心に傷を負った少年と、ノンナさん   作:ジャーマンポテトin納豆

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プロローグ

少年の名前は坂本春馬。

紛争地帯に近い場所で誘拐にあい、

少年兵として戦った。

 

自分が、仲間が生き残る為に殺した。

 

ある時は、まだ10歳にもなっていない子供を殺した。

ある時は、お腹に赤ん坊のいる母親を殺した。

ある時は、助けてくれと泣き叫ぶ男を殺した。

 

そして彼と同じように攫われて少年兵として戦わされた

仲間もいた。

一人は砲弾が直撃して跡形もなく吹き飛ばされて自分が死んだことも分からずに死んだ。

一人は対物ライフルに撃たれて頭から胸までを吹き飛ばされて死んだ。

一人は撃たれて血を流しすぎて死んだ。

一人は最後まで家族にまた会いたいと願いながら死んだ。

一人は機関銃でズタズタにされて死んだ。

一人は戦車に踏まれてぺしゃんこになった。

一人は最後まで生き残った自分を逃がすために、身代わりとなって死んだ。

 

いくら時が経っても何一つ、頭から、耳から、目から、

脳裏から焼き付いて離れない。

耳には銃弾が飛び交う音が、砲弾が炸裂する音が、

敵や仲間の断末魔が離れない。

 

目には命乞いをしてきた人の顔が、殺した子供や母親、

父や母を殺されて死体にすがりついて泣いている子供の姿が忘れられない。

 

毎晩悪夢に魘される。

殺した子供がもっと遊びたかった、生きたかったと。

殺した母親が生まれてもいない子を抱きたかったと。

殺した男が夢を叶えたかったと。

死んだ仲間が

何故お前だけ生きているのかと。

お前もこっちに来いと。

まだまだ戦えるだろうと。

戦って殺してこっちに来いと。

夢の中で訴えてくる。

 

そんなのは現実ではないと分かっている。

だけどどうにもならない。

どうすることも出来ない。

 

泣きながら訴えた。

泣きながら許してくれと叫んだ。

誰か助けてくれと叫んだ。

でも、誰も助けてはくれない。

誰も手を差し伸べてはくれない。

 

 

みんな死んだ。みんな殺した。

みんな殺された。

 

どれだけ願っても変わらない現実。

どれだけ願っても変えることのできない過去。

 

苦しんだ。悲しんだ。

 

人々は彼を哀れんだ。

家族は彼を支えようとした。

だけど、心に深く深く刻み込まれた傷は、

脳裏に焼き付いて離れない記憶は、

いつも、どこでも、ふとした時に蘇る。

彼を蝕み続けた。

記憶がフラッシュバックを起こし、気を失う事もあった。

嘔吐した事もあった。

 

どうすればいいと、周りに聞いた。

どうすればこの苦しみから解放される?

 

 

 

 

 

それからしばらく経ち、

プラウダ高校に入学した彼が出会ったのは

一人の少女。

 

これから先どのように関わり、どのように成長していくのか?

そんな物語

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