷までは治せないし、いきなり『お巡りさん、コイツですッ!!』って言われたらどうしよう…
ん?心の傷ってシンデレラの靴で治せないんだろうか?
試した事無いからわからんけど、犯人俺かも知れんのにそれやっちゃうのは人としてどうかと思うからな…今回はやめとこう。
もし、本当に犯人が俺なら誠意を込めて謝るしかない。
「ブリュンヒルデちゃんッ!!いきなり知らないババ…おばさんに襲われて怖かったッ!!」
キャロルちゃんが抱きついてくる。
よっぽど怖かったんだな…
よく出来た子だと思うけど、この辺はやっぱり子どもなんだな。
しかし、犯人俺じゃなかったか…何も解決してないし、ホッとしちゃいかんけどホッとする。
でも今BBAって言いかけなかった?
実は素の彼女は割と口悪いのかもしれない。
「金色の妖精よ。我が庇護を受けよ。安寧の時よ」
とにかく安心させてあげたいんだけど、伝わってるかなぁ…
あ、でもハグがちょっと強めになったから、たぶん伝わってるよね?
「おい、とりあえず細かい話は後にして飯にしねぇか?腹減ってるだろ?」
そういや、シフォンケーキ味見してから何も食べてないな。
妙に身体がだるいし、栄養補給しといた方がいいかもしれん。
前回もそうだけど、夢遊病明けって妙に疲れてるんだよなぁ。
まぁ、寝てる時に動いてるんだから、身体が休まってないんだろうけど。
「ブリュンヒルデちゃん。オ…わたし、もうちょっとこのままがいい」
「フッ、魂の安息を迎えるまで我が抱擁に包まれよ」
ご飯食べるにしてもキャロルちゃんが落ち着いてからだな。
しかし、下心無しで女の子と触れ合うのっていつ以来かなぁ…
まぁ、相手すると心が疲れる自称ペットの子とか、圧倒的オカンとか一部例外はあるけど、今までだいたい下心ありで接してたからなぁ…改めて振り返ると我ながら最低だな…
だけどキャロルちゃんと接してると、なんか心が浄化されていく気がする。
これが母性なんだろうか?
そういやさっきからキャロルちゃん、人見知りなのか、チラチラクリスちゃんの方を見てるけど、どうしたんだろう?
あぁ、ハグ状態で後ろにいるクリスちゃんの方見てるから、表情は見えないけど、やっぱこれくらいの年の子って、全く知らない人は恐怖の対象なんだろうな。
ただでさえ変質者?に襲われたばかりだしね。
ん?なんか心無しかキャロルちゃんが見る度にクリスちゃんの表情がどんどん引きつっていってる気がするんだけど、こっちはマジで何事?
「そ、そろそろいいんじゃねぇか?」
急にどうしたんだろう?
そんなにせっかちな嫁じゃなか…いや、割とせっかちだったな、そういや。
響ちゃんみたいに火の玉ストレートだったり、マリアみたいにきびきびしたタイプでもないけど、クリスちゃんも割とせっかちさんなのだ。
しかし、こんな小さい子まで急かすような感じのせっかちじゃなかった気がするんだけど…あ、またキャロルちゃんがクリスちゃんの方見た。
「おいッ!!さっさとそのエロガ…小娘放せッ!!」
「ブリュンヒルデちゃん、あのお姉ちゃん怖い」
ほんとどうしたんだろう?
なしてエロ?
そんな罵声をこんな性に目覚めてそうにない小っちゃい子に言わないだろうし、今のは俺に向けてだよね?
………もしかして、俺今藤尭さん疑惑に続く、ロリコン疑惑掛けられてる?
それは冤罪だよ、クリスちゃん…
確かにキャロルちゃんは可愛いし、数年後には絶対に美少女になるだろうけど、今時点では幼女だし誓ってやましい気持ちなんか無いよ?
まぁ、日頃の行い的に俺が言っても説得力皆無だろうけどね…
「ただいまデースッ!!」
「闇に飲まれよッ!!蘭子、貴女のペットが帰ってきたよ」
あぁ…結局ドタバタ状態のまま、災害級のややこしい子が帰ってきちゃったかぁ…
マリア、早く帰って来ないかなぁ…
とりあえず、みんなにキャロルちゃん紹介するか…
***
「我が新たな眷属、金色の妖精よ」
「へぇぇ、キャロルちゃんって言うんだ、よろしくねッ!!」
「……ふん」
…響ちゃんといい、マリアといいたまに凄いよね。
この謎翻訳の固有名詞を解読できるってどういう原理なんだろう?
