後書きで主人公のキャラ説明を入れておきます。
堕ちた獣
星晶獣。
それは空の世界に存在する「星の民」と呼ばれる種族によって創られた、神に等しい力を持つ生物兵器。その中には星の民の探究心を満たすためだけに創られ、世界を崩壊させるほどに強大な力を持つモノもあった。ある1人の星の民が秘密裏に開発した
あらゆるものの姿、能力、性格さえも解析し、その情報の通りに自分を変化させることができる。
だがこれを創った星の民はある愚かな願いを持っていた。
「───最強の兵器を我々の手に」
様々な部分を改造されたソティルは万物の流れ、果ては理さえも自分の思うがままに変化させることが出来るようになる。しかし強大すぎる力を前に恐ろしくなった星の民はその星晶獣を凍結封印し、研究室の奥へと閉じ込めた。だが最強へと近づいていた星晶獣の眠りは永遠ではなかった。
ソティルは凍結され、眠りについている間も星の民の研究施設から新しい情報を無意識下に取り込み、成長していた。
長い年月が経ったあと、ソティルは突如として覚醒。しかし、謎の理由によって暴走状態になり、自分が封印されていた研究基地を跡形もなく破壊する。秘密裏に開発されていた星晶獣の対策など存在するわけもなく、星の民は最後の手段として暴走状態のソティルを他の世界へと転送した………。
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『───システムサイキドウ。データヲロード………イチブニケッソン。シュウフクハフカノウトハンダン。ハツオンデータプログラム………起動。問題なし。周りの地図を作成………50%………89%………完了。空の世界とは別の世界である確率99%。周囲の探索を開始』
月の光が全く届かないほどに厚い雲に覆われた夜。住宅街の路地裏に駆動音と無機質な声だけが響き渡る。しかもその言語はその世界には存在しないものだ。その出どころは竜と金属を無理やり繋げたような異形の獣。
獣は地に伏していたその巨体を持ち上げ、口にあたる部分から異常な量の水蒸気を吐き出しながら、這うようにして暗い路地裏を移動していく。ソレはしばらく歩き、閑散とした広場でその足を止める。
『戦闘痕跡多数。生体反応・・・なし。86名、全て死亡していることを確認。調査に入ります』
獣はその石畳へとヒビを入れながら死体へと近づき、その情報を回収していく。
『───ヒューマンに近い生命体を多数発見。薬物投与の痕跡も同時に確認。調査続行』
獣はある少女の死体に歩み寄る。獣の瞳がキラリと光り、機械の駆動音が激しくなる。
『解析完了。死亡原因、銃殺。薬物の中毒反応あり。薬物の解析………完了。依存性が高く、投与された時点で投与者の意識は消失するものと断定。対象の蘇生、並びに交渉を開始します』
機械の駆動音は最高潮のものとなり、獣の身体は蒼く輝いて───────
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テトラ=マーティンは労働階級の家庭に生まれた普通の少女だった。
裕福な家庭とは言えないものの、優しい両親と幸せな生活を送っていた。
それなりのお金と、それなりの暮らし。
彼女はこの幸福な時間がずっと続けばいいと考えていた。
しかしそれらはある男によって一瞬で崩れ去った。テトラとその両親は、男に妙な粉を吸わされ意識を失い、その意識は今、暗闇の中にある。
その時、テトラは自分が死へと向かっていることを悟っていた。全てを諦め、感覚を手放そうとした瞬間、周り一面が蒼空へと変貌する。
「え、えぇーーーーーーーーっ!!??」
あまりの高度に驚いていたら、テトラの真正面にさっきまでいなかったはずの獣がいた。その獣は見るもおぞましい姿形をしていたが、不思議とテトラにはその獣がこちらに敵意がないことがわかった。
『人間』
「ハ、ハイッ!?」
『………魔法少女になる気はないか?』
「………はい?」
テトラの頭にクエスチョンマークが無数に浮かぶ。
───魔法少女って、あの魔法少女か?
そんな考えで脳内は埋め尽くされ、この獣が一体何者なのかと考える隙間すら無くなってしまった。
『………少女にはこう言えばおおよその契約は認証してくれるとの情報は
そんな声が聞こえてきたかと思うと、獣の身体は蒼く輝き、みるみるうちに少女の姿になった・・・テトラとほぼ同じ姿の少女に。
外見で違う点といえば、テトラが艶のある黒髪と茶色がかった瞳を持っているのに対して、獣が変貌した少女は髪は色素が抜けているような白色で、目は鮮血のような紅色だったこと。
それ以外は体型や髪型はもちろん、 顔や小さい頃に負った腕の傷跡、全てが同じなのだ。
「言語もこちらの世界のものみたいですね。これなら落ち着いて話せます。では現実世界に戻って話をしま───」
「ちょ、ちょっと待って!?」
少女が淡々と話を進めて行こうとするがテトラが押しとどめる。テトラはこの少女が全く信用出来ない。さっき契約と言っていたが、もしかしてこの少女は私を何かに利用して悪事………いや、そんな生ぬるい言葉では表せないようななにかを引き起こすのではないか。テトラはそう思えてならないのだ。
「ああ、確かにそんな考えになるのはわかります。私の目的がわからないままあの姿を見せられたら、私だって警戒せざるを得ないでしょう」
「な!?」
「心は普通に読めますよ?そもそもここはあなたの心象世界で、私はそれを掌握してますから。それにしても無限に広がる蒼空が好きとは………いい趣味してるんですね」
「え、ええ…?」
心象世界だのそれを掌握してるだのって、それはもはや神とかそこらあたりがやるような領域ではないか?
テトラの脳裏にそんな考えがよぎると、少女はあっけらかんと言った。
「ふむ、その解釈、間違ってはいませんね。だって私
─────神を超えた種族が創った兵器ですから」
ヤベェやつ感出てる兵器の方の主人公のネタバレにならない設定だけ出しておきます。この後書きには常時誰かのプロフィールを書こうと考えております。
・ソティル
「星の民こそが世界のあらゆる生物の上に立つべきだ」という偏った思想を持った研究者が創った巨大な竜の姿の星晶獣。「情報・変化」という二つの事象を司るため、あらゆる情報を見通し、世界の摂理をも変化させることが出来る。製作途中のまま封印されたので燃費が悪く、それを補うためによく食べる。
感情はプログラムされていないが、必要だと判断した場合には情報をもとに感情を作り出すことが出来る。ただし、その人格の根本はどこまでも淡白で冷酷。
ちなみにソティルはギリシャ語で救世主。