泉殲滅追いかけっこから二週間後
「今日結姫女学園に行く」
「え!?今日行くの?」
「急っすね」
「ああ、だから今日の生徒会の仕事は無しだ。帰れ」
「「へーい」」
馬鹿二人が生徒会室から出て行ったのを確認して俺はある所に電話を掛ける。
「俺だ。校門前に車を容易しろ、三分でだ」
三分後~
『お久しぶりっす!月光さん!!』
数人のむさ苦しい男共がいた。コイツらは俗に言うヤクザだ。たまたま俺が商店街を歩いていたら頭に「うりゅ~~」とか叫ぶ変な生き物?(おそろくぬいぐるみだろうが)を頭に乗せた女に絡んでいた。なんでも肩にぶつかって骨が折れたから慰謝料を寄越せと。俺の街で女に絡むとはいい度胸だとコイツらの組みを全滅させてやった。以来俺の下僕だ。
「結姫女学園に行け」
『へい!』
リムジンに乗り込み新市街に向かう。結姫女学園はお嬢様学園だ。新市街はほとんど資産家やどこかの地主などの女が通う学校だ。なので営業困難なんてものはないだろう。では何故統合する必要がある?あそこの学園長「瀬名蘭華」圧倒的なカリスマ性を誇り結姫女学園のOGだったか?
「ちっ、青春のための統合だとかぬかしたら凶剣で刺してやる」
「なんか言いましたか?月光さん」
「なんでもない」
下僕その一に適当に返事を返し俺を腰につってある凶剣を見る。
悪魔を殺すための剣
神を殺すための剣
あの神も物騒な剣を俺に寄越したものだ。しかもこの剣は常に俺と共にある。中学校の頃俺が凶剣を腰につけずに学校へ向かおうとしたら俺の部屋の窓を破壊して俺の元へやってきた。どこの呪いのアイテムだ。しかも俺以外には抜けないときたものだ。
「月光さん、着きました」
「ああ」
考え込み過ぎて周りの注意が散漫になっていたようだ。
「帰りはこちらでなんとかする。お前らは帰れ」
『へい!!』
下僕ども返して結姫の校門を正面から見る。なるほど、悪くはないな。割と綺麗だ。周りの木々も誰かが上手くしているのだろう。木々すらも学園の底上げに貢献している。
「え?誰あの人カッコイイ」
「本当だ、ちょっと話しかけてみなさいよ」
「え~私には無理だよ~」
「あの冷たい瞳がクーーーーーーーーーーーール!!」
一人おかしな奴がいたがそれ以外は
「まったく馬鹿しかいないのかこの街には」
そんな呟きが思わず漏れてしまう。気を取り直して俺は校内に入るために事務室を探す。すると箒で落ち葉を掃除しているメイドがいた。しかもソイツは俺と同じ年齢に見える。なんだ?この学園はメイドを飼っているのか?緑の髪をした明らか外国人のソイツは俺を見つけるとこちらにきた。
「あの~ここは結姫女子学園なのですがどなたでしょうか?」
「各務台生徒会長紅月光だ。学園長に用がある。事務室はどこだ」
「へ?蘭華さんにですか?なら私が案内します!あ!申し遅れました私アンジェリーナ・菜夏・シーウェルと申します。アンジェとお呼びください!」
そう言うとメイドは俺を先導していった。ふむ、割としっかりしてるじゃないか。本物のメイドか?
「おい、アンジェといったな?お前この学園の生徒か?」
「へ?はいそうでございますが」
「何故メイド服を着ている」
「それは私が野良メイドだからです!」
‥‥‥‥‥‥‥野良?
「私はご主人様を見つけるためにこの学園に来たのです!」
「そうか、もういい」
主人を見つけるために学園に通うとは……。普通逆だろう。学園生活をしながら将来の主人を探すのが妥当だ。おそらくコイツはこの世界では美雷的な立場だ。天才である俺の勘が告げている。
「ここが学園長室でございます!」
「そうか」
「いえいえ!蘭華さ~ん、お客様でございますよー」
『はーい。通しちゃって~』
中からのんびりした声が聞こえた。
そしてドアを開けると一人の女が立っていた。娘が一人この学園に通っているはずだがそれを思わせない美貌だ。黒いスーツを身にまといカリスマ性がにじみ出ている。なるほどやり手だ。
「そっちのカッコイイ彼が噂の紅月光君ね。はじめまして学園長の瀬名蘭華よ」
「各務台生徒会長紅月光だ」
「ま、立ち話しもなんだし座って。アンジェ~お茶をお願い」
「は~い」
「それにしても生徒会長が来るとはね。普通に校長同士が話をする予定だったのに」
「あの禿げに任せるとあっという間に統合に持っていかれる。雑魚は大人しく引っ込んでおけと言っておいた。」
「ざ、雑魚……噂は本当みたいね。圧倒的なカリスマを持ち実際の学校の実権を握る漫画みたいな俺様会長がいるってもっぱらの噂よ。この間も警察署に喧嘩売ったらしいじゃない」
「それについてはどうでもいい。それより統合の話だ。基本的にこっちは統合に応じるつもりはない」
「……理由を聞いても?」
「まず旧市街と新市街との間がありすぎる。わざわざ早起きさせていくような学校ではない。それにウチでは勉強はもとより部活動も盛んだ。こっちに来て環境を変えさせるのはあまり良いことではない」
「そうね。確かに各務台はこの半年で運動部がかなり目立っているわ」
そう各務台は俺が生徒会長になってからかなり運動部が頑張っている。まぁ、俺が無能の顧問を潰して効率的な練習をかしているのだが
「でも、立つ場所が違うだけで見える景色があると思うの」
「……なんだと」
「『異性を意識してお互い磨かれて成長する』ウチは女子高だからできないけど統合すればあの子達はもっといい女になれる」
「お前のところの生徒などどうでもいい。 俺の優先順位は各務台の生徒だ。そこを履き違えるな、実際
「………」
「俺は仲間をお前の生徒の餌にさせるつもりはない。言うことがもうなければこの話はこれで終わりだ」
「待って!恥を忍んでお願いするわ。確かに結姫は各務台より劣っているかもしれない。だからお願いします。どうかこの件のお考えお願いします。」
そう言って瀬名蘭華立ち上がり頭を下げる。ふむ、実際こんな学校どうでもいいのだが………ん?そういえば
「いいだろう。考えてやる」
「本当!?でも急になんで?」
「
「ひ、一人のために統合を決めるの?」
「当たり前だ。仲間を第一に考えるそれが生徒会長だ」
「そう」
そう言って瀬名蘭華は笑った。
「うぐっ……ひっぐ」
?
横を見るとメイドが泣いていた。
「……何泣いている」
「あ、アンジェ?」
「このアンジェ月光様のお考えに感服いたしました。そしてこのアンジェ思いました!」
何故だか嫌な予感がする。
「月光様!『旦那様』とお呼びしてもよろしいでしょうか!?」
「ダメに決まっているだろうこの駄メイドが!!」
とりあえず抱きついてきたメイドを剥がす作業に没頭する。