Inferior Stratos 作:ユキ (旧 rain time)
お久しぶりです。学業が鬼のようにきつく、時間が取れなかったです
前回の展開でお気に入りの数が減るかと思いましたが、新たにお気に入りにした人もいて、トントンでした
今回はフラグ回収です
チビが学園から去った二日後の午後4時半。太陽がやや傾き始める時間帯に自分は屋上にいる。本来なら今日は学年末トーナメントの続きだったのだが、チビの件もあり一年生と二年生は一回戦のみの実施となり、予定よりも早く終わってしまった。
「はあ・・・」
手すりに体重をかけ、景色を眺めている。空は雲が覆い、今の心情を表しているかのようだ。ガチャリ、と扉が開く。簪が来たのだろう。
今日、簪に告白の答えをするのだ。午後5時に屋上に来てくれと言っておいたから、かなり早く来たようだ。今まで結果的に逃げてしまっていたが、もう逃げない。
「早かったな、かんざ・・・」
簪だと思って振り向いたが、そこには予想外の金髪の少女がいた。
「こんにちは、雪広」
「あ・・・え・・・?ど、どうしてシャルロットが?」
来ると思っていなかった人が来て思考が止まりかけたが、何とか立て直して質問する
「雪広に用事があってね・・・部屋にもいなかったし、ここなのかなって」
「そっか・・・今すぐじゃないとダメ?」
「うん、ダメ」
何か嫌な予感がする。なぜ深呼吸してるんだ。なぜ頬が少し赤いんだ。いや、思い上がりだ。そんなはずはない
「ありがとう」
「へ?」
いきなりの感謝の言葉に呆然としてしまう
「僕を、お父さんを、デュノア社を救ってくれて。まだお礼していなかったなって」
「・・・あれは束さんが助けたもんさ。自分が礼を言われる筋合いは無い」
「ううん、雪広も助けてくれた。データ取るために奔走してくれたの、楯無さんから聞いたよ」
あの人は・・・余計なことを。でも黙っておけとは言ってなかったしデータ取ったのは事実だし、仕方ないか
「雪広が動いてくれなかったら、今頃僕はここにいられなかったかもしれない。ううん、お父さんの思いも知らずに捕まっていたかもしれない。だから、ありがとう」
「・・・そうか」
「・・・雪広っていい人だよね」
「それはお門違いさ、自分が善人なわけがない」
善人ならどんな人にも手を差し伸べるはず。更生できたかもしれない欧州の二人を退学に追いやった自分がいい人なわけがない
シャルロットから目を逸らし、手すりにもたれかかる
「自己評価低いね。それでも僕にとってはいい人・・・いや、恩人だよ。僕を、お父さんを救ってくれたいい人だよ」
「・・・結果的にはな」
「むう・・・」
つかつかとシャルロットが近づく音がすると、いきなり両手で肩をつかまれシャルロットの方へと向かされる。シャルロットは怒っているような、恥ずかしがっているような顔で叫ぶ
「僕と話しているんだから僕を見て!!」
「は、ハイ!」
「雪広には感謝してもしきれない!でもそれ以上に雪広のことが気になって仕方がないの!!」
「・・・え?」
待って、それって・・・
「僕自身分かっている!ちょろい女だと!でも仕方ないじゃないか!!どん底にいた僕に手を差し伸べてくれた人を好きになるのは!!」
「・・・」
嘘だろ
「僕は、雪広が好きなの!恋しているの!君に!!」
「あ・・・え???」
冗談だろ?いや、なんで、どうして、ああ駄目だ。考えがまとまらない
そんな顔を見て不満に思ったのか、シャルロットは自分の顔をつかむ
「ほ、本気なんだから!だ、だ、だから!!」
グイっと顔を近づけさせられる。シャルロットも顔を近づけてくる。アメジストの瞳に長いまつげ、透き通る白い肌に夕日のコントラスト、シャルロットの整った顔の細部まで確認できる距離になる。それでも距離を縮めようと力を入れられる。
待って、こうなると、このままだとキ
