いつもの事ながら読者参加型の方が煮詰まってまして…………。
と言うより、ストーリーの流れは出来てるんですけど、文字に起こせない現象であります←
語彙力と表現力が欲しい今日この頃であります……泣
ま、そんな状態ですけど、見てってくだせぇ。
ピピピピッ、ピピピピッ。
「んあ………………。」カチッ
私はセットしておいた目覚ましのスイッチを寝ぼけ眼のまま止めた。
「ふわぁ〜あ。」
そして欠伸をひとつしてからモゾモゾと布団から這い出す。
未だに半分寝ている脳を起きてるもう半分で無理やり稼働させて持ち込んだ姿見の前で寝巻きからジャージへゆっくりと着替えた。
その間にも2回ほど欠伸をかましたのは他人には言えない。
ついで手ぐしである程度髪を整えつつ最後に櫛でちゃんと梳かす。
くるんとクセのある髪をセットし、もう一度欠伸をしながら部屋の電気をつけ、壁掛けの時計に目を向けた。
時計の針は6時を少し過ぎたところだった。
…………なぜ私はこんな早い時間に目覚ましなんかセットしてしまったのだろうか。
電気をつけたことでようやく覚醒した脳で状況を整理する。
「はぁ。今日の練習開始は8時だったし。今から寝たら絶対起きないし…………。少し走ってこようかしら。」
真上に大きく伸びをしながら部屋のドアに手をかけた。
※
FFI1回戦。
オーストラリア代表ビックウェイブスを下してから一夜明けた今日。
一段と練習にも熱が感じられるメンバー。
「行かせないよ!」
「残念。プレッシングがまだまだ!甘いわよ吹雪くん!」
「忠告!ありがとう!…………なっ!?」
「基山くん!!」
「ナイスパス!!」
プレッシングしてきた吹雪くんを数回フェイントを掛けてからのヒールリフトで抜き去り、そのまま前線へ走っていた基山くんへの逆サイドパス。
受け取った基山くんはそのままドリブル、ペナルティエリアに到達と共にシュート。
横っ飛びに飛び込んだ立向居くんのパンチングは僅かに届かず、代わりにゴールネットが揺れた。
「ふぅ。」
私は一つ息をついて基山くんからボールを受け取ると次の人へそのボールを回した。
「相変わらず綺麗なテクニックだね。」
「そんなことないわよ。今のだって吹雪くんのタイミングが一瞬遅れたから抜けたようなものだし。」
「謙遜し過ぎだよ。」
「そうかしら。」
「そうそう。」
そんな会話を2人して交わしていると、今度は円堂くんのキーパー練習に付き合っていた豪炎寺くんから呼び出しがかかった。
「火蓮」
「ん?あら、豪炎寺くん。キーパー練習はもういいの?」
「その事で少し手を借りたくてな。」
「あらそう?私は構わないわよ。ついでにアレの合わせもやっておきたかったところだし。」
「ん?あぁ、昨日のアレか。」
「そう。昨日は土壇場でたまたまタイミングが合ったけど次はどうなるか分からないでしょ?ここらでちゃんとタイミング確認しておきたいな〜って。」
「同感だ。」
そう言いつつ2人ならんで円堂くんのもとへ。
「お!来たな火蓮!」
「えぇ、お待たせ。」
ゴール前まで来ると円堂くんは同じキーパーの立向居くんに一言二言指示を大声で出して持っていたボールをこちらに投げて寄こした。
「ちょっと練習に付き合ってくれよ。火蓮!豪炎寺!」
「元からそのつもりだ。」
「同じく。」
「そうか。そうだよな。昨日のオーストラリア戦を戦って改めて感じたよ。世界の壁ってやつをさ。」
「まだまだ始まって序盤なんだがな。」
「細かいことはいいんだよ豪炎寺。次の試合だって昨日みたいに毎回火蓮に助けてもらうわけにも行かないもんな。」
「あら、私ならいつでも大丈夫なのに。」
「お前みたいに飛び級する訳には行かないってことだ。」
「あぁ、まぁ、そうよね。私だってでしゃばる気はないわ。あくまで『チーム』として戦いたいの。昨日のはイレギュラーよ。」
円堂くんから受け取ったボールをパッと足元に落としてから数回リフティングをして、再び手の中に収めた。
「それはいいとして、早いとこやりましょ。次の試合も近いのよ。相手はまだわからないけど…………どこが来ても対応出来るようにしとかないと。」
「そうだな。ならそろそろ始めるか。行くぞ円堂!」
「来い!」
私はボールを軽く豪炎寺くんの前に転がし、それを勢いよく受け取りつつドリブル。
その横にピッタリと私が張り付き、お互いにアイコンタクトを交した。
