それでも彼女は焔と共に   作:ゲストU

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守護騎士 ヴォルケンリッター

作戦はこうだ

 

フェイトとユーノが先行してなのはを救助

 

相手と戦闘になるだろうからフェイト、私が戦闘を担当

ユーノはなのはの治療と流れ弾が飛んできても当たらないように防ぐ

 

実にシンプルでわかりやすい

 

『ユーノ、しっかり防げよ』

 

『わかってるよ』

 

 

あくまで最優先はなのはの救助

 

 

「炎よ、舞い踊れ 華炎」

 

「っ!?」

 

威力はあまり高くはないが目くらましなどに使える魔法を放ち赤い服を着た赤毛の女の子を牽制する

大方突然飛んできた炎に反応が遅れたんだろう

目の前で爆発するようにしたひとつの炎が直撃していた

 

 

 

「フェイト 赤い服を頼むよ。高速戦闘はそこまで得意でないと見た」

 

「クレアはどうするの?」

 

「あの桃髪の剣士の相手をする」

 

見ると加勢にやってきたのか新たな人物が佇んでいた

 

 

 

「わかった気をつけて」

 

「それはお互い様だよ」

 

 

────────────────────

 

 

 

「あの子をやったのあんたら?」

 

「クレア・ガーネットか…」

 

「!? (私の名前を知ってる!?こいつ何者だよ)」

 

 

片手剣を構え告げる

 

 

「なんで私の名前知ってるのかは捕まえてからゆっくり聞き出すよ」

 

「ならば私はお前を倒し、その魔力を貰おうか」

 

 

 

 

 

 

「炎斬!」

 

「はぁぁ!」

 

 

お互いの持つ剣に魔力を纏わせ斬組む

一撃では終わらない 剣がぶつかり会う度に金属音が鳴り響く

 

「やるな、その年でそこまで出来るのはとても珍しい」

 

「そりゃあどーもっ!」

 

そしてまた撃ち合い───

ビシッという音

小さい、とても小さいが、聞こえた──

聞こえてしまった───

 

「っ!?」

 

 

「諦めろ、そのデバイスは限界が来ている。これ以上やれば…分かっているな?」

 

 

「っ…」

 

そうだ、これ以上打ち合えば間違いなくイグニスは破壊される

 

「でも…私はあんたから聞きたいことがあるんでね。それに…」

 

「それに?」

 

「諦めが悪いんでね!」

 

そう言い放ち再び炎を纏わせる

 

 

「そうか…それがお前の選択か…ならば!」

 

「私が真っ向から打ち砕いてやろう!」

 

 

 

 

「名乗っておこう。私は闇の書の守護騎士 ヴォルケンリッター 烈火の将 シグナムだ」

 

「ご丁寧にどーも。なんで知ってるか知らないけと改めて名乗っておこうかな」

 

「紅蓮の炎姫 ルベラ・ガーネットの末裔クレア・ガーネット」

 

 

「「…………」」

 

 

「一撃で決める」

 

「受けて立とう」

 

 

 

 

「紅蓮…」

 

「紫電…」

 

 

 

「炎斬!」

 

「一閃!」

 

 

 

 

 

互いに距離を詰めすれ違いざまに一閃

 

 

 

「……」

 

 

「…私の勝ちだ」

 

 

 

2人の距離はある程度離れていた

しかし決着は着いた

 

誰がどう見てもクレアが負けたのだ

 

 

 

互いに振り抜いた状態で静止している しかし

 

 

方や剣が砕け 方や無傷

 

二人の間に舞い落ちる鋼の破片が勝者と敗者を物語っていた

 

 

 

 

────────────────────

 

 

 

負けた

 

魔法を使い始めてまともな対人戦はジュエルシードを探している時に行ったフェイトとの戦い

そして騎士ゼスト、クイントさん、メガーヌさんとみっちりとは行かなかったがかなり濃い時間を過ごしてきた

それなのに…

 

デバイスごと私を斬ったのだ

実際に受けたし見てたからわかる

あくまでデバイスは副次的なものだ

 

 

強くなった

あくまでそれは自分がそう思っていただけだったのか

 

意識を失う寸前 声が聞こえた気がした

 

 

 

『危なかった』と

 

 

 

 

 

 

 

────────────────────

 

 

 

「危なかったな…」

 

クレアのデバイスがあの時破損していなかったら恐らくすれ違いざまに斬り合い相打ちになっていたかもしれない

 

「クレア・ガーネット…この年でこれ程とは…」

 

デバイスの破損がなければ未だデバイス戦いが続き自分が負けていた可能性があったことを考えると今後が楽しみにも思えた

 

「お前は主の良き友だ。今回は見逃そう」

 

 

 

そう言うとシグナムはその場から離れていった

 

 

 

次に会う時は─────

 

 

───もっと強くなっていればいいと

そう願いを込めて

 

 

 

 

 




守護騎士にそれぞれデバイスを破壊された三人
それぞれに待っていたのは新たな生活とデバイスの強化だった


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