音ノ木坂学院スクールアイドル「Sirius」の顧問になった高海千歌に霞の家の場所を教えて貰い訪ねてきた長月瑠衣。
初めて霞を見たときから運命を感じていた瑠衣は霞を「Sirius」に入れることは出来るのか?
〈霞の家近くの公園…〉
霞 「…で?やっぱり勧誘の続きなの?」
眼鏡にパーカーと部屋着スタイルで尋ねる霞。
瑠衣 「…ねぇカスミン…」
霞 「…何よ?」
瑠衣 「…あなたの…
一番星は何ですか?」
霞 「え? アセ あ、相変わらず突拍子もない…」
瑠衣 「フフ…わからない?『火星兄弟』のセリフだよ?」
霞 「…あ!…ス、スフィアおばさんの…」
自分の愛読書のワンシーンを思い出す霞。
瑠衣 「うん! ニコ 瑠衣が一番好きなシーンなんだ!…睦月くんことムッちゃんが火星を目指すかどうか迷ってるとき…スフィアおばさんがムッちゃんに問いかけるセリフ…」
霞 「確かに…いいシーンだね…」
微かに笑顔になる霞。
瑠衣 「瑠衣ね…スクールアイドル始めたはいいけど…全然上手くいかなくて…最初いたメンバーも気付いたらいなくなってて…瑠衣…1人になってて…結局ラブライブに参加も出来なかった…」
霞 「…まぁ…今の音ノ木坂じゃ…しょうがないんじゃない?…私も勉強ついて行くのに必死だし…」
瑠衣 「うん…何となく噂には聞いてたけど…まさかここまで厳しい状況だと思わなかったから アセ …正直…何度も…無理なのかな?って…思っちゃったんだ…」
下を見ながら話す瑠衣。
霞 「…でも…あんたはずっと1人でビラ配りしてたよね?」
瑠衣 「え!?…カスミン…知ってたの!? 」
顔を上げて驚く瑠衣。
霞 「…まぁ…そりゃあんなしょっちゅうおかしな時期に部員勧誘してれば…目立つから…」
瑠衣から目を逸らして言う霞。
瑠衣 「カ、カスミ〜ン!気付いてたなら話しかけてよ〜! アセ 」
霞 「だ、だから私はスクールアイドルなんて興味なかったから! アセ …あの時は…」
瑠衣 「…あの時は?」
霞 「う…アセ …そ、それで!?…どうしてあんなに誰にも相手にされなかったのに…ずっとビラ配って勧誘してたのよ!? アセ 」
動揺を誤魔化すように慌てて尋ねる霞。
瑠衣 「私の…一番星だから…ラブライブに出ることが。」
霞 「…そんなに出たいの?ラブライブに…」
瑠衣 「うん! ニコ 」
霞 「…まぁいいんじゃないの?こんな状況の音ノ木坂でも…あんたがやりたいっていうなら好きにすれば…」
瑠衣 「…カスミンは?」
霞 「え?」
瑠衣 「まだ答えてくれてないよ?…カスミンの一番星は何なのか…」
微笑んで尋ねる瑠衣。
霞 「わ、私は…あんたみたいに…夢とかやりたいこととか…別に…ないから! アセ 」
瑠衣 「…じゃあどうして『火星兄弟』が好きなの?今あの漫画程夢を追いかける大切さを教えてくれる漫画はないんじゃない? ニコニコ 」
霞 「そ、それは アセ …ただ…単純に…面白いから読んでるだけで…
…とにかく私には夢なんてないから!!」
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〜霞、音ノ木坂学院入学初日〜
教師 「それでは皆さん!これからクラス分けを決める学力テストを受けてもらいますが…その前に進路調査をしたいと思います!
…音ノ木坂学院での三年間を将来のために1分1秒無駄なく過ごすため常に目標を念頭に置いて行動するようにしてください!
…まぁここにいる皆さんなら既に決めてあるとは思いますが…それでは30分後にまた来るのでそれまでに第三志望まで記入しておいてください!」
霞 「………」
教師 「フフ。入試の時首席だった霜月さんならやっぱり第一志望は東大か…あるいは欧米の大学かしら?」
霞 「…そう…ですね…」
微妙な笑顔で答える霞。
教師 「あなたなら間違いなくAクラス入りね!待ってるわよ!」
霞 「は、はい! 」
進路調査票に視線を移し固まる霞。
霞 「……………………
………将来………
私のやりたいことって…
…何?
