Inferior Stratos   作:ユキ (旧 rain time)

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 インフィニット・ストラトス、通称IS

 天才科学者、篠ノ之束が開発した宇宙用パワードスーツであり、本来は宇宙進出のためのものだった。

 しかし、自身の開発したISが最先端すぎたがゆえに誰も見向きもしなかった。そんな中、ISの名を有名にさせる事件「白騎士事件」が起こる。

 世界各地の軍事基地が何者かにハッキングされ、日本に2341発のミサイルが発射されるものの、一機のIS≪白騎士≫がほぼ破壊、その後このISを確保しようとした現存の戦闘機を撃墜、破壊した事件である。

 

 この事件により、ISは世間で有名になった。宇宙進出ではなく兵器として。

 開発者の束は各国からISを作るように指示したが、ISのコアを467個作ったのちに姿をくらます。

 さらに、このISは女性にしか反応しないという欠点があった。これによって世界は女尊男卑という風潮が広まり、多くの男性が被害を被っている。

 

 

 僕もその一人だ

 

 姉は僕が小3の頃に初代ブリュンヒルデとなった天才だった。兄も天才で剣道も勉学も優秀だった。そのせいで僕は家族の、織斑家の出来損ないとして迫害された。

 兄弟だけでなく周りの人、幼馴染というものから理不尽な暴力を振るわれ続ける毎日を送っていた。

 でも、そんな生活が終わりを迎えそうだ。

 

「おい、ちゃんと連絡したんだろうな」

「したさ、今連絡待ちだ」

 

 誘拐されたのだ。ご丁寧に椅子に括り付けられ、手足も縛られている。どうやら身代金目的の誘拐だろうが、どのみち関係ない、僕は殺される。

 

「大変だ!織斑千冬から連絡があった!」

「どうした?こっちに向かってくるのか」

「違う!『織斑一夏は知らない』といって、それから連絡がないんだ!」

 

 やっぱり。僕はどうやら家族としてみてくれていなかったようだ。

 もう死ぬんだな。

 

「どうする?このガキ」

「依頼主はなんて言ってる?」

「それが全く連絡が取れなくて」

「そうか・・・」

 

 誘拐犯のリーダーらしき男が考え込む。そして僕に話しかけてきた

 

「坊主、お前はどうしたい?」

「?」

「生きたいか死にたいか。お前の境遇は知っている。死にたいっていうなら苦しまずに殺してやる」

 

 こんな人生なんだからもう死んでもいい。家族にも見放されたんだから。

 

 

 でも、

 

 

 そんな中でも味方になってくれる人は少なからずいた。

 その人たちは悲しむだろうか?

 

「僕の味方になってくれた人は僕が死んだら悲しむ?」

「ああ、悲しむさ」

 

 リーダーの男は僕の質問に答えてくれた。

 そうか、それならどんな形でも恩返しがしたい。生きていつか会いたい・・・

 

「・・・生きたい」

「そうか、わかった」

 

 そう言うと男は縛っていた手足の縄を切ってくれた

 

「リーダー!いいんですか、もし依頼主にバレたらまずいっすよ!」

「いや、いい。どうせ連絡が取れないんだろう。いくらでもごまかせるさ」

「でも・・・」

「その時は俺が腹くくるさ」

 

 どうやら僕のことを見逃してくれるらしい

 

「どうして・・・どうして僕を殺さないの?」

「どうしてだろうな、俺にもわからん」

 

 なんでだろうな、と男がつぶやく。そして僕にこう言った

 

「いいか、あそこにある大きいタワーがあるだろう?そこに向かって歩くんだ、わかったな?戻ってくるんじゃねえぞ」

 

 僕はこくりとうなずくと後ろを振り向かずに歩いた。

 

 

 

 

 

 

 

「どうしてですか、リーダー」

「うん?」

「やっぱり逃がすのはまずいんじゃ?このことを言われたりしたら俺たち捕まっちまいますよ」

 

 確かにあの坊主がこのことを言ったら俺たちは逮捕されるだろう。ただ、俺にはある予感がした

 

「あの坊主はいつか大成するって俺の勘が言ってた」

「はあ?」

「それに、捕まっても殺してなければ罪はまだ軽くなるしな」

「確かにそうですけど・・・」

 

