魔法少女まどか☆マギカ 補完への物語   作:48180

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『知識を得るのは簡単だ、難しいのはその知識を生かし応用することだ』


第七話『ここから反撃開始よ!』

少女の周りにいたライオン、ハムスター、虎は無惨に傷付き、消滅していった。

 

「……酷い…!」

 

その殺戮現場にいながらも、少女はただ静かにこちらを見つめていた。

 

「酷い…?それは違う。この子達は知識を得て、学んだの」

 

「学んだ…?」

 

さっきから彼女の言動は何処か妙だ。

『 知識』だの『学んだ』だの……カードから生まれて見えるあの動物達はただの魔力の塊、幻像(ファントム)じゃないの?

 

「何を学んだらこんなことになるのよ!これじゃあその子達が可哀想過ぎるわ!」

 

巴マミの言う通りだ。

例え魔力で出来た存在とはいえ、ここまでボロ雑巾のように扱われては同情も生まれる。動物の姿をしているから尚更、可哀想と思えてしまう。

しかし、少女はそう思ってはいないようだ。

 

「何を言っているの?弱者は強者の贄に、強者は更なる高みへと強者を喰らう……それが(ことわり)、この子達はそれを学んだの。これは当然の行動」

 

少女はただ淡々と言葉を吐いた。

これはいつか佐倉杏子の言っていた『食物連鎖』を思い出させる。

成る程、動物の形をしてる分その辺のヒエラルキーが嫌味なほど皮肉じみている。

 

「それに、私のエンドフェイズはまだ終わってない」

 

「え?だって攻撃は終わったじゃない、これ以上することなんて……」

 

「この子達の知識は、無駄にはならない。カウンターブラスト:1、『鉛筆従士 はむすけ』のスキル発動。この子がエンドフェイズ中に昇華した時、山札から『鉛筆従士 はむすけ』…つまり仲間を連れて来る」

 

少女はダメージにあったカードを裏返し、山札から『鉛筆従士 はむすけ』を巴マミに見せ、手札に加えた。

 

マミのダメージ:3

少女のダメージ:裏1

 

「退却した時にサーチ…無駄の無いスキルね」

 

「まだ、終わらない。『ロックス』のスキル、この子が知識を与えた子がエンドフェイズ中に昇華した時、私はカードを引く。昇華した子は2体、私は2枚ドロー」

 

少女は山札から2枚引いた。

 

「更に『ダックビル』も同じく、知識を与えた子が昇華したから1枚……」

 

少女は更に1枚引き、2枚だった手札はみるみる増えていった。

 

「私はこれでターン終了…」

 

少女の手札:7

 

「あれだけ展開して手札が減ってない!?いや、むしろ増えてる!?」

 

巴マミは動揺を隠せなかった。

無理もない、あれほど手札を使われたと思ったらすぐに回復していたのだ。

しかし、これこそが『グレードネイチャー』の特性。

味方を強化し、強化した味方は退却される。しかし退却されるからこそ発動出来る効果もある

 

『退却を利用するクラン……手強いわね』

 

「貴女の番……」

 

「えぇ、分かっているわ。スタンドアンドドロー!」

 

巴マミは自分のカード達を縦に戻し、山札から1枚引いた。

 

マミの手札:5

 

今の状況は素人の私でも分かる、巴マミが劣勢だ。

だがこのまま何もしない彼女ではないだろう。

 

『予定よりダメージ受けちゃったけど、今はこれを利用させてもらうわ!』

 

「『黄昏の狩人 アルテミス』にライド!」

 

巴マミの身体が光に包まれて、次に姿を現したら緑色の服に短いスカート、そして天使の輪のような円盤が頭の上に浮いていた。

 

「そして、コール!」

 

そして巴マミは手札から2枚ほど場に出した。

 

マミの手札:2

右前『戦巫女 サホヒメ』

右後ろ『エクセステンス・エンジェル』

 

「さぁ、行くわよ!『タマヨリヒメ』のブースト!『黄昏の狩人 アルテミス』でVにアタック!」

 

背後にいる巫女服の女性から魔力が巴マミへと送られ、マミはマスケット銃を象に向けて構えた。

 

「……ノーガード」

 

「あら、それだけ手札があるのに防がないのね。いいの?」

 

「……………」

 

聞き返しても少女は何も言わない。無言の肯定というものか、相変わらずフードで表情は見えない。

 

「なら、ドライブチェック!」

 

巴マミは山札から1枚めくった。

 

トリガー:☆『戦巫女 ククリヒメ』

 

「ゲット、クリティカルトリガー!クリティカルはVに、パワーは『サホヒメ』へ!」

 

V『黄昏の狩人 アルテミス』

☆1+1=2

R『戦巫女 サホヒメ』

9000+5000=14000

 

『ロックス』VS『アルテミス』+『タマヨリヒメ』

10000vs14000

 