「ストーーーップ!!!!」
「「うわっ!!」」
突然の声に二人で驚いた。シャルロットの両手から解放され声のするほうを向くと、怒り気味の簪がいた。簪を呼ぶために待っていたじゃないか
簪は足早に自分たちに近づきシャルロットに問い詰める
「シャルロット!何しようとしたの!!抜け駆けは許さないよ!!」
「い、いいじゃないか!キスくらい、フランスじゃ普通だよ!」
「今の状況はそういう感じじゃないでしょ!!」
三人いないが姦しくなった。早く仲裁すべきなのだろうが、言い争いをやめるタイミングがつかめない。それに未だにこのことを先延ばしにしたい気持ちもある。その気持ちが足を引っ張り、言葉が出てこない。
やぱり自分は情けな・・・
「「で、雪広はどっちを選ぶの!!」」
「は、ハイッ!?」
「「雪広はどっちが好きなの!!」」
「っ・・・」
自然と俯いてしまう。頭の中ではずっとシミュレーションしたのに、なかなか言葉が出てこない。状況はかなり違ってしまったが、どのような言葉を言うべきか考えていたのに声が出ない。ああ、なるほど。モテる男はこんな気持ちになるのか
でも・・・もう逃げられない、いや逃げない
顔を上げ、二人を見る。もう目を背けない
「簪、シャルロット」
「「・・・」」
「・・・
ごめん」
「「え?」」
「自分は・・・君たちの気持ちに答えることはできない」
シャルロットは俯き、簪の顔が悲痛に歪む。ああ、こんな顔をさせるなんて、友達に辛い思いをさせるなんて、自分はどうしようもない人間だ
「・・・どうして?」
「うん?」
「僕たちを選べない理由があるんだよね・・・その理由を知りたい」
「わ、私も・・・知りたい・・・」
そうだよな。断る理由を言わなければいけないよな。言わなければ。
彼女たちは納得してくれるだろうか
「分かった。でもその前に」
さっきからドアの向こうから気配がする。おおよそ楯無さんがいるのだろう。いや、楯無さんだけじゃないな
「出てきたらどうです?ドアの所にいる皆さん!」
声を張り上げ、楯無さん達に聞こえるように言う。扉が開くと楯無さんだけでなく、一夏と鈴がそこにいた。お前らだったか
「ばれちゃった?」
「お、お姉ちゃんたち!?どうしてここに!?」
「簪ちゃんが何か気合を入れて屋上に向かっていたから気になっちゃって・・・け、決してストーカーをしたわけじゃないのよ!」
「あたしも気になってね。あとを追いかけていたの。そしたら、その、シャルロットが告白を聞いちゃって・・・」
「き、聞いてたの!?」
「聞こえたのよ!アンタ、大きい声で言ってたんだから!」
「で、でも聞き耳立てることはないだろ!」
「そーだそーだ!!」
意外と屋上のドアは防音ではないようだ。それを抜きにしてもシャルロットは声を張り上げていたから聞こえても仕方がないか
女子たちが騒いでいる中、一夏が辛そうな顔で自分を見る
「兄さん・・・言うのか」
「言わなきゃ分かってくれないだろう。ある意味楯無さんもいるんなら手間が省けるし」
「でも!」
「自分は気にしてねえよ。安心しろ」
一夏は心配性だな。こんな兄貴を気遣ってくれるなんて。いい弟を持ったものだ
まだ騒ぎ続ける女性陣たちに向かってパンパンと手を叩いて騒ぎを鎮める
「自分が簪たちの好意を断る理由を話すためには、自分の過去を話さないといけない」
「過去・・・」
「そうです、楯無さん。
戯言ですが、と吐き捨てるように一区切りをつけて手すりにもたれかかる。そこから自分は過去を語りだした。
物心つく前から
でも、ある時、たしか7歳くらいの時に一度だけ父親に刃向かった、というより思いを伝えたんだ。「こんなことをしたくない、外に出てみたい」と。そうしたら父親はどうしたと思う?真っ赤な顔で部屋から出た後、戻ってきたんだよ。
包丁を持ってさ。
