お気に入りがスゲー数に…
ありがてぇ。
これからも我が魂の赴くままに!
「てめえが勝手にやったんだ。礼は言わねえぞ」
無事、おっぱいちゃんとドスケベ聖遺物の分離には成功したんだが…
うーん、このツンツンっぷりがたまりませんなぁ!
「ていうか、さっきのアレは何だよ?あり得ねぇだろ!」
何だと言われても、俺にも良くわかってないし、説明しても伝わらないだろうしなぁ…
まぁ、そんな事より、
「我が現世での仮初めの名は、神崎蘭子という」
自己紹介もまだだったしね。
あのツンツンぶりだと答えてくれそうにないだろうけど、こういうのはこっちからはちゃんとやっとかないとね。
「………雪音クリスだ」
おや?意外と素直だな…
「んだよ、こっち見んじゃねぇ!」
うーん、まだまだ雪解けには時間が掛かりそうだなぁ…
***
あれから1週間。
次の任務まで特にやる事も無く、ノイズもピタリと出てこなくなったので、平穏な日常を満喫している。
「でね、蘭子!こういう時アニメだと、スゴい超展開になるんだよ!」
この娘はクラスメイトの板場弓美ちゃん。
アニメをこよなく愛する女の子だ。
俺の残念言語にいたく感銘を受けたらしく、こうして良く話しかけてくるようになった。
「魂の友よ。神が
「相変わらずランランの言う事は難しいなぁ…」
この娘は安藤創世ちゃん。
個性的なアダ名を付けるのが好きな娘だ。
例に漏れず俺にも名付けられた結果、なんかパンダみたいになっている。
「何を言っているかわからないからこそ、ナイスです!」
この娘は寺島詩織ちゃん。
お嬢様っぽい感じで、どんな事でも褒めてくれる。
この娘が「ナイスじゃないです」って言う事あるんだろうか?
嫌われたくはないけど、一度でいいから言われてみたい。
変な扉開けちゃいそうだけど。
「では、魂の友よ!来るべき時に備え、魔力を蓄えようぞ!闇に飲まれよ!」
「じゃあねぇ蘭子、やみのま~」
「ランラン、やみのま~!」
「やみのま、ナイスです!」
みんなと別れる。
ちなみにさっきの「やみのま」は俺の挨拶の略語だ。
「お疲れ」とか「さよなら」を言おうとした時に出てくる「闇に飲まれよ」が元で、数ある俺の残念言語の中でもトップクラスの意味不明さなのだが、利用頻度が高いので割と浸透されており、最近ではクラスの流行語になってたりする。
とりあえず、今日も平和で何よりだ。
それに、最近は日々充実しているのだ。
なぜなら、
「楽園からの帰還よ!」
「おう、おかえり。きょ、今日は煮物作ってみたんだ…か、勘違いすんじゃねぇぞ!テレビで見てアタシが食べたかったから作っただけだからな!」
ツンデレな嫁が出来た。
***
『では続いてのニュースです。黒木防衛大臣が昨夜未明、何者かに殺害されているのが見つかり…』
おっぱいちゃん改めクリスちゃんと二人、夕食を食べながらテレビを見る。
うわっ、この近くじゃん。
物騒だなぁ…戸締まりしっかりしなきゃ。
ていうか、
「豊穣の女神よ…」
「ん?どうした?…も、もしかして口に合わなかったか…?」
いや、そういう事じゃない。
俺は女の子の手料理なら、響ちゃんの物体Xや未来ちゃんの全く味のしないハンバーグでも完食した実績がある。
むしろ無茶苦茶美味しい。
問題は…
「魔力濁り混沌せし円卓!」
そう、クリスちゃんは食べ方がもんのスゴく汚いのだ…
それはもう大惨事レベルで…
「し、仕方ねぇだろ!?食事マナーなんて習っちゃいねぇんだよ!」
ほほう、毎日口酸っぱく言ってんのにまだ言い訳するか…
そっちがそういう態度ならこちらにも考えがある。
「ならば今宵は我が魔力の波動は…」
「だぁぁ、アタシが悪かったよ!これでいいんだろ!」
うん、一緒に寝てあげないってだけなんだけどね。
なんかしらんが寝る時だけは普段ツンデレなのが嘘みたいにデレッデレになるのだ。
ん?不健全?
やだなぁ、至ってKENZENだよ?
「じゃあ、おやすみ…なぁ、いきなり居なくなったりしねぇよな?手、握っててもいいか?」
だって本当に寝るだけだからね…
チクショウ…
***
「では了子君、蘭子君、頼んだぞ!」
次の任務の日が来た。
なんかデュランダル?とかいう完全聖遺物の移送の護衛だ。
この前テレビで見た防衛大臣殺人事件で他国の介入が濃厚になり、二課で預かっているコイツを別の場所に移すというのが建前らしい。
というのも、直前に弦十郎さんから呼び出されて、黒幕を炙り出す為のおとり任務なので、相手が人間なら撤退して欲しいと言われている。
ノイズなら問答無用で殲滅でいいらしいが。
女子高生を人間同士のいざこざに巻き込みたくないとの事だ。
見た目はゴツいのにいい人なんだな。
てな訳で早速了子さんの運転する車にデュランダルを持って乗り込んだ訳なんだが…
「輪廻せし世界!?」
「しっかりつかまっててね!舌噛むわよ!」
運転粗いよ!この人!