「行くぞ火蓮!」
「了解よ!」
続けて豪炎寺くんからパスを受けた私がすかさずシュート体勢に入る。
右足をおおきく振りあげて思い切り地面に置いたボールを踏みつける。
その衝撃で波紋上に砕けた地面からゴボゴボと炎が沸き上がり、その熱波によってボールが空高くにはじき出された。
それを今度は豪炎寺くんが左足に炎をまとわせながらきりもみ回転でボールの真横までジャンプし、小さな炎塊と化していたボールに思い切り蹴りを浴びせることによってさらにエネルギーを爆発的に増幅させた。
膨大な炎のエネルギーを放ちながらスクリュー回転をするシュート、目金くん曰く『轟熱スクリュー』が直線と言うよりも下に頂点のきた逆放物線を描きながらゴールへ迫っていく。
「よし、タイミングは大丈夫そうだな。」
「意外とできるものみたいね。あとは…………。」
「円堂を抜けるかどうか、だな、」
「えぇ。でなきゃ使えないわ。」
素早く会話を交し、自分たちの撃ったシュートとそれを待ち構えるイナズマジャパンの守護神の出方に集中する。
円堂くんもこの数日でかなりの進化を遂げている。
オーストラリアとの試合、暇さえあれば特訓している彼の成長速度は凄まじい。
選考試合ではシュートは決めることが出来たが、今はどうかと聞かれると………………いや、それでも負けないな。
とはいえ、これは私が
合体技となれば話はガラリと変わる…………らしい。
どんなに個々の能力が高くとも、合わせるタイミングや2人の相性が悪ければ威力は2倍、3倍になるどころか2分の1、3分の1にすらなりかねない…………らしい。
『らしい』と言うのはそもそもの話、私に合体技・連携技の知識が乏しいだけだ。
「よし!」
円堂くんははじめに両手で頬を叩いてから、拳をパンと一つ打つとそのまま左足を真上に大きく振り上げた。
そして、接地の衝撃で若干土が舞い上がるほど力強い踏み込みとともに限界ギリギリまで体を捻ってからツイスト回転のパンチングを繰り出した。
「正義の鉄拳!!!!」
円堂くんの18番『ゴッドハンド』をパンチングバージョンにしたような技は絶対にゴールは割らせないと言わんばかりに私たちのシュートに真正面からぶち当たった。
「だあぁぁぁ……………………ん?」
そして、次の瞬間。
『正義の鉄拳』が『轟熱スクリュー』を弾き返した。
自分の拳を見ながら不思議そうに眉を顰める円堂くんとは対照的に弾かれたボールを足で受止め、私と豪炎寺くんが同時に舌打ち。
「…………軽い?」
「円堂くん?」
「いや、なんか思ったより軽かったんだ。」
「軽かった?」
「あぁ、なんて言うかな〜、昨日みたいなすげぇ衝撃がなかったって言うか……。う〜ん、上手く表現できないんだけどさ。とにかく、何か違う感じがするんだよ。」
「何か違う、か。タイミング…………」
「多分、タイミングじゃないと思うわ。あれ以上にピッタリと合わせろなんて言われても正直無理よ。」
「あぁ、
そんなセリフを吐きながら頭を両手でガリガリと掻きながら大声を出す円堂くん。その様子から察するに相当もやもやしているのだろう。
しかし、それはこちらとしても同じだった。
確かに昨日のような完全にギアが噛み合ったような感じはしなかったが、それほどまでに影響するのか。
合体技と言うのはこれほどまでに難易度が高いのか…………。
そもそも元のチームでは全員が全員個人の能力が高かったゆえに合体技、連携技と言った技を使える選手がいなかった。
と言うより使う必要がなかったと言った方がいいだろう。
なぜなら、それぞれが個々で完結しておりそれでいて相応の力を持っているため、その高い個人技でゲームを進めた方が勝率は高かったからと言うのが大きい。
監督も監督で合体技や連携技を提案することもなかったため、今までそんな技にご縁がなかったわけだ。
なるほど。
これは面白い。
合体技・連携技と言うのは単純に2人ないし3人の技の加法乗法の話では無いということか。
さて、話が脱線しそうなので軌道修正するが、タイミングは合っているそれに私と豪炎寺くんなら同じ炎を纏うシュートを得意としている、さしずめ火属性とでも表現すると完全に属性面でも同じはずなので単純に考えれば相乗効果が出てもおかしくないと思う。
にも関わらず球威は軽くなる。
なぜだ?