・・・あとは分かるだろう?たった二言いっただけ、それなのに滅多刺しにされたんだ。腹に背中、足とすぐに死なない場所を刺してさ。痛くて、熱くて、痛くて、痛くて・・・気を失った。それで死ねたらどれほど楽だったか
・・・気づいたら見知らぬ天井。病院に連れていかれたんだ。死ななかった、いや、
その後傷が治って退院したんだが、またあの生活に逆戻り。しかもその時に父親から言われたんだ。「次は殺す」と。もう逆らう気力すら無くなってさ、10歳の時、両親が旅行で事故死するまでこんな地獄が続いたんだ
「とまあ、これが空白だった自分の幼少期の話」
雪広の言葉に誰もが黙り込む。鈴とシャルロットは驚愕し、簪と楯無は手で口を押さえ、一夏は俯いて手を固く握りしめながら。女性陣はまさか彼がそんな人生を歩んでいたとは夢にも思っていなかった。一夏はこの話を聞いてはいたが、聞いて気分の良いものではない。どうしようもない怒りを抑えるしかなかった。
そんな静寂の中、楯無が口を開く
「で、でもそれと今に何の関係があるの?それで人間不信になっちゃったとか?」
「・・・その程度だったら良かったんですけどね」
雪広は手すりから体を離し、先ほどよりも明るく振る舞う
「話は飛躍するのですが、私の中学では結構ぶっ飛んだ授業をしていましてね、他だと問題になることをするんですよ」
「例えば?」
「保健体育の授業でエロビデオ見させられるとか」
「「「「・・・は!?」」」」
サラッとした爆弾発言に頬を赤らめるにする女性陣。真っ先に立ち直ったシャルロットが叫ぶ
「だ、駄目だよ!!そんなえ、エッチなこと!!」
「男子校だから許されるんだよ」
「「「「そういう問題じゃないよ(わよ)!!」」」」
「いやいや、みんなそう言うけどさ、人間が生まれるためには必要な行為だろ?何も恥ずかしいことじゃない」
「そ、そうだけど・・・///」
「それに性欲ってのはさ、動物が持つ三大欲求の1つ。それで得られる快楽、特に愛する人とのその行為は他とは比較できないほどの快楽を感じる
何の悪びれも無く雪広は言う雪広に対し、彼女たちは顔を真っ赤にする。この光景はまるで雪広が彼女たちをからかっているようも見える
ただ一人、悲痛な顔で佇む一夏を除いて
「兄さん、そろそろ本題に戻したほうがいい。それ以上はセクハラになる」
「そうか、そういうものなのか」
「『男子校の常識は世間の非常識』。そう言ってるだろ?」
「そうだった。なら話を戻すか」
雪広は未だ顔を赤くしている女性陣に手を叩いて現実に引き戻させる
「私の問題が発覚したのはさっきの保健体育の授業。そのビデオでな、自分は
「・・・は?」
「興奮しているやつもいた。興味津々に見ているやつもいた。それなのに自分は何も無かったんだ。それに先生も気づいたようでな、授業の翌日に呼び出されて精密検査を受けたんだ」
雪広は深呼吸をして、意を決するように淡々と話す
「検査の結果、一部の神経が欠損していたんだ」
「・・・」
「その影響として、『性的欲求・恋愛欲求の欠落』だと予想された」
「「「「!!」」」」
「もう分かるだろ?自分はさ
またしても静まる。彼女たちは誰もが嘘だと思う。そんなわけはないと。だが、雪広が嘘をついているとは思えない雰囲気に気圧されて何も言えなくなってしまう
「恋愛ができない、常人の成り損ないなのさ。自分は」
「・・・」
「ここで繋がるのさ。なぜ神経がズタズタなのか」
「包丁で刺されて・・・」
「鈴、ご名答。その時の治療も充分では無かったのだろう。元々自分が虐待されていたのを気づかなかった医者だ。治療も杜撰だったに違いない。何より体に障がいがなかったから余計に発見が遅れた」
ヤブ医者とは言い切れないか、と肩をすくめる。その中で楯無が気づく
「篠ノ之博士は?あの人なら何でもできるんじゃない?雪広君なら面識あると思うし」