(………結局……私は調査票に何も書けず…テストの結果も最悪で…最下位クラスのEクラスに入ることになった…)」
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〜現在 、霞宅近くの公園…〜
霞 「……将来なんて…やりたいことなんて…考えれば考えるほど…わからないよ!!」
瑠衣 「カ、カスミン…」
急に声を荒げる霞に少し驚く瑠衣。
霞 「…あんたはいいよ!…成績最下位グループのEクラスにいたって…ちゃんと…やりたいことがあるんだから!…私は…私には…目標なんて…中学までは単純に…みんなが褒めてくれるから…難関進学校目指して…一所懸命勉強して…バスケ部も早めに引退して…遊んだりもしないで…
…でも…でも…何のためにこんなに必死に勉強するのか分からなくなってからは…もう…何もやる気起きなくて…バスケをまたやる気にもなれなくて…家で引きこもって漫画、テレビ、ゲームの毎日で…
私だって…私だって…考えてるけどわからないんだよ!!…私には無いんだよ……あんたや…ムッちゃんが持ってる一番星なんて…」
俯向きながら話す霞。
瑠衣 「…じゃあさ…瑠衣とカスミンで…ムッちゃんみたく宇宙飛行士になって火星に行く?」
ニカッと笑って言う瑠衣。
霞 「あ、あんた! アセ 本気で言ってんの!?」
瑠衣 「うん! ニコ 」
霞 「ば、馬鹿にしないでよ!!」
顔を赤くして怒る霞。
瑠衣 「してないよ!馬鹿になんて!」
負けじと言い返す瑠衣。
霞 「だ、だって…ありえないでしょ!火星とか!
アセ 」
瑠衣 「あり得るよ!…火星じゃなくて…ラブライブだけど! ニコ 」
笑顔で言う瑠衣。
霞 「ああ…そういうこと…」
瑠衣 「知ってる?瑠衣達の『Sirius』は…火星より…太陽より…ずっとずっと…ず〜〜っと!
…宇宙で強く輝いてるんだよ?
…ほら!」
夜空で輝く一等星シリウスを指差す瑠衣。
霞 「………シリ…ウス…まぁそれ位は知ってるけど。ん?…達?…ってあんた1人なんじゃ…って…ああそう言えば一年の子で入りそうな子いたんだっけ…」
瑠衣 「…一緒にやらない?カスミン!」
霞 「…別にもうあんた1人じゃないんだから無理矢理私を誘わなくていいんじゃないの?」
瑠衣 「私は…カスミンとやりたい!一緒に…『Sirius』で一緒に…私達の火星を…
ラブライブを目指したい!!」
霞 「だ、だからそれは私の一番星…! テレ …も、目標とかではないし… 」
瑠衣 「…でも『Sirius』に入れば…自動的にラブライブが一番星になるんだよ? ウィンク 」
霞 「な、何よそれ!そんなの屁理屈…」
瑠衣 「いいじゃん!屁理屈でも何でも!
…やりたいことがわからないならさ…引きこもってるより…外で動きながら考えればいいじゃん!同じことでしょ? ニコ 」
霞 「そ、それは……で、でも…私が…アイドルなんて…」
頬を染めながら言う霞。
瑠衣 「大丈夫!カスミンめちゃかわだし…声もハスキーな感じで可愛いし♪ダンスだって瑠衣やエリーチカ先生が教えるし!ていうか『Aqours』の千歌さんがいるし!…ツバメちゃんが…きっと可愛い衣装も作ってくれるし!…だから…だから…カスミンの一番星が見つかるまでの仮入部でもいいから…
だから…
瑠衣と一緒に「Sirius」をやってくだしゃい!!
……(か、噛んだ!?大事なとこ! アセアセ )」
勢いよく頭を下げて手を差し出したものの最後の最後で噛んでしまう瑠衣。
霞 「…噛んだでしょ?最後… ジト 」
瑠衣 「………はい(汗)」
頭を下げたまま返事をする瑠衣。
霞 「…全く
……………………
………大丈夫か?
…こんなのに着いて行って…」
瑠衣 「こんなのって! アセ
…え?…そ、それって…」
霞 「…スフィアおばさんが言ってたでしょ?
『上手じゃなくても音を出さなきゃ音楽は始まらない』…って…」
漫画「火星兄弟」の中のセリフを言う霞。
瑠衣 「…出してくれるの?おと… 」
涙目で霞を見つめる瑠衣。
霞 「音なのか何なのか知らないけど アセ
…でも…まぁ…
やるよ…
漫画もテレビもゲームも飽きてきたし…」
苦笑いしながら言う霞。
瑠衣 「だ…だ…
ダティチョー(まじで)!!? 泣 」
霞 「な、何それ?またロシア語?