……無意識のうちにため息が零れたのが分かった。
「ふ、お前でもそんな顔するんだな。」
「……どういう意味よ。」
「なにか煮え切らないような顔に縁があるとは到底思えなくてな。」
「珍しく嫌味のつもり?」
「まさか。率直な意見と受け取ってもらいたかったんだが。」
「そう、ごめんなさいね。
「不動、か。」
「まぁね〜。」
さて、そんな会話をちょうどしていた時だった。
「全員集合!!」
そんな言葉がフィールド全体に高らかと木霊し、つい先程まで次の対戦相手が決まる試合の偵察に行っていた久遠監督がいつも通りどこかムスッとした表情で帰還したことを告げたのだった。
食堂。
「フットボールフロンティアインターナショナル。アジア予選第2試合の相手が決まった。」
その一言で食堂に集められたメンバーのあいだにピリッとした空気が流れる。
「カタール代表。デザートライオンだ。」
「デザートライオン?」
カタール。
正直私も初耳のチームなので込み上げてくる疑問は円堂くんと全く同じだった。
1番後ろの席で隣で腕組みをしながら珍しく真剣な表情をしている不動に「カタールってどんなチームでしょうね?」なんてメモを書いて茶化してみる。
案の定舌打ちとともに心底嫌そうな表情をこちらに向けた。
「(俺が知るかよバーカ。)」
「(バカぁ!?バカとは何よ!)」
「(うるせぇな。こんなくだらねぇマネしてる暇があったら
「(あぁ、はいはい。そうさせてもらうわよ〜。)」
相変わらずの不動にため息をひとつ着いてから意識をマネージャーの音無さんの方に傾けた。
曰く、一言で言えば足腰が強くてスタミナが無尽蔵、との事だった。
無尽蔵のスタミナねぇ…………。
確かに疲れ知らずって言うのは案外厄介ではあるのかもしれないけど、それだけじゃ正直さほど驚異になり得るような要素に感じられないのは私だけなのか?
そんなこんなでテーブルの上にもたれながら何となくこのあとの監督の言葉が容易に想像できた私はそのまま額をテーブルにくっつけたまま右手で隣の不動の肩を軽く殴った。
ミーティング後。
宿舎廊下。
「てめぇ、さっきはよくも…………。」
「仕方なかったのよ。たまたま空いてた右手の先にあんたがいただけじゃない。運が悪かったと思って諦めて。」
「ほぅ、言うじゃねぇかこのアマ!」
「だって体力強化トレよ?なんで今更。」
「けっ、俺が知るかよ。ま、うちの甘ちゃん連中共には分かりやすくていいんだろうよ。」
「あなたねぇ…………もう少し言い方ってものはないの?」
「ふん。」
そんな調子の不動と話しながら廊下の壁によりかかっていると、ガラッといきなり食堂の扉が開き、中から虎丸くんが大急ぎで駆け出してきた。
その背中に声をかけた。
「虎丸く〜ん!もう帰り?」
「あ、火蓮さんと不動さん。はい、すみませんが僕は今日はこれで。」
「そうなの。気をつけてね〜。あ、今日あたりまた手伝いに行くわね〜。不動と一緒に。」
「ふざけんな。なんで俺様まで行かなきゃ行けねぇんだよ!」
「いいから来る!」
「あはは、分かりました。母にも伝えておきます。それでは!」
そう言い残してくるりと踵を返した虎丸くんの背中を見送り、私は食堂の中へ戻った。
「あ、火蓮。どこいってたんだよ。ミーティングの後からふらっといなくなっちゃうしさ。」
「あぁ、ごめんなさい。たいしたことじゃないから気にしないで。」
それよりも、と続けて私は近くの椅子にストンと腰掛けた。
