「『学び舎の神童 ロックス』」
「『戦巫女 タマヨリヒメ』!」
巴マミは巫女服の格好へと姿を変え、少女の前には小ぶりの象が姿を現した。
「先行は譲ってあげるわ。……そのユニット、『グレートネイチャー』ね」
ヴァンガードで使用するカード、そのカードには国家と呼ばれる纏まりがあり、そこから更に複数の組織『クラン』と呼ばれる物で分別されている。
先程マミの言った単語『グレートネイチャー』もクランの一つで、特徴として動物の姿のユニットが多い。
「……私のターン、ドロー」
少女はマミの言うことに無反応で、山札から1枚引いた。
少女の手札:6
「『知識の運び手 ロックス』にライド」
少女の前にいた象は光を放ち、姿が見えたと思ったらその象は体が大きくなっていて、まるで成長したようだった。
「『学び舎の神童 ロックス』のスキル…この子が『知識の運び手 ロックス』に成長出来た時、山札の上から7枚見て、『真理の守護者 ロックス』か『護法官 ロックス』…どちらか未来の自分を加える事が出来る」
少女は山札から7枚ほど引き、その中から1枚のカードを選び巴マミに見せた。
「『護法官 ロックス』を加えたのね、これで次のライドは保証された。連携ライドの旨味ね」
少女は残りのカードを山札に戻し、シャッフル。続けて手札から2枚、場に出した。
「そして『知識の運び手 ロックス』のスキル。『学び舎の神童 ロックス』がソウルにいるとき、常にパワー+1000。……『モノキュラス・タイガー』と『鉛筆従士 はむすけ』をコール」
V『知識の運び手 ロックス』
7000+1000=8000
V後ろ『鉛筆従士 はむすけ』
右後ろ『モノキュラス・タイガー』
少女の側に虎と、スパナを持って丸々としたハムスターが現れた。
「私はこれでターン終了、どうぞ」
少女の手札:4
「私のターン、ドロー!」
少女の手番が終わり、次はマミの番へと移った。
マミは山札から1枚引いた。
マミの手札:6
『……そこまで言うのなら見せてもらおうじゃない、巴マミ。先輩の実力って奴をね』
「『戦巫女 ミヒカリヒメ』にライド!」
巴マミから光が放たれ、少し格好の変わった巫女服姿へとなった。
「『戦巫女 タマヨリヒメ』のスキル!同じクランのユニットがライドした時、好きなRサークルへ移動するわ」
V後ろ『戦巫女 タマヨリヒメ』
巴マミの背後に別の巫女服の女性が現れた。
『相手はRを2体も展開……V後ろは分かるけど、どうしてわざわざもう1体出したのかしら?』
巴マミは少女の前にいる象を見た。
「……………」
『あの象の能力と何か関係がありそうね。でも展開してくれるんだったら……』
巴マミは真ん中のカードを押さえつけて、
『私にとっては好都合ね!』
「『戦巫女 タマヨリヒメ』のブースト、『戦巫女 ミヒカリヒメ』でVをアタック!」
巴マミの背後にいる巫女服の女性から魔力が巴マミへと送られる。
巴マミは周りに設置してあるマスケット銃を取り、少女へと照準を定めた。
しかし少女は動じず静かに、
「……ノーガード」
とただ一言宣言しただけだった。
「あらそう。じゃあ、ドライブチェックをするわ」
マミは山札から1枚めくった。
トリガー:G2『戦巫女 サホヒメ』
「トリガーは無し、ダメージが1点ね」
『ロックス』VS『ミヒカリヒメ』+『タマヨリヒメ』
8000vs13000
巴マミはマスケット銃を掴んでは撃ち、掴んでは撃ちと少女にはガトリングのように弾が襲いかかった。
「…ダメージトリガー、チェック」
トリガー:引『カスタネット・ドンキー』
「…ドロートリガー。私は1枚引いて、パワーは『ロックス』へ」
マミのダメージ:0
少女のダメージ:1
少女は山札からめくったカードを左上の方に置き、その後また山札から1枚引き、それは手札に加えた。
「あら、開幕早々にドロートリガーなんて、幸先良いじゃない」
「……………」
少女はマミの問いかけにも答えず、終始無言だった。
フードのせいでその表情すら笑っているのか悔しがっているのかも分かりにくい。
「まぁいいわ。私はこれでターンエンドよ」
マミの手札:6
「…スタンドアンドドロー」