「って思うじゃないですか」
と、今まで黙っていた一夏が口を開く
「神経って治すのすごく難しいんですよ。それに兄さんの場合長時間放置された上に成長までしているんです。・・・束さんでも成功率はよく見積もって30%だと」
「し、篠ノ之博士が!?」
「しかもうまくいっても完全に回復するかもわからない。兄さんみたいに数年放置されていた後の手術は前例がないので後遺症がどうなるかもわからない。だから束さんでもリスク無しで治すのは困難だと」
「それだけじゃない。仮説の段階ですが、神経回路が壊れている
「!?」
「神経回路が壊れているからISが女だと誤認しているのかもしれない。もし完全に治ったらISを動かせられなくなるかもしれないんです」
自虐的に笑う雪広に対して、簪が声を上げる
「で、でもさ!私はそれでも治した方がいいと思う!それじゃあ雪広が報われないよ・・・」
「ありがとう簪。でも駄目なんだ」
「どうして!」
「もし神経が治ってISを動かせなくなったらクズな研究者はどう推測するか。自分と同じように神経を壊してIS適性が出るか確かめようとするだろう」
「!」
「非人道的だ。そんなことが許されるはずはない。でも0とは言い切れない。自分のせいで男たちが、罪のない人が壊されるのは嫌なんだ」
もし神経とISが密接しているならば、男性IS操縦者を作り出せることができる。どの国も男性IS操縦者が欲しい時にこの情報が出回った場合、いくつかの国は人体実験をするに違いない。被害妄想と思われるかもしれないが、わずかな最悪の可能性を雪広は恐れていた
「事が大きくなってしまったが話を戻すと、簪とシャルロットの告白には答えられない。恋愛ができないのだから」
「「・・・」」
「だから殴るなり蹴飛ばすなり刺すなり好きなようにしてくれ。避けないから」
「ど、どうしてよ!?アンタが何もそこまで・・・」
「理由がどうであれ、自分は二人の恋路を踏みにじった。これに関しては断罪されて当然だし、二人にはその権利がある」
覚悟を決めたかのように雪広は二人から目を逸らさない。しかし、簪とシャルロットは動けないでいた。
フられたことへの怒り、しかしその理由を聞いて悲しみ、でもこの恋心を諦めきれない執念、様々な思いがごちゃまぜになっていて何の行為がしたいのか本人ですら分かっていないのだ。家庭に難があった代表候補生とはいえ15の少女。振られた理由が想像を超える内容では思考もまとまらないのは仕方のないことだ
だんだんと重くなっていく静寂。一夏も鈴も楯無もどう声をかけて良いかわからず、ただ時間が過ぎていく。そして痺れを切らした雪広が「ふぅ・・・」と一息ついて切り出す
「二人とも、一発自分を殴れ」
「「な!?」」
「少なからず自分への怒りはあるはずだ。だったら一回それを自分にぶつけてくれ。そうすれば少しは考えがまとまるんじゃないか?」
「いくらなんでもそれは・・・」
「鈴、駄目だ」
「どうしてよ、そんなことしても・・・!」
「これは兄さんたちの問題だ。俺たちが踏み込んでいいことじゃない」
「!・・・そうね。ごめん」
雪広の行動は正しいとは限らない。彼女たちに罪悪感を背負わせる行為を助長させる可能性があるのだから。だがそれは彼なりの配慮だった
しばらくして、意を決するように簪が顔を上げる
「いいの?」
「ああ、もちろん」
「雪広・・・ごめんね」
簪は雪広に近づく。察した彼はメガネを一夏に投げ渡し、簪をじっと見る。簪は右手を構え・・・
バチン!!!
「ありがとう・・・っ」
「簪ちゃん!」
簪は泣きそうな顔になって屋上から去り、それに楯無が追いかけていった
それと同時にシャルロットが歩み寄る
「僕も・・・いいよね?」
雪広は無言でうなずく。シャルロットは簪よりも大きく構え・・・
バシンッ!!
