新吾side
今日は結姫との統合テスト初日だ。もしかしたらこの間桜乃を助けてもらった瀬名さんに会えるかもしれない。
「それじゃ、行こうか桜乃」
「うん」
桜乃と二人で肩を揃えて歩く。これは物心ついたときから何かあれば二人で一緒にいる。別に一緒に歩いたり買い物したりするのは全然嫌いじゃない。むしろそれは俺の呼吸のように当たり前のようになっていた。
「よっ!お揃いだなお二人さん!」
「おはよう、隼太」
「おはようございます。むっくん先輩」
「………桜乃っちゃん、それ誰から習ったの?」
「泉先輩」
っ!?紅会長だけじゃなくて隼太まで呼び方が変わってる!?
「泉っちゃん~~」
隼大は恨むぞというばかりに碧水さんの名前を呟く。っていうか、隼太も割と人の名前を勝手に変えて呼ぶよね。それから一段落しワイワイ賑やかに喋っていると前方に漆黒の髪に腰に剣を吊り下げている各務台の制服を着ている男子がいた。こんな人はこの街に………いや、世界に一人しかいないだろう。
「紅会長だよね」
「だな。おーーい!会長ー!」
隼太がそう叫ぶと紅会長は面倒くさそうに振り向いた。
「うるさいぞ。俺は朝から大声を聞くとソイツを蹴り飛ばしたくなる病気を患っているんだ」
「そんな病気聞いたこと無いっすよ!それに前にいたから声をかけただけっすよ」
「そうか」
こう会話を聞いていると紅会長は割とジョークを言える人らしい。
「まぁ、おはようございます」
「ああ」
あっ、俺も挨拶したほうがいいのかな?
「えっと、おはようございます。紅会長」
「ああ、瓜生新吾か。最初の内は統合に慣れるのに苦労するかもしれんから体には気をつけろ」
「あっ、ありがとうございます」
「会長っていつも毒舌なのに健康面とかって大事にする人っすよね」
「黙れ雑魚が」
「俺には毒舌!?」
「あ、ほら。桜乃も挨拶して」
「うん。おはようございます。月光ポン会長」
「………(ビキッ)」
「さ、桜乃!?俺との約束は!?」
く、紅会長の額に血管が浮き出てる!?隼太も冷や汗を流して俺にアイコンタクトを送っている。
訳すと
『俺はいいけど会長はダメだぞ!?何教えてんだ!?』
『俺じゃないよ!碧水さんに洗脳されちゃったんだよ!』
俺と隼太は二人して頭を抱える。
「瓜生桜乃。俺のことは紅、もしくは月光と呼べ。この際会長と付けろとは言わん。ただポンはよせ」
「わかりました。紅ちゃん」
「このボンクラが!!」
向こうは向こうで漫才をしているみたいだ。
「お、おっはよ~、月光ポンにむっくん。お!それに私の可愛い後輩のさくのんもいるじゃないか」
「げっ!泉っちゃん!?なんてタイミングに!?」
「あ、おはようございます。泉先輩」
「うんうん、おはよう~って、月光ポンはなんでそんな人殺しのような顔で私を見るの?」
「今から貴様を殺すからだ!」
「キャー(≧∇≦*)」
楽しそうな悲鳴をあげながら碧水さんは逃げていった。その後を紅会長が剣を抜きながら追いかけていった。
「「………」」
桜乃はいつも通りぼんやりしてて俺と隼太は呆然とするしかなかった。