手番が移り、少女の番だ。
少女は横に倒したカードを縦に戻し、山札から1枚引いた。
少女の手札:6
「『護法官 ロックス』にライド」
象は光を放ち、更に大きく、生えていた牙もより立派な姿へとなった。
「『知識の運び手 ロックス』のスキル…彼が『護法官 ロックス』に成長出来た時、自分の仲間に知識を授ける」
象は身につけている本から光の粉を側にいた虎とハムスターに振りまいた。
「知識…?」
「知識は絶対…知識は力…知識は…裏切らない。『コンパス・ライオン』、『ぐるぐるダックビル』、『タンク・マウス』をコール」
左前『コンパス・ライオン』
左後ろ『タンク・マウス』
右前『ぐるぐるダックビル』
少女の周りに刺々しい緑色のライオン、小さな大砲に乗っかったネズミ、頭に受話器を乗せたアヒルなど、新しいユニットが3体も現れた。
しかし少女の手札はあっという間に少なくなり、今はたった2枚しか残ってない。
「なっ!この序盤で手札をそんなに使うの!?」
「『ぐるぐるダックビル』のスキル。この子がRに出た時、他のRの子に知識を与える。与えるのは…この子」
アヒルは頭にある受話器をライオンに向けた。
受話器からはアヒルの鳴き声と光の粉が出て、ライオンの体に吸い込まれていった。
また『知識』ね……何かの比喩?
でもパワーが上がったわけでもない、いったいどうゆうつもりかしら?
「…『タイガー』と『ダックビル』は入れ替え」
少女は右側にあったカード2枚の位置を前後入れ替えた。
すると、アヒルの後ろにいた虎はいつの間にかアヒルの前へ、虎のいた場所にはアヒルがいた。
「『タンク・マウス』のスキル、自身をレストして私のR1体にパワー+4000。……この子に決めた」
少女は虎を指した。ネズミは少女の言葉を理解したのか、自身の乗ってる大砲を虎へと向け、白い光の弾を発射した。
弾は虎に見事命中し、虎は一段と力強くなったのをその雰囲気で感じる。
R『モノキュラス・タイガー』
7000+4000=11000
「さぁ、狩りの時間だよ。『ダックビル』のブースト、『タイガー』でVをアタック」
アヒルは虎に魔力を送り、虎は巴マミ目掛けて一目散に突っ込んで来た。
「『モノキュラス・タイガー』のスキル、この子がVにアタックした時、他のRの子にパワー+4000。……この子にする」
虎から発せられた魔力は象の後ろにいるハムスターへと流れ込んでいった。
R『鉛筆従士 はむすけ』
6000+4000=10000
「……ノーガードよ!」
『ミヒカリヒメ』VS『タイガー』+『ダックビル』
8000vs18000
虎はその勢いのまま、爪で巴マミを切り裂いた。
「っ!ダメージチェック!」
トリガー:G1『戦巫女 タツタヒメ』
マミのダメージ:1
少女のダメージ:1
巴マミは山札から1枚めくったが、それはトリガー効果を持つカードではなかった。
「……トリガーは無しよ」
マミは残念そうにめくったカードを左上の方に置いた。
「…『はむすけ』のブースト、『ロックス』でVをアタック」
ハムスターは象に魔力を送り、象はゆっくりと巴マミに近づいて来た。
「それも…ノーガードよ!」
「ドライブ…チェック……」
少女は山札からカードを1枚めくった、すると……
トリガー:醒『イレイサー・アルパカ』
「…スタンドトリガー、その効果は全て『モノキュラス・タイガー』へ」
R『モノキュラス・タイガー』
11000+5000=16000
めくったカードから魔力が虎へと流れ込み、行動を終えたはずの虎は再び戦闘態勢へと身構えた。
「スタンドトリガーですって!?」
『ミヒカリヒメ』VS『ロックス』+『はむすけ』
8000vs20000
象は巴マミの目の前で止まると、その長い鼻で巴マミを引っ叩いた。
「きゃっ!」
マミはあまりの威力に体がその場から少し飛ばされた。
「巴マミ!」
「…さぁ、ダメージ1点よ?」
「くっ……ダメージ、チェック!」
『ここでトリガーが出ないと少し危ないわ。……お願い!』
巴マミは山札から1枚めくった。そのカードは……
トリガー:☆『サイバー・タイガー』
