それでも彼女は焔と共に   作:ゲストU

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『あぁ、そうだ』

なに?

『槍兼杖のデバイスが用意できたよ』

二つもあるからもういいじゃない、なんだよ槍兼杖って

『銃はほぼカートリッジ使うためだけにしか使ってないだろー』
『これは本格的な大規模魔法戦闘用だよ』

大規模?

『これは遠距離戦をメインにした大出力魔法を使うためのものだ』

近距離メインのベルカとは一体なんだったのさ…

『剣で戦うときは近距離で炎の鎖を爆破したり炎の斬撃を放ったりしてるけどどれも近から中距離までしか届かないし最悪の場合自滅しかねない技も多い』

そうだね

『いずれ必要になるから練習しておいた方がいい』










発覚と遭遇

 

 

 

 

 

「それにしても、いろんな本があるねこの家」

 

「まぁ、私自身車椅子やし本くらいしか楽しみないんよ」

 

私は今友達の家に来ている

彼女の名前は八神はやて

かつて血まみれで倒れていた事で何か体に異常があるのではないかと心配され定期検診をうけることになった私はその過程でこの子に出会った

 

ちなみに私が記憶喪失なのを知っている唯一の同年代だ

何でも記憶喪失だから同年代と接していた方が記憶を戻すのにいい刺激になるって感じだった気がする

石田先生が私に許可を求めてきて私はあっさり了承したし

 

こうして家に遊びに来たのは初めてだけど

 

私と同い年、車椅子であるにも関わらず一人暮らし

資金援助してくれる人がいるらしいのだが、いくら何でも不自然だ

 

 

「この本なんかおかしいよね」

 

「あーその本な、生まれた時から持ってたらしいんよ」

 

「いやいやいやおかしいでしょこれじゃ読めないよこの本」

 

「私解き方知らんねんそれ」

 

いくら何でも本を鎖でガチガチに固めるのはおかしい

 

こげ茶の表紙に金色の装飾

鎖でどんなものかはいまいち分からないが色はわかる

 

 

 

 

「はーいできたでー」

 

「おー何作ったの?」

 

「無難にクッキーや」

 

そんな簡単に作れるのかクッキーって

 

「じゃあおやつタイムかな」

 

にしても

 

「同い年なのにこの差はなんなんだろう」

 

「さすがに比べるのはおかしいと思うんよ」

 

「そりゃあ料理なんてしたことないし記憶喪失だし食べる専門だしー」

 

「料理したこと無くて記憶喪失で食べる専門ならこれから…ん?」

 

「ん?」

 

あれ?何か変なこと言ったかな…?

 

「ちょっと待って美雨ちゃんいまなんて言ったん?」

 

「料理したことない?」

 

「そこちゃうその後や」

 

「記憶喪失?」

 

「それや!ちょっと待って美雨ちゃん記憶喪失ってどういう事なん?」

 

「はやては石田先生から聞いてたはずだけど?」

 

「そんなん初めて聞い…聞いてたかもしれんわ」

 

なんで忘れてたのさ

 

「あー思い出した確かに言ってたわ」

 

「忘れてたの?」

 

「記憶喪失なんて言われてもそんなん気にしてないやん」

 

「うん」

 

「気にしてる様子ないからすっかり忘れとったわ」

 

 

 

あ、なるほど

 

そんな会話の中お茶の時間も終わりになった

お菓子食べちゃったから無くなったからね

 

 

「そう言えばあの本触ってみてもいい?」

 

「あれ私でも読めた試しないで?」

 

「鎖でガチガチだもんねー」

 

そう言って何気なくその本を手に取り────

 

 

「ッ!?」

 

「美雨ちゃん!?」

 

投げた

 

それはもう思いっきりぶん投げた

 

今まで感じたことのない何かを感じていた

私は今まで味わったことのない不快感に本を投げ後ずさり尻餅をつき息を荒らげていた

当然そんなことをすればはやては驚くわけで

 

「美雨ちゃん!?どうしたん!?」

 

「はぁ…はぁ…なんだ今の…」

 

「大丈夫なん?手、震えとるよ」

 

「大丈夫、だけど人生で味わってはいけない程ヤバイ何かを見た…気がする」

 

「何やねんそれ」

 

 

あれは、あの本はヤバイ

何がヤバイのかわからないけどとりあえず何かある

 

ああくそ、とても不愉快だ

何かある、だけどそれが何かがわからない

調べようにも毎度こんな事になってはたまらない

 

 

「美雨ちゃん?本当に大丈夫なん?今日はもう帰った方がええんとちゃう?」

 

「そうする…」

 

 

 

 

 

 

────────────

 

 

 

 

『美雨、結界に閉じ込められたぞ』

 

「え?」

 

 

あの後はやての家から帰っている途中

と言うかはやての家を出てすぐあたりでこうなった

 

 

「おい、そこのお前」

 

 

「ん?誰あんた」

 

「警告だ。八神はやてには近づくな」

 

「逆に聞くけどあんたに私の行動を制限される筋合いはないよ。答えはノーだ」

 

「ならば力づくで去ってもらうまでだ」

 

「そう、なら少なくとも抵抗くらいはさせてもらおうかしら」

 

 

つい最近手にいれた大規模魔法戦を主眼に入れた

まるでミッドチルダ式の魔導師のような戦い方になるがさっさと片付けたかった

 

「お前魔導師だったのか…」

 

「そんな事言うのはあの本が原因かな?」

 

返答は…なし

 

「そうなのかそうなんだな!」

 

やはり返事は帰ってこない

 

「……」

 

追求をやめて無言で杖を掲げる

 

今まで出たことにい大きさの火球が現れる

 

「私に喧嘩売ったこと、後悔させてやる」

 

杖を振り下ろし火球を飛ばす

 

「ベルカ式…!?」

 

慌ててシールドを張ろうとするが…

 

「遅い!滅!」

 

私の方が格段に速い

そのままいつものように爆破する

 

 

 

 

「逃げたか…」

 

爆炎により発生した煙が晴れる頃には姿形はなかった

 

『はやてって子間違いなくなんかあるね。』

 

「ほんとにね」

 

あの本といいさっきのといい間違いなく魔法関連だ

 

 

 

「帰るか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はやての口調難しい…

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