めくったカードから魔力が巴マミへと流れ、マミはマスケット銃をもう一本生み出し、

 

「ティロ・ドッピエッタ!!」

 

2本のマスケット銃を象に向け撃った。

弾は象に当たり、象は苦しそうに呻いた。

 

「…ダメージチェック」

 

トリガー:G1『タンク・マウス』

トリガー:G2『護法官 ロックス』

 

マミのダメージ:3

少女のダメージ:2裏1

 

今の攻撃でマミと少女のダメージが並んだ。

しかも巴マミはまだ攻撃を残している、これで勝負はまだ分からないわね。

 

「これで終わりじゃないわよ、『アルテミス』と『タマヨリヒメ』のスキル発動!『アニマ・アキュミレーション』!」

 

巴マミはまた何処からか辞書で調べてきたのかよくわからない単語を叫んだ。

彼女もアレがなければまともなのに……

暁美ほむらは檻の中からとても残念そうな目で巴マミを見つめている。

 

「『アルテミス』の攻撃がVにヒットした時、私はソウルチャージ:2をしてもよい」

 

巴マミは山札から2枚めくり、それを真ん中のカードの下に重ねた

 

G2『戦巫女 シタテルヒメ』

G2『黄昏の狩人 アルテミス』

 

「『タマヨリヒメ』も同じだけど、この子の場合コストがあるわ。カウンターブラスト:2使って発動、けどその代わりチャージは3よ」

 

巴マミはダメージのカードを2枚裏返し、先程と同じ手順を行った。

 

G3『英知の守り手 メーティス』

G1『エクセステンス・エンジェル』

G1『挺身の女神 クシナダ』

 

「あら、ここまでトリガーがめくれないなんて、ついてるわね。続けて『エクセステンス・エンジェル』のブースト、『戦巫女 サホヒメ』でVにアタックよ」

 

「……ノーガード」

 

「ノーガード?そんなに手札があるのに温存ってわけ?あまり良い戦術とは言えないわね」

 

少女は巴マミの言うことなど少しも気にせず、ただダメージを受けるのを待っているようだ。

だが巴マミの言うことも一理ある。

ヴァンガードは6点目のダメージを受けたその瞬間敗北する、そしてこの攻撃を通せばダメージは4点目……手札に余裕があるなら少しでも防ぐべきと素人の私でも分かる。

しかしノーガード宣言が成立したのか、巴マミの側にいた巫女服の少女は少女に向かって杖で叩いた。

 

「……ダメージチェック」

 

少女は山札から1枚めくった。本来ならここで少女は4点目へとなるはずだったが……

 

トリガー:治『ディクショナリー・ゴート』

 

「…ヒールトリガー、ダメージから1枚ドロップ」

 

「ここでヒール……運がいいわね」

 

マミのダメージ:1裏2

少女のダメージ:3

 

ヒールトリガー…ダメージゾーンのカードが相手以上の時、自分のダメージゾーンから1枚減らす効果を持つトリガーね。

少女はめくれたカードをダメージゾーンへ、裏返しになっていたカードをドロップゾーンへと置いた。

 

「運…?違う、これは知識の力…『確率』」

 

「確率…?」

 

「山札は全部で50枚…今の手札が7、ダメージが3、ソウルが2、場が3、ドロップが3、合わせて18枚。差し引いて残り32枚…これが、さっきのダメージを受ける前までの私の山札の枚数」

 

少女は淡々と説明口調で言葉を発している。

 

「情報を与えてしまうけど、私の山札にはヒールが4枚残っていた。単純計算、4/32…即ち1/8。1/8の確率でヒールがめくれる計算」

 

「は、1/8って!そこまで高い確率でもないじゃない!」

 

「そう…貴女の言う通り、けして高くはない。……でも、私にはそれぐらいで十分」

 

少女はまるで機械のように、冷淡な言葉を並べた。

あの子、中々狂ってるわね。勿論言葉の意味通りもあるけど、まだ幼い歳だろうにあそこまで冷静に状況分析出来るのは恐ろしさを感じるわ。

 

「さあ、貴女のターンは終了?」

 

「……いいえ、まだ終わりじゃないわ。『サホヒメ』のスキル!カウンターブラスト:1、私はソウルチャージ:3するわ!」

 

G2『戦巫女 サホヒメ』

G3『英知の守り手 メーティス』

☆『檸檬の魔女 リモンチーノ』

 

「更に『エクセステンス』のスキル、このユニットがブーストしたバトルがVにヒットした時、ソウルチャージ:1よ!」

 

☆『檸檬の魔女 リモンチーノ』

 

巴マミは更に4枚、先程のも合わせると合計9枚も山札から減っていた。

これが巴マミの扱うクラン、『ジェネシス』の特徴のようね。ソウルを増やして戦うクラン、でも山札をソウルへ送ることはそのまま山札切れへと繋がる……

結構危なっかしい戦術ね。

 