しかし、紹介したはいいけど、やっぱりキャロルちゃんは人見知りなのか、俺の後ろに隠れてて出てこない。
「じー」
あぁ…やっぱり一番大人しくしといて欲しい子が大人しくしてる訳無いよね…
でも、無垢な子なんだからお手柔らかに頼むよ?
「な…何?オ…わたしに何か用?」
「蘭子のペットになりたいなら先輩ペットの私に敬意を…」
「調は黙ってるデスよッ!!」
「切ちゃんッ!!?まだ大事な話が…」
切歌ちゃんガードが発動した。ナイス
なんでそこのマウントを取りたがるのかよくわからんし、いきなり先輩ペットとかいうパワーワードはドン引きだと思う。
そもそも我が家にペットは居ない筈なんだけどなぁ…
「ペット……そういうのもあるのか」
無いよッ!!ほんとに無いからねッ!!
なんでよりによってそこ納得しちゃうかなッ!!?
「やっぱり素質はありそう…もしかしたら逸材かも」
一体何の素質だよ…
ドM界のスカウトか何かなの?
スカウトされたらドMになるとか訴訟レベルだよ…
しかし、良いのか悪いのか判断が難しいけど、いきなり強烈なのが出てきたせいか、さっきよりキャロルちゃんのA.T.フィー○ドが薄くなってる気がする。
相変わらず、何故かクリスちゃんとは険悪ムードだけど、切歌ちゃんと響ちゃんがデスデス言ったりお気楽発言したりしてうまくフォローしてくれている。
二人とも色んな意味で個性の強い相方がいるせいか、こういった気遣いはとても上手い。
ん?そういや、さっきからその個性の強い未来ちゃんが静かだな…
「ところでキャロルちゃん。何を隠しているのかな?」
静かだと思っていた未来ちゃんが満を持して爆弾を投下した。
***
「未来?隠してるってどういう事?」
「キャロルちゃん、右利きだよね?さっきから左側ばかり気にしてるし、頻繁に口元を隠してる。典型的な隠し事をしてる人の反応だよ?」
……鋭いな。まさか、十数年しか生きていない人間に見抜かれるとはな…
「当ててみようか?私達を襲ってきた四人とキャロルちゃん、関係者なんじゃないかな?新しい敵が出てきたタイミングで蘭子に近付いてくる、偶然にしては出来すぎてるよね?」
オレにとってはブリュンヒルデちゃん以外はどうでもいい奴らだが、これであれば神とやらがあそこまで警戒するのも納得がいく。
「それに、極めつけは蘭子が来なかった事とキャロルちゃんの怪我。蘭子に意識が無かったのなら、私達にはその理由がわかるの。大方、蘭子を引き付ける役割で眠らせるか何かしたけど、アレが出てきてやられたって感じかな?」
「…証拠は?」
「無いよ?でも、強いて言うならそうやって証拠を聞くところかな?的外れなら、意味わからないって反応になるよね?」
…認めよう。
オレの悲願の最大の障害は確かにコイツだ。
「そんな…キャロルちゃん」
「いまいち理解が追い付かないデスが、悪い子なのデスか?」
「…ん?私の同志の可能性は?」
…一緒にするな。
確かにブリュンヒルデちゃんのペットというのが魅力的なのは認めるがな。
しかし、このタイミングで暴きに掛かるという事は余程勝ちを確信していなければ出来ないだろう。
3人が戦闘不能、残る2人もLiNKER頼みの後天的適合者しか居ない状況で?正気か?
ブリュンヒルデちゃんだけでは不確定要素の方が強い筈なのだが…
…ん?待てよ…つまり、残る1人、あのスレの14番がこの部屋の何処かに潜んでいて、いつでもオレを攻撃出来る状況にあるという事かッ!!
このオレに気配すら感じ取らせないとは、ずいぶん
さて、どうする?
ブリュンヒルデちゃん…愛でる対象であり戦うなど論外だ。
シンフォギア装者どもは…取るに足らんが、姿を見せない14番の存在が不気味ではある。
八方塞がりだな。
カストディアンとの戦闘の消耗が大きいし、強行は愚策か。
「…ここは退かせて貰おう」
「そう…気をつけて帰ってね?」
イヤミかッ!!貴様ッ!!