「・・・ごめんね」
「あっ・・・」
辛そうな笑顔でシャルロットは去る。その背中に鈴はどうしたらいいかわからず困っていると、一夏が助言をする
「鈴、シャルロットのそばにいてくれ。一人じゃ辛いだろうから」
「一夏・・・そうね、行ってくる!」
鈴はシャルロットを追いかけて屋上からいなくなり、兄弟二人だけの空間になる
「兄さん・・・」
「一夏・・・嫌われたかな?」
「・・・それは分からないよ」
「そうだよな・・・」
「・・・帰ろ?」
「・・・ああ」
いつの間にか雲が無くなり、空には三日月が彼らを照らしていた
「おはよう雪広君、ってどうしたの?なんか元気ない?」
「おはよう。いろいろあったんだ、いろいろ・・・」
次の日の朝の教室。まだ数人しかいない教室にいつも通り朝早く一人で来ていた。でも、昨日はしっかりと眠ることはできなかった。簪は、シャルロットは、自分の事をどう思っているのか。フった男のことなんて嫌いになったかな・・・
「雪広」
ビクッとしてしまう声。思わずその声のほうを向くと、やはりシャルロットがいた。そして、その後ろに簪もいた。二人は自分の前に立つ。怒っているのだろうか?
簪たちが口を開く
「私ね、昨日あの後ずっと考えたんだ」
「僕も夜、ずーっと考えたの」
「うん・・・」
「これから雪広とどう向き合ったらいいか迷ったの」
「それでね、今の私たちの気持ちを伝えたいの」
「・・・」
許してくれるのか。関わらないでほしいって言われるのか。嫌いになったのか。様々な思いが込みあがってくる
覚悟を決める
「「諦めないから」」
「え?」
だが、二人の答えは予想外のものだった
「簪を選んでいたら諦めが付いていたかもしれない。でもあの答えではいそうですか、ってなれなかった」
「私も。私自身諦めが悪いって思ったけどね」
「でも、自分はその感情が無いって・・・」
「『予想された』だけで100%じゃないんでしょ」
「!」
「ほんのわずかでも可能性があるなら、希望があるなら、私はそれに賭けたい。だって友達だもん」
「その感情が戻るなら、協力するのが仲間ってものでしょ?それに、僕を好きになってくれたら一石二鳥で文句ないし、ね」
「って!また抜け駆けはズルい!!」
「駆け引きはもう始まっているんだよ!」
火花を散らす二人。でもその光景がとても嬉しかった
好意を踏みにじったのに、それでもいつも通りに思ってくれている。私情があるとはいえ、仲間だと思ってくれている。それだけ。ただそれだけ。だけど救われた
思わず顔がほころんでしまい、それを見た二人も笑顔になる
「分かった。ただ、無理ならいつでも諦めていいから。自分のために二人が人生を棒に振ることはしなくていい」
「「・・・」」
でも、それでも今の思いを伝えよう
「でも、是非自分が君たちを好きになるように・・・君たち色に染め上げてくれたら嬉しいよ」
「もちろん!!私の魅力で染め上げてあげる!」
「僕だって、負けないよ!!」
「だから、これからもよろしく。簪、シャルロット」
三人で拳を合わせる
こういう時なのだろう、心が救われるというのは
「良かった。これなら安心ね」
「ああ。昨日はありがとうな、鈴。」
「おねーさんも安心したわ。これで貸し借りチャラだからね」
この小説を書くとき、ヒロインたちと仲がいい時、誰か一人を恋人として選ぶと友情が壊れると思ったんです。どうするか考えに考えた結果、『主人公が恋愛出来なければいい』というぶっ飛んだ結論に至りました。
ISの二次小説で恋愛ができない形の主人公はほとんどないから面白いかな、という事で主人公には苦難の道を歩ませてしまった・・・。一応言っておきますが、これはフィクションです。神経欠損と恋愛感情には何の因果もありません。この世界だけです。