もう絶対に二課の人が運転する乗り物には乗らない!
***
なんとか発砲しながら追跡してくる車を撒いたみたいでようやく、少し落ち着いた。
「ところで蘭子ちゃん」
ん?どうした?
「蘭子ちゃんの力、私が作った覚えが無いんだけど、どこでどうやってそれを手に入れたのかしら?」
まぁ、この人も研究者だしそりゃ気になるよね…
「我が魔力は生来の物故、
でも、こう答えるしかないんだよね。
「そんな…それこそあり得ないわ?だって貴女、聖遺物を使ってるじゃない?メディカルチェックでも響ちゃんみたいな反応は無かったわよ?」
うーん、やけに追及してくるな。
しかし、
聖遺物すら自由に生み出せる能力なんて信じられないだろうしね。
「我にも解らん。我が目醒めし時にはあった故」
こう答えるしかない。
「謎は深まるばかり…ね。…まずいわ」
気付けば周囲から次々と異形が現れる。
「ノイズよ」
***
とりあえずノイズを殲滅したのはいいが、俺の歌によってデュランダルが起動してしまったらしい。
んで、デュランダル起動と共に銃を携行した団体さんのお出ましである。
撤退していいと言われているものの、下手に動くと人質にされている了子さんが撃たれかねない。
さて、どうするかね?
「そいつを渡して貰おうか、人質と交換だ」
俺の手にあるデュランダルを要求される。
まぁ、当然だよね。
仕方ない。とりあえず渡して、了子さんが解放された後にフルボッコなら弦十郎さんも許してくれるよね?
デュランダルを渡す。
「禁忌の追求者を解放せよ!」
「では、君は用済みだ」
男が俺に向けて発砲する。
まぁ、防ぐのは余裕だ。
余裕なんだが…
「雄ォォォォォ!!!!」
防ぐまでも無かった。
急に空から弦十郎さんが降ってきて、地面をパンチした衝撃で地面が隆起し、銃弾を防いだ。
コンクリート畳返しである。
………なにそれ?
「てめえら!子どもに銃を撃つなんざ外道のやる事だ!」
お次は大地を強く踏むと、衝撃波で数人が行動不能になっている。
中国拳法の震脚だったっけ?
威力とかなんか色々とおかしいけど…
そもそもなんで攻撃判定出てるの?
そう思っている間にもまるで竜巻みたいに人間を投げ飛ばしたり殴り飛ばしたりしている。
全部飛距離がおかしい。
え?これ全部生身でやってんの?
なんか俺の中で人間のカテゴリーに入れたくなくなってきてるよ?
本日は快晴、ところにより風鳴弦十郎が降るでしょう。アハハハハ
俺が現実逃避してる間に相手は虚しい抵抗の甲斐もなくほんの数秒で全滅していた。
ヤバいな…俺、チート持ってる筈なのにいざ戦ったら全然勝てるビジョンが見えねぇよ…
***
弦十郎無双が終わって、デュランダルも回収出来たし、任務完了かな?
まぁ、こんなお粗末な奴らが黒幕とは思えんけど。
「蘭子君」
ジャパニーズ呂布に呼び止められる。
「む、無双の戦神、何用か…?」
先ほどの恐怖映像が思い出され、少し声が上擦ってしまう。
「む?俺の事か…?いや、すまなかった。君たち子どもに大人の醜いやり取りを見せるつもりは無かったんだがな」
…ホントにいい人だな。
司令が軽く頭を下げるのはどうかと思うが…
「些末な事よ…我は楽園に帰還する!闇に飲まれよ!」
「やみ…?う…うむ、許可しよう。お疲れさん」
はー疲れた。
ノイズ瞬殺しただけだからそんなに働いて無い筈なんだが、色々と精神的疲労がキツい。
早く帰ってクリスちゃんのおっぱいに癒されよう。
「蘭子ちゃん」
今度は了子さんか…
てか妙に近い。
「どうやらバレてるみたいだから言うわね?単刀直入に言う。私に付く気は無いか?」
………はい?
今回はそのまま
不滅の聖剣=デュランダル
フィーネさん、痛恨の勘違い。
勘違い発生箇所は何処かな?
今回のおまけ
各々の固有名詞はランランの心境によって変化します。
響:我が友→輝き持つ者
未来:我が友→???
翼:蒼の歌姫
奏:紅き歌姫
クリス:豊穣の女神
三人娘:魂の友
OTONA:災厄の獣→無双の戦神
了子:???→禁忌の追求者