「私はこれでターン終了よ」

 

マミの手札:3、ソウル:10

マミのダメージ:裏3

少女のダメージ:3

 

「…私のターン、スタンドアンドドロー……夢を追いかけることは素晴らしい、しかしその道は果てしなく遠き道……彼女はそれを手助けしてくれるだろう、彼女が得し『知識』を用いて…『特別名誉博士 シャノアール』へライド…!」

 

象は再び成長するかと思いきや、次に現した姿はモノクルをかけた賢そうな猫だった

 

「あら?『ロックス』ではない…てことは連携ライド失敗ね」

 

「……コール」

 

右前『護法官 ロックス』

V後ろ『スタンプ・ラッコ』

左前『特別名誉博士 シャノアール』

 

猫の後ろにラッコ、側に先程の象、Vと似た猫が姿を現した。

 

「『マウス』のスキル、パワーは…この子」

 

R『スタンプ・ラッコ』

6000+4000=10000

 

ネズミは前のターンで見せたように大砲から光の弾をラッコへ向け、弾は見事に命中し、ラッコの魔力が上がった。

 

「そのネズミ…中々厄介ね」

 

毎回パワーパンプ…デメリット付きとはいえ、かなり手強いスキルだ。しかも相手は退却された時スキルを発動するユニットばかり……それを考えたら、巴マミの方が圧倒的不利ね。

 

「バトル…『シャノアール』でVにアタック」

 

「手札が厳しいわね……ノーガード!」

 

『シャノアール』VS『アルテミス』

11000vs9000

 

猫は巴マミを引っ掻き、最後には吹き飛ばした

 

「っ!ダメージチェック!」

 

トリガー:G1『戦巫女 ミヒカリヒメ』

 

マミのダメージ:1裏3

 

「まだまだ…『ダックビル』のブースト、『ロックス』でVにアタック」

 

「それは『戦巫女 ククリヒメ』でガード!」

 

『ダックビル』+『ロックス』VS『アルテミス』+G

16000vs19000

 

象の攻撃は巴マミの前に現れた巫女服の少女によって阻まれた。

巴マミ、その少ない手札でよくやるわね。一瞬の判断ミスで負けが決まる……今巴マミはその状況にいる。

 

「『ラッコ』のブースト、『シャノアール』でVにアタック」

 

さて、ここが正念場ね。手札的にはノーガードと言いたいだろうけど、攻撃してきているのはVだ。Vと言うことはドライブチェックがある、そしてそのドライブチェックでもし、クリティカルトリガーがめくれてしまった場合、巴マミのダメージは6点まで溜まり敗北が決まる……

巴マミ、貴女はこの窮地をどう乗り切る?

 

「……ノーガードよ」

 

「そう…ツインドライブ、チェック」

 

G2『バイナキュラス・タイガー』

G3『特別名誉博士 シャノアール』

 

「…トリガー無し、ダメージ1点」

 

「っ!ダメージチェック!」

 

トリガー:G3『永久の女神 イワナガヒメ』

 

マミのダメージ:2裏3

 

「……ここまでトリガーが出ないなんて、今日は本当についてないわ」

 

「……私はこれでターン終了」

 

マミの手札:2

少女の手札:6

 

そうね、それが最善(ベスト)の選択ね。

出るかも分からないトリガーなんかに怯えていたら勝負なんて勝てない、けど今の判断は彼女の割りには思い切ったわね。

……もしくはガード出来なかったか、そのいずれかが理由でしょうね。

 

「……あれ?その子は退却しないの?」

 

巴マミはVの後ろにいたラッコを指差した。

そういえばそうだ。あのネズミのユニット、『タンク・マウス』のスキルを受けたユニットはエンドフェイズに退却されるデメリットを持つはずだ。

なのにあのラッコは退却される素振りが微塵もない。

一体どうゆうこと?

 

「それはこの子『スタンプ・ラッコ』のスキル。この子は他の子と違ってもう学ぶ必要がないおじいちゃん……知識を得てその使い方を知ってる、だから死なない」

 

どうやら中々曲者のユニットだったようだ。

『カードの効果で退却されない』スキルを持つユニット……これほどまでパワーパンプの恩恵を受けるユニットが他に存在するだろうか?

否、きっといないだろう。

 

「……ふざけてる効果ね、嫌になっちゃうわ」

 

巴マミの愚痴も最もである。あのネズミのスキルでラッコは毎回パワーアップして、なおかつ退却されない……これをふざけてると言わずにいられるだろうか。

 

「まぁいいわ。ダメージが5点になっちゃったけど……」

 

巴マミは横に向いてるカードを戻し、山札から1枚引いた。

 

マミの手札:3

 

「私は最後まで諦めないわ、ここから反撃開始よ!」

 

 

 

 

 

……………続く




試合は佳境へ、勝負の行方は……
しかしまだ1試合終わらない……
チュートリアル試合もしなきゃならんのに……
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