心に傷を負った少年と、ノンナさん   作:ジャーマンポテトin納豆

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2話目

 

 

起きたらノンナに抱きしめられていた。

 

「起きましたか。

よく眠れましたか?」

 

一瞬何が何だか分からなかったが、

寝てしまう前の事を思い出した。

 

そうか......

ノンナに全部話したんだっけな......

その後、抱きしめられたまま寝てしまったのか

でも、こんなに安心して寝られたのはいつ以来だろう。

ノンナには、感謝しきれないな。

あとで何かお礼をしなきゃな。

 

「ありがとう。

おかげで、いつ以来か分からないけど、安心して眠れたよ」

 

そうお礼を言うと、

ノンナは微笑みながら、

 

「そうですか。それは良かったです。

これからも私は貴方の側にいますから」

 

そう言ってくれた。

こんなにも心配してくれるなんてな。

 

「ありがとう、本当にありがとう」

 

嬉しくて思わず泣きそうになったが、堪えた。

 

 

しかし、一体いつまで抱きしめているのだろうか?

 

「なぁ、その、いつまで抱きしめているんだ?

その、段々と恥ずかしくなってきたから離してほしいんだけど」

 

と、聞いてみたのだが、ノンナは

 

「そうですね......

貴方が一人でも安心して眠れるようになるまででしょうか?あと、私は離す気は全くありませんよ」

 

断られてしまった。

心配してくれるのはありがたいんだけど、その...

胸についているとても立派なものがですね...

俺の色々なものをゴリゴリ削っていくわけでして...

 

「............まじか」

 

「ふふっ、まじです」

 

嬉しそうに笑いながら返された。

 

こんな顔されたらこれ以上何も言えないじゃないか......

そんな事を考えているとノンナが、

 

「しかし丁度いい時間ですし、お腹も空いてきましたね。何か作るとしましょう。食べたいものはありますか?」

 

なんと料理までしてくれるらしい

しかし申し訳ないので、断ろうとすると

 

「いいえ、やらせて頂きます。

私が貴方にやってあげたいのです」

 

頑として譲らなかった。

しかしなぁ......

こんなに自分の為にやりたいと言ってくれているのだしこれ以上断るのも悪いからなぁ

 

「わかった。

すまない、お願いしてもいいか?」

 

謝りながらお願いすると、

 

「そういう時はありがとう、の一言でいいんですよ」

 

そう言われてしまった。

俺は、

 

「ありがとう、ノンナ」

 

そう言うとノンナは

 

「えぇ、どういたしまして」

 

また、嬉しそうに笑いながら言った。

 

「では、何か食べたいものはありますか?」

 

「いや、作ってもらうんだ。なんでもいいよ。

食べられないものも、アレルギーもないからな」

 

「分かりました。食材はありますか?」

 

「冷蔵庫に一通り揃ってるよ。

その、外に出ると何がきっかけでフラッシュバックするか分からないから」

 

「......申し訳ありませんでした。

余計な事を言わせてしまいましたね」

 

「いいや、気にしないでくれ。俺が勝手に言ったんだ。大丈夫だから」

 

「......はい。

では、作るとしましょう。少し待っていてくださいね」

 

そう言うとノンナはキッチンに向かって行った。

するとふと、思い出したようにノンナが言った。

 

「そういえば、自己紹介がまだでしたね。

ノンナと言います。よろしくお願いします」

 

確かにしていなかった。

俺はカチューシャが呼んでいたのを聞いて知っていたが。

 

「そうだな。

俺は坂本春馬。よろしくノンナ」

 

「はい」

 

また、嬉しそうに笑ってキッチンに入っていった

 

 

 

俺は小さな声で

 

「ありがとう、ノンナ」

 

そう言ったのだった。

 

 

しばらくして、いい匂いがし始めた。

最初は断ったが、いい匂いがしてくると待ち遠しくてしょうがない。胃袋と鼻というやつはなんとも現金なものだ。

 

 

 

またしばらくして、ノンナに呼ばれた。

料理が出来たらしい。

席に着くとそこには、なんとも美味しそうな料理が並んでいた。

 

ボルシチにビーフストロガノフ、パンにご飯

早く食べたい。

 

なんて思っていたら顔に出ていたのだろう。

ノンナが少し笑いながら、

 

「どうぞ、召し上がれ」

 

言われてしまった。

恥ずかしい...

しかし、美味しそうだし腹も減っていたので

 

「あぁ、頂きます」

 

すぐに食べ始めた。

一口食べると、

 

「おぉ......!うまい!

ノンナ、これすごくうまいぞ!」

 

思わず言ってしまうほど美味しかった。

 

「そうですか。それは良かったです。

おかわりもありますから」

 

「おう!」

 

「ふふっ、そんな慌てて食べなくても誰も取ったりはしませんよ」

 

美味しくて、必死になって食べていたら笑われてしまった。

 

3回ほどおかわりをして満足した。

あまりにも美味しかったので食べ過ぎてしまった。

 

「ご馳走さまでした」

 

「お粗末様でした」

 

「ノンナ、とても美味しかった。

ありがとう」

 

お礼を言うとノンナは

また、しかし先程よりも嬉しそうに笑って

 

「えぇ、どういたしまして」

 

こう言った。

 

 

 

ノンナの作ってくれた料理は、

とても温かくて、心まで満たされた。

幸せな気持ちになるほど美味しかった。

 

 

 

飯も食べたしもう帰るのかと思っていたので、

 

「ノンナ、そろそろ帰るだろ?時間も遅いし」

 

そう聞くとノンナは

何を言っているのだ?と言わんばかりの顔をしながら、

 

「いいえ?帰りませんよ?

私はさっき、春馬が一人でも安心して眠れるようになるまでは抱きしめて一緒に寝ると言いましたが?」

 

......泊まっていくらしい。

流石に色々と、まずいので

なんとか説得して帰らせようとしたのだが、

無理だった。

だって、

 

「春馬は私と一緒に居たくないのですか?

そうですか、ならば帰ります」

 

なんて悲しそうな顔しながら言われたら

誰だって断れないだろ。

しかもこれからもここに泊まるらしい。

いや、もういいけどさ......

 

 

 

別問題で眠れなくなりそうだ......

 

 

 

 

 

 

 

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