…ってうわ! アセ 」
『ガバッ!』
瑠衣 「ハラショー!!カスミ〜ン♡」
霞 「ちょっ!? アセ な、何抱きついてんのよ!カオマッカ 」
瑠衣 「だって! グス カスミンと一緒にスクールアイドルやれるなんて…瑠衣…嬉しくって! グス 」
霞 「な、泣くほど嬉しいの?」
瑠衣 「泣くほど嬉しいよ! グス
だって…瑠衣…ずっと1人だったのに…グス
今日1日だけで千歌さんにツバメちゃんに…
カスミンまで「Sirius」に入ってくれたんだよ!?」
この日三度目の嬉し涙を流す瑠衣。
霞 「…千歌さんは顧問でしょ?」
瑠衣 「顧問の先生でも『Sirius』の一員なの!」
霞 「…まぁどっちでもいいけど。」
瑠衣 「今はまだ千歌先生を入れても4人だけど…最初はこのメンバーから頑張ろうね!カスミン! グス ン 」
嬉し泣きしながら言う瑠衣。
霞 「まだ…って…まだ勧誘すんの?」
瑠衣 「うん!…だって…お姉ちゃんも言ってたもん!メンバーの数はやっぱり9人がいい!…って!」
笑顔になって言う瑠衣。
霞 「お姉ちゃん…いるの?」
瑠衣 「うん!」
霞 「好きなんだ…あんた…瑠衣…のお姉ちゃんもスクールアイドルが…」
瑠衣 「…うん!大好きだよ! ニコ
……って…カ、カスミン!?今瑠衣のこと『瑠衣』って呼んだ!? アセ 」
霞 「あんたは『瑠衣』でしょうが!…ひ、人のことは勝手にあだ名付けて呼んでんだから……別に…いい…でしょ?」
瑠衣の事は見ずに茹でダコのように真っ赤っかになって言う霞。
瑠衣 「か、可愛い〜〜!!!
…やっぱ瑠衣カスミンにメロメロだよ〜♡♡」
霞 「な、何でそうなるのよ!? ユデダコガオ」
瑠衣 「照れてる照れてる!!可愛い〜♡
カスミン肌白いから赤くなるとわかりやすいんだよ?」
ニヤニヤしながら言う瑠衣。
霞 「う、うるさい! アセ やめるよ!スクールアイドルやるの!」
瑠衣 「え……ヤダ…グス 」
急に笑顔から泣き顔になる瑠衣。
霞 「あ、あんたこそすぐ泣きすぎなのよ!」
瑠衣 「だって……瑠衣もう…メンバーに辞められるの…嫌なんだもん…グスン 」
霞 「あんたが私のことからかうからでしょ!」
瑠衣 「ま…また『あんた』に戻ってる… ガ-ン 」
霞 「る、瑠衣…がからかうからでしょ! カオマッカ」
瑠衣 「可愛いい〜〜♡」
霞 「……辞める。」
瑠衣 「う、嘘嘘!可愛くない可愛くない!カスミンは全っ…然可愛くないよ! ウィンク 」
霞 「……辞める。」
瑠衣 「え〜!?嘘嘘!可愛いよ〜!超可愛いよ〜!! アセアセ 」
霞 「……辞めるの止める。」
瑠衣 「え……やめない…ってこと?」
霞 「さあ?」
瑠衣 「ちょっ アセ カ、カスミ〜ン!
どっち!? アセ 」
アワアワしながら言う瑠衣。
霞 「…ププッ」
瑠衣 「え?…あ!さ、さては…瑠衣で遊んでるな〜!? アセ 」
霞 「遊んで…ププ…ないよ…」
瑠衣 「カスミン笑ってるし!
…もう!」
ムスッとなる瑠衣。
霞 「フフフ……
……………………
……………………
よろしくね…瑠衣!」
『スッ』
手を差し出す霞。
瑠衣 「カスミン…!
…うん!」
『ギュッ』
今日一番の笑顔で霞の手を握る瑠衣。
瑠衣は音ノ木坂学院に入学して以来この日ほど沢山泣き沢山笑顔になった日はなかった。
夜空で瞬くシリウスはいつまでも嬉しそうに霞の手を握る瑠衣を微笑んで見つめているようであった。
「(…良かったね!瑠衣!)」
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キャラクター紹介
スクールアイドル「Sirius」No6
轟 弥生
スクールアイドル「Sirius」No7
島村 皐月
長月瑠衣に口説かれSiriusに加入したカスミンこと霜月霞。
意外な才能が開花し霞が作った歌が後に加入するあるメンバーを救う事になるのですが…
こうして3人プラス顧問となったSirius。次に向かう先には果たして何が待っているのか!?
次回、「保健室登校、神無月ルミ」