「やった!クリティカルトリガー!クリティカルの意味は無いけど、パワーはVへ!」
V『戦巫女 ミヒカリヒメ』
8000+5000=13000
マミのダメージ:2
少女のダメージ:1
よかった、あとはあの『モノキュラス・タイガー』の攻撃だけで終わる。
巴マミは安心しきっていた、故に忘れていたのだ。
あのユニット、『モノキュラス・タイガー』の恐ろしい能力を。
「『モノキュラス・タイガー』でVをアタック。この時、『モノキュラス・タイガー』のスキルがまた発動する。……今度はこの子」
R『コンパス・ライオン』
11000+4000=15000
虎から出た魔力、今度は刺々しい緑色のライオンへと向かい、力を高めた。
「そ、そんな!!」
「ガード宣言をして。ガードするの?しないの?」
「…ノーガードよ」
『ミヒカリヒメ』VS『タイガー』
13000vs16000
虎は巴マミを再び切り裂いた。
「きゃあ!!」
巴マミはその衝撃に一度は倒れたが、何とか持ち耐え、立ち上がった。
「……………」
そんな彼女に何か催促するように少女は巴マミを見ている。
「分かってるわ、ダメージチェック……」
トリガー:G3『英知の守り手 メーティス』
「トリガー無しよ。どうやら今回はトリガーに恵まれてないみたいね」
マミのダメージ:3
少女のダメージ:1
「『コンパス・ライオン』でVをアタック」
傷付いてる巴マミに休ませる暇すら与えず、次は緑色のライオンがその刺々しいたてがみを構え、巴マミに迫ってきた
『このターン、これ以上ダメージを受けるわけにはいかないわ。かといって戦力を削るわけにもいかない……仕方ないわね』
「『戦巫女 ククリヒメ』でガード!」
『ミヒカリヒメ』VS『ライオン』
23000vs15000
巴マミの前に小さい巫女服の少女が現れ、緑色のライオンのたてがみはに突き刺さり、巫女服の少女は消滅していった
「…ごめんなさい、でもありがとう。ゆっくり休んでね」
巴マミは守ってくれた少女にお礼を言うと、消滅していく中、その表情は苦痛に悶えながらも安らかだった。
『ダメージ3点と手札が1枚……かなりの痛手ね。まだ序盤だけど、プレイイングを見る限り彼女のデッキ、スタンド軸の短期決戦型みたいね。そうなると私との相性は最悪ね』
やっと長いバトルフェイズが終了した……だが、次に巴マミは衝撃的な光景を目にする。
「なっ!?あれは!」
少女の周囲にいたユニット達が自分達の仲間に噛み付いたり、切り裂いたり…互いが互いを傷つけ合っていた。
「ど、どうゆうこと?ユニットが仲間割れするなんて聞いたことがないわ!」
「……この子達は知識を与えられた、けどその知識についていくほど、出来てはいなかっただけ」
そうこうしているうちに仲間割れはヒートアップし、ライオンはハムスターに噛み付いた。
「そう、君はこの子が気に入ったの。ならそうすればいいわ。本能のままに……『コンパス・ライオン』のスキル、この子はエンドフェイズ開始時、自分の気に入った子を壊す癖があるの」
ブチ、ブチブチ!
ライオンは容赦無くハムスターを喰い千切り、虎もライオンと共にハムスターに噛み付き、喰い千切った。
肉が千切れる音と共に、ハムスターは消滅していき、ハムスターが消滅すると同時にネズミの乗ってる大砲が虎を撃ち抜いた。
虎は体に大きな穴を開けながらも、その近くにいたライオンの首元に噛み付き、首ごと喰い千切り虎は倒れ消滅していった。
ライオンも頭と体に分かれ、体を震わせながら、次第に消滅していった。
「うっ!」
そのあまりに無残な光景に巴マミは吐き気を催し、それ以上は見てられず目を背けた。
「……っ!」
檻の中に閉じ込められている暁美ほむらですらその光景から目を逸らしたくなる程の惨劇だった。
「……まどかが気を失っててよかったわ。この光景は、この子には毒すぎる」
……………続く
マミさんピンチです!MPっす!
しかしファイトシーンもそうだけどちょっと箇条書きになりがちだな。
毎度恒例ですが、ロックスはこんなに強いわけではありません。むしろ残念なぐらいのユニット……
強くはあるけど他に目を奪われがち……
頑張れ、ロックス!真理はいつも君と共に!