チート転生したらしいが熊本弁しか喋れない   作:祥和

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感想欄が熊本弁で埋まっててヤベーです(笑)

お気に入りが3000を突破しました…
マジで困惑してます…


第7話 終焉の巫女

ちょっと待って?

いきなり何言ってんの、この人?

 

「禁忌の追求者よ、如何なる…」

 

「そう、それだ」

 

どれだよ!?

 

「禁忌の追求者か…どうやってそれを知ったか興味深いところではあるが…ハッ、もはやバレているのであれば取り繕う必要も無い」

 

了子さんが超めんどくさそうな髪をほどいて、眼鏡を外す。

わぉ、ちょっとばかし歳はいってるが、超美人さんだ。

そのワガママボディも合わさって、是非おねショタとかやって欲しいです!

 

「バラルの呪詛を解き放つ直前まで、この姿を晒すつもりは無かったのだがな」

 

ところで、さっきから何言ってんの、この人?

全然訳わからんのだけど、もしかして実は黒幕でしたパターン?

え?何?俺の残念言語で勝手に勘違いして、自分から暴露しちゃってる感じ?

なんかちょっと申し訳ないし、気の毒になってきたな…

 

「では交渉といきましょうか」

 

了子さんの酷薄な笑みが濃くなる。

いや、別に俺にメリットなさそうなんだよなぁ…

おねショタをやってくれるなら一考の余地はあるが。

 

***

 

「まずはこちらの要求から」

 

了子さんがなんか勝手にべらべら喋りだした。

なんでも、ネフシュタンとイチイバル?が無くなって、了子さんの現状の手持ちはノイズを呼び出せる道具だけになってしまったらしい。

 

オカシイナー、ダレノセイカナー?

 

イチイバルってのはよくわからんけど、ネフシュタンってあのドスケベ聖遺物だよね?

ソイツならウチの漬け物石にジョブチェンジしてるけど、アレってそんなに大事だったの?

 

んで、最終的には月を破壊して、統一言語とかいうコミュニケーション手段を手に入れたいので協力して欲しいとの事だ。

 

なるほど、わからん。

 

ただ言えるのは、

 

「我に栄誉が見当たらんではないか」

 

そう、ぶっちゃけ何のメリットもない。

メリットもなく手伝ってなんて労働基準法違反も甚だしい。

だから…ね?おねショタしよ?

 

「メリットは無いかもしれんが、デメリットならあるではないか」

 

………おい、もしかして…

 

「断った場合、大事なお友達がどうなるかしらね?」

 

「我が同胞に手を出すな!我が(さか)(うろこ)に触れれば、百度輪廻しようと消せぬ業火でその魂を焼き尽くしてくれようぞ!」

 

強い口調でそう返す。

()()だけは絶対に許さない。

 

「…まさかそこまで知っているとはな…ホントにお前は何処まで知っているのだ?」

 

…おや?またなんか勝手に勘違いしてない?

 

***

 

「かつての先史文明時代…私は神に仕える巫女の役割を持っていた」

 

またなんか聞いてもないのに勝手に語り出した。

自分の事をフィーネと名乗り出した彼女は、自分の動機について話しだした。

 

…うん、簡単に言うと、神様に1万年と2千年前から恋しちゃってるから告白するの手伝って?って事らしい。

 

えぇ……どんだけ重いんだよ…

ドヘヴィじゃねぇか…

愛が愛を重すぎるって理解を拒んじゃうよ?

…さて、この神という存在に心を奪われた巫女さんどうするかね?

 

なんか色々と同情の余地はあるし、可哀想ではあるんだけど、ノイズとか色々使って悪い事してるしなぁ…

 

「断る」

 

結局出した答えは否、だ。

たとえ俺の周りが無事でも、それ以外への被害が大きすぎる。

それに、まだ見ぬ美少女が出逢う前から死ぬかもしれないような事に手を貸すつもりはない。

 

「交渉決裂…ね。で、見逃してくれるのかしら?」

 

そうだな…今ここで捕まえてしまうのが正解なんだろうが…わざわざ自爆して気の毒なのもあるし…

 

顎でさっさと行けとジェスチャーする。

 

「甘いのね、私を見逃した事を後悔しなければいいがな!」

 

そう言い残して了子さん改めフィーネさんは去って行った。

 

まぁ、確かに甘いんだろう。

だけど…どれだけ悪事を働こうが、たとえ数千年生きていようが、彼女は紛れもなく、()()()だった。

相手が女の子なら…出来る限り応援してあげたいじゃないか。

 

***

 

はぁ…なんかどっと疲れたな…

早く帰ってクリスちゃんに癒して貰おう。

 

そう思いながら帰路につくのだが…

ん?家の電気消えてら…クリスちゃんは買い物かな?

クソ、おっぱいはお預けか…

まぁ、いつもお預けなんですけどね。

 

おや?…おかしいな。鍵が開いてるぞ。

もしかして…

 

嫌な予感を押し殺しつつ、急いでリビングに駆け込み電気を付けると…

 

「豊穣の女神よッ!!」

 

「おかえり、蘭子」

 

「蘭子ちゃん、おかえり」

 

「ムグゥゥ!ムグ!ムグ!」

 

手足を縛られ猿轡を噛まされた我が嫁と、目からハイライトさんがお留守になった親友二人が待っていた…

 

…え?どういう状況?

