一夫多才の|契約者《コネクター》   作:如月ユウ

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はじめての読者参加型の小説です。
至らぬところが多いですがよろしくお願いします。


プロローグ

身体が柔らかい物に乗りかかったような感覚に上半身と下半身が包まれたような暖かさ。

微睡みを払い除けるようにゆっくりと目を開ける

 

「気が付いたかい?」

 

目が覚めて声の主は好青年のようなスーツを着た男性で隣には白衣を着た人が座っていた。

 

「あの……ここって病院ですか? 僕は工事現場を前に通っていたんでしたが」

「安心してほしい。君と同じような人たちも病室にいるから」

「同じ人?」

「すまない、他の人たちの部屋に行かないといけないから、彼から聞いてほしい。あとは頼むよ」

「了解しました」

 

敬礼した人を残して部屋を出ていったしまう。

 

「ここってどの病院ですか?」

「ご安心ください。今から説明します」

 

備え付けの差し込みテーブルを付けて、丸めた紙を広げたら見たことのない土地が描かれてた。

 

「地図?」

「ここは君が住んでいる地球という世界ではなく『アースト』と呼ばれる世界だ」

 

地図に指差しながら大陸や世界について説明してくれる。

僕がいるのは地球ではなく『アースト』と呼ばれる世界でオプロイドと呼ばれる人間が存在していて武器に変化するという特殊な種族らしくて今はまだ見せられないが僕と同じ人たちが目覚めたら会わせてくれるらしい。

コンコン。

 

「ちょっと待ってて」

 

扉をノックされたので開けると同じ白衣を着た人で話をしていると僕のほうを見た。

 

「そうか、わかった。どうやら君が最後らしい。他の人が集まっている場所まで案内する」

「はあ……」

 

ベッドから起き上がると背中から押し潰されるような痛みどころか節々の痛みすら無くなっていた。

病室を出てから後ろをついて行き、大部屋らしき場所に招かれると集まった人は僕のような学生もちらほらいて、サラリーマンのような人や軍隊のような人もいた。それ以外に日本人だけではなくアメリカ人やフランス人のような外国の人も集まっていた。

 

「みなさん、不安になるお気持ちは理解していますが落ち着いて聞いてください。あなた方は様々な理由はあると思いますが起きる前に最後は何をしたか覚えていますか?」

 

ここに来る前になにがあったのか思い出そうとする。工事現場の前を通っていたら急に前から地面に倒れて背中が重いと感じながら意識が無くなった。

 

「思い出せたかと思いますがおそらくみなさんが共有することは一つ──一度、死んで(・・・)この世界『アースト』に来たのかと」

 

死んだという言葉に目眩のような痛みが頭にきた。

 

(そんな訳のあり得ないよ。普通に歩いていたのに起きたら何ともなくていきなり死んだとか、なんでそんな事になるんだ……)

 

考えることが出来ず、周りがどんどん騒いで余計に考えがまとまらない。

 

「死んだとかおかしな事を言うな! 会社に電話して……県外って嘘だろ……」

「妻に逃げられて……積み重なった借金が払えなくて自殺したのに……」

「任務で敵地に侵入して……だが、ここは──」

 

携帯電話を持って連絡しようとするサラリーマンに無精髭で活力のない男性。顎に手を置いて考え込む軍人とパニックになったり、落ち着いている人と様々な反応をしている。

 

「パニックになっているところ申し訳ありませんがもしこの条件を受けるなら衣食住を約束します」

 

衣食住の約束するという言葉に騒がしくなった部屋が静かになる。

 

「なんだよ、約束って」

「詳しい説明はあとでしますが要約すると犯罪者を取り締まるような仕事をして欲しいのです」

「だけどそれって危険な仕事なんだよな? 命が幾つあっても足りないよ」

 

犯罪者の取り締まりって警察のような職業なのかな?それは確かに危険な仕事で刃物を使う人も捕まえることもするのだろう。

静寂を壊したのは軍人さんだった。

 

「俺はこの意見を飲もうと思う。わからない場所に放り込まれてパニックになるのは理解しているが他に道がないなら受けるしかない。その仕事しかないのか?」

「安心してください。もし無理な場合でもそれ以外の職業に就くことも可能です。先ほどのは危険が伴う仕事でして事務職のような職も用意しています」

「事務職なら……受けてみようかな。命に危険がないならいい」

 

サラリーマンのような人が自分に合った仕事を選べると安心したらしく、他の人も釣られて自分に合う仕事ならやると答えていく。

 

「あ、あの僕は学生ですけど。どんな仕事をすればいいですか?」

 

僕を含めた数人が学生で何をすればいいか迷っていると質問に答えてくれた。

 

「それは君たちがやりたい事をすればいいよ。最初に提案した仕事や事務職のような物でも何でもいい」

「なら、最初のやつをやって見ようと思います」

「いいのかい?本当に危険な事をする仕事だが、それでもやるのか?」

「勉強とか全然でして身体を動かすのは得意なので」

 

軍人さんと同じ仕事にすることにして、他の学生も何名かも一緒に参加することでとりあえず方針は決まった。

大半は不安でいっぱいだが無理だと思ったら別の仕事を用意すると言ってくれたのでやってみてからでいいだろう。




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