心に傷を負った少年と、ノンナさん   作:ジャーマンポテトin納豆

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7話目

 

 

ーーーー side ノンナ ----

 

 

二年生になって暫く。

 

今現在は春馬と一緒に住んでいます。

一年生の時に夏休みは練習が忙しかったりと顔を合わせる機会が減ってしまってどうしたらいいか悩んだところ、一緒に住めばいいという結論に至りました。

それに毎日のように通っていたので実質一緒に住んでいるのと変わらなかったですし。ならいっそのこと、という事ですね。

 

春馬の訪ねた時は驚いた顔をしていました。

何時もとは違って日用品や衣類と言った必要な物を全て持って春馬の部屋まで行ったのですからそれは驚くでしょう。

 

それから理由を説明して一緒に住み始めて今に至るという訳です。

ちょっとおど……いえ交渉しましたが、快く受け入れてもらえました。

 

 

それから三年生の卒業式があって、隊長にはお世話になっていたのに何もお返しが出来なくてそれを伝えたら、

 

「別に気にしなくてもいいのに。でもそうね、だったら早くノンナと結婚して子供の顔でも見せて欲しいわ」

 

と言われてしまいました。春馬は顔を赤くして恥ずかしがっていたようで周りが見えていなかったようですが、春馬を見た他の部員や三年生は、

 

((((((何を今更恥ずかしがってんだ))))))

 

と言う顔でしたよ?春馬は鈍感ですからこの気持ちに気付いてくれるのはいつになるんでしょうか?まぁ気が付かなかったらこちらから行けばいいだけの話なんですが。

春馬には子供を作るか聞いてみましたが、フリーズしてしまいましたね。

 

 

 

 

日常生活では問題無く過ごしていましたが戦車道の方はいい雰囲気とは言えません。

新三年生と私達下級生の対立が激しく、今までは学年関係なく意見を言い合い作戦を練ったりして今しましたが今はそんなことはなく、練習中でも言い合う事がしばしば。

正直この現状で大会になど望めるはずがありません。

しかし一年生は入って来たばかりで此処のルールなどは知らないので実質私達二年生対三年生と言う構図なのですが。

 

 

特に今日は酷かったです。

練習終わりのミーティングでカチューシャと私を筆頭に下級生組と三年生の言い合い。

三年生の中には私達の様に誰でも意見を言い合ってよりよい作戦を立てた方がいいと考えている方もいますが極少数。そんな状況での言い合いではまともな解決策など出て来る筈も無く。

 

そして結局出てきた解決案は一、二年生対三年生で試合をするという者でした。

条件は、

 

〔一、二年生が勝った場合、意見、作戦立案、ありとあらゆること、なんでも意見を言えるようになる〕

 

しかし負けた場合は、

 

〔三年生が居る間はありとあらゆることに関しての口出しの禁止、全てにおいて三年生に従わなければいけない〕

 

負けた時の条件で〔三年生が居る間〕とありますが引退してからも間違いなく口を出してくるでしょう。

そうやって威張るのが好きなようですし。

そうなれば優勝どころか今ですら勝てていない黒森峰女学院に勝つことなど夢のまた夢。それを考えると、はぁ……頭が重いですね。何としてでも勝たないといけませんね。

 

 

外に出れば春馬が既に迎えに来ていました。また待たせてしまいました。

帰る道すがらそのことを話しながら歩きます。

 

余計にややこしくなっているのは確かですね。

このままで本当にどうするんでしょうか?全国大会すら危ういですし。

取り敢えずやることは二週間後の試合に向けてやれることをやるしかありませんか。

 

 

 

アパートに着いたらパパっと食事を摂って入浴をして、春馬と一緒に布団にもぐる。

あぁ、やはり春馬の匂いは落ち着きます。これで今日も良く寝れます。

 

 

 






ノンナさん、主人公の心境を分かってない……
うらやまけしからん!



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