いや…言葉通りなのだろうな…
余程、14番の戦闘力に自信があると見える。
アイツらがむざむざ破壊されるとは思えんが、オレの指示の割にコイツの傷が少ないのも気になる。
やはり、14番の横槍が入ったと見るべきだろう。
「金色の妖精よ…」
…ブリュンヒルデちゃん。
こんな形の別れになるとは思わなかったが、次に会う時は敵同士という事か…
…敵同士、まるでロミオとジュリエットのように惹かれ合う2人、高い障害に燃え上がる恋……アリだな。
「ブリュンヒルデちゃん、またね」
テレポートジェムを使い、チフォージュ・シャトーに帰還すると、待機していたオートスコアラー達の姿が見える。
無事だったか…もしあの場で破壊されていたら、全てが台無しになる所だった。
敵もなかなかにやるが、計画は続けられるな。
「あら、随分と遅かったですね。夕べはお楽しみですか?マスター?」
コイツ、いちいち一言多いな…
オレの中にも、コイツみたいな部分があるという事になるから余計に気が滅入る。
「ガリィ、奴らの隠し戦力についてまずは報告しろ」
14番だけは要警戒だ。
オレの勘が正しければ、ガリィ達と接触ないし戦闘している筈なのだが…
「隠し戦力?………あぁ、アレの事かなぁ?」
やはりかッ!!
あの場で事を起こさなかったのは正解だな。
よもや、カストディアン以上という事はあるまいが、オレの消耗も大きかったしな。
「なんか…とんでもなく強いオッサンでしたよ?」
………さすがにこれは予想外だ。
シンフォギア装者だよな?
オッサンが歌いながら攻撃してくるとか、最低最悪で実にオレに対して効果的な嫌がらせだ。
そりゃあ奴が自信満々になるのも納得がいく。
初見殺しもいい所だ。
本当にあの場で戦っていたら、この身体を廃棄する事になっていたかもしれんな…
ブリュンヒルデちゃんとのハグの感覚が残ったこの身体、簡単に廃棄する訳にはいかなくなったからな。
***
理解が追い付かない。
あれだけ無邪気に接してくれてたキャロルちゃんが敵だったらしい…
「未来、お前アイツがなりふり構わず襲ってきたらどうするつもりだったんだよ?アタシら、今戦えねぇんだぞ」
「うーん、何て言ったらいいのかな?あの子、たしかに敵だし、隠し事もしてたけど蘭子に好意を持ってるのは本当みたいだったし、無茶な事はしないと思ったからかな?クリスもそれは感じてたんじゃない?」
「あぁ…思い出したらムカついてきた。確かにアイツは色んな意味で敵だわ」
…マジでどうしたらいいんだろう。
クリスちゃん達を戦わせるのも、あの金髪幼女と戦うのも、どっちも嫌だ。
何とか平和的に解決出来る方法を考えなきゃいかんな…
「へいき、へっちゃらッ!!蘭子ちゃんの事が好きって気持ちが本当なら、私達はきっと手を繋げる筈だよッ!!」
…響ちゃんの言葉には救われてばかりだ。
太陽のように眩しい自慢の親友だよ、本当に。
「蘭子の事が好きだけど、敵対する?…やっぱり私と同じ匂いがする」
…………響ちゃんとの落差よ。
君との戦い、ほぼ全部トラウマなんだから、もう一回アレやるとか絶対無理だよ…
「蘭子さん、アタシは1人で手一杯デスよ?」
うん…そんな保険かけなくても俺もこれ以上増やすつもりはないからね?
***
某事務所風亜空間。
『………ババアでもおばさんでもないですよぅ…まだ若いし、イケるし』
その領域の主、千川ちひろは観察対象を観察中に精神に大ダメージを受けていた。
こうかはばつぐんだ。
『そもそもそんな事言ったら、貴女だっておばあちゃんじゃないですかッ!!?』
世の中、見た目に勝る情報はさほど多くはない。
幼女はどう見たって幼女なのだ。
現実は非情である。
キャロルちゃん、勘違い発生(笑)
今日はXV放送日です。
今日こそ、満を持してアマルガムクリスちゃんの筈…
そして、いつも通りなら、特殊ED黒背景の12話ですね。
11話で393の意識がまだ生きてる希望が見えましたが、どうなるか楽しみです。
…ほんとに後2話で完結できるんでしょうかね?
13話が1時間スペシャルでも不思議じゃないレベルです。