 仲間は納得してくれないようだ。ただ、あの坊主はそのうち大きい人間になる気がしたのだ

 まあ、殺したくない、生きてほしいという俺の単なるエゴなのかもな・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハア、ハア・・・」

 どれほど歩いたのだろうか、タワーに向かって歩いているが一向に近づく気がしない。人が多くなったが誰一人僕に見向きもしない、それにここがどこかもわからない

 

「戻ろうか・・・」

 

 いや、戻ってくるなと言われたし、戻ったとしても誰もいないかもしれない。もしかしたら今度こそ殺されるかもしれない

 そんな状態でもなんとか広い通りには出れた、僕は道にあったベンチに座り体を休める

 

「・・・?」

 

 なんだろう、何かが引っかかる。この町は僕のいた町と何かが違う。

 

 なんだろう・・・

 なん・・だろ・・・

 

 そして僕は疲れからか意識を手放してしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・うん・・・?」

 

 目を覚ますと見知らぬ天井があった。確か僕はベンチで意識を手放して・・・

 

「あ」

 

 僕と同じくらいの少年がのぞき込んできた。

 

「じいちゃん!目覚ましたよ!」

「こら、大きい声出すんじゃない。びっくりしてしまうだろう」

「あっ、ごめんなさい」

 

 そういってキッチンから頭が真っ白なおじいさんが出てきた。男の子は僕に大きい声を出したことで謝ってきた

 

「いや、大丈夫・・・」

 

 いままで、暴言や罵倒されたことしかなく、謝罪されたことはなかったからあいまいな返事しかできなかった

 

「ところで、君の名前は?」

「お、織斑一夏・・・です」

「一夏君か、君のお父さんやお母さんはどうした?」

「・・・親はいません、兄弟には捨てられました」

「「!」」

 

 なぜかわからないけど、僕は正直に答えた。でもどうせこの二人も僕のことを悪く言うだろう。だって、僕は織斑家の・・・

 

「大変だったね」

「!?」

 

 いきなり男の子にやさしく抱きしめられた。突然のことで僕は何も動くことができなかった。

 

「痛かったよね、つらかったよね。でも大丈夫、僕たちはそんなことしないから、ね」

 

 やさしかった。嬉しかった。同い年の男の子にそんな風に言われたのは味方だった人以外で初めてだった。おじいさんも僕の背中をさすってくれた

 

「つらいことを今吐き出しておきなさい。私たちは君の味方だよ」

 

 気が付くと僕は涙を流した。今までつらかったこと、今やさしくしてくれること、いろんな感情がごっちゃになって気持ちが晴れるまで泣き続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから彼らは自身の紹介をした。おじいさんは「遠藤幸雄(ゆきお)」、男の子は「遠藤雪広(ゆきひろ)」という名前であること、雪広と同じ小6であること、二人暮らしでいること

 

 そして二人は血がつながっていないということ。

 

 雪広は家族に迫害されていて、学校にも通えずに親、特に父親からひどい暴力を受けていた。母親も見て見ぬふりをする親である時を境に家からいなくなったらしい。雪広はそのまま衰弱していったが、たまたま入った強盗のおかげで一命を取りとめ、孤児院に入り、幸雄おじいさんに引き取られて、今に至っている

 

 僕も自分自身のことを話したら、「そんな兄弟は兄弟じゃない!クズだ!!」と二人とも怒ってくれた。本当にうれしかった

 

 話をするうちに幸雄おじいさんは僕にこう言った

 

「家族にならないか?」

「え?」

「もちろん、無理強いはしない。君が良ければだが」

「でも・・僕何も持っていないし・・」

「大丈夫だ。3人で生活できる金は持ってる。安心しなさい」

「一緒に住もうよ、一夏!」

 

 もう、迷うことなんてない

 

「よろしくお願いします、幸雄父さん、雪広兄さん」

 

 こうして、僕は新たな家族の、遠藤家の一人となった。




 ということでストーリーが始まります
おおまかな時間軸としては一夏の年齢視点で

小1 白騎士事件

小3 第一回モンド・グロッソ

小5 鈴と出会う

小6 誘拐される

という流れです
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