 

***

 

なんかクリスちゃんと二人、正座させられている。

目の前の二人の威圧感がヤバい。

浮気がバレて愛人と一緒に正座させられている世の既婚男性の気分だ。

結婚した事無いからよくわからんけど、きっとこんな感じなのだろう。

 

「で?説明してくれる?」

 

「この娘とはどういう関係なのかな?」

 

嫁です…とはとてもじゃないが、言えそうにない。

ていうか、さっきから視線が痛い。

 

「だからアタシは…!」

 

「黙って?私は蘭子の口から聞きたいの」

 

oh…未来ちゃんが怖いよ…

いつもの天使みたいな笑顔は何処に?

 

はぁ…答えるしかないか…

 

「豊穣の女神は…我が眷属よ」

 

「ハァッ!?お前ッ、こっ恥ずかしい事言ってんじゃねぇよ!」

 

クリスちゃんが一瞬で真っ赤になる。

うん、仕草含めて大変可愛いんだけど、ちょっとタイミングが悪いかなぁ…

と思ってると、俺とクリスちゃんの間を包丁が通り過ぎる。

 

………

 

「ねぇ、余り目の前でイチャイチャしないでね?我慢できなくなるから」

 

響ちゃんまでそんなドスの利いた声出してどうしたの?

というより、これは一体どんな状況なの?

 

「響、これは…」

 

「うん、そうだね…」

 

と思ったら、なんか二人でひそひそ話を始めた。

所々、「距離が…」とか「作戦は…」とか聞こえるけど、何の相談だろうね?

足痺れてきたし、そろそろ解放してくれないかなぁ?

 

結局二人の出した結論は…

 

「今日は私達も泊まるから!」

 

「蘭子の嫁に相応しいか、私達がチェックするからね?」

 

という事らしい。

はぁ…友達想いを感謝すればいいのか、やり過ぎを指摘した方がいいのか、よくわからんな…

 

結局、夜一緒に寝ているのが二人にバレて、また一悶着あったのだが、なんとか二人にもクリスちゃんを受け入れて貰えそうな感じだった。

 

***

 

あれから数日、姿を晦ましたフィーネさんは特に行動を起こしていないので、平和な日常が続いている。

 

変わった事と言えば…

 

「よし!響君!次はこの映画の特訓だ!」

 

「押忍ッ!!」

 

「あいつらも毎度良くやるよなぁ」

 

「あぁ、だが立花らしい」

 

「輝き持つ者の魂が滾っておるわ」

 

響ちゃんが地上最強の生物(仮)に弟子入りした。

そんで、その様子を奏さんと翼さんと三人で眺めている。

 

なんでも、守られるばかりはもう嫌だ、という事らしいんだが、ちょっと目指す高みが高すぎる気がする。

その人、たぶん俺でも勝てないよ?

 

「さぁ!こいつら相手に組み手だ!」

 

「押忍ッ!!よろしくお願いしますッ!!」

 

今日のは木○拳かな?

ホント…毎回何処から特訓セット持ってくんのかね?

 

まぁ、向こうさんは簡単には諦めないだろうし、戦いに備えるのは悪い事じゃない。

ただ、戦う事になったとしても、響ちゃんに戦わせるつもりが俺にないだけで。

 

「しかし、立花もなかなか様になってきたな」

 

翼さんが響ちゃんを褒める。

おぉ、翼さんに褒められるって事は相当だな。

努力してるって事か。

 

やっぱり、がんばってる女の子はキラキラ輝いていて、見ていて応援したくなるものだ。

特に、特訓中は凄い揺れるしね!

何処がとは言わないけど。

 

「そうだ、神崎。これを渡しておこう」

 

翼さんからチケットを渡される。

 

「私の次のライブのチケットだ。神崎には是非聴いて貰いたい」

 

おぉ、久しぶりのライブだ…

クリスちゃんと一緒に行こう。

なんか歌は嫌いとか言ってたけど、最近のクリスちゃんなら押せばいける気がする。

 

「そんな事言って、昨日までどうやって渡そうか散々悩んでたんだぞ?」

 

奏さんに抱き寄せられて、耳打ちされる。

軽く当たるおっぱいが最高です。

 

「ちょっと、奏!?それは言わないで!!」

 

「アハハ、後輩の前でカッコつけたかったみたいだけどな!翼は翼だ」

 

「むぅ、やっぱり奏は意地悪だ」

 

かわいい(かわいい)。

 

やっぱりこの二人の距離感はいいなぁ…

なんと言うか二人共全然遠慮が無い。

 

「蒼の歌姫、紅き歌姫…感謝する」

 

「来る日に備え、我も魔力を蓄えよう!闇に飲まれよ!」

 

「おぅ、やみのま~」

 

「闇に…?え?え?」

 

「やみのま」と返す奏さんと戸惑いながらも目をキラキラさせる翼さんと別れ、俺も色々と準備に向かうのだった。

 

この日常を壊さない為にも、やれる事はやっとかないとな。




今回もストレート
終焉の巫女=フィーネさん

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