さっきまで虎丸くん関係の話をしていたのだろう、私が加わってからもしばらく続いたその話題は音無さんが鼻息を荒くしながら調べると言い張ったことで収束したが、私は内心冷や汗が流れていた。
ということで話題転換。
「そうそう、デザートライオン…………と、戦うために基礎体力強化、よね。どうするの?やっぱり走り込みかしら。」
「そうさ、走って走って走りまくる!それしかねぇぜ。」
「綱海の言う通りだ。やはりここは単純だがそれしかあるまい。」
「やっぱりそうなるのね……。」
「お、さすがのお前も走り込みは苦手か?」
「そうじゃないわ。苦手じゃないけど疲れるから嫌なのよ。風丸くんは好きなの?走り込み。」
「俺は元々陸上部だからな。」
「…………それはずるいわ。」
※
はっ……はっ……はっ…………ラ、ラストスパート……………………ゴール……。
「よし!今日の特訓はここまで!」
待ちに待った円堂くんの高らかな特訓終了宣言と共にメンバーがいっせいに脱力する。
普段なら特になんでもないペースではあったのだがここ数日やけに高くなってきた気温の中ではいつも以上に体力を消耗してしまうのだ。
走り込みの後にしては珍しく私はしばらくその場から動けずにいた。
「けっ、高嶺の火蓮様も……、さすがに体力の限界か?」
「はぁ……バ、バカ言ってんじゃないわよ…………これくらい。」
「…………その割には、足に来てるんじゃねぇか?クククク。」
「お互い様……でしょうが。」
不動に茶化し茶化され大きく深呼吸をしながら呼吸を整えていく。
「はぁ〜、落ち着いた…………って、あら、緑川くん…………。」
みんな特訓終了で休んでいるというのにただ1人だけ…………緑川くんだけはいっこうに止める気配もなく、はたまた円堂くんの静止すらも無視して黙々と走り込みを続けていた。
「…………。」
…………気持ちは分かる。
多分、他のみんなには負けたくないって気持ちなのだろうが、特訓だってやればやっただけ強くなれる…………だけだったらいいのだ。
ここはゲームの世界じゃない。
確かにやればやるだけ上達はするだろうが、その分怪我のリスクも高まってしまう。
先日のオーストラリア戦。
後半から下げられたことが余程悔しかったのか。
それとも、戦術の切り替えを見抜けなかった自分への戒めか。
あるいは…………焦り、か。
初日のあの無邪気な笑顔はどこへやら…………。
私は腰に手を当てながらふと空を見上げた。
そんな私の頬を風がそっと………………、
「…………………………暑い。」
………………残念ながら撫でてはくれなかったようだ。
代わりにギラギラする太陽の紫外線だけをわんさか降らせてきてる。
もう、これにはため息しか出てこない。
日焼け、勘弁して。
「おい!」
不動にいきなりド突かれて一瞬にして我に返る。
「あ、な、なによ!」
「あぁ?てめぇ、ついに脳ミソ沸騰したんかよ?」
「沸騰…………あぁ、思い出したわ。あんたが吹っ掛けてきた喧嘩を買うか買わないかってことよね?もちろん…………」
「はっ、馬鹿言ってんじゃねぇよ。行くンじゃねぇのか?行かねぇのか?」
「どこに…………あぁ。」
そう言えば虎丸くんちに手伝いに行く約束してたんだったわね。
……不動ってば意外と行く気満々じゃない。
なに?
料理って言うキャラのイメージダウン待ったナシの扉を開けちゃったわけ?
あなた、そんなこと鬼道くんにでも知られてみなさいよ。
ショックで引きこもりになっちゃうかもしれないんだからね。
そんなことを考えつつ、私は先に上がることをみんなに伝えて宿舎の方に戻った。